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原始人になったつもりで粘土造形

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   今回は粘土を利用した美術の教材を紹介します。 この授業では、原始的な造形体験を通して、既成概念から自由になり、美術の本質を感じ取ることを目指しました。 授業では5〜10分程度で制作できるものなので、スモールステップの教材としても取り組みやすいと思います。短時間で作品ができますが、造形の本質に触れやすい教材なので、おすすめです。 まずは美術史の流れを把握した上で造形の原点へ  粘土造形自体は10分以内にできるものですが、私はこの粘土造形の前に、簡単に美術史の学習に取り組ませます。内容は教科書に載っている美術史を簡略化したもので、原始時代から古代、中世、近世、近代、現代の日本と海外の代表的な美術作品のカードを用意します。それを時代ごとに並べ替えるエクササイズをした上で、答え合わせをしながら美術史の流れについて解説をします。並べ替えはグループワークで5分程度で行い、解説も10分程度で済ませます。美術史について詳しく学ぶのであれば、時間はいくらあっても足りませんが、流れを掴むだけであれば、割と短時間でいけます。内心はたっぷりと時間をかけたいところですが、時間対効果を考えると、知識は広く浅く(美術や社会で既習のものは確認を入れますが、それ以外は作者名や作品名にはほとんど触れません)、美術作品の意味や背景についてはなるべく深くという感じで取り組みます。  その上で、日本を代表するアーティストである岡本太郎について簡単に紹介し、彼が大きな影響を受けたものとして火焔型土器(縄文土器)を紹介します。 この流れは 一番最初のエクササイズで火焔型土器に触れ、そこから時代が進んで美術が変化していくことを学んだ上で、原始時代の造形の魅力について改めて考えることができる仕掛けにしています 。  美術がどういう存在であるかを考える上で美術史について把握することは大切です。そして創造の 原点である原始時代の造形について考えることは、美術の本質について迫ることを促します。 原始人になったつもりで粘土造形  粘土で造形を始めるにあたって、生徒には「原始人になろう」と言って粘土を渡します。現代社会には様々なものが溢れ、私たちは既成の価値や権威的なものに縛られた考え方をしがちです。そんな縛られた世界観で制作に取り組むと造形は必然的に制限されたものになってしまいます。そうならずに自由...

図工部会の夏期研修会

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 週明けからは2学期開始ですね。夏休み最終盤となった今週も月曜日を除いて毎日出張(部活動も有)という休めない日々でした。ただ、今週の出張5つ(火曜日は1日に2つでした)の内、研修会が3つで、そのうち2つは私が講師を務める機会があり、とても充実した1週間だったと思います。  私が講師を務めた研修会は久米郡図工部会の夏期研修会とCEC岡山の Canva の研修会でした。Canva の研修会は私以外に多数の講師が発表しましたが、図工部会の研修会は私が全て担当させていただきました。  今回は図工部会での夏期研修会の内容と、成果についてまとめました。研修を通して、図工と美術の役割の違いについて改めて考えを深めることができ、私自身も大変良い学びの機会となりました。 研修内容  「作品のための造形活動ではなく、学びと遊びのための造形活動」  2時間の研修会の最初の1時間は、主に数分間でできるエクササイズを通して、「できない」から「できる」と思えるようになる体験をしていただきました。  最初のエクササイズは割り箸や積木、紙コップ、トイレットペーパーの芯などを活用する構成遊びで、3分間で参加者の先生には自由に形を構成していただきました。短時間ではありましたが、工夫がどんどん生まれ、参加された先生方はそれぞれ全く異なる魅力的な構成をつくられていました。  この最初のエクササイズでは、材料面での環境さえ充実していれば、創造性を発揮することは難しいことではないということ、造形遊びしているうちに工夫が生まれ、結果的に作品として進化するということについて考えていただきました。  続いてのエクササイズは逆さデッサンで、グリッド線入りの犬の絵を逆さにしたまま描くというものです。これは4分間で描いていただきました。このエクササイズはこれまでにもブログで紹介したことがあるもので、上下逆さにすることで対象に対する先入観が弱くなり、結果的に対象をよく見て描くことができるようになり、グリッド線があることで位置関係をグラフのようにデータ化して捉えることができるため、短時間でもポイントを掴んで正確に描けます。これを通して、捉え方と表し方を知れば短時間でも知識や技能の向上を図ることができ、それはあらゆる学びのポイントになることをお話ししました。  ただ、写実的に描く力だけが絵画ではありませんし、大切にしたいのは何...

色彩の学習を促す教材① 〜パレット絵画〜

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 今回は色彩の学習を促す教材の紹介をします。色彩の学習に関しては「色の三要素」「対比」「トーン」など座学的なものも多少は行いますが、私は実際に絵具を使って実験的に色への理解を深める方法をこれまで実践してきました。知識は大切ですが、絵の具で遊びながら色をコントロールする楽しさを知ることが何よりも大切だと考えています。  今年度授業で扱う色彩の教材は過去の反省を元に作成し、より体系的に色彩への理解を深められるものにしました。美術教育に携わる人だけでなく、絵画を描く際にパレットがイマイチ良い感じに使えておらず、色塗りが苦手だったという人にとっても、色彩を扱う上での参考になれば嬉しいです。 パレットを生かした絵画ですぐに混色の実験  これまでは色彩の学習の導入として三原色をスケッチブックに出し、自由に絵具を混ぜて色を作るという方法を取ってきました。これはこれで生徒は楽しそうに色を混ぜて色を濁らせたり、虹色にグラデーションさせて楽しんできたわけですが、その後パレットを活用する際にイマイチ色彩の学習として取り組んだことが生かされていませんでした。このような状況を踏まえて、教材を考える必要があると感じてきました。   以前の色彩の学習  以前のものは最初に三原色を出して「自由に混色」→「色彩の学習で色の知識を身につける」→「三原色+白+黒で自由に混色しながら抽象画」という流れで、スケッチブック上に無限の色を作ることを目指して取り組んでいました。  混色の仕方は自由で、生徒は思い思いにスケッチブックを色で塗りつぶしている印象でした。 今年のもの  今回はケント紙にパレットの図を印刷したものを用意し、最初に三原色をパレット画用紙に出して「なるべくたくさんの色を作る」→「色彩の学習」→「再度三原色で混色+全色利用(何色出すかは自由)」→「色を作りながら抽象画、具象画」という流れで取り組みました。  スケッチブックに自由に混色を作る場合と、パレットの印刷を施したものを使って混色を作る場合では、生徒の取り組み方に大きな変化が見られました。  以前は造形遊びの要素が非常に強く、混色を狙って作るというよりは遊んでいるうちに偶然混色がたくさん生まれるというタイプのものが多かったのですが、今回はかなり色の扱い方を研究している様子が伺えます。  2つの教材は方向性が異なるため単純比較で良し悪しを決め...

ハロウィンでパンのマグネット

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 先日の10月31日はハロウィンということで、毎年恒例の実家のパン屋である達脇ベーカリーの商品を模したマグネットを制作して、「Trick or treat」と言ってきた生徒に配りました。  今年は9つ作成して朝の会が終わって1時間目の授業が始まる前に次々に「Trick or treat」と言って来られて一瞬で9つ全てなくなってしまいました。達脇ベーカリーの宣伝のためにももっと作っておくべきだったと少々後悔していますが、全く認知されていなくて大量に余った年もあったので、パンマグネットがもらえなくて残念がっていた生徒には「また来年!」と言って今後の布石にできたのは良かったと思っています。  このパンマグネットは磁石と(軽量)樹脂粘土とアクリル絵具があれば簡単にできます。樹脂粘土を使った工芸品についてはたくさんの情報がWEB上にあるので、作ることに興味があれば是非挑戦してみてほしいと思います。  昨年もハロウィンでパンマグネットを配る記事を書きましたが、今年は違った視点で文章を書いているので、昨年のものと併せて読んでいただけると嬉しいです。 昨年の記事へのリンク 簡単に作れて楽しめるお菓子の模型  これはお菓子作りが好きな人に共感してもらえるのではないかと思いますが、味の良し悪しは置いておくとして、パンを含めてお菓子は造形的な難しさがそれほど高くなく、しかも大量生産したらかなりそれらしく見えるという手軽さと作る楽しさがあると思います。それは粘土で模型を作る場合も同様で、ちょっと手を加えただけでそれらしい品になります。  樹脂粘土は絵具を混ぜると綺麗に色が染まるので、生地の色を忠実に再現することが可能ですし、軽量樹脂粘土は質感的にもパンや焼き菓子の雰囲気を出しやすく、かなりリアルな仕上がりになります。  手に取って構造を分析してみると、その簡単さに気がつけると思います。実際に手作りでお菓子を作る人であれば何の難しさもなく形を作ることができるでしょう。焼き色を調整してつけたり、カレーパンなどのようにゴツゴツした質感を再現したりするには、少々技術や知識が必要になりますが、それほど難しいものでもありません。   パンやお菓子といった身近なもので簡単に表現できるものを粘土で作成する経験は、粘土造形のスモールステップになります 。幼い子どもが粘土に興味をもち、造形することが好きになる...

美術の授業で使いたい言葉 〜上手という言葉を使わない〜 vol.5

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   月に1回のペースで紹介する美術の授業で使いたい言葉シリーズ、今回はVol.5ということで、中学1年生の一番最初の美術の授業で生徒に伝えたい言葉を3つ紹介します。これまで一貫して「上手」という言葉を使わずに、生徒の活動や学習を促進する言葉掛について紹介してきましたが、今回の内容もこのことにつながる内容です。過去の記事はこちらからアクセス可能ですので、もし興味があれば覗いてみて下さい。 vol.1 (導入) vol.2 (「#1 この部分、すごく面白い!」「#2 ピカソを超えた!」「#3 遊びまくってるなぁ」) vol.3 (「#4 ワオ!ワンダフル!!」「#5 次は大丈夫!」「#6 やられたわぁ!」) vol.4 (「#7 どこまで進化していくん!?」「#8 思わず二度見した!」「#9 この表現良い意味でメッチャ気になる!」)  今回紹介する言葉は次の通りです。 #10 壮大な美術の世界へようこそ! #11 美術の授業はみんなが主役 #12 失敗最高!!ぐらいの気持ちで  それぞれ詳しく説明しているので、よろしければどうしてこれらの言葉を使いたいのか知ってもらえると嬉しいです。 #10 壮大な美術の世界へようこそ!  まだ美術について何も学んでいない生徒でも、美術という教科が小学校の図画工作に当たるものであることはどういうわけか全員分かっています。この事実はよく考えてみると本当に不思議な現象ではないでしょうか。これはつまり、美術とは絵を描いたり工作したりするものであるということを「美術科」という授業が始まる以前にしっかり概念形成しているということを意味していると考えます。そんな常識的なことを今更言って何が言いたいのかというと、 美術という教科に対して生徒は既に固定観念を持っているということ です。なので、最初の授業でこの固定観念を壊すところから始める必要があると考えています。  「美術と言えば?」と質問すると、多くの生徒が「絵!」とシンプルに即答してくれます。しつこく聞くと「粘土」や「工作」という言葉も出てきますが、かなり強烈な固定観念が働いていることはすぐに感じ取ることができます。  しかし、「絵」と言ってもモネやピカソのような作品だけではなく、ステラのような絵画か彫刻家分からないようなものもありますし、ポロックのような特定の対象が存在しない...

美術の授業で使いたい言葉 〜上手という言葉を使わない〜 vol.4

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   月に1回のペースで紹介する美術の授業で使いたい言葉シリーズ、今回はVol.4ということで、今回も「上手」という言葉を使わずに子どもたちの活動や学習を促進する言葉掛けを紹介していきます。過去の記事はこちらからアクセス可能ですので、もし興味があれば覗いてみて下さい。 vol.1 (導入) vol.2 (「#1 この部分、すごく面白い!」「#2 ピカソを超えた!」「#3 遊びまくってるなぁ」) vol.3 (「#4 ワオ!ワンダフル!!」「#5 次は大丈夫!」「#6 やられたわぁ!」)  今回紹介する言葉は次の通りです。 #7 どこまで進化していくん!? #8 思わず二度見した! #9 この表現、良い意味でメッチャ気になる!  それぞれ詳しく説明しているので、よろしければどうしてこれらの言葉を使いたいのか知ってもらえると嬉しいです。 #7 どこまで進化していくん!?  生徒は試行錯誤しながら作品に変化を加えていきます。ただ、その変化が好ましいものであるかどうか、生徒の中には不安に感じながら制作をしているケースがあります。特に、元々美術に対して苦手意識をもっている生徒の場合、手を加えた分作品が悪化してしまい、下手な表現を重ねて恥ずかしい作品を制作しているとネガティブに考えてしまっていることもあります。しかし、手を加えた分、作品が悪化するなんてことは基本的にはないと考えるべきだと私は思います。 生徒がやりたいと思って加えた工夫、挑戦の結果生まれた変化は進化ととらえ、そういった状況を見取ることができれば「進化してますね!」と言葉掛けし、それが順調に続いている場合は「どこまで進化していくん!?」と、進化していくことへの期待を驚きと共に伝えたいところです 。  ただ、「進化している」と言うだけではあまりにも抽象的な賞賛ですし、それが本人にとって望ましい進化かどうか分からないので、「これからさらにどうしていきたい?」と聞くこともよくあります。その時に「この部分をさらに〜して〜を表したい」と、順調に進化させていく道筋が計画できている場合もあれば、「実は本当は〜したかった」という感じで、進化というよりはどちらかと言うと失敗だったということが分かる場合もあります。いずれにしても、生徒がその後どうしていくか考えたり、アドバイスしたりする機会にはなるので、この言葉掛けが...

美術の授業で使いたい言葉 〜上手という言葉を使わない〜 vol.3

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  月に1回のペースで紹介する美術の授業で使いたい言葉シリーズ、今回はVol3ということで、今回も「上手」という言葉を使わずに子どもたちの活動や学習を促進する言葉掛けを紹介していきます。過去の記事はこちらからアクセス可能ですので、もし興味があれば覗いてみて下さい。  vol.1 (導入) vol.2 (「#1 この部分、すごく面白い!」「#2 ピカソを超えた!」「#3 遊びまくってるなぁ」)  今回は短い言葉でありながら、率直で子どもたちに感覚的に分かってもらえる言葉を主に選んでみました。今回は以下の3つの言葉について説明していきます。 #4 ワオ!ワンダフル!! #5 次は大丈夫! #6 やられたわぁ!  それぞれ詳しく説明しているので、よろしければどうしてこれらの言葉を使いたいのか知ってもらえると嬉しいです。 #4 ワオ!ワンダフル!!  机間巡視をしていると、子どもたちが試行錯誤を絶えず繰り返して工夫を重ねているのがよく分かります。制作状況をゆっくり観察しながら机間巡視していると、教室を1周する間に必ず目に止まる工夫が発見できます。その時に心の中で感動の声を出したとしても、私の表情を観察している子どもか、エスパーの才能がある子どもを除いて、子どもたちに感動は伝わりません。 折角の感動を誰とも共有せずにスルーするのは実に勿体無いことです。まずはシンプルに感動を制作者に伝えて、自分の表現で他者を魅了していることを自覚できるようにしたいところです。  教師が感動を伝えることは大切ですが、それ以上に大切なのが、 具体的にどの部分に感動しているのかを明確に伝えること だと考えています。私は普段作品鑑賞をするときに、子どもたちには「ぱっと見て印象的だった部分」→「どのような技法や工夫がされているか分析」→「それによってどのような効果や印象が生まれていると感じるか」をポイントに作品鑑賞に取り組んでもらっています。これがないと、漠然と「すごい」「綺麗」そして「上手」といった中身の乏しい言葉や説明になってしまいかねません。  学習を深くするために「言語活動の充実」が叫ばれ続けているように、 ただ感動して終わるのではなく、それがどのような要素によって成立しているのか認知できるようにする言語活動が必要です 。教師としてこの視点を忘れず、普段から子どもたちの制作の良...

美術の授業で使いたい言葉 〜上手という言葉を使わない〜 vol.2

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  美術の授業で使いたい言葉について書いていくことを前回の記事で述べたように、これから月に1回以上のペースでこの内容について記事を書こうと思います。導入の前回の記事の内容はこちらから読むことができます。 美術の授業で使いたい言葉 vol.1  サブタイトルに「上手という言葉を使わない」とあるように、美術の授業で「上手」という言葉はなるべく避けたいと私は考えています。詳しくは vol.1 の内容を読んでいただきたいのですが、これは決して生徒を称賛しないというわけではありません。むしろこのシリーズでは称賛する言葉をたくさん扱っていきます。  「上手」という言葉は英語ではwellやgoodを使いますが、これには比較級、最上級が伴う「優劣」を概念として含んでいる言葉です。つまり、この言葉が表現の価値基準として重きを置かれてしまうと、表現活動はひたすら他者との比較、競争、「このクラス、この学年で一番上手なのは誰だ?」となってしまい、技術中心の創意を欠くものになってしまいかねません。創造的な作品はそれまでになかった考えや表現を含んでいるため、既存の価値基準である「上手」の尺度で測ることが難しくなるためです。それゆえに、5段階や10段階で評価しなければいけない美術の授業では時に教師が判断しやすい「上手さ」を中心とした制作が行われてしまうこともあります。そして、美術を専門としない一般的な大人の多くも「上手」という分かりやすい価値基準で作品を評価しているため、これまで十分に美術教育の意義が発揮されてこなかったという状況があると考えられます。  こういう状況を変えたいと思い、草の根活動で上手という言葉を使わずに、美術の創造活動をファシリテートしていく言葉について、ブログを通して発信したり、研究していきたいと考えています。  今回からは具体的に私が授業中に使ってきた言葉や、普段から使いたいと考えている言葉を紹介していきます。何か参考になるものがあれば幸いです。  今回紹介する言葉は以下の通りです。 #1 この部分、すごく面白い! #2 ピカソを超えた! #3 遊びまくってるなぁ  それぞれ詳しく説明しているので、よろしければどうしてこれらの言葉を使いたいのか知ってもらえると嬉しいです。 #1 この部分、すごく面白い!  この言葉は 生徒の工夫しているところをピンポイントで肯定する...

造形遊びの可能性 〜段ボールパネルを創造の場に〜

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  今回は大きな段ボールパネルを活用して造形遊びすることの可能性について考えてみました。これまでにも段ボールに協働で色を塗って造形遊びするということは美術の授業外でやったことがあるのですが、美術の授業の一環として取り組み、とても大切な発見をすることができたと感じています。  私が勤務する倉敷市では毎年2月に倉敷っ子美術展という美術科で取り組んだ作品の展覧会があり、展示用に段ボールパネル(90cm×180cm)が活用されます。展覧会で使った段ボールパネルは学校にそのまま提供されるので、これを活用して造形遊びと共同制作を掛け合わせたものに取り組んでみました。 きっかけは「大きな作品に取り組んでみたい」という生徒の振り返り  これをしようと考えたきっかけが、先日課題の個人制作が終了した生徒に授業の残り時間で共同制作に取り組んでもらっていたのですが、4人で協働で制作したのがとても楽しかったそうで、振り返りで「今度はもっと大きなものに取り組んでみたいです!」と書いていました。なので、展覧会で使った大きな段ボールパネルを作業机いっぱいに広げて自由に協働で取り組めるようにしてみました。 振り返りで得られる生徒からの要求は授業内容をアップグレードする上で貴重です 。  課題の制作が終わって、もう一作品制作するには時間が足りない、そういう授業の微妙な余り時間がある場合も多いのではないかと思います。私は、そういう時間はスケッチブックに自由に絵を描いたり、教室にある素材を自由に使って自由制作、造形遊びをしたりできるようにしてきました。しかし、基本的に個人制作が中心であり、共同で制作してもこじんまりとしたものが多い傾向が見られました。なので、私はもっと新たな体験、強烈な刺激のある活動を探してきました。今回大きなパネルを活用して協働で取り組んでもらったことで造形遊びの新たな可能性に気がつくことができたと感じています。  大きな段ボールパネルに自由に絵を描いて良いということを知った生徒は伸び伸びと筆を走らせたり、手に絵の具を塗って描いたり、絵の具をぶちまけたり、スパッタリングを使ったり、造形遊びをしながら画面を塗りつぶしていました。最初は躊躇いが見られますが、一度誰かが描いてしまえば堰を切ったように次々に手が加わっていました。  面白いもので、 造形行為は瞬く間に発展し...

ステンシル版画で年賀状作成 2022年に向けての準備

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  今年も残りあと1ヶ月半になりましたね。1年が経つのは早いもので、もう2021年が10ヶ月も過ぎたのかと思うと、今年もラストスパートをかましていきたいと感じる今日この頃です。今回は1年の締めくくりとして毎年制作しているステンシル版画での年賀状作成について紹介します。もし、今回の記事を見て、「ステンシル版画を自分もやってみよう」と思ってもらえる方がいれば嬉しいです。  11月下旬から12月下旬までの1ヶ月はこの時期は教員としても忙しい時期で、学期末考査や評定入力、通知表の作成など、かなりのハードワークをすることになります。そんな忙しい時期に担当している生徒に年賀状を書こうものなら火に油を注ぐような状況ですね。  私はこれまで担任になってから継続して自分の担当する生徒に年賀状を送ってきました。そして、美術教員ということで年賀状には版画で着彩をして、1枚1枚手作りのものを作成してきました。美術教員としてのプライドの高さはベジータ王子レベルです。  ただ、私が作成する版画はステンシル版画で、この版画については以前にも教材( https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/02/blog-post.html )で紹介したり、ステンシル版画に関する記事を最近たくさん書いたりしていますが、 とても簡単に遊び感覚でできる版画なので、30〜40枚の版画をする事になりますが、決して「苦労」というものではなく、「色の実験・研究」としての側面がとても強い ので、これまで継続してやってこられたのだと感じています。  ステンシル版画は切り絵の図版を作成し、それを利用して着彩するので、版画としての楽しみだけでなく、切り絵としての楽しみもあります。下書きをして、マーカーで線をはっきりさせてからカッターで切り抜くと、下がきの時は拙いような印象の絵であったとしても、切り抜いて現れる図版はとても力強い線と明快な形になり格好良く見えます。まさに切り絵のマジックです。切り絵を作成している最中は無心で切り抜く事になるので、この作業は瞑想のようなマインドフルネスの側面もありますし、単純作業なので何か動画の音声などを聴きながら作業するのも良いかもしれません。  切り絵が完了して葉書にセットしたら着彩です。スポンジやスパッタリン...

誰でも簡単に遊べる版画 〜切り絵の模様でステンシル版画〜

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  骨折生活にも慣れ、早く運動したくてウズウズしている今日この頃です。両松葉杖で高速移動を楽しんでいたら「今度は右足を怪我するで」と言われながらも、体を動かしたい衝動と高速移動による若干のスリルを楽しみたい気持ちで可能な限りスポーツの秋を楽しんでいます。しかし、本来ほどスポーツができない状況で、文化的な秋を過ごす時間の割合が高くなっているので、それが美術教師としての大切な経験値につながっていると感じています。改めて思うのは、美術に関してやりたいことがあまりにたくさんあったということです。骨折でしばらくスポーツがまともにできなくなったのは、これまでやりたくても後回しになっていた美術関係のことに取り組む良い機会になったと思います。  先日ステンシル版画制作する花の絵について紹介しましたが、今回はそれよりもさらに純粋に色と形で遊ぶステンシル版画を紹介します。やることはシンプルで、単純形で構成した絵を切り絵にし、それをそのままステンシル版画にして模様をつくるというものです。造形遊びとしての側面が非常に強いので、小学校の図画工作やステンシル版画の導入として使える教材だと考えています。 制作方法  この版画の制作方法でも紙を折り曲げてハサミやカッターで切り絵を作成しますが、今回は切り抜く前に少し計画的に切り抜く図を考えます。考えると言っても、 単純な形を組み合わせてシンプルな模様を描く程度 です。この手軽さがとても大切です。   少しでも計画的に模様を描くだけで、切り抜くと想像以上に美しい模様に発展 します。上の図のように、教会に見られるようなバラ窓風の模様が10分もかからないぐらいの短時間でできてしまいます。  紙を折って作る切り絵の魅力は短時間で一見手の込んでいて整った構成をもった模様を作れるところにあると思います。シンプルな形でも、ある程度整った構成やあまり見かけない模様を適当に作るだけで、折った紙を開いた時に模様が4倍になったり、折数が多ければ8倍、16倍になったりします。 この模様は切り抜いたものを全て複製した状態になるので、まるでデジタルの力を活用したかのような技術の高さを感じさせる 模様になります。  この模様をステンシル版画として利用すれば、美しい模様はそのままに、色で遊びながら魅力的な画面をつくることができます。  画用紙にマスキングテープで版をセット...

誰でも簡単に遊べる版画 〜ステンシル版画で世界に一つだけの花〜

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  今回は誰でも簡単にできるステンシル版画の教材を紹介します。タイトルからも分かるように、テーマは花です。  ステンシル版画は紙を切り抜き、空いた穴に絵具をスポンジなどで着彩する孔版と呼ばれるタイプの版画になります。この版画では色を混ぜながら版を写し出していけるので、色の工夫を楽しむことができるのが大きな特徴です。また、多版多色木版画のように重ねる版を増やすことで多様な色彩表現が可能になり、重ねる版の図柄を変えたり、版をセットする場所を変更したりして構図をアレンジしたりするのも簡単にできます。つまり、 ステンシル版画は色と構成で大変遊べる方法 だと言えます。  ステンシル版画の弱点と言えるのが形の表現力です。ステンシル版画は基本的には切り絵の要領なので、シンプルな図柄にせざるを得ません。同じ孔版の仲間である紅型の版やシルクスクリーンであれば、少々細かい図柄も可能ですが、やはり他のタイプの版画に比べるとカッターでの切り抜きによる図柄なので、基本的にはシンプルなものになります。しかし、だからこそ、形がそれほど高度に表現できない人でも取り組みやすいのがステンシル版画なのではないかと考えています。 形を(上手に)表現する上での苦手意識がそのまま美術や図工嫌いになっているケースも少なくないので、あえてその部分を弱めて、色と構成の工夫だけでも表現を楽しめるということを経験できるようにすること は大切な意味を持っていると思います。  今回紹介する「ステンシル版画で世界に一つだけの花」という教材では誰でも簡単にできる切り絵の図柄と着彩、構成の工夫で個性的な花を表現します。制作は基本的にノープランで造形遊び的に取り組めるので、美術や図工の授業で扱う場合は1〜2時間程度でできます。 制作方法  制作では、まず、コピー用紙などどんな紙でも良いので四つ折り程度にして好きな形にハサミやカッターで切ります。切った紙を広げるとシンメトリーの図柄ができます。この図柄は絵の得意不得意なく表現できるものですし、紙を開くまでどんな図柄になるか予想しにくいので、たくさん取り組ませて多様な図柄を作っても良いでしょう。 制作する本人がとりあえず満足するまで作らせて良いと思います 。好きなように取り組めるというのも遊びの要素として大切です。  こうしてできた図柄を台紙にセットして、何枚か重ねたり、同じも...