ハロウィン企画 実家のパンマグネット制作
毎年ハロウィンの日に私がやっていることがあります。それは実家が経営している達脇ベーカリーのパンをモチーフにしたマグネットの作成です。実家のパン屋はなんと創業明治22年1889年、大日本帝国憲法公布と同じ年から続いている老舗中の老舗です。現在は兄が社長をしていますが、父も75歳ながら現役で元気に働いています。
そんな実家を密かに誇りに思いつつ、普段は美術の教師をしているわけですが、実家を宣伝する好機があればいつでもスイッチオンになるのが私の中に眠る商売根性というもの。生徒たから「Trick or Treat」とコミュニケーションを図ってくるハロウィンは1年間で最も達脇ベーカリーを宣伝する良い機会になります。
お菓子を配れないならマグネットを配れば良い
ハロウィンだからと言って、別にイベントが学校で行われているわけではないので生徒にお菓子を配ることはできません。しかし、「Trick or Treat」と言われてスルーするのはあまりにも面白みに欠けます。生徒は冗談のつもりで「Trick or Treat」と言っているのに、それを「はいはい」「無理」みたいな感じで受け流しても何も面白くありません。冗談には冗談を、ボケには鋭いツッコミを。関西で生まれ育った人ならきっと冗談やボケに全力で対応することが身に染みているのではないかと思います。
というわけで、私は長年達脇ベーカリーのパンをモチーフにしたマグネットを作成して、「Trick or Treat」と言ってきた生徒にはポケットからマグネットを取り出して渡しています。生徒もまさかそんなものが出てくるとは思っていないので良いリアクションを返してくれます。そのリアクションを見るだけでも十分に心地良くなってしてしまう私ですが、それ以上に達脇ベーカリーの宣伝をすることができることに嬉しさを感じます。マグネットを家に持って帰ればかなりの確率で保護者もそれを目にして子どもが達脇ベーカリーの宣伝をする。そんな発展性もこのマグネットにはあります。
もちろん、粘土の面白さを感じてもらう教育的な仕掛けも含まれています。ただ粘土で作るのが面白そうと思ってもらえるのでも十分ですが、砂や木工の授業で出た木粉を使って再現しているものもあるので、素材を生かす面白さと視点についても考える機会を提供するという面でも大切な意義があると考えています。
実家の宣伝と教育的な仕掛け、私の野望を詰め込んだパンのマグネットをこれからも作り続けていこうと思います。
樹脂粘土で手軽に作れる雑貨
粘土と言えば紙粘土や油粘土をイメージする人が多いかもしれませんが、雑貨のようなものを作る場合は樹脂粘土がお勧めです。樹脂粘土は紙粘土と違って一度固まると耐水性で薄い形にしてもかなり強度があるため、マグネットやキーホルダーといった雑貨を作るのに適しています。
粘土に絵具を混ぜると綺麗に色が染まりますし、練る途中でマーブル模様にもなるので色の工夫も多様にできます。色を形ができてから着彩するのも良いですが、粘土自体が色で染まっているので、非常に色の存在感が強くなります。色彩の魔術師と言われたヘンリー・マチスは色と感情の効果に注目してカットアウトという技法で晩年はたくさんの美しい色面の作品を制作したように、色を塗るのではなく、色のついた物質をそのまま生かすことによって得られる色彩効果は実はかなり大きいものです。
粘土に色がついているため、たとえ傷がついてもそれほど目立ちません。なのでキーホルダーとして使うことも問題なくできます。紙粘土でキーホルダーを作ると強度的にもボロボロになりやすいですし、色もハゲてしまいかねません。もちろん紙粘土にも絵具を入れて染めることはできますが、紙粘土はその性質上紙の白が強く、絵具との混色で淡いペールトーンになってしまいます。それに対して樹脂粘土はボンドと同じような樹脂が多く含まれているため元々透明度が高く、色が透けて見えやすいことから絵具の色が強く出ます。こういった面でも樹脂粘土は細かいところまでこだわった造形が可能になります。
昔は美術の授業では紙粘土を使っていましたが、最近は樹脂系の粘土を使うようになりました。紙粘土も表面を溶かしながら形を整えていくのはとても楽しいのですが、とことんこだわって形や色を突き詰めたいという場合には樹脂系の粘土の方にメリットがあるように思います。百均に行くとたくさんの種類の粘土があるので、紙粘土と油粘土しか知らないという人は一度他の粘土も触ってみても良いと思います。普通に大人でも粘土で遊べます(笑)今日は文化の日ですし、この3連休は粘土で文化的な生活を楽しむのもお勧めです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はハロウィン企画ということで、実家のパンをモチーフにして制作した樹脂粘土のマグネットについて紹介しました。正直なところ、教員になるまでハロウィンに対して何の思い入れもありませんでしたが、主体的にハロウィンと向き合うだけでハロウィンを特別な日にする方法を見つけることができました。人間、何かきっかけがないと創造性を発揮することが難しいですが、そのきっかけとして利用できることはいくらでも身の回りにあると思いますし、そういった視点が美術教育に限らずあらゆる教育に関することに生かせるものなので、これからも可能性を探り続けていきたいと思います。とりあえず明日は新人戦の岡山県大会で備前に引率に行くので、せっかくの3連休を満喫できるようにアンテナを張っておきたいと思います。
それではまた!
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