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1月, 2022の投稿を表示しています

生徒と教師でつくる美術室 vol.1 〜幾何学形色画用紙で構成遊び〜

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  今回は生徒と教師でつくる美術室についてお話しします。  新学習指導要領の下、主体的な学習態度の育成がますます強調されるようになっており、この流れがこれまでの教育観を根本的に変えていく時代になりつつあります。 授業の主人公は先生ではなく生徒であり、生徒が自ら考え、「学びたいから学ぶ」という学習態度を育めるように、教師は教育をマネージメントすることが求められる ようになりました。  これまでの「知識を教える教師と学ぶ生徒」という一方通行的な授業ではなく、生徒は自ら学び、学んだことを実践して、その中でさらに学びを深めていく時間が主な学習時間になります。そして、そのような授業では 「教師が生徒から学ぶ」という機会さえ珍しいことではなくなります 。  生徒の主体性を刺激するために、私はこれまで美術室の環境改善を行ってきました。教室には生徒の作品のレプリカを展示し、自由に使える道具類を教室の中央に設け、最近はICTの面でも環境整備を行ってきました。その中で、予てより私がモットーにしている「遊び」による学習や仕事の促進に関することを、もっと美術室という空間でできないか考えるようになりました。そして、私は「美術室を更に遊べる空間にする」という今年の目標を考えました。この目標はいくつかある目標の中の一つで、比較的なんとかなりそうな部類なので、今年の最後には実現したことをたくさん報告できるように  美術という教科を授業の時間中に楽しめるように教材準備したり指導方法を工夫するのはもちろんのことですが、 究極の理想は授業をしなくても自動的に学習活動をできるようにすること にあります。これを達成するまでの道のりは決して簡単なものではありませんが、少しずつ実現していくことは可能であると信じて、色んなことを試していきたいと考えています。その先に、 美術室が教師だけによって改善されていくのではなく、生徒との協力の中でより良い場所に変化していくのではないでしょうか。そのような取り組みは次第に学校のあらゆる空間に波及して、学校を美術の力で良い方向に前進させていくことにも繋がる のではないかと考えています。学校を美術教育でハックするぐらいの心意気がを持ちたいと思います(笑) 使われなくなったホワイトボードを有効利用  今回は、生徒と教師でつくる美術室をテーマに、「幾何学形の色画用紙で構成する遊び」に

Google Formsを使った都道府県名と県庁所在地名の定着を図る

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  今回はGoogle Formsを使って都道府県名と県庁所在地の定着を図る練習問題について紹介します。私の専門は美術ですが、学校のICT教育担当をしているということで、ICT端末を用いた学習を推進していくために手広く仕事をしている2021年度です。この度、小学校と中学校で連携して都道府県名を覚えるテストをするということで、朝学習の時間に効率良く学習するためにFormsで練習問題を作成しました。  この文章の最後にはこの練習問題の作成のコツについて書いているので、早速取り組んでみたいという場合は最後の部分だけ読んでもらうのも良いと思います。 一問一答でもイメージに残りやすい図と写真の利用  都道府県名の習熟度は個人差が大きいです。 このテストでは都道府県名だけしか問われないので、一部の生徒からすると、このテストのために朝学習で都道府県名を覚えるというのは簡単過ぎてある意味苦行 です。朝学習で練習用のプリント問題が出されますが、できる生徒は一瞬で終わって暇を持て余すことになります。早く終わったら地図帳でも眺めておけば良いと思いますが、自主的に勉強をするのは一部の地理に興味がある生徒ぐらいで、そういう生徒はそれほど多くはありません。 自主的に取り組むためにはある種のゲーム性や遊び感覚が必要 だと私は考えています。そこで考えたのがこのFormsを使った練習問題です。  以前にも紹介したことがありますが、Google Formsのテスト機能を使いて練習問題を作成( https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/11/google-forms.html )すると、自動採点で解説やリンク、動画も付いた充実した練習問題が作成できます。基本的には一問一答形式になりますが、 Formsは図を問題に挿入することができるため、視覚的なサポートに優れ、一問一答でもイメージで理解しやすく、知識の定着には非常に効果的 です。この点が紙の問題集と決定的に異なる点で、紙の問題集では図や写真を限られたスペースに収める必要があり、問題文と図や写真が離れたところにあることも珍しくなく、これが勉強をする上で煩わしさになることもあったのではないかと思います。  図を見て都道府県と県庁所在地を確認しながら問題を解いていくと、イメー

廃棄する前に最適化につなげてみる part.2

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 今回は以前に書いた「 廃棄する前に最適化につなげてみる 」のpart.2です。凄く前に書いた記事の続編になります。以前の記事では、転勤してきた学校の美術室が最強の汚部屋で廃棄物だらけでたくさんのものを捨てましたが、捨てるだけでは勿体無いということで、活用できるものは工夫して活用するという内容でした。その際に、棚の窓が活用できていない状態のまま、1年以上寝かせ続けていましたが、ようやくリメイクにつなげることができましたので紹介します。  今回この窓を展示用ケースとしてリメイクしました。実は以前の学校でも校舎建て替えの際に廃棄物として同じような棚があり、それを展示ケースにリメイクしたことがあるので、その経験を生かした形です。    合板と90cm × 20cm × 1.5cmぐらいの木材、ネジ、窓とケースを固定するための金属、窓のレールを埋める軽量粘土を使いました。  鉄の素材感が木材とのマッチングの面で少し気になりますが、この流用感がむしろこの展示ケースの持ち味であると自分自身に言い聞かせたいと思います。 展示ケースにリメイクしたきっかけ  このケースを作ろうと考えたきっかけは、以前同じようなものを作ったことがある(上の写真)という経験もありますが、今年これから行われる倉敷市の児童生徒の作品が集う倉敷っ子美術展に立体作品を出品する予定ができたためです。立体作品は鑑賞者に触られないように展示方法を工夫する必要があるため、展示ケースが必要になりました。  必要性を感じるまで手をつけていなかった窓の廃棄物ですが、展覧会のおかげで重たい腰を上げることができました。いざ行動を始めると、あっという間にできましたし、作る楽しさや完成させる達成感もあり、改めて 働くことによって得られる創造の機会 というものを考えさせられました。  勉強にも仕事にも主体性が問われる時代ですが、全て自分きっかけで始めるのは限界があります。周りからの刺激を得て動くきっかけになるものもたくさんあります。その時に、「自分にはこれができる」という知識や技能、さらには発想力があると、挑戦的な課題もゲーム感覚でクリアすることができるのではないかと思います。 今問われている主体性というものは「全て自分の好きなようにやる」というものではなく、自分が置かれている状況で必要な課題をポジティブに解決して楽しむことに変えてし

学習を共有しアクティブラーニングを実現するGoogleスライドの活用

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  今回はGoogleスライドの活用について私が実践してきて有効だったものを紹介します。私が担当する美術科だけでなく、他の教科でも 学習を共有すること には大きな価値があると思いますので、今回の記事が読まれた方にとって何かしらの価値を提供できるものになればと思います。  GoogleスライドはMicrosoftのPowerPointやappleのkeynoteと比べるとできることが限られますが、普通にプレゼンテーションのスライドを作成するぐらいなら何の問題もなく使えます。そしてなんと言っても、 Googleスライドの魅力はChromeによって他者とファイルがクラウドで共有され、協働作業ができること にあります。誰がどこを触っているのかさえ確認できるため、チームでスライドを編集しているときは、お互いの動きや作業を確認しながら自分の作業を進めることができます。まるで、ゲームの世界で協働作業しているような感覚さえあります。この感覚が楽しいのか、最初は多くの生徒がスライドの中で遊びまわり、作業どころではありません。しかし、そういう 成長過程を通過し、在るべき形でスライドを活用できるようになると、驚きの生産性で作業ができるようになります 。これに関してはドキュメントやスプレッドシートなどGoogleのツールには共通して言えることですね。  今回紹介するGoogleスライドの活用方法は、「学習を共有するスライド」です。私が担当する美術科では教科の特性上、個人で作業する時間が非常に多いです。しかし、そんな制作時間が中心の美術の授業でアクティブラーニングができると、学びの質は劇的に向上すると感じています。そして 学習を共有するスライドは、自ら判断して実践し、そこから学びを広げていくアクティブラーニングを促進してくれるもの になります。  アクティブラーニングができるように、授業中に自由に動き回って他者の作品を鑑賞し、また自分の制作に戻るという方法はこれまでにも一般的に行われているものでしたし、私もこの方法を今も実践しています。ただ、この問題点は大抵の生徒は友達の作品を見に行くだけにとどまり、他に沢山存在する魅力的な表現に触れる機会をあまり持つことができていないケースが見られることです。これではせっかくの学びの機会もただ仲間と群れる時間になってしまい、多様性を吸収し合うようなアクティ