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福武教育文化振興財団成果報告会でポスター展示

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 9月5日、私が運営する「岡山アート&クラフトプロジェクト」が助成を受けている、福武教育文化振興財団の成果報告会が開催されました。 私たちのプロジェクトは、昨年度の活動成果をポスター展示で報告しました。今回は、その展示の様子と、報告会で特に印象に残った西川正氏の講演について紹介します。  これまでにも岡山アート&クラフトプロジェクトに関する内容をブログで扱ってきましたが、それをポスター展示によって分かりやすくまとめる機会となったので、見てもらえると嬉しいです。 限られたスペースに要素を凝縮した展示 今回の報告会で用意されたスペースは80cm×180cmのホワイトボードと45cm×180cmの長机でした。この限られたスペースで「アート&クラフト」を楽しめる場を地域に開くことの重要性をプレゼンテーションできるよう、展示方法を最大限工夫しました。   ワークショップの売りは様々な画材や道具に触れて、美術室ですぐに造形を楽しむことができるところにあります。その雰囲気が伝わるよう、様々な画材や道具を並べ、実際に触れていただけるようにしました。また、レイアウトにも遊び心を入れて、アートとクラフトの面白さが一目でわかるようにしました。  テーブル中央に並べたクラフトゾーンにあるバターナイフとチーズのオブジェにカメラマンの方が興味を持たれていました。  ワークショップでもよく注目を集めてきましたが、鉛筆の種類がたくさんあることや、水彩絵具にも透明と不透明があること、ダークトーンが揃ったパステルのセットなどは報告会に参加された多くの方からも注目をいただくことができました。実際にものを見ることで興味が湧いたり、使ってみたいという思いが芽生えるものです。今回、このような展示方法を選択して良かったと思います。ちなみに、12Bの鉛筆は多くの人にとって衝撃的なアイテムのようです(笑)デッサンを専門にする人以外、基本的には縁がない鉛筆で、画材屋か通販でないと買えません。 こういう世界が鉛筆にもあるということを知っていただけるだけでも価値のあることだと私は考えています。 ポスターの内容  今回の展示の目的は成果報告であり、材料や道具の展示はあくまでワークショップの雰囲気を味わっていただくための仕掛けでした。成果報告やプロジェクトを始めるきっかけ、コンセプトなどは紙にまとめてホワイトボードに掲示し...

ものを並べる造形遊び

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 今回は創造力の原点の一つである「ものを並べる造形遊び」について教育的な視点と造形的な魅力の双方から私の考えをまとめました。   「並べる」という極めてシンプルな行為が、いかに子供たちの美意識の深層に語りかけ、豊かな造形感覚へと繋がっていくのか。日々、美術教室で生徒たちと向き合い、また自分自身も一人の表現者として素材に触れたり、美的なアレンジを仕事や生活の中で行ったりすることを通して、改めてその重要性を強く感じています。   「並べて遊ぶ」は非常に手軽にできる造形遊びではありますが、この経験が創造力を育む上で非常に重要な役割を果たします。この遊びは構成が無限のため奥が深く、大人も子どもと一緒になって遊びを楽しめます。 構成美への第一歩  造形遊びの基本として、積み木やおはじき、あるいは石ころや木の枝といった身近な「もの」を一定の規則で並べる。一見、ただの単純作業に見えるこの行為の中に、実はデザインや美術の根幹を成す「構成美」が詰まっています。  例えば、同じ形のものを等間隔に配置する。これは美術用語で言うところの「リピテーション(反復)」です。 単一の要素が繰り返されることで、そこには心地よいリズムが生まれます。子供たちは、自分の手によって秩序が生み出されていくことで、達成感や美的な快感を覚えます。  こちらは私の娘が2歳の時にカエルのおもちゃを並べて遊んでいる写真です。カエルの大行列が形成されていました。本人としては畳の線に沿ってまっすぐに並べたそうで、少しでもカエルが列から外されるとすぐに元の場所に戻して列を整えていました。  この「並べる」という行為は、さらに高度な構成美へと自然に発展する潜在性を持っています。 中心を意識すれば「シンメトリー(対称)」による安定したバランスが生まれる。 色味を少しずつ変化させれば、視覚的な移ろいを感じさせる「グラデーション(階調)」が現れる。 配置の間隔や向きに変化をつければ、静止した物の中に動きを感じさせる「ムーブメント(動勢)」が宿る。  幼少期にこうした「並べる遊び」を十分に体験することは、知識として「美」を学ぶ前段階(レディネスの形成)として、極めて重要です。理屈ではなく、自分の手が作り出した秩序を視覚で捉え、その心地よさを実感する。この成功体験の積み重ねこそが、確かな美意識を育む土壌となります。  ちなみに並...

倉北アート&クラフトプロジェクト 第3回ワークショップ

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  先日の3月1日に私が今年度から運営している倉北アート&クラフトプロジェクトの第3回ワークショップを開催しました。この活動は、中学校の美術室を地域に開放し、「生活をアートとクラフトでもっと楽しく、美しく」することを目指しています。福武教育文化振興財団の助成金を得てこの活動を行なっており、私が普段使っている美術室で様々な材料や道具を体験して創造活動を楽しめる場を地域の人々に提供しています。  今年度最後のワークショップでは過去2回のワークショップの経験と反省を生かして、材料や環境を改善し、さらに楽しめる場にして臨みました。今回のブログではこの活動レポートをまとめました。 道具が見やすい棚を利用  過去第1回と第2回のワークショップでは教室中央のテーブルに道具や材料を置いていました。これでも参加者の方々は次々に気になるものを手に取って使われていたので、十分だったと言えますが、今回はすのこで棚を作成して、使える物をレイアウトし、何があるのか見やすくすると同時に、増えた道具・材料を狭い範囲に納めるためのスペースを確保しました。レイアウトではショップのように物が体系的に並べられている状態も意識しました。  すのこで作る棚はすのこをそのまま組み合わせてできるためとても簡単です。私は美術室だけでなく、担任をしているクラスでもすのこの棚を利用していますし、家でも使っています。すのこそのままのシンプルな状態でも良いですが、ペンキ塗装も合うので、超手軽なDIYとしておすすめです。 リス毛の筆や書道用の大筆など充実した道具  今回のワークショップで特に力を入れたのが「体験の向上」で、筆などの道具類を充実させました。その中の一つがリス毛の筆です。これは抜群の水含みと柔らかい毛質が特徴で、 長いストロークの彩色や、グラデーションの美しい「ぼかし」技法に最適です。また 柔らかい毛でありながら毛先がよくまとまり、繊細な描写から面塗りまで幅広く対応する万能筆です。 リス毛の筆はある程度のサイズのものになると1万円ぐらいになる高価な品ですが、助成のおかげで複数本用意することができました。  私はこの筆を是非多くの人に使ってほしいと考えてきました。私が大学院生の時代にゼミの先生からリス毛の筆を貸していただいた時に、筆を画用紙に入れた瞬間に衝撃が走ったのを今でも覚えています。とにかく塗り心地が...

パレットで造形遊び

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 今回は色をテーマにした造形遊びについて紹介します。  先日、ティッシュペーパーを使い切ったので、空き箱を潰そうとした際に、3歳の娘が以前にティッシュペーパーの空き箱をアレンジして恐竜の住むジャングルを作成したのを思い出したのか、「ジャングルを作る」と言い出しました。なので、以前同様、画用紙に絵具で着彩し、パーツを切り貼りしてジャングル作成に取り掛かったのですが、今回はそこから脱線し、パレットを利用した造形遊びに展開しました。  この造形遊びを通して、改めて造形教育について考えることがあったので、今回はパレットで造形遊びすることの学びとしての可能性についてまとめてみました。 三原色の混色を体験できる仕掛け  最初は制作の目的である空き箱のジャングル化に向けて、箱と画用紙に直接絵具を出して筆で色を塗り広げるところから始まりました。多くの子どもは絵具を塗り広げるのが大好きで、私の娘も絵具を使う際にはいつも夢中になって色を伸ばし、混色ができることを楽しみながら着彩を進めます。   出す絵具の色は最初は赤・黄・青の色料の三原色にして、混色による多様な色の変化を経験できるようにするのがおすすめです。単色で塗りつぶすことが悪いわけではありませんが、色は自分で作ることができるということを遊びを通して認識を深められるよう、私は使う絵具に対する仕掛けの視点を大切にしています。 ただ、それ以外の絵具も使いたければ使えるようにして、色に対する創造と選択の機会を設定しています。  チューブから絵具をコントロールして出せるようになるまでは大人が適量を画面やパレットに出してあげて、子どもには着彩体験に集中的に取り組めるよう大人のサポートも必要です。私は子どもが自分で絵具を出せない時期のうちに充実した混色経験ができるよう、色をコーディネートすることが大切だと考えています。なぜなら、幼児が自分の判断で「三原色で自由に混色を作ろう」と考えるのは可能性として非常に低いためです。 三色あれば色んな色を作ることができるという原体験があることで、他の色を使う良さも分かるようになりますし、他の色を使う際にも混色で色を自在に調整するマインドセットによって幅広い色彩表現ができると思います。  このように、 子どもが単独では到達し得なくても、他者の支援や環境によって可能となることがあるということを心理学者のレフ・ヴ...

倉敷っ子美術展でワークショップを開催

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   2月7日に第40回倉敷っ子美術展の特別企画のワークショップ、「倉敷のゆるキャラをつくろう!」を開催し、私は中教研の役員としてイベントの運営を行いました。このイベントは小学校の図画工作部会と中学校の美術部会、そして倉敷市立美術館が協力して企画しました。  以前のブログでこのイベントの開催に向けた途中報告について紹介( ブログ内容のリンク先 )しましたが、内容は小教研で考えてもらい、実施に向けた準備は中教研で進めました。  結論から言うと、今回のイベントはとても良いものになったと感じています。参加された多くの子どもや保護者の方に楽しんでいただけた手応えがありました。また、このイベントを通して、改めて考えたり気がついたりしたことがたくさんあったので、今回レポートとしてまとめてみました。 倉敷のゆるキャラを発想する起点としての場所設定  倉敷のゆるキャラを考える上で大切にしたかったのが、そもそも倉敷とはどういう場所であるかをよく考える機会にすることでした。なんとなくゆるキャラを作成すると、イメージが被りやすくなり、ブドウや桃だらけになりかねません。しかし、倉敷にはたくさんの名所や有名な場所があり、こういったものから得られるインスピレーションを生かせば、多様なキャラを作成することに繋げられると考えました。  そうして考えたのが、ゆるキャラを写真撮影するための場所を工夫することでした。倉敷の名所を背景に、ゆるキャラを撮影するとなれば、発想段階で場所に合ったキャラを考えることにもなります。  ワークショップで制作をしている子どもたちの様子を見ていると、保育園〜小学低学年の児童は倉敷からイメージを膨らませてゆるキャラを作るよりは、自分の作りたいものを作るケースが多い印象でした。しかし、小学高学年の児童や中学生、保護者は倉敷との関連性をよく考えて制作されていて、制作に入る前に、どんな場所が用意されているか確認してから作ろうとする人もいました。  キャラクター制作を通して、倉敷の街について考え、表現の要素を引き出すことは、地元倉敷の魅力をこれまでよりもさらに深く広い視点で捉えることに繋がり、それが倉敷市民としての誇りであったり、地元愛にもつながると思います。そういう意味で、非常に意義のあるワークショップになったと感じています。 材料の充実   今回利用した粘土はモデリング...