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2月, 2024の投稿を表示しています

世界一基準を参考にしてアイディアスケッチと制作に取り組む仕掛け

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 美術の指導をしていると、生徒のアイディアスケッチや作品を見た時に多くの生徒が色や形に関する固定観念に縛られた状態であることを認識することがあります。固定観念に縛られた表現というのは多くの人と共有できるある意味で「普通」で「分かりやすい」ものと言うこともできますが、それが制作者の本来の理想を形にしたものであるかというとそうではないことが多くあります。  そういった制作者の内側にあっても本人が意識できていない理想やモチベーションを引き出すのが美術教師の大切な役割であり、学習をファシリテートする大切な視点であると考えています。  今回は生徒が固定観念から(ある程度)解放されて自由に創造することを楽しむことにつながる指導の工夫を紹介します。結論から言うと、それは「世界一基準」について考えさせるということです。「世界一基準」のものを目にすることで、自分のものの見方が非常に限られた世界観によるものであることを自覚し、形や色、構成の工夫によって自分にとって本当の理想を表現することにつながると考えられるためです。  今回は「世界一基準」について生徒に考えてもらえるようにするために私が美術室で行なっている仕掛けについて紹介します。 世界中の美しいものにアクセスできる環境  Googleスライドで世界中の魅力的な自然や造形物を集めたページを作成し、それを印刷したものを美術室に掲示しています。Googleスライドで作成しているのでQRコードも簡単に作成でき、それを貼り付けておけば、ICT端末ですぐにアクセスすることが可能です。  Googleスライドの写真にはサイトへのリンクを貼り付けており、ググらずともすぐに魅力的な世界の自然や文化財にアクセスできるようにしています。  世界や宇宙に目を向けるといくらでも魅力的なものがあり、そういったものを制作する際の参考にするかどうかで色や形、構成の捉え方が大きく変わってくるものです。理科や社会の学習で美しい世界を普段から目にしているはずですが、それを自分自身が生かすという視点は意外と多くの人が持てておらず、自分事として考えていないのが普通です。せいぜい将来旅行で行ってみたいと思う程度ではあまりに勿体無いので、 その美しさを自らの創造活動にも生かすことができるきっかけを作ることが大切であると考えています 。 コンフォートゾーンから外へ  世界一基準

竹で手軽に工芸品を作る楽しみ

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 最近抹茶にハマり和菓子を食べることが多くなりました。和菓子は手で摘んで口の中にポイしても良いのですが、菓子切りを使って少しずつ切りながら食べるのも品があって良いですね。今回は竹で簡単に作ることができる菓子切りについて紹介します。糸鋸と彫刻刀、サンドペーパーがあれば10分程度でできますし、工夫次第で色んな形のものができて制作すること自体が面白いので、良かったら作ってみてください。 抹茶にハマって必要になった菓子切り  私は抹茶にハマる前まではそもそも和菓子を買って食べることが皆無でしたが、抹茶と和菓子のコンビネーションは抜群なので、最近は和菓子をよく購入します。そうなると、和菓子を食べるときに菓子切りが使いたくなるわけで、これまでは家に菓子切りというアイテムがなく、フォークがその代わりを担ってきました。ただ、やはり菓子切りを使って食べたいというモヤモヤ感がずっとありました。菓子切り自体は簡単に購入できるものですが、逆にそのために購入するのもお金がもったいない&自分でも作ろうと思えば作ることができるという思いからフォークで妥協し続けていました。  そんな中、普段部活動をしているテニスコートの脇に切られたまま転がっている竹を発見。これは使えると思って美術室に持ち帰り、早速菓子切りを作成しました。 一旦作り始めると色んなデザインを試したくなる  菓子切りは菓子を切って突き刺す機能さえあれば十分なので、最初はただ細長く薄く竹を加工しただけの菓子切りを作りました。家に帰って早速使ってみたところ普通に使いやすかったので満足していたのですが、菓子切りについて色々と調べていると色んなデザインがあって面白かったので、暇を見つけては次々に菓子切りを作成しました。  最初はシンプルな形だったものに少しずつ遊びを入れていきました。竹の節の部分を生かした形も造形的に面白い効果が生まれます。  糸鋸で竹を横向きに切って、縦向きにはノミや平刀を使ってハンマーで力を加えて割れば簡単に菓子切りサイズにできます。竹は横向きの力には非常に強いですが、縦向きには簡単に裂ける構造をしているので、その特性を利用します。ただ、節の部分は簡単には避けないので、電動糸鋸機があれば横向きも縦向きも簡単に切れるので便利です。  適度なサイズに切れば、後は彫刻刀で薄く滑らかな形に整え、最後にサンドペーパーで磨いて

メッセージカード作成にGoogle図形描画 〜少しずつ校内GIGA化を進める〜

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 今回は私が勤務している中学校の図書委員会担当の先生がChromebookを活用して卒業生&在校生からのメッセージカードを作成するということで、美術&ICT担当の私も協力させていただきました。取り組んでみてとても良い作品が生徒の手から生み出されたので運用方法を紹介します。 Google Classroomで生徒が個別に編集できるGoogle図形描画のファイルを配信  私の仕事は、図書委員会の先生にGoogle ClassroomでGoogle図形描画の課題を配信する方法と、Google図形描画の利用方法を説明すること、そしてGoogle図形描画でできることを説明する作品例のファイルを作成して普段Google図形描画を使っていない生徒でも簡単にデザイン性の高いメッセージカードを作成できるようにすることでした。  私は普段の美術の授業でも作品制作やレポート作成の方法を例を用いて説明しています。Googleスライドを活用すれば図やリンクの挿入やレイアウトが簡単にできて、ページでカテゴライズすることもできるのでとても便利です。 Google図形描画も同様に図やリンクの挿入で説明に関する情報を充実させることが可能ですし、今回のように画像を作成する場合であれば作品例を用意し、構造がどのようになっているのかを自分で分析できるようにすることもできます 。何もない状態から試行錯誤するより、すでにできているものを分解した方が理解しやすいという人も多いと思います。  生徒に配信するファイルにも説明の図を枠外に配置しておくと、生徒はそれを参考にしながら自分の制作に取り組むことができます。石畳の模様になっている枠の部分はJPEGなどにファイル変換してダウンロードする際の画像範囲になっているので、このサイズは予めA4やB5といった印刷サイズにしておき、この中に収まるようにレイアウトを考えるように伝えておきます。  後は背景の色や画像を選び、文字をテキストで入力したり、Chrome描画キャンバスやロイロノートで書いた文字、背景削除できるツール( removebgを利用 )で紙に手書きした文字の背景を削除したものなどを配置したりして作品を調整します。  画像を作成するだけであれば、デザイン性に優れた素材が揃っている Canva を活用するのも有効ですが、委員会や授業などで作品の回収

美術科の作品展をQRコード活用で学習資料共有の場に

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 今回は美術科などでよく行われる作品展でQRコードを活用した学習資料の共有について紹介します。美術に限らず学習に活用する資料をオリジナルで作成している先生は多いと思いますが、QRコードを活用すると資料の共有がとても簡単にできるだけでなく、紙では不可能だったデジタルならではの機能も使えるので、学習に関する作品展や研究会を行う場合には是非活用してほしいと思います。 作品展を授業資料共有の場に  この度、私が勤務する倉敷市の小中学校の図工美術の作品展「倉敷っ子美術展」が2月2日(金)〜2月18日(日)まで開催されます。もし倉敷に用事や観光で来られる機会があれば、是非倉敷市立美術館へ足を運んで作品鑑賞していただけると嬉しいです。  勿論、会場には私の担当した生徒の作品(中1と中3)もたくさん展示されており、作品付近には教材に関する資料が見られるQRコード付きの説明文を貼り付けています。  展示作業が終了して他の先生が早速QRコードをスマホで読み取って学習資料を見られていました。Googleで作成した資料は共有設定を変えることができ、通常は個人や組織のユーザーのみの閲覧や編集が可能ですが、「リンクを知っている全員」にも共有可能で、これは文字通りリンク先に誰でもアクセスできる状態なので、リンク先のQRコードさえ用意すれば簡単に資料共有できます。  学習資料を共有することで、制作の過程が分かり、作品の見え方が変わってきます。 美術教育では作品の良し悪しよりも、いかに充実した学習過程を経験できたかが重要視されるようになってきています 。私はこれは非常に望ましいことであり、学習過程でたくさんの失敗をすることで確かな学びもあるため、「作品の完成度=学習の充実度」とは一概には言えないと考えています。むしろ、失敗だらけでも興味深い現象をたくさん作り出すことができたのであれば、それは十分に魅力的な作品であると言えます。なので、 教材が作品という表面的な部分だけで共有されることを学習資料の共有によってある程度防ぐことができるというのは意義深いことであると考えています。 QRコードの作成方法  最近Google Chromeがアップデートされて、実は以前よりもQRコードの作成方法が分かりにくくなりました。Chromebookの場合は以前同様にアドレスバーの横にQRコードを生成するアイコンがあるの