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6月, 2021の投稿を表示しています

Google Jamboardを用いた鑑賞の可能性

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 今回は以前の記事でも紹介したGoogel Jamboardによるアクティブラーニング「 https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/05/google-jamboard.html 」に関連して、「トリックアート」の鑑賞で見えてきたJambordの更なる魅力について紹介させていただきます。  Jamboardの魅力はホワイトボードのように文字を書いたり、入力したりすることができるだけでなく、写真の貼り付けや付箋ツールによる 意見の共有が複数人で同時に行えるというところです 。これまで授業中に発言する生徒というのは一部の生徒に限られ、そういった生徒と教師とのキャッチボールで授業が展開し、その他の多数は傍観者状態というのが少なからずあったと思いますが、Jamboardを用いると、 全員が気楽に意見を出すことができるので、多様な視点をもった意見が爆発的に集められるようになりました 。Jamboardの編集は匿名性が強いため、ヤフコメのように気軽に考えを発信することができます。中には授業に関係のない悪ふざけをする生徒もいるかもしれませんが、ある程度そういう行動を教師側でコントロールしたり、生徒も慣れてくると、誰が悪さをしているのかサーチする力もついたりしてくるので、授業中に秩序が崩壊することは稀になります。twitterなどにもみられる傾向ですが、「刺さる」発言を自然と考え始めます。 三人寄れば文殊の知恵、三十人寄れば…  「三人寄れば文殊の知恵」という言葉がありますが、クラスには30人以上いるので、文殊菩薩が10人ぐらい教室にいる状態ですね。これまでただの傍観者で受動的に授業に参加していた生徒も、自分の意見に教師や他者が反応を示し、考えが広がっていく状況なので、能動的に参加しやすくなったと思います。実際にこれまで意見が言いたくても恥ずかしくて言えなかった生徒の参加によって、短時間で考えが劇的に集まるようになりました。  これを言うと教師の自己満足なのかもしれませんが、これまで少しずつ意見が深まっていって、最終的に凄い意見が出るというのが授業をしている側としては面白かったのですが、あまりに簡単に深まるので、授業の雰囲気と成果に乖離を感じ、ある種の寂しさを感じるぐらいです。しかし、生徒が活躍する

Google classroomを活用した美術科における振り返り活動 vol.2

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  今回は以前に紹介「Google classroomを活用した美術科における振り返り活動 vol.1  https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/05/google-classroom.html 」の続編ということで、Google classroomを活用し、スライドでの振り返り活動を実践している中で見えてきた活用方法と今後の課題について記事を書きます。GIGAスクール構想が本格的に始まった今年、各学校で試行錯誤しながら生徒たちとICTを活用されている先生が多いと思いますが、少しでも参考にしていただける部分があって、私の実践が役に立つようなことがあれば嬉しいです。そして、この記事を読んで、別の工夫された実践をされているというのがありましたら、是非吸収していきたいので、コメントしてくださるとありがたいです。 フィードバックとメタ認知の充実  以前に紹介したスライドを利用した振り返りシートでは制作状況を撮影して、画像付きで振り返りを蓄積していくことがメタ認知を促したり、教師の側からの具体的なフィードバックに役立ったりすることを説明しました。これは実際に授業でやっていてかなり効果を発揮しているように感じます。1時間の授業を通して自分の表現がどのように変化したのかを見ることができ、進歩をより実感しやすくなったと思います。教師からのフィードバックも制作状況の写真を見ながらできるため、どの部分に満足しているのか、また、どの部分につまづいているのかを分析してコメントを返すことも容易になりました。そして具体的な例となるような画像を貼り付けて返却できるため、フィードバックがかなり充実したものになったと実感しています。進歩の実感と適切なフィードバックは生徒のメタ認知を促し、その経験が成長につながっていきます。  このような方法によって、指導と評価の一体化という言葉がかなりリアリティーを帯びてきましたし、このことは「学びに向かう力」を伸ばす上で有効であると考えています。教師にとっても、指導を通して生徒の表現が変化していくことが実感しやすくなったので、過程をしっかり評価することができます。  生徒へのサポートが個々に合わせてできるようになると、達成感を味わい、モチベーションの向上につながります。稀に手厚い

期末課題として美術レポート

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   今回は、学期末の課題として美術レポートを作成することの重要性について考えを書きます。私は以前から、美術の教科特性上、テストをするよりも、レポートの方がメリットが大きいと考えてきました。もちろん、美術でも知識は必要であり、定期考査では知識だけでなく、発想面も生かせるような内容になるよう、問題の工夫が大切であることを以前の記事「 https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/02/blog-post_28.html 」で書いたことがあります。私としてはテストが悪いとは考えていませんし、時間に余裕があるのであれば、テストとレポートの両方ができたら理想的とさえ思います。しかし、 限られた時間で最大限の学びを実現するためには、テストではなくレポート と考え、「主体性」が特に重要視されるようになった現在の学習指導要領への改定を機に、定期考査を廃止してレポートにする案を昨年度末に出しました。そして今年度から私の勤務校では1学期と3学期の定期考査をレポートにすることが認められました。(2学期の考査は念のためということで残されていますが・・・)  実は以前に勤務していた学校の中には美術の定期考査がないところもあり、そこでは期末レポートを課題にしていたので、今回の取り組みは私にとって初めてのことではありません。今回、テストからレポートに変更したいと思った背景にはレポートを作成するメリットが大きいという過去の手応えがありました。  レポート作成は美術以外の教科でも大切だと思います。持続可能な開発のための教育ということでESD(Education for Sustainable Development)という言葉を聞くようになりましたが、レポートの作成はこの新しい時代の教育にも結びつくことだと思います。それにしても、SDGsとかESDとかVUCAとかSTEAMとか、頭文字だらけの分かりにくい言葉が爆発的に出てきて、新しい言葉についていくのが大変です。ITとかNATO、WTO、ASEANぐらいなら楽勝と思っていましたが、こうも怒涛の勢いで頭文字の言葉が出てくると訳が分からなくなります。暗記が絶望的に苦手な私なので、これらの頭文字言葉を積極的にこのようなブログの場で使って自分に刷り込んでいきたいと思います。自

多様な視点でモチーフを捉える 〜自分なりにアレンジ〜

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    前回は貝殻を用いた水彩画でモチーフに囚われずに表現することについてのお話をしましたが、今回もモチーフと向き合う上で大切にしていることについて書きます。  今回のテーマは「多様な視点でモチーフを捉える」。私たちは普段何気なく周りのものを見ていると思います。花壇やプランターに咲いている花を見てきっと多くの人は「普通に」綺麗と感じるのではないかと思います。そういう「普通」の感覚も心穏やかに生活する上で大切なことだと思います。そして、下のようなパンジーを見て、この写真のように絵を描くというのも良いと思います。大切なのは「自分が描きたいと思ったものを率直に描く」というのに尽きます。 絵は他でもない自分自身の幸福のために描くものであり、人の評価を気にして描くものではありません 。   視点を変えるだけで発見が溢れる  しかし、たまには「普通」を抜け出して、普段見ていない視点で周りのものを見てみるのも良いかも知れません。例えば、パンジーをこのような視点で見てみます。  見た瞬間のインパクトがありますね。思わず「WOW!」となります。実は細かい線が放射状に広がっていて、よく見るとなんとブラシのようなものが見えます。私はとりあえず身近なパンジーを今回の記事のために撮影したのですが、思わぬ発見で、早速これがなんのためにあるのかググりました。これはパンジーの中心部にある蜜を獲得するために近づいた虫がこれによって中に誘導される仕組みになっているそうです。そんな機能をパンジーが持っているなんて考えたこともありませんでした。  このように普段何気なくみている視点を変えてみると、生活にはそれほど役に立たないような雑学を増やすきっかけになります。しかし、 そういう発見は生活に彩りを与えるものであり、この世界をより楽しめるようになる大切なこと だと思います。人間は普段ものを見ているようで、実はあまり見ていません。漠然と「綺麗だな」と感じたり、周りのものを知ったつもりになってしまい、固定観念を作り上げていきます。そのようになると、この世界に潜在する魅力を味わいきれずに時間を送ってしまうことになりかねません。そういう点で子どもたちはまだ周りのものに対して固定観念をあまり持っていないため、大人からするとどうしてそんなことに気がつくのかと感心させられるような視点で周りのものを見ていますし、発見する喜