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11月, 2023の投稿を表示しています

海外一人旅を英語を学ぶ目的に

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   今回は私の主観で考える英語を学ぶ目的についてお話しします。  英語を学ぶ目的と聞くとどのようなことを考えるでしょうか。外国人とコミュニケーションができるということや、グローバル化が進む中で英語が使えることで世界中の人や物と繋がることができるといったことが言われますが、そういった目的が多くの子どもたちにとって本当に魅力的な目的と言えるでしょうか。おそらく、多くの子どもに限らず、大人にとっても「日本だけで十分じゃない?そもそも日本のこともあまり知らんし」という人も多いと思います。  しかし、海外の観光地を雑誌や映像で見ると「いつか行きたい!」となる人は多いと思いますし、実際に子どもたちに海外の写真を見せると凄く興味をもってくれます。なので、私は英語を学ぶ目的が「興味のある海外の国や街に行って楽しめるようにする」でも良いと思っています。そして、ツアーなど安心安全な海外旅行がある中で、強く勧めたいのが海外一人旅です。 海外を一人で行くとなると、全て自分で自由に行動できるゆえに様々なことを自力で解決する必要があり、ツアーとは比べ物にならないぐらい負担が増えますが、それゆえに良い体験ができます 。非常に私の主観的な考えではありますが、英語を学ぶ最大のメリットは海外一人旅ができるようになることだと思います。  今回の内容では一人旅だからこそ得られた貴重な体験についてのお話と、それに絡めて学びというものがどのような中で充実したものになるのかを考察をしてみました。 英語は高校レベルで十分  私が初めて海外旅行をしたのは大学院2回生の3月でイタリアのフィレンツェに行きました。中学2年生の時にフィレンツェを舞台にした『冷静と情熱のあいだ』を見たことや、セリエAのフィオンレンティーナが好きだったこと、そしてルネッサンスが花開いた場所ということもあって、いつか行きたいと思っていましたが、大学生としての生活がかなりのハードモードだったので海外旅行する時間もありませんでした。なんとか学生のうちに一回は行っておきたいという気持ちから勢いでフィレンツェ行きのチケットを購入しました。  海外旅行大好きな割に初めて行ったのは割と遅めです。それ以降、結婚して新婚旅行としてツアーの海外旅行に行くまでにローマやアムステルダム、ブリュッセルに一人旅をしました。行った街の数は多くありませんが、どの街も1週間

美術科の定期考査での工夫

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  11月も後半に入り、2023年の残りも少なくなってきました。この時期は2学期の期末考査の時期で、私が担当する美術科でも試験が行われます。個人的には定期考査は3学期全て廃止にして全てレポートにしたいと考えていますが、なかなか一人の考えだけでは実現できないというのが現実です。しかし、以前は毎学期期末考査があった美術ですが現在は2学期の期末考査のみとなっているので、状況としては脱定期考査に向けて前進していると言えます。  定期考査が廃止できないことは残念であるものの、それを憂いてばかりいる訳にもいきません。どうせテストをやるのであれば、少しでも有意義なものにして学びに繋げたいと思い、私はこれまでテストの内容とテストに向けた取り組みの方法を工夫してきたので、今回はそれに関する一部を簡単に紹介します。美術に限らず、どの教科にも共通する内容として書きましたので、何か参考になるものがあれば嬉しいです。 Googleフォームで反復学習と充実したフィードバック  GIGAスクール構想が本格化して今年で3年目。1年目から一貫してテスト対策問題としてGoogleフォームの問題を作成しています。これに加えて、テスト勉強用の資料として1・2学期の学習内容をまとめた対策プリントとGoogleスライドの資料も用意しています。  GIGAスクール構想が始まる以前は対策プリントだけでしたが、今はChromebookが使えますし、多くの生徒が家庭用端末でインターネットにアクセスできる環境を持っているので、デジタルの資料と対策問題を利用できるようにしてから明らかに生徒の学習が促進された印象があります。   Googleフォームを活用したテスト対策問題 に関しては以前にも紹介しましたが、これを活用することでカラーの画像を見ながら学習者は問題に取り組むことができますし、即採点されて解答のフィードバックも得られ、繰り返し問題に取り組んで知識の定着を図ることができます。テキストだけで知識を覚えるよりも、資料集のように画像とリンクした内容に取り組む方がイメージと結びついて知識として定着しやすいメリットがあります。そして、 フィードバックに関連事項のリンクや動画をつけておけば、深く学習することができるため、テストのための勉強というのを超えて、知識欲を満たすための主体的な学習につながります 。  このテスト対策問

ChatGPTで育む根本的な好奇心

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 ChatGPTが公開されて早くも1年が経ちました。私はChatGPTやBing AIをこの1年間かなり使ってきたので、今後の教育の在り方について考察を深めることができたと感じています。  しかし、教育現場ではまだまだChatGPTに対する評価が定まっておらず、「ChatGPTで文章を作成しても作文能力は身につかない」「ChatGPTを活用して勉強してもテストの点数は上がらない」「教科書を使った方が学力がつく」といった意見が多いように感じています。  私は、こういった意見が上がるのはChatGPTを生かす視点が不十分であることが背景にあり、これまでの学習方法にそのままChatGPTを取り入れようとするゆえに否定的な捉え方をされているのではないかと考えています。  ChatGPTが学習に役立つかどうか、私の考えの結論を言うと「非常に有効」であると考えています。もしChatGPTをテストで良い点数を取るために「答えを教えてもらう」ような学習ツールとして使うのであれば、間違いを平気で言うChatGPTは合理性を欠いているとしか言いようがありませんし、試験範囲に忠実な教科書とワークが良いでしょう。しかし、ChatGPTを「思考を広げる対話のパートナー」と考えれば素晴らしい機能を発揮します。   ChatGPTを有効に活用するために必要なこと。それは身のまわりの環境への根本的な好奇心 であると考えています。その好奇心に火をつけ、探究の冒険に誘ってくれるのがChatGPTです。  今回はそんな探究的な学習でChatGPTを活用する具体的な活用方法について紹介します。何か参考になるものがあれば嬉しいです。 身近な問題について考えるツールとして  先日趣味の山登りをしているときに、ふと自分の視界が学びの宝庫であることに改めて気がつきました。視界に広がる樹木、葉、光、落ち葉、丸太、土。こういったものは当たり前の景色のように思えるかもしれませんが、日々変化しているのも事実。樹木は日々成長して1年ごとに年輪が作られていきますし、葉は11月になって少しずつ紅葉が始まっています。地面にはたくさんの灰色の落ち葉があり、丸太には無数のヒビが入っています。土も場所によって様々な土が存在します。これらを当たり前のものとして考えずに、そもそもどのようにしてこのような状態になっているのかを考えた時、果た

ハロウィン企画 実家のパンマグネット制作

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 毎年ハロウィンの日に私がやっていることがあります。それは実家が経営している 達脇ベーカリー のパンをモチーフにしたマグネットの作成です。実家のパン屋はなんと創業明治22年1889年、大日本帝国憲法公布と同じ年から続いている老舗中の老舗です。現在は兄が社長をしていますが、父も75歳ながら現役で元気に働いています。  そんな実家を密かに誇りに思いつつ、普段は美術の教師をしているわけですが、実家を宣伝する好機があればいつでもスイッチオンになるのが私の中に眠る商売根性というもの。生徒たから「Trick or Treat」とコミュニケーションを図ってくるハロウィンは1年間で最も達脇ベーカリーを宣伝する良い機会になります。 お菓子を配れないならマグネットを配れば良い  ハロウィンだからと言って、別にイベントが学校で行われているわけではないので生徒にお菓子を配ることはできません。しかし、「Trick or Treat」と言われてスルーするのはあまりにも面白みに欠けます。生徒は冗談のつもりで「Trick or Treat」と言っているのに、それを「はいはい」「無理」みたいな感じで受け流しても何も面白くありません。 冗談には冗談を、ボケには鋭いツッコミを 。関西で生まれ育った人ならきっと冗談やボケに全力で対応することが身に染みているのではないかと思います。  というわけで、私は長年達脇ベーカリーのパンをモチーフにしたマグネットを作成して、「Trick or Treat」と言ってきた生徒にはポケットからマグネットを取り出して渡しています。生徒もまさかそんなものが出てくるとは思っていないので良いリアクションを返してくれます。そのリアクションを見るだけでも十分に心地良くなってしてしまう私ですが、それ以上に達脇ベーカリーの宣伝をすることができることに嬉しさを感じます。マグネットを家に持って帰ればかなりの確率で保護者もそれを目にして子どもが達脇ベーカリーの宣伝をする。そんな発展性もこのマグネットにはあります。  もちろん、粘土の面白さを感じてもらう教育的な仕掛けも含まれています。ただ粘土で作るのが面白そうと思ってもらえるのでも十分ですが、砂や木工の授業で出た木粉を使って再現しているものもあるので、素材を生かす面白さと視点についても考える機会を提供するという面でも大切な意義があると考えています