投稿

ラベル(ブリコラージュ)が付いた投稿を表示しています

美術室の環境改善 〜新天地での1学期を終えて〜

イメージ
 あっという間に1学期が終わり、まだまだ新しい職場での業務、授業に適応中という状況ですが、少なくとも4月当初よりは自分にとって働きやすい環境になってきました。  4月からの4ヶ月弱で美術室の環境改善にかなり取り組んで、前任校で行った生徒の学びを促進する学習空間になってきたと手応えを感じています。  今回は1学期の間に行った美術室のアレンジをまとめました。参考になるものがあれば幸いです。 教室のドアの装飾  美術室のドアの装飾は前任校でも行ってきました。美術室らしい出入口にして、美術の時間がクリエイティブで楽しい、特別な時間を送れる場所であることを生徒に感じてもらえるようにしています。  装飾方法はシンプルで、教室の内側は赤・紫・青・黄色の系統の花を拡大した写真とクローバーの写真を規則的に配置しました。外側は和柄と北欧柄を並べています。レーザープリンターで印刷した写真をUVカットのラミネートフィルムで加工しているので、色褪せに強いものにしました。  この装飾をする前は青のプラダンボールと布テープで通気口がカバーされていて、美観に大変な問題が生まれていました。このカバーは虫の侵入を防ぐために全ての教室に施されているものですが、そもそもこれでカバーするにもテープが外れている状態で不十分な固定状態だったので、機能面でも役割を果たせているとは言い難い状態でした。 植物と模様で美観を整えつつ、通気口もカバーする装飾を行うことができたので、用と美の面で劇的に改善できたと感じています。 美術室の看板  美術室の表示は元々オーソドックスなアクリルタイプのものが備え付けられていましたが、普通な感じでは美術室らしくないので美術室に大量にストックされているダンボールを活用して作成しました。  パレットをモデルにしてグラデーションと混色が意識しやすいデザインにしました。  美術部の看板も教室入り口に貼り付けられています。とてもチープな感じなので、美術部員に新しく作る提案をしましたが、「このチープ感が逆にいい!」という意見だったので、そのままにしています。 スペースを拡張するダンボール机  美術室に元々あった袖机が小さく、あまりものを置けない状態だったので、これまたダンボールで机を拡張しました。作りは至って簡単。ダンボールを二重に重ねて筋が縦横で交差して強度を強めたものを袖机の上に被せ...

DIY段ボール本棚を素敵にラッピング

イメージ
 今回は私の勤務校の美術室で行っている美的な仕掛けについて紹介します。  私は前任校でも美術室に図書コーナーを設け、生徒が自由に本を手に取ったり、必要があれば貸し出しもできるようにしていました。前任校では木材の廃材を利用して本棚を作成しましたが、現在の勤務校には以前にもお話ししましたが、段ボールが大量にあるということで、今回は段ボールで本棚を作成しました。  しかし、ただの段ボールを利用した本棚では、見栄えがイマイチということで、簡単かつ効果的な工夫を考えてみました。 ウィリアム・モリスのデザインを利用  段ボールで作成したと言っても、白紙加工された段ボールを利用したので、それほど見栄えが悪いというわけではありませんでしたが、何か物足りなさは感じていました。  何かしたいと考えていた時に、普段よく利用している総社市立図書館で『英国の本屋さんの間取り』という本が目に止まりました。早速内容を見ると、とてもオシャレで居心地の良さそうな本屋さんがたくさん紹介されており、勉強になる工夫がたくさんありました。その中の一つにウィリアム・モリスの「小鳥とアネモネ」のファブリックを貼り付けた本棚に目が止まりました。これを見た瞬間に「これだ!」と思い、すぐにウィリアム・モリスの壁紙画像をネットで探し、貼り付けるために印刷しました。  後は本棚に印刷した紙を模様が連結するように綺麗に貼り付けてラッピング完了。とても手軽にできる割に大変美しい見栄えに仕上がりました。  パッと見た感じ、これが元々段ボールで作られているとは思えないと思います。よく見たら「段ボールやん!」と生徒が驚く。そんなギャップを仕掛けることも美術の価値に気がついてもらうためには大切だと思います。 美的な仕掛けを美術室に、そして学校全体へ  本棚の機能としてはウィリアム・モリスのデザインでラッピングする必要はありませんが、グラフィックデザインがこのように利用することができ、割と簡単につくることができるということを生徒に知ってもらうことは意義深いことであると思います。ウィリアム・モリスは「美しいと思わないものを家に置いてはならない」という非常に強い信念をもって、産業革命で世の中が機械によって安く早く製品が作られるようになった19世紀のイギリスでアート&クラフツ運動を展開しました。彼はこの運動によって、いかに美しいものが生活に...

ダンボールで作業用テーブル

イメージ
 近頃ダンボールの活用を積極的に行っています。以前の記事でもお話ししましたが、今年の4月から勤めている美術室に大量のダンボール(90cm×180cmのパネル)のストックがあり、量を調整する一環でダンボールを色んなものに活用しています。  以前はダンボールで棚を作成した記事を書きましたが、今回はダンボールと紙管を活用したテーブルを紹介します。作成のポイントを抑えると、見た目以上に簡単にできますし、強度も高いので、DIYの一つの在り方として参考となれば幸いです。 シンプルな制作手順  テーブルの作成にはダンボールと紙管と、長細い木材、そして木工用ボンドと布テープ、釘を用意します。  最初にダンボールを5センチ程度の幅で切り揃え、巻いていきます。この際、ダンボールを接着させるために、巻く前にボンドを塗っておきます。  ダンボールをロール状に巻いていきます。巻く際にはしっかりダンボールに圧をかけてなるべく隙間が生まれないようにします。何度もダンボールを巻きつけているうちに少しずつ直径が大きくなっていきます。  このダンボールの帯を予めある程度の本数切っておくと作業がスムーズに進みます。1.8メートル以上の定規はなかなか存在しないので、別のダンボールパネルを定規の代わりにして切ります。なるべく直線で切りたいところですが、多少ばらつきが出てもそれほど問題ではないので、あまり細かいことを気にせずガンガンダンボールを切断していけば良いと思います。  ちなみに、 ダンボールを切断する向きは筋に対して垂直方向に切ることをお勧めします。この向きに切断すると、写真のように蜂の巣のような状態になっていきます。この状態は上からの圧に対して大変頑丈になるためテーブルの天板として十分な強度になります 。  布テープで仮止めしながら巻いていくと接着剤の乾燥を待たずにどんどん進められます。仮止めした上からダンボールを巻いても対して目立ちません。  こうして年輪の如くダンボールを巻いてテーブルの天板を作ります。この天板を作るにあたって90cm×180cmのダンボールパネルを1.5枚使いました。  天板ができれば足をつける作業に入ります。そのまま紙管を貼り付けたいところですが、この方法では強度に不安があるため、木の棒を釘で固定して基礎を作り、そこに紙管を被せて強度を出しました。紙管は天板と接着するために木...

ダンボールで棚をDIY

イメージ
 転勤して早1ヶ月が経ち、だいぶ今の職場に慣れてきました。美術室のアレンジも順調に進み、概ね自分のやりやすい環境に整えることができました。この1ヶ月は一刻も早く美術に関する環境を整えたかったので、残業と休日出勤の連続でしたが、その甲斐もあって授業が本格的にスタートするこの時期に間に合わせることができました。  今回は美術室や準備室の環境を整える上で大変役に立ったダンボールの活用法について紹介します。これは美術科ありありの話かもしれませんが、美術の教師をしていると、展覧会などで作品を掲示するために使うダンボールパネル(90cm×180cm)が溜まりがちです。これが溜まると当たり前のことですが、美術室や準備室のスペースを圧迫することになります。  今回転勤した学校の美術室にもたくさんのダンボールパネルが保管されていたので、これを有効活用して余りのダンボールパネルの量を調整することができました。 ダンボールを組み合わせて棚を作成  今回作成したのが65cm×75cm ×180cmの大型の棚です。このサイズにしたのはダンボールパネルの大きさをそのまま生かしやすかったためです。  棚の枠になる部分は、何枚もダンボールを重ね、縦筋と横筋のどちらも入るようにして強度を出しました。ダンボールを重ねるのは手間がかかるように思えるかもしれませんが、長さが均等になるように線を引き、カッターで線に沿って切り目を入れて折り返せば割と折り畳んだ板ができます。ボンドで固定すれば枠として十分な強度を持った板ができます。これにダンボールを貼り付けて面にしたものをつなぎ合わせて棚にしていきます。  この形になるまで作業時間自体は1時間半程度です。今回の作業では、ボンドで乾燥させている間は部活動でソフトテニスをしていたので待ち時間はゼロでした。  この囲いだけではただの箱なので、この後真ん中に65cm×75cmの板を置いて2段構造にするために、再びダンボールを重ねた強度のある板を作り、それを支えにして上段と下段を分ける板を入れました。 煩雑だった荷物がスッキリ収納  この棚を作ったことで、ダンボールをある程度消費し、荷物を整理することもできました。これまではパーテーションで無理やり押さえ込んでいた荷物とダンボールがスッキリ収納されているので、とても使いやすい状態にすることができました。最後は棚を閉じるド...

紙管で定規立て

イメージ
 今回は紙管の利用について紹介します。  紙管という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、きっと多くの人が見たことはあると思います。身近なところで言うと、サランラップやトイレットペーパーの芯で使われている丈夫な筒のことです。  おそらくこういったものはゴミとして処分する人が多いと思います。しかし、工作する際には紙管が結構使えるので、私は処分せずに取っておき、学校の美術室の材料コーナーに入れるようにしています。  今回のお話で紙管を利用して工作したり、何か実用性のあるものを作る参考にしてもらえると嬉しいです。 シンプルでも美しい紙管の定規立て  今回、この紙管を使って美術室で用と美を備えた定規立てを作りました。美術室には実にたくさんの定規があり、これを綺麗に保管するのに大いに役立っています。  制作方法は至ってシンプル。大小の紙管を長さに統一性を持たせて切り、接着剤(木工用ボンド)で接合し、底部に軽量樹脂粘土を貼り付けて紙管を固定しつつ、土台を安定させました。制作時間は15〜20分程度で大変手軽にできました。  紙管の切断は電動ノコギリを使いましたが、カッターでも十分に切れますし、切り口がノコギリよりもシャープになり、綺麗な仕上がりになりやすいです。  紙管は形が整った材料であるため、少し構成を整えるだけでそれらしい作品になります。ちなみに今回意識したのはシンメトリーで、大中小の紙管がバランスよく見える配置にしています。  この定規立てを作ろうと思ったきっかけは、元々は一つの段ボールに10〜15本程度立てられた状態で、スペースが定規の本数の割に取られていたことと、定規の重みで歪んだ段ボールがあまりにも不恰好に見えたためです。スペースの問題と見栄えの問題の両方を解決するために方法を考えていたところ、前任校の時から蓄えていた紙管が目に入りました。その瞬間に「これでいける!」と利用方法を閃き、すぐに作成に入りました。  結果的に構成美が整った建築的な作品になり、定規がコンパクトに収まるようになりました。 坂茂氏の動画をTEDで見たことが紙管を保管するきっかけに  先ほども言ったように、私はトイレットペーパーやサランラップの紙管はゴミに出さずに保管しています。このようなことを始めるきっかけが建築家である坂茂氏のTED動画を見て、避難所や教会などの建物に紙管を利用し、美しい造形が...

ものを並べる造形遊び

イメージ
 今回は創造力の原点の一つである「ものを並べる造形遊び」について教育的な視点と造形的な魅力の双方から私の考えをまとめました。   「並べる」という極めてシンプルな行為が、いかに子供たちの美意識の深層に語りかけ、豊かな造形感覚へと繋がっていくのか。日々、美術教室で生徒たちと向き合い、また自分自身も一人の表現者として素材に触れたり、美的なアレンジを仕事や生活の中で行ったりすることを通して、改めてその重要性を強く感じています。   「並べて遊ぶ」は非常に手軽にできる造形遊びではありますが、この経験が創造力を育む上で非常に重要な役割を果たします。この遊びは構成が無限のため奥が深く、大人も子どもと一緒になって遊びを楽しめます。 構成美への第一歩  造形遊びの基本として、積み木やおはじき、あるいは石ころや木の枝といった身近な「もの」を一定の規則で並べる。一見、ただの単純作業に見えるこの行為の中に、実はデザインや美術の根幹を成す「構成美」が詰まっています。  例えば、同じ形のものを等間隔に配置する。これは美術用語で言うところの「リピテーション(反復)」です。 単一の要素が繰り返されることで、そこには心地よいリズムが生まれます。子供たちは、自分の手によって秩序が生み出されていくことで、達成感や美的な快感を覚えます。  こちらは私の娘が2歳の時にカエルのおもちゃを並べて遊んでいる写真です。カエルの大行列が形成されていました。本人としては畳の線に沿ってまっすぐに並べたそうで、少しでもカエルが列から外されるとすぐに元の場所に戻して列を整えていました。  この「並べる」という行為は、さらに高度な構成美へと自然に発展する潜在性を持っています。 中心を意識すれば「シンメトリー(対称)」による安定したバランスが生まれる。 色味を少しずつ変化させれば、視覚的な移ろいを感じさせる「グラデーション(階調)」が現れる。 配置の間隔や向きに変化をつければ、静止した物の中に動きを感じさせる「ムーブメント(動勢)」が宿る。  幼少期にこうした「並べる遊び」を十分に体験することは、知識として「美」を学ぶ前段階(レディネスの形成)として、極めて重要です。理屈ではなく、自分の手が作り出した秩序を視覚で捉え、その心地よさを実感する。この成功体験の積み重ねこそが、確かな美意識を育む土壌となります。  ちなみに並...