美術室の仕掛け最終版(倉敷市立北中学校)
新年度を迎え、岡山県立岡山大安寺中等教育学校での勤務が始まりました。これまで倉敷市で12年間勤め、慣れた環境でやってきましたが、県立になるとありとあらゆるものが異なっており、パニックの連続のハードな日々を早速送っています。大変ではありますが、逆境はそれほど苦手ではないので、最大限この状況を楽しんでいきたいと思います(苦笑) 今回は6年間勤め、美術教育の情熱をぶつけてきた美術室について紹介します。以前にも美術室の環境や仕掛けについて紹介してきましたが、今回は倉敷市立北中学校のファイナルエディションになります。本当は今年度で転勤になることを全く想定していなかったため、転勤を知ることになった3学期の某日までひたすら教室のアップデートを重ねていました…。少しでも今回の記事を読まれた方にとって参考になれば幸いです。 美術の楽しさと学びを視覚と触覚で味わえる環境 私が美術室の環境にとことんこだわるのは、キリスト教の大聖堂の空間を生かした教育の可能性を私自身が海外旅行の中で体験し、強烈な印象を受けたことがきっかけにあります。大聖堂の壁面やステンドグラスにはキリスト教に関する物語や象徴が表現されており、文字を読めない人々も大聖堂の中に身を置いて話を聞けば、その教えを美的なインパクトと共に理解し、より信仰心を深めることができます。 美術は言語の壁を越えて人々に教育をすることができる。このことを悟った私は、見た瞬間に美術の威力を感じることができるような仕掛けを美術室に施してきました。 スモークガラスに掲示物を貼ったり、本棚を設けたり、構成美遊びのマグネットを設置。 伝統色やモダンテクニックを活用した作品例、構成遊びができるマグネット。 透視図や具象と抽象について知る掲示物。変わったオブジェも設置。 色相環を始めとした色彩の知識に関するもの。 テレビの表側と裏側に様々な立体造形と河原で拾った石。 教室のデッドスペースを生かして展示。ペットボトルとレコードで作品置きを兼ねたオブジェ。 棚の中には石膏像と積み木のオブジェ。 生徒が遊びで作った立体造形。棚は柚木沙弥郎をオマージュしたタペストリー。 色について実験を通して学習できる装置。 天井に和柄と北欧柄。窓には日差し避けを兼ねた和柄のスモークグラス風ラミネート。照明には障子紙を2枚重ねにして1枚は和柄の切り絵に...