竹で手軽に工芸品を作る楽しみ
最近抹茶にハマり和菓子を食べることが多くなりました。和菓子は手で摘んで口の中にポイしても良いのですが、菓子切りを使って少しずつ切りながら食べるのも品があって良いですね。今回は竹で簡単に作ることができる菓子切りについて紹介します。糸鋸と彫刻刀、サンドペーパーがあれば10分程度でできますし、工夫次第で色んな形のものができて制作すること自体が面白いので、良かったら作ってみてください。
抹茶にハマって必要になった菓子切り
私は抹茶にハマる前まではそもそも和菓子を買って食べることが皆無でしたが、抹茶と和菓子のコンビネーションは抜群なので、最近は和菓子をよく購入します。そうなると、和菓子を食べるときに菓子切りが使いたくなるわけで、これまでは家に菓子切りというアイテムがなく、フォークがその代わりを担ってきました。ただ、やはり菓子切りを使って食べたいというモヤモヤ感がずっとありました。菓子切り自体は簡単に購入できるものですが、逆にそのために購入するのもお金がもったいない&自分でも作ろうと思えば作ることができるという思いからフォークで妥協し続けていました。
そんな中、普段部活動をしているテニスコートの脇に切られたまま転がっている竹を発見。これは使えると思って美術室に持ち帰り、早速菓子切りを作成しました。
一旦作り始めると色んなデザインを試したくなる
菓子切りは菓子を切って突き刺す機能さえあれば十分なので、最初はただ細長く薄く竹を加工しただけの菓子切りを作りました。家に帰って早速使ってみたところ普通に使いやすかったので満足していたのですが、菓子切りについて色々と調べていると色んなデザインがあって面白かったので、暇を見つけては次々に菓子切りを作成しました。
最初はシンプルな形だったものに少しずつ遊びを入れていきました。竹の節の部分を生かした形も造形的に面白い効果が生まれます。
糸鋸で竹を横向きに切って、縦向きにはノミや平刀を使ってハンマーで力を加えて割れば簡単に菓子切りサイズにできます。竹は横向きの力には非常に強いですが、縦向きには簡単に裂ける構造をしているので、その特性を利用します。ただ、節の部分は簡単には避けないので、電動糸鋸機があれば横向きも縦向きも簡単に切れるので便利です。
適度なサイズに切れば、後は彫刻刀で薄く滑らかな形に整え、最後にサンドペーパーで磨いて完成です。竹の表面は光沢があり、この部分は磨かずにそのままにしておくのも良いでしょう。少し磨いただけでこの光沢ゾーンはなくなり、繊維がみっちり見えるゾーンに到達するので、あえて磨かないのも良いかと思います。
竹の繊維は外がわから内側にかけてかなり違った構造になっているので、削り方次第で様々な表情を出すことができ、工夫次第で色んな造形を楽しむことが可能です。
抹茶を楽しむアイテムとして
菓子切りを使い始めたことで上品に和菓子を食べることができるようになり、抹茶体験を充実させることができるようになりました。竹の菓子切りがスッと菓子に入る感触は金属のフォークとはかなり違って皿に接触した時にカチカチ音も鳴らず優しさを感じます。
家で抹茶と和菓子を楽しむのであれば品の良し悪しなど気にする必要もなく、口の中に入って味わうもの自体は何も変わらないかもしれませんが、雰囲気を楽しむということ自体がとても大切であり、そういった美意識が生活のあらゆる場面に影響してくると思います。
抹茶を立てるようになって実感したのが、茶筅でかき混ぜる時の音自体にも美しさがあり、体験価値があるということです。これはペットボトルで飲む時にはまず得られない体験ですし、そもそもペットボトルで美味しい抹茶を味わうことも困難です。
抹茶を楽しむためにもそれを引き立てる和菓子の存在が重要であり、その和菓子を食べる際に活躍するのが菓子切りであることを考えると、自分の好きな菓子切りを作り、それを使うというのはちょっとした幸せ体験につながることだと思います。
余談になりますが、現在使っている茶碗は本来は抹茶用に使うものではないためかなりミスマッチな雰囲気を放っています。突如昨年末から抹茶が飲みたいと思って茶杓や茶筅はアマゾンで購入しましたが、茶碗は実際に触って気に入ったものを購入したかったので、今あるもので妥協しています。いつか滋賀県の信楽に行って気に入ったものを購入しようと考えていて、今はその出会いの瞬間を日々想像することを楽しんでいます。
この計画を練っているときのワクワク感というのは大切で、茶碗の購入に関してはアマゾンですぐにポチってはいけないと考えています。旅行は実際に現地に行ったときよりも行く前のワクワク感の方が幸福度が大きいというオランダの研究結果もあるように、幸せな計画をするというのは脳の前頭前野を活性化し、ドーパミンの分泌を促すとされています。信楽は大学生の時に度々行ったことがある場所で、信楽焼には特別な思い入れがあります。実際に幾つか信楽焼を所持していますが、茶碗は以前に誤って割ってしまい現在所持していないので、自分にとって最高の信楽焼の茶碗との出会いを楽しみにしている次第です。
竹は粘土のし棒としても活躍
竹は材料だけでなく、粘土の道具としても有効です。現在、粘土の実習をしていますが、粘土を伸ばす際にのし棒があると非常に綺麗に粘土が伸びてくれます。これまで美術室にのし棒がありませんでしたが、この度、竹ののし棒を導入することができ、早速生徒が使い始めています。当たり前ですが「とても伸ばしやすい」と好評をいただいています(笑)
生徒の中には筆をのし棒代わりに使うケースもありましたが、筆は細すぎるのでのし棒としてはベストではありません。もちろんテニスコート脇に落ちていた竹がのし棒としてベストとは言えませんが、道具として使うには十分です。
購入しなくても身の回りには使える素材がたくさんあります。そういったものへのアンテナを高くしておき、機会があれば積極的に活用することが大切だと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は竹で手軽に工芸品を作る楽しみについてお話しさせていただきました。何か参考になる部分があって竹を使って作ったり楽しんだりすることに興味を持っていただけたのであれば嬉しいです。
これからも身近にある色んな素材を有効活用していきたいと思いますし、報告できるものがあれば記事にしたいと思います。
それではまた!
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