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4月, 2024の投稿を表示しています

スプレッドシートの年間指導計画に様々な要素をリンクさせ、「共有場」として機能させる

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 新年度開始早々にやらなければいけない業務として年間指導計画作成があります。多くの場合、ワードやエクセルで作成し、紙ベースで保管するのではないかと思いますが、この資料が有効に活用されているのをあまり見たことがないと感じる先生も多いのではないかと思います。正直なところ、年間指導計画を立てなくても教科書に沿って行えば授業は特に問題なく行うことができますし、私が担当する美術科においても絵画やデザイン、立体造形、工芸、鑑賞といった内容のポイントを押さえてさえいれば教科書を使わなくても学習指導要領の内容をカバーすることは十分に可能です。  では年間指導計画の存在意義とは一体何なのかとなります。計画を考えることによって教師自身が指導のポイントについて考え、授業のイメージを膨らませることができるという「一般的な」指導計画の存在意義は決して無視できるものではありませんが、私はそれ以上に 「授業資料の共有場」として機能させることに価値がある と考えています。そのために、私はGoogleスプレッドシートを活用して年間指導計画を作成するようにしています。  今回はスプレッドシートで資料を共有したり、アップデートしながら日頃から活用する方法を紹介します。とても便利なだけでなく、これまでの紙ベースの年間指導計画ではできなかったような使い方もできるのでおすすめです。 エクセルから簡単にスプレッドシートに変換可能 スプレッドシートで便利になること  スプレッドシートで一から年間指導計画を作成するのは大変な労力ですが、既にこれまで使ってきたエクセルの年間指導計画があるのであれば、Googleドライブにアップロードしてスプレッドシートにほぼそのまま変換できるので、手間はほとんどかかりません。  ただエクセルのファイルをスプレッドシートに変換して印刷するだけならメリットはありませんが、スプレッドシートに変換することで以下のようなことが可能になります。 ・インターネット上で直ぐに編集することができる(インターネットにつながるどの端末からでも編集可能) ・共有の設定で他者と共同編集したり、ファイルを共有したりすることが容易 ・リンクの機能でGoogleドライブに保存しているファイルと繋げられる ・スプレッドシートのQRコードを作成して資料共有 ・Google Chromeを常時使っている場合、Google

中1最初の授業で「やりたいと思ったら即行動」のマインドセットに

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 新年度が始まり、私が担当する中学1年生の全てのクラスの授業が1回目を終えました。初めての美術の授業では学習における大切なマインドセットを持ってもらえる仕掛けを可能な限りたくさん体験してもらえるようにしています。例えば、 「美術と感動的で文化的な生活」「徹底的に遊ぶ」「マナーさえ守れば全てOK」「失敗最高」「主役はみんな」「先入観の排除」「自分の感性を生かして自由に表現」こういったことをスライドを使ったり、実際に表現したり中で生徒に伝えるようにしています。こうして、中学校で学習する美術に対して良いイメージをもってもらえたら、美術へのモチベーションを促進することになるので、1発目の授業を非常に大事にしています。  今回は、1発目の授業で生徒に伝える内容で、特に私が重要視している 「やりたいと思ったら即行動」 について私の考えをまとめました。 これは個性を発揮した自由な表現を可能にするスモールステップであり、これをマインドセットにできれば、自然と結果はついてくると考えています 。なぜなら行動と思考は一体化したものであり、双方は不可分なものであるためです。 本当に自由に表現できる時間であることを認識できる仕掛け  美術は個性を発揮して自由に表現する時間。これは自明のことのようで、往々にして教材や制作条件、制作環境に制限が多すぎて実現できていないことがあります。これとは逆に、教材や制作条件が生徒の活動を促進する仕掛けに乏しく 放任的な時間になっても、結果的に表現活動における自由を経験することが難しくなってしまうこともあります。教師が個性を発揮できる仕掛けをつくることができているか否かで活動の充実度は大きく異なることになります。  私が特に重要と考える「やりたいと思ったら即行動」という考え方は、何の仕掛けもない中でいきなり言われても、そのような経験とメタ認知が十分でない場合、何をどうすれば良いのか考えることが難しく、充実度の乏しい時間になりかねません。なので、何ができるのかイメージをもたせる仕掛けが大切になります。    上は最初の授業で配布するプリントです。授業の流れで逆さグリッドデッサンで先入観を排除してモチーフの位置関係さえ掴めばある程度似せて描くことは簡単にできるようになり、デッサンはコツさえ掴めば皆同じように描けるようになるという描画体験をした上で、個性的な表現をす

ICTの活用はWOWの「仕掛け」として

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 2024年度の授業が始まりました。今年も授業を鋭意アップデートして生徒と共に充実した学習経験をしていきたいと思います。  充実した学習経験を可能にするために、私は教室を造形活動で思う存分楽しめるように整えたり、体験を通して学べる教材を作成したりと、アナログ面での工夫を普段から行っていますが、ICTも積極的に取り入れています。  ICTを取り入れることで資料の提示や共有が手軽にできるというのは言うまでもないことなので、わざわざ詳しく話しません。 私がICTを活用する最大の目的は一瞬で生徒にWOWと思ってもらえる「仕掛け」としての役割があるためです 。特に動画の効果は非常に大きく、これが生徒の端末と共有できるようになったことで生徒の興味関心をより引き出すことができるようになったと感じています。  今回は私がICTを活用して学習者にWOWと思ってもらえるような仕掛けの視点について少しまとめてみました。 WOWの「仕掛け」として  ICTとプロジェクターで教科書の内容を提示したり、スライドで学習の要点を強調しながら説明したりといった「教師が生徒に説明するためのICT活用」は広く行われています。私も内容をまとめたスライドを用意して授業で利用はしていますが、基本的に、教科書や資料集に載っている内容をそのまま学習するのであれば、自分で読むだけでも十分であるため、「問い」を投げかけるためにスライドを作るようにしています。資料を見ながら読み上げるスライドの利用は生徒にとって退屈な時間になってしまう可能性が大きく、そのような資料作成は極力避けるようにしています。   私が何よりスライドの作成で大切にしているのは見た瞬間にWOWと思ってもらえるようなインパクトある「仕掛け」を作ること です。私が担当している美術の教科書は他の教科の資料と比べても構成がドラマティックで感動を演出する仕掛けがたくさんあります。なので、ICTを積極的に活用していると言ってもアナログの教科書を資料提示として使うことも少なくありません。  ただ、教科書の内容が自分の伝えたいことを全てサポートしてくれているわけではないので、その部分はICTを活用して視覚的なインパクトを最大限に引き出せるように工夫しています。  例えば、光を表現した印象派に関する学習(学習は対話的鑑賞を基本にして進めていきます)では、教科書や資料集

1枚の画用紙で無限の楽しさ

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 桜も満開となり、いよいよ新学期が始まります。この時期は1年間の美術の指導計画を練り、生徒の手からどのようなものが生み出されるか想像することになるので、個人的に大変ワクワクする時期です。  今年は原点回帰を新年の抱負に掲げ、普段の生活や教育について捉え直し、毎日を楽しく過ごすことを大切にしています。自分自身が子どもの頃の感覚を呼び起こし、それを教育活動に反映させることで結果的に生徒にとっても自分にとってもWIN-WINな状況を発展させることができるのではないかと考えています。  そのような状況を実現して生徒の主体性を刺激できるよう、昨年度末、1年生の最後の授業で実験的な教材に取り組んでみました。それは「1枚の画用紙で無限の楽しさ」というもので、生徒に画用紙(16切サイズ)を1枚配り、30分程度の制作時間で自由に作品を制作してもらいました。  この教材を実践することを通して、改めて造形教育に限らず教育全般において大切なことを確認することができたと感じています。この経験は今年度の指導計画を考える基礎固めになりました。  今回はこの教材の説明について簡単にまとめました。造形教育に携わる人にとって何か参考になる内容となれば嬉しいです。 制作条件は「1枚の画用紙を使い切って制作時間は徹底的に楽しむこと」 ルールは「マナーを大切にする」「教師に許可を求めない」  1枚の画用紙を配っていきなり自由に30分程度制作させるのも良いと思いますが、「画用紙を使い切って徹底的に楽しむ」という制作条件を設けるようにしました。楽しむことを条件にすることで、制作時間中は可能な限り楽しさを創り出す必要が出てきます。この条件設定は時間を最大限に有効活用する上で根本的に大切なことだと考えています。この条件を設定していることで、暇を持て余しているような生徒に「楽しんでますか?」と尋ね、生徒のメタ認知を促す仕掛けをしやすくなります。実際には手を止めて時間を潰している生徒はほとんどいませんでしたが、紙飛行機のようなすぐにできるものを作成した生徒も時間いっぱい色を工夫したり、より良く飛ぶ構造の紙飛行機を調べたり、改良を加え続けていました。  「マナーを大切にする」と「教師に許可を求めない」をルールとして設定した狙いは、自分で考えて行動することを第一優先にしてほしいと考えたためです。人に迷惑をかけないことや道具