授業資料とChatGPTでGoogleフォームの練習問題を短時間で作成


 今回はGoogleフォームの練習問題をChatGPTと授業資料で瞬時に作成する方法を紹介します。私は普段美術教育に勤しむ身ではありますが、勤務校のICT担当として業務改善の推進に努めています。美術科でのICT活用に関しては、GIGAスクール構想が始まって以来約4年の間にたくさんの実践を紹介してきました。

 今回紹介する内容は、誰でも簡単にGoogleフォームの練習問題を短時間で作成できる方法です。Googleフォームの練習問題は自動採点と手軽に反復学習ができることから、私が担当する美術科のテスト対策問題ではこれまで大きな成果を得てきたと感じています。生徒たちが問題をゲームのような感覚で取り組み、満点が取れるまで何度もトライする状況を見てきました。ただ、練習問題作成にはかなりの時間と労力が必要であり、Googleフォームで練習問題を作成するメリットは他の先生たちに理解してもらえても、作成の手間が障害となって、ほとんど広まることはありませんでした。



 しかし、今回紹介する方法はあまりにも簡単にできてしまう問題作成方法で手間がほとんどありません。事前に準備するのは授業資料のみです。普段から授業資料を作成したり、パワーポイントやGoogleスライドで説明している先生であれば準備はすでにできている状態と言っても過言ではありません。今回の内容が参考になって業務改善、そして生徒の学習成果や学習意欲向上につながれば嬉しいです。


ChatGPTに授業資料を添付しGoogleフォーム用の文章を生成

 ChatGPT-4oはGoogleドライブやパソコンから資料を添付することができ、GoogleスライドやPDFの資料を読み込ませて、その内容を基にプロンプトに答えてくれます。プロンプトでは「この資料を基にして中学2年生の社会のテスト問題を作成してください。Googleフォームに問題をコピー&ペーストで貼り付けられるよう、選択問題の枠設定をお願いします。問題数は20問で解答解説も作成してください。選択問題の場合は4択でお願いします。」といった感じで指示を出すとGoogleフォームにそのまま貼り付けられる形式で問題文を生成してくれます。範囲を指定してコピーし、Googleフォームで貼り付けすれば、自動で問題の選択肢を4つ作成してくれます。







 生成AIを活用する際には、間違った内容を生成してしまうこともあるため、問題にする前に内容を必ず確認する必要がありますが、問題の叩き台としては十分で、これが瞬時にできてしまうのは、これまで人間が文章を考えて入力していた状況と比較すると、労力の大幅な軽減につながると言えます。

 解答解説も生成するようにしておけば、フィードバックの設定も充実し、より学習効果の高い問題を作成することができます。


Googleフォームの問題には画像や図を積極活用

 プリントの授業資料や問題には挿入できる画像に制限がありますが、Googleフォームであれば充実した写真と図の利用が可能です。このメリットは大きく、資料集や図鑑のような雰囲気を備えた問題となり、学習意欲の向上や視覚的な効果による知識定着が期待できます。



 元々Googleスライドやパワーポイントで作成した資料であれば、画像をたくさん使っているケースが多いと思います。Googleフォームに画像を挿入する際に画像をGoogle検索などでダウンロードするのも方法の一つではありますが、もっと簡単な方法として、資料の画像をスクリーンショット(WindowsであればShift+Windowsキー+S、Macであればcommand+Shift+5)で手軽に画像を保管できます。これでサクサクと画像が充実した問題を作成することも可能になります。


授業資料さえあればすぐにできる手軽さ

 以上のように、授業資料さえあればすぐに問題が作成でき、問題のQRコードを配布したり、Googleクラスルームにリンクを貼るなどして生徒が取り組みやすい環境を用意すれば、生徒は何度も繰り返し問題に取り組み始めます



 最近はスタディサプリやミライシードのドリルパークなど、デジタル教材も充実していますが、授業で取り組んだ内容を小テストや定期テストで出題することがほとんどだと思うので、授業担当者で作成した練習問題は生徒からするとテストに向けての安心材料として機能しやすいと思います。

 私個人としてはテストのために勉強するのではなく、もっと根本的に学ぶ内容に対して興味を持ち、知識を活用して技術を高めたり、思考表現活動を発展させていくコンピテンシー・ベースの学習マインドセットが生徒にも、そして授業をマネージメントする教師にも必要であると考えています。しかし、テストをして知識の定着度を測るのであれば、そのための有効な手段として、練習問題を活用して反復学習で学力のベースをつくることも大切だと思います。そういう意味で、デジタルの強みを生かせるGoogleフォームを活用した練習問題の活用が進めば、生徒の勉強に対する意識をポジティブなものにすることにもつながるのではないかと思います。あと、子どもたちのICT機器との関わり方で学習に活用するという視点を育てる上でも、使いやすく効果の高いデジタル教材をコーディネートするのも教師の役割として大切です。

 これまではGoogleフォームで問題を作成するのは大変な労力でしたが、授業資料さえあればChatGPTの活用で手軽に作成できるというのはとてもありがたいことです。充実した授業資料を持ちながら、これまでやりたくてもできなかった人にはお勧めの方法ですので、是非興味があればやってみてほしいと思います。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は授業資料とChatGPTでGoogleフォームの練習問題を手軽に作成する方法について紹介しました。読んでくださった方にとって参考になるものとなれば嬉しいです。

 これからも生成AIを活用した学校でできる業務改善について実践を通して発見していきたいと思います。今回のChatGPTと授業資料、Googleフォームの活用はありそうで意外と実践例がないようなので紹介しました。また実践例が少ないもので有効なものがありましたら記事を書こうと思います。それにしても最近は生成AIの進化スピードが大変加速してきましたね。進化に置いていかれないように継続して勉強していきたいと思います。

 それではまた!

 

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