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秋は外で読書

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 ようやく秋らしい気候になってきて気持ち良く過ごせるようになってきましたね。個人的に秋から冬にかけての爽やかで肌寒くなっていくこの時期は1年間で一番好きです。運動するにも気持ちが良いので、心身ともに快調になれる幸せな時期でもあります。  そして、秋といえば読書の秋でもありますね。読書は屋内でする人が多いと思いますし、私自身も普段は家で読書をしています。ただ、心地よい秋の時期は外出した時に少しでも時間に余裕があれば公園などでkindleを活用してなるべく読書するようにしています。  今回は、私がよく活用する読書スポットについて紹介します。ポイントは「事のついで」です。 家と外出先の間にある公園など  外で読書するのが気持ち良いと言っても、読書のためだけに公園に出かけて読書をすることはほとんどありませんが、ほぼ毎日車に乗って仕事へ行ったり、休日も部活動で学校や試合会場へ行ったりしているので、天気さえ良ければ家と外出先の間にある公園で読書をすることができます。  倉敷や総社にはありがたいことにたくさんの大きな公園があり、駐車する場所にも困らないので、気軽に寄って良い場所に腰掛けて読書しています。読書以外にも仕事もすることがあり、大変捗ることを実感しています。ノマドワーキングですね。 (ソフト)テニスの部活動のついでに試合会場で  試合で利用するテニスコートは大抵大きな公園の一画にあるので、部活動前や部活動後に読書するにはぴったりの場所です。  試合がある日は大体8時前には部活動として始まるので、それよりも早い時間に読書するとなると7時ぐらいからになりますが、朝早くにコーヒーを飲みながら公園で読書するのはとても気持ちが良く、人も少なく大変静かな中で取り組めるので集中することができ、最高の朝活になります。 ランニングのついでに  私の住む街、総社には五重塔があり、この場所を目的地にしてよくランニングするのですが、この五重塔がある備中国分寺には広場も併設されているので、この場所で読書するのがとても好きです。風光明媚な景色を眺めながらゆっくりと本を読む。そんな贅沢な体験ができるこの場所は本当にありがたいです。  写真は夏のものですが、夏のランニングで汗が爆発している時に木陰で休みながらkindleで読書するのも好きです。蝉の鳴き声で賑やかなのですが、それによって逆に周りの音がかき

美術室に道具と材料の表示を導入

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 学習者の主体性が重んじられるようになり、教師には生徒のやる気に火をつけるファシリテータとしての役割がこれまで以上に強く求められるようになりました。私自身も最近はナッジ(行動をそっと後押しする仕掛け)に注目し、できることから実践しています。  今回はその一環として私が取り組んだ美術室の道具や材料を表示する仕掛けを紹介します。これは私が務める中学校の図書館で行われていることをヒントにしました。普通図書館は棚の端にジャンルが表示されていますが、本校では棚の表示に加えて天井からの吊り下げ式の表示もあり、遠くからでも一目でどこに何があるかが分かるように工夫されています。美術室では、吊り下げ式の表示にはしませんでしたが、遠くからでもすぐに分かる表示は導入することができました。 美術室の使用可能な道具や材料を分かりやすく表示  これまで私は基本的に美術室にあるものは「マナーさえ守れば自由に使える」ようにしていました。とは言っても、実際に使うとなると「先生、ボンドを使って良いですか?」「ここにある木材は使って良いですか?」といった確認をする生徒が多くいました。そして、そのような生徒がスイッチとなって他の生徒も続々と美術室の道具や材料を利用し始めるという状況がよく見受けられました。 自由に使えると言われていても、自分のものではない道具を使ったり、美術室にある材料を利用したりするのは少々勇気のいることなのかもしれません。  しかし、 表示のあるものは基本的に利用できるということが分かれば、利用する際のハードルがなくなり、気軽に手に取ることができるようになります 。大きな表示で、 どこに何があるのか目に入りやすい環境となれば、そこにあるものをちょっと使ってみたくなるのではないかと思います。 表示の枠を3種類に色分け  使えるものが分かっても、完全に自由に使えるのか、それとも使用する際に条件があるのか、こういったところを分かりやすくしておく必要があります。なので、利用後は元通りに戻すものは青枠、無制限で自由に利用できるものは緑枠、利用する際に相談した上で使えるものは赤枠と、表示の枠の色を3色に分けることで、より安心して使えるようにしました。  緑枠で表示されているものは、私に相談なくても自由に使えるわけなので、生徒が制作をしていて何か使えるものがないか探すときに役立ってくれると思います。

教科横断的な美術の学習について②

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   前回の関数のグラフでバランスの良い図を描けるという教科横断的な美術の学習に引き続き、今回も数学と関連した教科横断的な美術の学習について、私が授業で実践している内容から紹介します。  上の図は日本の伝統文様をステンシル版画で作成したもので、正方形ベースの方眼と正三角形ベースの斜方眼を基にして図を描いています。こういった文様も方眼さえあれば簡単にかけるようになりますが、そのためにはほんの少しだけ数学の知識(コンパスを活用した垂線と正三角形のかき方)を活用します。ほんの少しとは言っても、数学の知識を活用しなければこれらの文様をバランス良くかくのは困難を極めます。  日本の伝統文様はネット検索すればいくらでも出てきますし、それを拡大縮小コピーして切り抜けば自分で文様をかく力がなくても割と自由に版画作品を作ることも可能ではあります。しかし、そのような方法では数学的な視点で捉え、構造を分析したり、スケールを自在に調整したり、法則を活かして発展的な文様を作成したりする数学的リテラシーを活用した美術表現をする機会を得ることが難しくなってしまいます。  せっかく数学で定規とコンパスだけで垂線や正三角形をかく方法を学んでいるのであれば、そういった力がデザインを構成する基盤になり得るということを実感し、 いつでも状況に応じて図を活用できるのが望ましいと私は思います 。印刷によるコピーではせいぜいA1サイズのものまでしか作成できませんが、この方法を知っていればもっと巨大なものでも自在にできますし、スケールが大きくなるほど数学の力が発揮されます。建築や都市計画のデザインに数学的リテラシーが必要になりますが、平面デザインでの数学の知識の活用はそのためのスモールステップになり得ると考えています。  というわけで、今回は簡単に方眼と斜方眼のかき方、そしてそれを基盤にした伝統文様の作り方について紹介します。興味があれば伝統文様の切り絵やステンシル版画で遊んでみてください。 垂線を活用して方眼作成  コンパスと定規を活用して垂線を複数本かき、同じ長さで区切ったものを直線で結べば正方形を敷き詰めた方眼を作ることができます。垂線をわざわざコンパスを使ってかかなくとも、紙の形に沿って長さを区切れば方眼はできますが、紙に縛られることなく自由に方眼をかく方法を知っておくこと自体に意味があると思います。  

教科横断的な美術の学習について①

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 最近のマイブームがナッジ(行動をそっと後押しする仕掛け)であることを以前のブログでもお話ししましたが、私は生徒が美術の学びを主体的に行えるナッジについて重点的に研究していきたいと考えています。これまでも美術室の環境や教材を工夫することによって生徒の「やりたい」という気持ちを後押しできるように取り組んできましたが、さらに行動に結びつくような仕掛けを計画しています。  現段階で私がイメージしている美術教育におけるナッジのタイプは3種類あり、「教室環境」「教材」「問いかけ」を工夫して、生徒の学びを後押ししたいと考えています。今後この種類を増やしていけるように、視野を広げていきたいですが、まずはある程度イメージできていることを具現化しつつ、その中での反応から新しい世界を拓いていきたいと思います。このブログでは不定期にはなりますが、構想したことや実践・研究して得られた気づきをまとめていきます。 教科横断的な学習をテーマに  今回は教科横断的な学習を実現するためのナッジについて少し考えてみました。私自身、元々は美術専門で大学に入ったわけではなく、美術を志したのは22歳(大学4回生)のときで、それまでは言語学(英語)や文化に関することをメインで勉強していました。そんなこともあって、美術の造形的な知識で考えるよりも、どちらかというと文化学や言語学、哲学といった面、時には数学や理科的な側面(一応高校は理系クラスで、得意科目は英語と国語、苦手科目は化学と物理でした…(苦笑))から美術を捉える傾向があり、自然と教科横断的な美術の学習をしてきたと言えます。 それゆえに、自分自身、美術の学習で教科横断的に知識を応用して取り組むことは当然できるものであると思い込み過ぎていたところがあったのかもしれません。 自らの判断で教科横断的に考えることの少なさ  美術の授業をしていると、他教科で学んできたことを応用することが多くの生徒にとって「盲点」であることにこれまでたくさん気づかされてきました。例えば、 「コンパスがないと綺麗な円が描けないと思っている」←定規で半径を何点かマークして結べばコンパスの性能に囚われない円が自在に描ける。(数学) 「なんとなくシンプルでも良いと思っている」←短歌や俳句、詩のように構成するパーツが鍵であり、無駄なものを省き、修辞を生かすことでイメージが強調される。(国語)