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6月, 2022の投稿を表示しています

生徒の表現を追体験

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   今回は生徒が絵画の授業で表現した方法を紹介します。紹介に用いる画像は私自身が生徒の表現から学び、追体験しながら制作した作品になりますが、生徒の工夫を分かりやすくまとめることができたと思います。  私が参考にした生徒の工夫した表現は中学3年生の絵画の授業で生まれたものです。この授業ではシュルレアリスムの技法を参考にして、偶然性の強い無意識の世界を開放し、自分の描く夢の世界や理想。欲望や欲求を表現します。シュルレアリスムの技法(デカルコマニー・オートマティスム・デペイズマン・フロッタージュ・ダブルイメージ・コラージュなど)を参考にすると言っても、3年生なので、これまでに学習してきたことは全て活用の対象なので、カットアウト(切り紙絵)や水彩の技法、印象派や野獣派、キュビスムによる色や形の表現方法、モダンテクニック、透視図や投影図、立体造形などを駆使して、「自分ならでは」の世界を表現します。  生徒は制作の中で、そのような表現を組み合わせ、独自の組み合わせを見つけ出し、強烈なインパクトをもった個性的な作品に発展させていきます。夢中になって取り組む生徒の姿を教師は見守り、何を表現しているか理解に務め、技術面でサポートが必要な生徒にはデモンストレーションや動画で学べるようにして、 あくまで生徒の主体性を尊重する姿勢で授業を行っていると、自然と教師の想像を超える表現が生まれていきます 。  そのような表現に出会ったときは生徒に許可をもらって作品の写真を撮影し、GoogleジャムボードやGoogleスライドで全体と共有します。こうして刺激的な表現を生徒にコーディネートすることで、「そんなことができるのなら自分もやってみよう」となり、そこからまた新しい表現が生まれていきます。  今回私が生徒の制作から学ぶことができた表現方法や素材の利用法は大変興味深いものばかりで、「絵画」という固定観念を破壊する豊かな創造性を感じられるものばかりでした。今回の内容で、私が刺激を受けた全ての工夫を取り上げることはできませんが、絵画表現の可能性として参考になるものになればと思います。 手形  手形を絵にスタンピングするのは定番中の定番ですが、手形の上から色を混ぜていくと手形らしからぬ自由な彩をもった表現になります。意外とこのような手形に化粧をするような表現は見たことがないのではないでしょうか。私は

フォームで音楽リクエスト&再生 〜黙食の給食時間に音楽を〜

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   今回はGoogleフォームを活用して、音楽のリクエストを生徒から集め、それをそのまま再生する私の実践例について紹介します。  コロナ禍が続き、今でも給食時間は黙食をしている学校が多いかと思われますが、黙食をしていると、食器の音や「ズズズッ」という汁系の食べ物をすする音が気になってしまうという人もいるのではないでしょうか。そのような黙食の気まずい雰囲気を打破するべく、給食時間に音楽を鳴らしたり、テレビやビデオを流したりする先生もいるのではないかと思います。  私もこれまで給食時間に体育会などのイベントの動画や、合唱曲の音源を流すなどして黙食の静寂を破ることはあったのですが、継続性がなく、聴いている側としても、ひたすら合唱曲の音源を聴かされても多くの生徒が嬉しくなるようなものでもありません。どうにかして生徒の主体性を生かして曲を集め、手軽な方法で再生できないかと考えたところ、Googleフォームで音楽のリクエストを集めるという方法を考えました。 Googleフォームで集めたデータはスプレッドシートに変換   フォームの良いところはスプレッドシートにデータが変換されるということです。スプレッドシートに変換されたデータは一覧で見やすく、入力された曲名をそのままGoogle検索してYouTubeにアクセスし、再生することができます 。単純に音楽を再生しても良いのですが、曲に対する思いなどをフォームに入力してもらうようにすることで、まるでラジオ番組のように音楽を紹介できるようにしています。ちなみに音楽の再生はCDラジカセにAUXでPCと繋いで流すようにしています。  私は朝の健康観察や連絡で活用しているGoogleカレンダーに音楽リクエストのフォームのリンクを貼り付けているので、リクエストされる曲は日々増えていきます。そうなると、どの曲を再生したか覚えておくことができなくなります。日々の業務のことを考えると、そのようなことに頭のメモリーを使うわけにもいかないので、私は再生したものはセルを塗り潰し、何を再生したか分かるようにしています。 合唱曲の選曲にも役立つ  私が勤務する中学校では、2年生と3年生は合唱コンクールの曲を自由に選ぶことができます。フォームで候補曲を集め、給食時間に再生することで黙食の気まずい静寂を破りつつ、合唱曲を考えることもできるため一石二鳥となっていま

体育会について考えたこと

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  6月4日、私の勤務する中学校で体育会が行われました。今回の体育会は私個人としては大変印象的で楽しめるものになりました。ただ、体育会をより良いものにしていくためには改めなければいけない部分もたくさんあり、現代の教育に適応させながら体育会という大きなイベントを変えていかなければいけないと感じました。  今回は体育会が今後どうあるべきなのかについて考えてみました。私自身が考えたことを整理するために書いていますが、この内容を読まれた方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。 体育会の時期について  今年の体育会は6月4日に開催されました。この時期は気温がかなり高くなってくる時期ですが、今年は幸いにも5月末からの練習の時期から比較的活動がしやすい日が多く(それでも25度以上の夏日が続きました)、私がこれまで勤めてきた学校で多かった9月開催より、身体的な負担はかなり少なかったと言えます。できれば5月中に行っておきたいところですが、私の中学校では5月に修学旅行などの校外研修が集中しており、6月頭に開催するのが日程的には限界という感じです。  体育会をする時期としては秋雨前線が去る10月下旬ぐらいが一番運動をしやすいですが、この時期は新人戦と被ってしまうので現実的ではないことを考えると、5月下旬〜6月上旬、9月下旬〜10月上旬という時期が条件的にも良いと言えます。過去に9月の第1週(8月4週目に2学期開始)という学校がありましたが、これは大変過酷でした…。 マスクについて  気温的にはそれほど負担がない時期ではありましたし、体育会当日も爽やかな天気で運動するには絶好の状態でした。ただ、コロナ禍ということもあり、競技中以外はマスクを着用しており、マスクを着けながらの活動になると、体調を崩す可能性も高くなります。練習や本番で調子を崩し、休まなかければいけなくなる生徒が続出したことを考えると、それほど高くない気温でもマスクを着用して活動するのは決して体にとって好ましいことではないことを確認することになりました。そもそも外であれば、マスクを着用する必要性も低いことから、マスクを外す、もしくは比較的呼吸をしやすいタイプのマスクを薦めるなどしても良かったのではないかと思います。 不織布のマスクは布やウレタン系と比べると感染予防にはなりますが、そもそも外では感染リスクも低いですし、汚れやすい

余った絵具で遊ぶアクションペインティング

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  先日、私の勤務する中学校で体育会が行われました。私の中学校では体育会に向けて、応援幕をクラスで作成します。応援幕の作成にはアクリル系の絵具を利用するのですが、私が担当するクラスの応援幕が完成した際に、たくさんの絵具が余ってしまいました。アクリル系の絵具なので、皿に出してしまった絵具は保存ができません。だからと言って全て捨てるのはもったいないということで、何か良い利用方法はないかと考え、アクションペインティングを活用した絵具遊びを生徒に体験してもらいました。 ダンボールを支持体に  たくさんの絵具を使ってアクションペインティングをするには、それなりに大きな支持体を使った方が思い切った表現ができるということで、ダンボールを用意しました。このダンボールは生徒が授業資料を整理するクリアブックが入っていたもので、使い勝手が良いので棚としても活用しています。この段ボールにアクションペインティングで着彩すれば面白いものができるかもしれないと考え、支持体として用意しました。コストもかかりませんし、本来はゴミとして扱われるものなので、生徒も気楽に塗ることができます。  とは言っても、刷毛を使って豪快に絵具を飛ばしたり(ドリッピング)、水で溶いた絵具を垂らしたり(ポーリング)することは生徒からすると珍しい体験です。授業でも少しはアクションペインティングについて取り組んだことはありますが、最初は恐る恐る手を動かしていました。しかし、 絵具が見せる面白い反応から次第に表現が発展し、夢中で手を動かす姿が見られるようになりました 。 実は奥深いアクションペインティング  アクションペインティングは単純な表現方法のように思えて、 行為のバリュエーションと絵具の反応は無限なので、夢中になって取り組める側 面があります。堅苦しいルールのないアクションペインティングは、「より遊ぶために遊ぶ」という、行為の中で自由に発展していく遊びと同様に、「より楽しく充実したペインティング」という自己目的的な行為の中で発展していきます。  一見同じような行為をしているように見えても、同じ行為、同じ反応というのは原則ありえません。常に新しい反応が表現を通して得られます。 自分の行為と絵具の反応、これらと対話的な関係を結び、少しずつアクションペインティングが多様な形で行われていく変化の様子を見ていると、表現は手を動か