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5月, 2024の投稿を表示しています

部活動の果たす役割 〜非認知能力を育む重要な場〜

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 現在、部活動の地域移行を目指して日本の各地で取り組みが行われています。倉敷市はまだまだ地域移行ができるような状況ではありませんが、いずれ教師の多くがこれまでのように生徒の活動に携わることはなくなっていきます。  私自身は自身の専門であるソフトテニスの顧問を一貫してさせてもらっていて部活動に主体的に取り組むことができていますが、専門外の先生が顧問を担当しているケースは少なくありませんし、部活動によって拘束される時間があまりに長いことから教師が部活動をすることに問題を感じている人は多くいます。このことが部活動地域移行の要因の1つになっており、私も部活動が教師の過度の負担になっており、早急に解決しなければいけない問題であると感じています。  本当は行政が部活動の地域移行に向けて具体的な取り組みを行い、学校と生徒、部活動、地域の新しい関係をつくっていくべきところですが、待っていても変化はなかなか起こらないということで、私は部活動支援員を雇ったり、クラブ活動を斡旋したり、地域移行に向けて地盤を作っています。少しずつではあっても地域移行に向けた形を作っていけばそれが連鎖して大きな動きになればと思います。  ただ、私はなんでもかんでも学校から地域に丸投げして良いものではないと考えています。もちろん、地域の人材を生かして部活動をクラブ化するメリットはたくさんあり、スポーツや芸術の更なるレベル向上につながることと思います。しかし、私はそれによってこれまで部活動が果たしてきた大切な役割である 「スポーツや芸術を愛好する心情を育てたり、仲間と協力して達成したり成長したりするウェルビーイングにつながる経験」 がこれまでに比べて限定的なものになりかねないことを危惧しています。もちろん、部活動といっても、これまでにも結果主義で生徒にとって心を育むような経験ができないようなケースもたくさんあったと思いますが、主体性を重んじる学校教育の時代において、部活動も生徒の主体性が尊重されるものとなり、昔に比べて生徒が顧問の体罰や高圧的な態度に恐れながら活動をするようなケースは少なくなっています。   生徒が主体性を発揮して取り組める部活動は豊かな経験と成長に貢献する大変重要な意味を持つものであり、非認知能力(コミュニケーション能力や物事に感動したり興味をもって取り組んだりする力)を育てる重要な働きがある

Canvaを美術科でどう使うか

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 今年度から倉敷市でCanva For Educationが導入されました。Canvaはオンラインで使うビジュアルツールキットで画像の加工や動画作成、文書やプレゼンテーションの作成に便利なアプリケーションです。協働作業も得意としていて、Googleと同じようにチームで作業することも可能です。無料版のものもありますが、Canva For EducationになるとAIのツールなど、便利な機能が使えます。  まだCanvaを授業で使い始めたばかりなので色々と試しながら勉強をしている状況ではありますが、グラフィックデザインの学習で非常に有効性が高いことは間違いなさそうなので、これからの授業で活用していきたいと思います。ただ、Canva単体で使うよりは、美術の授業でこれまで振り返り&レポートで活用していたGoogleスライドやGoogleクラスルームとセットで活用する方法が良いのではないかと考え、今回利用方法について考察してみました。 直感的に色々なツールが使えるCanva  Canvaは元々デザイン系のアプリケーションということで文字のデザインやエフェクト、背景削除といったグラフィックデザインに役立つツールが充実しています。手がきの機能も充実しており、オンラインのツールとしては十分な描きやすさと言えます。描いたものをPNGで透過画像にすることもできます。  ただ、あまりタッチを入れ過ぎると容量が重くなりすぎて限界を迎えてしまうので、手がきを存分にしたいというのであればやはりオフラインで使える描画ツールの方が良いでしょう。  これまでグラフィックデザインの学習ではGoogleスライドの学習レポートの雛形をGoogleクラスルームで配信し、それを利用してグラフィックデザインを作成させていました。委員会活動でもGoogleスライドやGoogle図形描画を活用してポスターを作成してきたので、これらでもある程度は立派なデザインを作成することは可能でした。  ただ、手がきがまともにできないことや背景削除するために他のインターネットのツール( remove というアプリを使ってきました)を併せて使わなければいけないなど、GoogleスライドやGoogle図形描画の限界を感じながら利用していました。それが、 Canvaであれば全て一つのツールでデザイン作成を成立させることができます 。こ

神戸に校外研修へ行って気がついたこと

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 5月のこの時期は多くの学校で校外研修を行う時期だと思います。私も今回5月8〜9日にかけて神戸に震災学習へ行ってきました。震災学習と言っても2日目は班別自主研修で神戸の街を観光する時間もあり、神戸の街の魅力を様々な面から味わえる2日間になりました。  神戸への研修は今回で4回目でしたが、改めて感じさせられたり考えさせられたりすることもたくさんあったので、備忘録的に気がついたことをまとめてみました。 心の安心・安全  「心の安心・安全」は今回のスローガン(学級委員会で決めました)で、副題に「今だからこそ分かる身近な人の大切さ」というものがついていました。率直に良いスローガンを学級委員の生徒たちは考えたと思います。この言葉の前置きがあったことで、改めて大切なことに気がつけたと思います。  人と防災未来センターでの見学の中で「このまちと生きる」という15分程度の動画を見ました。もう下見も含めるとこの動画を見るのは5〜6回目となります。初めて見た10年前と内容も変わっていません。それでも、今回非常に印象に残ったシーンがありました。それはナレーターの女の子が火事に巻き込まれて死んだ姉の遺品を家族と一緒に探していた時、「幸せな時間が流れた・・・」と語った部分です。普通に考えたら震災で街が滅茶苦茶に破壊され、姉を失い、厳しい生活をしていて「幸せ」などという感覚を得られるとは考えにくいですが、 家族とのつながりを感じる時間さえあれば「幸せ」になれる という、とても大切な視点について考えさせてくれる部分だったと思います。  人や物など、存在するものへの執着心を私たちは持っており、形あるものはいつかなくなるということは分かっていても、それを自然体で受け止めるのは簡単なことではありません。やはり私も解脱者ではない煩悩の塊である一般人なので、人や物を大切にすれども、失うことへの受け入れ難い気持ちは抱いてしまいます。ただ、そういった心を持つことが人間として未熟であり、駄目というわけではなく、 たとえ失ったとしても、心のつながりさえあれば代わりに新たな幸せを得られるという、心のセーフティーネットのようなものさえ備えていれば、苦難を乗り越え、たくましく生きていくことができる ので、身近な人や物を大切にする気持ちを忘れないようにしたいと思います。心の安心・安全とは身近な人を大切にして、心の拠り所を

乾燥棚に展示棚としての役割を持たせる

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 これまで絵画などの作品を乾燥させるために活用してきた乾燥棚の使い方を工夫して展示棚としての役割も持たせるようにしてみました。  美術の学習では制作だけでなく鑑賞による学びも大切であることは多くの美術の先生が認めていることだと思います。制作がメインの授業であっても、その中に鑑賞の要素が入ることで、学習者は他者からの刺激を得て自らの世界を拡大する挑戦的な表現行為が促進されます。  しかし、鑑賞の機会作りに苦慮されている先生も少なくはないと感じています。対話型鑑賞にしろ、制作した作品の鑑賞にしろ、ある程度の授業実践方法を持っていないと学習者が満足できる授業にはなかなかならないと思います。私もこれについては日々研究と実践を繰り返しています。  そんな少々難易度が高い授業としての鑑賞に比べると、 乾燥棚の展示棚化は安定して実践できる鑑賞学習であり、一旦環境づくりをすれば継続させることができるものです 。  私は美術の授業中は生徒の移動を基本的に自由にしているため(授業の最初は自分の場所で制作をスタートし、中盤以降はやりたい場所を自分で選ぶ)、自然と鑑賞をしながら制作に取り組む生徒も多いですが、そうは言ってもクラスの全ての作品を目にしているわけではないので、全ての作品が見渡せる機会を増やしたいと常々思っていました。そのような背景から、今回乾燥棚の展示棚化を考えるに至りました。  まだ今年の授業が始まったばかりなので、これによってどのような状況が生まれるかは見守っていく必要があると思いますが、早速少し良い手応えがあったので今回記事にしてみました。 網を間引くことで作品の状況が見えやすくなる    以前から乾燥棚の網を一段飛ばしで使っていたので、普通に全ての網を使っている状態よりは他者の作品が見える状態でしたが、今年は 網を2段飛ばしにしてさらに作品が見えやすい状態にしてみました 。  これまでも乾燥棚に集結した作品を見て感動する生徒はいましたが、このように明らかに目に入る状態にすると、他者の表現に対してこれまでよりも関心を持ちやすい環境になったのではないかと思います。  乾燥棚の場所も以前は全て教室の隅にしていましたが、教室後方(出入り口も後方)のスペースに4つのうち3つを移動させたので、授業の最後に乾燥棚を覗いて教室を後にする生徒も少し増えました。  乾燥棚を展示棚として使う