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ダンボールパネルを蛇腹折にして作品展示

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 今回は先日行われた私の勤務校での文化祭の美術科の展示方法について紹介します。   1ヶ月ぐらい前にも開催したオープンスクールの美術科の展示について紹介しました。この時の展示では90cm×180cmのダンボールパネル2枚を組み合わせて絵画作品を展示する方法について紹介したのですが、今回はその改良版についての内容となります。前回の課題を解決してかなり良い感じに展示ができましたので、前回の内容は忘れていただいて、今回の内容でアップグレードしていただければ幸いです(笑) パネルを蛇腹折にして強度がUP  1ヶ月前のオープンスクールの際には2枚のダンボールパネルをテープで繋ぎ、繋いだ部分で折り曲げて自立させるという方法で絵画作品を展示しました。  この方法でも一応展示はできましたが、絵画作品の重みでパネルがたわみ、非常に不安定な立ち方をしていたのが前回の反省でした。  そのような課題があって今回は改良バージョンで展示しました。今回はパネルを蛇腹折にしてサイドへの重みに耐えられる形にしました。蛇腹折にすることで、山折と谷折りの部分が柱の役割を果たし、縦方向の力に強くなります。前回はダンボールの端の方は作品の重みによって、かなりダンボールが変形していましたが、今回は全くと言って良いほど変形は見られず、しゃきっと真っ直ぐに立っていました。  ダンボールという素材の特性と蛇腹折による物理的な力に対する強度が噛み合ったことで、小スペースでもたくさんの作品を展示することができました。 美しい展示を実現する構成  オープンスクールの時も展示にはこだわりましたが、今回の文化祭でもかなりこだわりました。転勤後初めて文化祭で展示を担当(美術科以外の展示も含め)したので、部屋をどのように使えば整った構成となるのか手探りでしたが、ある程度納得のいく展示ができたと思います。  展示ではただ作品を並べるのではなく、空間を生かして作品がなるべく美しく見えるように見せ方を工夫することが大切になります。そのために部屋の構成を計算して考え、作品が展示される前でも部屋が整って見えるようにしました。  予め作品をセットする場所が整っていれば展示作業もスムーズに進みます。これをするためにも作品数とスペースの計算が必要であり、多少の手間にはなります。しかし、計算自体は難しいものではありません。むしろ、この手間...

色光の三原色体験装置

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 今回は色への興味・関心を促す美術室の仕掛けを紹介します。昨年度からナッジという行動を良い方向に促す仕掛けについて研究と実践をしており、美術室の環境改善をこれまで以上に図っています。その一環で、今回は色光の三原色を体験できる装置をつくり、生徒が自由に色光の実験ができるようにしました。簡単な装置なので、もし今回の内容をご覧になって、興味をもっていただけるようでしたら、是非作ってみてください。美術室の仕掛けだけでなく、子どものいる家庭であれば「色で遊べるおもちゃ」「色に関する自由研究」としても使えます。色の面白さに触れて、自然と色について学ぶ。そんな状況をこの装置によって生み出せたらと思います。 用意するもの  この装置を用意するにあたって用意するものは以下の通りです。 1.ライト(100均で十分)3本 2.油性マーカー(赤・黄・青)かカラーフィルム(赤・黄・青) 3.白い紙(画用紙や白い紙をラミネートしたもの、ホワイトボードでもOK)  以上のものを用意すれば簡単に装置を作ることができます。  作り方も簡単で、3本のライトにそれぞれ赤・黄・青の色を施して、光の色を変えるだけです。後はこれを白い紙の上にそれぞれ照らして光を重ねると、色の変化を見ることができ、三原色が重なると白くなるということも分かります。  とてもシンプルな装置ですが、生徒の反応は上々で、教科書や美術資料で三原色が重なると白くなるということを知識として入れた上でも、実際に目の前で光が白くなるのを見ると「おぉ!」という反応が見られます。こういう生徒の姿を見ていると、 実際に自分の目で現象を確認することが極めて大切で、光が白くなるのを確認するだけでなく、ライトを動かして色の重なり方や色の変化を確認したりするなど、色んな要素が付随的に学習されていきます 。反射によって微かに机の上に三原色の重なりが映し出されることなども、理解との教科横断的な学びを促すポイントになります。  ちなみに、この装置のライトを保管するものはロール紙の芯を切ったものを使わなくなったレコードに接着して、ライトを立てて保管できるようにしています。ちょっとした遊び心で実用性もあるアート作品がリサイクル品でできるということを見せることも大切にしています。 色光の学習を色彩の学習への起点に  色光の三原色の装置で遊びながら光と色彩について学び、光...

教科横断的な美術の学習について②

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   前回の関数のグラフでバランスの良い図を描けるという教科横断的な美術の学習に引き続き、今回も数学と関連した教科横断的な美術の学習について、私が授業で実践している内容から紹介します。  上の図は日本の伝統文様をステンシル版画で作成したもので、正方形ベースの方眼と正三角形ベースの斜方眼を基にして図を描いています。こういった文様も方眼さえあれば簡単にかけるようになりますが、そのためにはほんの少しだけ数学の知識(コンパスを活用した垂線と正三角形のかき方)を活用します。ほんの少しとは言っても、数学の知識を活用しなければこれらの文様をバランス良くかくのは困難を極めます。  日本の伝統文様はネット検索すればいくらでも出てきますし、それを拡大縮小コピーして切り抜けば自分で文様をかく力がなくても割と自由に版画作品を作ることも可能ではあります。しかし、そのような方法では数学的な視点で捉え、構造を分析したり、スケールを自在に調整したり、法則を活かして発展的な文様を作成したりする数学的リテラシーを活用した美術表現をする機会を得ることが難しくなってしまいます。  せっかく数学で定規とコンパスだけで垂線や正三角形をかく方法を学んでいるのであれば、そういった力がデザインを構成する基盤になり得るということを実感し、 いつでも状況に応じて図を活用できるのが望ましいと私は思います 。印刷によるコピーではせいぜいA1サイズのものまでしか作成できませんが、この方法を知っていればもっと巨大なものでも自在にできますし、スケールが大きくなるほど数学の力が発揮されます。建築や都市計画のデザインに数学的リテラシーが必要になりますが、平面デザインでの数学の知識の活用はそのためのスモールステップになり得ると考えています。  というわけで、今回は簡単に方眼と斜方眼のかき方、そしてそれを基盤にした伝統文様の作り方について紹介します。興味があれば伝統文様の切り絵やステンシル版画で遊んでみてください。 垂線を活用して方眼作成  コンパスと定規を活用して垂線を複数本かき、同じ長さで区切ったものを直線で結べば正方形を敷き詰めた方眼を作ることができます。垂線をわざわざコンパスを使ってかかなくとも、紙の形に沿って長さを区切れば方眼はできますが、紙に縛られることなく自由に方眼をかく方法を知っておくこと自体に意味があると思いま...

教科横断的な美術の学習について①

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 最近のマイブームがナッジ(行動をそっと後押しする仕掛け)であることを以前のブログでもお話ししましたが、私は生徒が美術の学びを主体的に行えるナッジについて重点的に研究していきたいと考えています。これまでも美術室の環境や教材を工夫することによって生徒の「やりたい」という気持ちを後押しできるように取り組んできましたが、さらに行動に結びつくような仕掛けを計画しています。  現段階で私がイメージしている美術教育におけるナッジのタイプは3種類あり、「教室環境」「教材」「問いかけ」を工夫して、生徒の学びを後押ししたいと考えています。今後この種類を増やしていけるように、視野を広げていきたいですが、まずはある程度イメージできていることを具現化しつつ、その中での反応から新しい世界を拓いていきたいと思います。このブログでは不定期にはなりますが、構想したことや実践・研究して得られた気づきをまとめていきます。 教科横断的な学習をテーマに  今回は教科横断的な学習を実現するためのナッジについて少し考えてみました。私自身、元々は美術専門で大学に入ったわけではなく、美術を志したのは22歳(大学4回生)のときで、それまでは言語学(英語)や文化に関することをメインで勉強していました。そんなこともあって、美術の造形的な知識で考えるよりも、どちらかというと文化学や言語学、哲学といった面、時には数学や理科的な側面(一応高校は理系クラスで、得意科目は英語と国語、苦手科目は化学と物理でした…(苦笑))から美術を捉える傾向があり、自然と教科横断的な美術の学習をしてきたと言えます。 それゆえに、自分自身、美術の学習で教科横断的に知識を応用して取り組むことは当然できるものであると思い込み過ぎていたところがあったのかもしれません。 自らの判断で教科横断的に考えることの少なさ  美術の授業をしていると、他教科で学んできたことを応用することが多くの生徒にとって「盲点」であることにこれまでたくさん気づかされてきました。例えば、 「コンパスがないと綺麗な円が描けないと思っている」←定規で半径を何点かマークして結べばコンパスの性能に囚われない円が自在に描ける。(数学) 「なんとなくシンプルでも良いと思っている」←短歌や俳句、詩のように構成するパーツが鍵であり、無駄なものを省き、修辞を生かすことでイメージが強調される。(国語) ...