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10月, 2024の投稿を表示しています

散歩を充実した学習にするChatGPT

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 秋が深まって心地よい時期ですね。秋雨前線がまだしぶとく停滞していて、スッキリ晴れない日も多いですが、まもなくカラッとした肌寒い晩秋を迎え、野山の木々が美しく色づくのを楽しめる時期になるのをワクワクして待つ今日この頃です。個人的に晩秋が一番好きですね。  最近は外の気候が心地よいのもありますが、2歳の娘が口癖のように「外に行く」と言うので、休みの日は一緒に散歩に出かけることが多いです。私自身、散歩は好きですし、自然と触れることは子どもの成長にとっても大変良い影響があるので、私にとっても娘にとってもWin -Winなのが秋の散歩です。  小さな子どもと一緒に散歩に出かけると、子どもは何でも興味をもって触ろうとするので、一緒に行動しているだけで普段見逃していたことと出会う機会も生まれます。娘は植物を見て「これ何?」「赤いお花」など目にした植物を片っ端から質問してきますが、その都度自分が植物名に対して無知であることを突きつけられます(苦笑)。ただ、私も知らない植物名が分からないままだとスッキリしないので、ChatGPTで調べるようにしています。散歩の時間は植物の勉強時間になっており、それは娘にとっても同じと言えます。だからこそ、教える立場として植物の勉強が必要と感じています。  今回はそんな散歩しながら植物の勉強をする上で最近大変役に立っているChatGPTと、それに合わせて使っているメモアプリの使い方を紹介します。何も考えずに一人でただ散歩するのも気持ち良いですが、知らない名前の植物と出会って、学ぶ楽しさを味わえるのも散歩の魅力です。 ChatGPTに画像を読み込ませる  知らないことはググる。そんな時代が長く続きましたが、最近は生成AIがもの凄い勢いで進化していて、これによってさらに充実した学習が可能になりました。2年前にリリースされたChatGPTも最初はテキストを入力してテキストで返答するだけでしたが、 今は音声入力、画像認識、PDFなどの資料読み込みが可能となり、大変優れたフィードバックをしてくれるようになりました 。以前にも紹介したことがありますが、無料で英会話のトレーニングもできてしまいます。  生成AIの良いところは知らない物と出会った時に、その画像をアップロードすることで説明してくれることです。検索の場合、言葉を知っていないと検索しようがないため、散歩な

一律の提出物(課題)がもつ問題についての考察 〜主体性を発揮できる課題設定とは〜

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 10月のこの時期は中間考査が行われている学校も多いのではないでしょうか。テストがあるとそれに向けた課題に関する話を生徒から聞いたり、取り組む様子を見たりすることも多くなります。そんな姿を見ていて思うのが「生徒のやっつけ仕事感」です。課題に生き生きと取り組む姿を見ることは稀ですし、おそらくそれが当たり前だと認識されているのではないかと思います。しかし、本当は勉強が好きになるように教師が仕掛けを考えたり、課題を設定したり、工夫をすることが大切だと思います。知識を獲得するためだけならいくらでも便利な教材がある現代において、教師の役割は「主体性に学習に取り組める生徒の育成」にあるためです。  今回は、生徒が学習に取り組む様子を普段から見ていて、勉強嫌いに繋がりかねない避けてほしい 課題の取り組ませ方についてお話しさせていただきます。 その方法は「一律同じ課題の提出物」です。この問題点については、小中高と学校で課題に取り組んできた多くの人からすると何となく分かると思います。人それぞれ取り組むべき課題は違うはずですし、個人的にやりたい勉強もあるはずです。しかし、学習への主体性が声高に言われるようになった現代においても、依然として一律の課題がスタンダードであるように感じています。  私は、このような提出課題が一般的である原因は、教師が「個別最適な課題の取り組ませ方」について十分な認識ができていないことにあり、やり方が分からないゆえに従来型の一律課題の提出物という方法から抜け出せないためであると考えています。個々に合った課題に取り組む方が生徒のためになるということは、ほとんどの人が分かっていると思いますが、そのためにどのように課題に取り組めるようにするのかが分からないという状況なのではないでしょうか。  今回は一律の提出物(課題)によってどのような問題が生まれるのか、そして個別最適な課題に取り組んでもらえるように、教師として、または子どもの教育に携わる大人として、どのようなアプローチが必要なのか、考察をしてみました。 一律の課題で意欲が増すのは競争の時  一律の課題が必ずしも悪いわけではなく、誰かと競争する時は一律の課題だからこそ意欲が増すこともあります。試合やゲームで少しでも相手を上回るために知識や技術、発想力を駆使するのは大変興奮することだと思います。それはテストで競い合うの

作品を(なるべく)傷めない展示

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 秋真っ只中で心地よい時期ですね。こんな時期には学校でも文化祭など、文化の秋を象徴するようなイベントが行われ、美術や音楽の素晴らしさを生徒たちと一緒に改めて実感できるのは学校教育に携わる者としても 幸せなことだと思います。  私は美術科の教員として、毎年文化祭や学習発表会(学校によって名称は様々)では美術作品の展示をしてきました。全校の生徒作品が展示された空間は大変華やかになり、こういうイベントを強力に盛り上げたり、お互いの作品の素晴らしさを認め合ったりする機会を生むなど、作品展示は非常に意義深いことであると考えています。  私はこれまで展示する際には、なるべく作品が傷まず、効率良く展示できて、作品が美しく見える方法を考え、試行錯誤を繰り返してきました。効率度外視だった20代から30代前半の若かりし時は何日間も深夜まで展示の下準備をして、展示する際も夜遅くまで学校に残って作業し、次の日の朝にも早く来て展示を仕上げるということをしていました。しかし、そんな働き方は家庭の状況的にできないので、効率重視で展示の準備と作業をするようになりました。  そうは言っても作品を大切に扱うという部分は絶対に外せないポイントになります。今回は効率良く、綺麗に作品を展示し、かつ作品が傷みにくい方法を紹介します。使えそうなものがあれば是非実践してみてください。 マスキングテープで壁面固定用のリード   〜画鋲を作品に突き刺さないように〜  作品展示する際に一番やってはいけないと思うのが、画鋲で作品に穴を開けて固定する方法です。しかし、これは割と一般的な方法だと思います。よく作品展に学校単位で応募して作品が返ってきた時に作品の四隅に残酷な画鋲の穴、酷い時には端が破れて虫が食いちぎったような状態になって学校へ帰還することがあります。これでは作品展という戦場に作品を送り出すような感覚になってしまいます。「無事に戻ってこいよ!」と願うばかり。そんな願いも届かずに展示会場では次から次に画鋲が作品を貫きます。これは割と一般的な展示方法ではありますが、この方法に対して疑問を抱いてほしいと思います。心と魂を込めて作成した作品が当たり前のように傷つけられて戻ってきた時、作者はどのような気持ちになるのでしょうか。  今回、 私がこの記事を書いた一番の目的は、少しでも生徒の作品に画鋲を突き刺す人を減らし、効率的

提出用作品ファイルにステンシルでデザインを施す

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 今回は美術の学習で制作した版画作品をまとめて提出するための作品ファイルにデザインを施すことで生まれる学びと経験の広がりについて考察します。  最近の私の美術の授業では、1つの単元の中で複数の作品に取り組めることを基本としており、提出する作品の規格も基本的には自由にしています。絵画であれば八つ切りサイズの画用紙を一律で用意したとしても、それをカットして複数の作品にしたり、画用紙や様々な材料を貼り付けて倍ぐらいのサイズになった作品やモリモリに盛り上がった絵画か彫刻家区別することも難しいような作品であったり、生徒が多種多様な作品に取り組めるようにしています。  複数の作品に取り組めると言っても、絵画作品や彫刻作品であればたくさん製作しても数点程度で収まるので、作品の管理はそれほど大変というわけではありません。しかし、これが版画作品となると話が違ってきます。 版画は1時間だけでも複数の作品ができてしまうため、単元が終わる頃には膨大な作品数になりかねません 。以前は年賀状をステンシル版画で作成する程度のものだったので、小さな袋さえ用意しておけば着彩できた年賀状の版画を管理することは容易でしたが、現在はステンシルで版画作品を作成すると言ってもサイズは様々、支持体も様々にしているため、完成作品をまとめて提出するためにある程度の大きさを持ったファイルが必要になりました。今回はそんな提出用ファイルにも美術的要素を反映させて、美意識を刺激する機会にすることができる方法を紹介します。 提出用ファイルも美しくアレンジ  作品をまとめて回収するだけであれば、クリアファイルに名前を記入させて提出させれば簡単かもしれませんが、 提出用ファイルにも創造力を発揮するチャンスがあると考えました 。A3サイズの紙を半分に折って、一辺を糊やマスキングテープなどでとめて紙製のファイルを作り、あとは好きにアレンジします。  ステンシル版画では日本の美をテーマとした伝統文様や和柄で平面構成を始めとして、例年通りの年賀状やテキスタイルデザイン、版画を活用した絵画などに取り組むことを通して日本の美の再発見をすることを目指した学習をするため、ファイルの装飾に活用できるアイテムは充実しています。 このファイルを美しくアレンジするだけでなく、制作の実験用として活用するのにも役立ちます 。  ファイル自体は提出作品として