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3月, 2024の投稿を表示しています

令和5年度が終了 〜お餞別について考えること〜

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 昨日で令和5年度の学校が終了、転退職される先生方を見送りました。大変お世話になった先生もいたので、切なさと感謝で複雑な気持ちになりましたが、こういった心が動く機会というのは人間が前進していく上でとても大切なことであると改めて感じています。  別れの際に渡すお餞別。この習慣は最近衰退傾向にあるようですが、お餞別は出て行かれる方に感謝の気持ちを届ける大切な機会なので、私はこの習慣が残り続けてほしいと考えています。  と言うわけで、今回はお餞別について私が大切にしていることを述べさせていただきます。結論から言うと、 私は可能であれば、「すぐに使える(消費できる)もの」をお餞別として用意し、品を見た時に受け取り手が楽しんでもらえるような工夫を施すのが好きです 。逆に言うと、なるべく金封だけでは渡したくないと考えています。実際には、特別な品と金封では金封の方が比率的に高いですが、特別にお世話になった方にはその人にすぐに喜んで使ってもらえるような品をなるべく用意し、特別な「加工」を施すようにしています。  今回はそんなお餞別の加工について私がこだわっていることと、お餞別の意味について私が考えていることを少しお話しさせていただきます。 似顔絵やその人に関係するものをデコレーションに活用  金封や花以外のお餞別の場合、箱型の立体になるのが普通だと思います。このような状態のものはラッピングやデコレーションで色んな工夫ができます。  私がよくやるのが似顔絵で、その人のイメージとお餞別の品に関連するような要素を掛け合わせた絵にします。例えば、ラーメンが好きな体育の先生であればラーメンマンをモチーフにしたり(お餞別はラーメンセット)、筋トレが好きな先生であればキン肉マンと掛け合わせたり(お餞別はプロテインバー)、普通の似顔絵ではない特別バージョンにします。モチーフは世代を考慮して選ぶようにしています。 この似顔絵はラミネートしてマグネットにしています  似顔絵を描くことに関しては、私が美術の教師なのでハードルが高いと思う人も多いかもしれませんが、絵の技術自体は少し勉強すればそれなりのものになるので、参考書や動画を活用してトレーニングすれば1年もあれば十分にそれらしい絵が描けるようになります。  外装の工夫も大切で、元々外装が整った品であれば問題ありませんが、私の場合、品をAmazonで購

制作と鑑賞が一体化した学習を当たり前にする

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 美術教育は主に制作と鑑賞によって成り立っていますが、他の美術の先生と話をしていてよく耳にするのが「授業時間数が少なく、制作時間が足りないため鑑賞の時間が取れない」という制作重視の指導状況です。これについては、そもそも制作と鑑賞のバランスを考えたカリキュラムを十分に練ることができておらず、計画的に授業が行えてないことが問題であると思います。ただ、制作が完了していない生徒が多くいる状態だと制作時間を追加して鑑賞の時間を削りたくなる気持ちも分からないわけではありません。特に制作した作品の鑑賞会の授業では、完成した作品を鑑賞して最大限に美的な魅力を味わってほしいと考える美術教師は多いと思うので、どうしても制作の時間が重視されてしまう傾向があるのではないでしょうか。  このような状況を考えると、鑑賞の時間を確保することは簡単なことではないと思われるかもしれませんが、 取り組み方の工夫次第で作品鑑賞会を教材毎に入れることができますし、教科書や資料集の内容に触れる鑑賞学習も確保することが可能です 。実際に私は毎授業鑑賞の時間を設けるようにしています。どうしてこのようなことができるのかと言うと、 制作の時間は鑑賞と一体化させており、それが可能になる教室や学習の環境を用意しているためです 。  今回は私が実践している制作と鑑賞が一体化した学習方法について紹介します。鑑賞の取り組み方について何か参考になることがあれば嬉しいです。 鑑賞は普段の制作時間の中で 机の環境と移動の自由  おそらく、多くの美術の先生が制作の授業中に生徒に他者の制作状況を参考にできるよう少し時間を取って動き回る鑑賞タイムを入れたことがあると思います。私も過去にはそういう時間を設けていましたが、 今では授業中は基本的に自由に動き回れるようにしていますし、制作場所も好きな場所でできるようにして、積極的に他者の表現と出会える鑑賞の機会を仕組んでいます 。逆に、自分の制作に集中したい場合は動き回る必要はありません。  ただ、授業開始10分間は自分の席で集中して取り組み、時間が経てば希望者は場所を自由に移動できるようにしています。まずは自分自身の制作に集中するモードのスイッチを入れるためにも、移動に制限をかけることはある程度必要であると考えています。  開始直後は自分の席で取り組むと言っても、机は4人が定員の作業机(普通

予想を遥かに上回る楽しいゴミ拾いボランティア

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 今回は先日部活動で行ったゴミ拾いボランティアで気がつけた大切なことについてお話しします。私としては非常に新鮮な感覚が得られる貴重な経験を部員と一緒にすることができたと感じています。  現在、私の勤務する学校では部活動でゴミ拾いボランティアを行っています。各部活動1回だけですが、3月中に中学校区内のゴミ拾いを30分~1時間程度行うというもので、地域貢献を通して中学校と地域がつながるきっかけをつくることを目指して行っています。  ゴミ拾いボランティアと聞くと、その活動自体に意義は感じるものの、生徒が主体性を発揮して取り組むというのは少し想像がしにくいのではないかと思います。これがもしも生徒会執行部のような組織が自分たちで企画して有志で行うのであれば生徒はある程度主体的に活動すると思いますが、部活動担当の教員からスタートした企画で、ボランティアをほぼ強制的にさせられるようなものであれば、多くの生徒にとってテンションの上がることではないと思います。  そのようなボランティア活動ではありますが、私が担当する男子ソフトテニス部も先日実施しました。結論から言うと、部員たちは主体性を発揮して大いに楽しむ姿を見せてくれました。この活動から楽しさを創造する状態の在り方について考えることが大いにできたと感じたので、今回記事にした次第です。 普通ではないゴミ拾い  今回、楽しさのスイッチが入ったと感じた瞬間がありました。それは用水路のゴミを拾うときに、道に寝そべって火箸を伸ばしてゴミをキャッチする部員が現れたときでした。その光景を見て他の部員は大いに笑いながら応援し、ゴミに手を伸ばす部員も「オラァ!」と言って気を吐きながら執念でゴミをキャッチしていました。このような状況でゴミを拾うのは危ないことであり、すぐに止めさせるように注意しなければいけないと思う人もいるかもしれませんが、それほど用水路の高さがあるわけでもなく、水深も10センチ程度、体勢的にも無理をしているわけではないので、これぐらいのトライはむしろ遊び感覚ぐらいでさせても良いと私は考えています。ただし、本当に危ない行動をした時にはいつでも止めるつもりで見守りました。   用水路にはたくさんのゴミがあり、他の部員も次から次に大物のゴミを拾い、全体のテンションは上がっていきました。「うわぁー!汚ねぇー!」と叫びながらも

卒業シーズンに使えるステンシルのデザイン

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 卒業式の時期ですね。私が勤務する中学校でも来週卒業式を迎えます。卒業生には素晴らしい思い出と共に学校を後にしてほしいと皆思っていることだと思います。  今回は私が部活動の顧問として一貫して取り組んできた卒業記念品作成について紹介します。手軽にできる方法なので、手作りで送別の品を作成したいという方にとって参考になるものとなれば嬉しいです。 ステンシルで表紙にデザインを施す  私はソフトテニス部の顧問として、卒業式前日に3年生の部員にメッセージカードを渡してきました。メッセージカード(色画用紙でテニスラケットの形に切り抜いています)には在校生と顧問からのメッセージと卒業生の写真、引退試合で撮影した部員の集合写真を貼り付けて、ちょっとしたアルバムのような状態にしたものを作成します。少々手間はかかりますが、卒業生がもらって嬉しくなるものには仕上げるようにしています。  このメッセージカードは普通の画用紙を使っているため、内側は写真やメッセージで華やかになりますが、外側はデフォルトでは当然無地の状態なので何かデザインを施す必要があります。昔は名前を切り絵にして中のページが透けるものを作成したこともありますが、これは労力を半端なく使うため、卒業生が多い場合は大変な時間を要すことになってしまいサスティナブルとは言えません。部員が多い場合は1学年で20名近い場合もあるため、そういう場合でも時間をかけず、かつ質の高いものができる方法を考える必要がありました。  そのような中で生まれたのがステンシルを活用した表紙デザインです。多くの部活動でチームの合言葉や象徴となる言葉を持っており、それを部活動Tシャツのデザインに利用していると思いますが、それを ステンシルで1つ作成しておけば、それを利用していくらでも複製することができます 。  ステンシルの良いところは、スパッタリングで着彩すれば誰でも綺麗にデザインを施すことができるところにあります。スパッタリングであれば色が濁りにくいため、好きな色を選択してあとはブラシと網で色をスプレーのように飛ばすだけ。作業しているだけでも結構楽しめます。毎日やるとなるとストレスかもしれませんが、たまにするぐらいなら楽しく色遊びの感覚でできます。  手軽にできるステンシルによるデザインですが、見栄え的には十分です。私の場合は画用紙を利用していますが、一般的な

粘土造形指導のスモールステップ

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 先日、私が担当しているある中学1年生の振り返り(粘土造形)の内容に愕然とすることがありました。その振り返りの内容の一部は「粘土は小学校2年生の時に油粘土を使って以来なのでなかなかうまく扱えなくて…」というもの。小学校よりも授業時間数が少ない中学美術で私は毎年粘土造形の時間を取ってきたのでこの事実には衝撃を受けました。本当かどうか確かめたかったので、他の生徒にも聞きましたが同じで、他市から来た生徒も小学校で粘土をずっと使ってこなかったということが発覚。私が担当している生徒がたまたま粘土を扱ってこなかった可能性も否定できませんが、少なくとも粘土での立体表現が絵画や工作と同じような割合で行われていない傾向があるのではないかと思います。  粘土が避けられる傾向にあるというのは以前にも聞いたことがあり、粘土で手が汚れたり、投げたり、管理が難しかったりといった「面倒」が大きな負担となり、粘土造形には消極的ということが原因で指導者からあまり好まれていないということでした。実際に私の勤務する自治体では小学校に限らず中学校の授業関係の作品展でも粘土を扱った作品は絵画やデザイン、工芸に比べると圧倒的に少ない状況です。これも私の勤務地の特色なのかもしれませんが、粘土造形に関する「面倒」な部分は全国共通の悩みなのではないかと思います。  ただ、粘土も最近は色んな種類のものがあり、樹脂系のベタつきにくいものもありますし、紙粘土を使ったとしても手を汚しながら制作を楽しみます。生徒の多くは粘土で得られるダイレクトな反応が好きです。つまり、 粘土造形の「面倒」は生徒の問題というよりは指導者の方にウェイトがあると考えています 。  今回は粘土を教材として扱う際に、私が工夫している粘土の管理方法や指導方法を紹介します。粘土に取り組ませたくても管理や指導の面でハードルが高いと思って粘土を扱うことを避けてきた方にとって教材として扱うスモールステップを踏む上での参考になる内容になれば嬉しいです。 粘土は必要な分だけ渡す  おそらく、粘土の管理については多くの指導者を悩ませているのではないかと思います。私も指導する中でどうすれば一番粘土を無駄にすることなく、生徒が快適に取り組むことができるか試行錯誤して、自分の中では現段階でベストと言える方法に至っています。  私は粘土は一人一袋分用意しますが、いきなり一袋