投稿

12月, 2024の投稿を表示しています

2024年の振り返り 原点回帰をテーマにした1年

イメージ
 今年もあと数日となりました。学校は束の間の年末年始の閉庁ということで、しっかりアクティブに休んで2025年の活動に備えたいと思います。  今回は2024年の最終ブログ更新ということで、1年を振り返ります。今年の抱負は「原点回帰」ということで、身の回りのことと向き合って好奇心を働かせたり、無駄ではない「無駄」を楽しんで、その記録を日記にしたり、ぶらぶらと散歩したりする時間を行動目標にして1年間過ごしてきました。  また、結果目標として、 1.PBLを超える方法の確立 2.最終下校後1時間以内に退勤 3.ランニングの記録を更新(1週間に10km以上) という3つの目標を設定しました。これらは概ね達成できましたが、まだまだ課題はあります(特に最終下校後1時間以内に退勤)。  抱負と行動目標、結果目標の振り返りは次の年の目標を設定する上で重要なので、毎年ブログで備忘録的にまとめるようにしています。個人的な内容ですが、やって良かったと思えることもまとめているので、読んでいただいた方にとって少しでも何か参考になるものとなれば嬉しいです。 抱負の達成度 日記と散歩でまずまず満足  今年は「原点回帰」を抱負にして、子どものような好奇心を働かせて調べたり、元々凝り性で、細かいことにこだわるのが好きだったので、他人からすると無駄と思われるようなことに対しても個人的に大切な意味を発見し、「無駄」を楽しむようにしてきました。そのために日記は毎日継続して書き、心が動いたと感じることや面白いものを発見したらメモしてきました。以前にも継続して紙の手帳に日記をつけていたのですが、今年はGoodnotes5を使って1週間7日分を1ページに分割して少しずつ書きました。時々日記ではなく考えを書き出すために使ったページもありますが、トータルで65ページ分の日記になりました。Goodnotesもアップデートして5から6にした方が良いのかもしれませんが、私的には5のバージョンで十分と感じています。ただメモしやすくて書類を整理しやすければ十分で、普段使っているiPadだけでなく、iPhoneにも同期されるので、使い勝手の良さには大変満足できています。  よく言われていることではありますが、 日記を見返すと自分が何を大切にしているのか改めて気がつくことができ、日常的なことに感謝する機会をたくさん得ることができま...

セカンドティーチャー制度を導入

イメージ
 今回は私が最近授業で導入したセカンドティーチャー制度について紹介します。これまで生徒の主体性を重視した学習環境をつくるために色々と仕掛けを考えてきましたが、今回の仕掛けは持続可能で発展性のあるものであると考えています。  このセカンドティーチャー制度が定着すれば、課題解決型学習(PBL)を教師による仕掛けではなく、生徒主導で始めることも可能になるだけでなく、授業の枠もさえも超えて、生活や社会の中での取り組みが普通になり、主体的に学習に取り組む生徒の育成につながると考えています。  まだ始まったばかりの試みではありますが、手応えは感じています。セカンドティーチャーとはどういう内容で、どのような効果が期待できるのか、簡単にまとめてみました ルーブリック評価でオールA以上になった生徒に要請  私は、GoogleクラスルームとGoogleスライドを活用して振り返り(レポート)を毎時間取り組み、写真を用いた制作記録や達成できたこと、次回に向けた課題や質問などを入力させています。もうこの方法を使い始めて4年目で、GIGAスクール構想が始まって以来継続して取り組んでいます。 Googleクラスルームの利点として、ルーブリックを連携させて形成的な評価を生徒に共有して、指導と評価の一体化を図ることができるところにあります 。これを使わないのであればロイロノートやCanvaでも同じように振り返りやコメントでのフィードバックはできるため、機能に大差はありませんが(CanvaはChromebookにはやや動作が重たい…)、GoogleスライドとGoogleクラスルームによるルーブリック機能の連携は指導と評価の一体化をする上で大きなアドバンテージになります。  セカンドティーチャーになれる基準は、このルーブリックの評価でオールA(A+を含む)にしています。この評価は十分な学習状況であると判断できるため、教師側からの指導よりも、自律的に判断してやりたいことに取り組めるようにした方が、より学習充実度は向上すると考えられます。それゆえに、セカンドティーチャーになって一般の生徒以上の権限を認める形が望ましいと考えました。 セカンドティーチャーは授業中に自由に行動可能  私の授業の形式では、授業前半は個人制作を自分の場所で集中して行う時間にしており、その後移動自由な協働学習の時間が入り、最後は自分の...

ステンシル版画で年賀状 2025年巳年を華やかに彩る

イメージ
  今年も残すところあと半月余りになりました。この時期は毎年、クラスの生徒や年賀状を送って来られる方への返信用にステンシル版画で着彩した年賀状を作成しています。  もちろんこの恒例行事を今年も行い、2025年巳年用のデザインを考え、版画を作成しました。ステンシルは配色や構成の工夫が自由にできて、楽しく印刷できますし、大変手軽です。   切手代が上がっている昨今ですが年賀状で心からのメッセージを大切な人に新年の挨拶として送ること自体は普遍的な価値がある と思います。今回、ステンシル版画の年賀状の作成方法についてまとめましたので、興味があれば是非年賀状をステンシルでデザインを施してみてほしいです。 制作動画へのリンク 紙に下がき&切り抜き 切り絵としての楽しみ方も  ステンシルは紙を切り抜き、穴から絵具をスポンジやスパッタリング(スプレー)などで着彩する版画です。切り抜きのことを考えると、画用紙かケント紙といった丈夫な紙が望ましいですが、単純な形であればコピー用紙でも十分に切り絵にできます。ただし、 パーツがバラバラにならないよう、紙の繋がっている部分に余裕を持たせて切り抜く ようにします。  細かい形を切り抜くのは難しいので、描くモチーフはデフォルメが必要になりますが、それゆえにイラスト化されたデザイン性のある形を利用できます。文字など普通に書いてしまうと切り絵として成立しないものは線を工夫して切り絵にできるようにすることが大切です。  どの部分を切り抜けば切り絵として成立するのか、よく考えて切らなければいけませんが、慣れるとそれほど難しいことではありません。「色をつけたい部分を切り抜く」と考えればイメージもしやすくなると思います。 多版で表現に深みを持たせる  木版画やリトグラフには多版多色の版画があり、葛飾北斎や歌川広重、ミュシャ、ロートレックといった画家、デザイナーの作品が有名ですが、ステンシルも多版多色が簡単にできます。  コピー用紙を重ねると下の紙に描いた図が透けて見えるので、位置関係を把握した状態で別の図を重ねて描くことができます。ステンシルは本来、切り抜いた際に図がバラバラにならないように線を繋いで描く必要がありますが、版を重ねれば線を繋がなくてもよくなるだけでなく、不自然な枠ありの図になることを防ぐことができます。枠線があるのもステンシルならで...

Googleフォームを活用した対策問題

イメージ
 勤務校での2学期の期末考査が終わりました。勤務校の美術の定期考査は1年に1回のみなので、今年のテストはこれで終了です。1年間に1回しかない美術のテストということで、一球入魂、テスト問題は当然ですが、テスト対策問題もそれなりにこだわりをもって作っています。  今回紹介するのはGoogleフォームを活用した対策問題で、GIGAスクール構想によって一人一台端末が実現した3年前から一貫して取り組んでいるので、今回で4回目となります。Googleフォームを活用したテスト対策問題は大変学習効果が高く、ICTの有効的な利用方法としてお勧めできることなので、以前にもこのブログで紹介したことがありますが、改めてそのメリットについてまとめてみました。  美術だけでなく、どの教科でも学習効果が期待できる視点で述べていますので、参考になる部分があれば嬉しいです。 なるべく画像を活用して図録形式の問題集に  図鑑を見ていると自然と動物や植物について詳しくなるように、Googleフォームを活用した問題は取り組む人の視覚を刺激して学習を促進してくれる可能性が高まります。 紙の資料とは違ってGoogleフォームの対策問題は容量が基本的に無限なので、画像をたくさん使うことができます 。もちろんカラーで表示されるわけなので、紙の資料に文字が並んでいるものを読んだり、問題を解いたりするだけよりも、知識の定着スピードが速くなります。  美術で扱う画像は美しいものが多く、対策問題の最後に入力できるコメント欄には「まるで美術館で鑑賞しているかのような感覚で問題に取り組める」と、感想を入れる生徒もいました。 テスト対策問題を鑑賞教育のツールにできるという側面も魅力です 。 選択肢の順序をシャッフルさせる  選択肢の順序をシャッフルすることで、問題に取り組む人が答えの場所だけを覚えて答えるのを防ぎ、問題文をしっかり読んだ上で答えなければ正解できないようにすることが大切です。 選択問題であっても、答えをしっかり探して考えなければいけないので、その繰り返しによって知識がより定着しやすくなります 。  このシャッフルの機能を使う前は、答えの場所だけを覚えて高速で問題を終わらせて100点連発という生徒もいましたが、実際のテストでは記述が書けず、同じような選択問題でも正解できないという状況が見られました。問題の内容自体を...