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9月, 2025の投稿を表示しています

AIモードで個別最適な学習が当たり前の時代に

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   近頃さらにAIが便利に使えるようになり、Geminiが教育用は生徒も利用可能となりました。Geminiは自治体の設定で管理されているため、児童生徒が自由に使えるというわけではありませんが、通常のGoogle検索でさえもAIモードが搭載されて、児童生徒もチャット形式でAIが利用できるようになりました。 これからの時代を考えるとAI利用は当たり前となり、AIを上手に使いこなす力が大切になることでしょう。  今回は個別最適な学習と探究的な学習をサポートするAI活用(GeminiとGoogle AIモード)、そしてそのような時代において、教科書はどのような存在意義をもつものなのか文章を簡単にまとめてみました。 Geminiのガイド付き学習  Geminiの利用自体がとても学習に役立ちますが、学習モードで使うと上手にAIが発問をしてくれます。学習内容についてリクエストもしてくれるので、取り組みたい内容を選ぶことができます。回答状況によって質問を調整してくれるので個別最適な学習(アダプティブラーニング)が行えます。 問題も作成することができ、すぐに回答と答え合わせもしてくれます。もちろん解説もバッチリしてくれます。  私自身、こういった機能を使ってみた上で、個人的な感想としては知識を覚えるためだけなら教科書やワークの活用で十分ですが、深掘りしたいことであったり、練習問題を色々なレベルでしたい場合は有効であると感じました。教科書は基本的な内容であれば分かりやすくまとめられていますが、関連内容の記載には限界があります。 教科書以上の深いレベルを知りたいという知的好奇心を持っている生徒であれば、良い学習のパートナーになってくれることでしょう。  ちなみに、知識獲得のための練習問題であれば、スタディサプリやミライシードのドリルパーク、図や写真を多用し充実した解説を入れた Googleフォームの問題を反復学習するの も有効だと思います。Geminiに限らずですが、 生成AIよる学習は基本的な内容を頭に入れた状態でやらないと、チャットの成立さえ難しい状態になりかねません。 知識と技術獲得にはGoogle AIモード  調べ学習をする上で便利なのが最近導入されたGoogle検索で使えるAIモードです。これはGeminiのようなチャットで延々と対話できるツールというよりは、これま...

簡単に作って遊べるおもちゃ③ オリジナルパズル

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   今回は簡単に作って遊べるおもちゃシリーズでオリジナルパズルを紹介します。今回紹介するのは100均でも買えるパズルの紙(2枚入)に絵を描いて作成するパズルです。子どもが遊べるだけでなく、親にとっても絵を描く良い機会なので、是非一度やってみて欲しいと思います。 子どものリクエストを基に画面構成  サプライズでパズルを作成するのも良いですが、娘(3歳)から内容についてリクエストをもらい、なるべく一緒に作成するようにしました。リクエストの結果、ブラキオサウルス、ティラノサウルス、トリケラトプス、プテラノドンという定番の恐竜になりました。娘に一緒に作っているという感覚を持たせること自体が大切なので、 絵のモチーフになる参考画像のリクエストも子どもにして決めてもらいました。  オリジナルのパズルを作ることは子どもだけでなく、親にとっても良い経験と思い出になります。今回、このパズルの絵を描くにあたって奥さんのリクエストも反映して景色を描きました。「どうせなら飾れるものにして欲しい」とのことで、構図の大体の案を出してもらいました。火山は北斎の凱風 快晴をオマージュしたものになっていますが、これは私のこだわりです(笑) 画材はアクリル(ガッシュ)を選択  画材の選択は大切で、パズルのような触って遊ぶおもちゃの場合、濡れた手で触っても絵の具が手につかないものにする必要があります。なので、画材はアクリル(ガッシュ)を選び、耐水性の堅牢な画面になるようにしました。  画面をより堅牢に仕上げるのであれば、ニスを塗っても良いです。しかし、注意点として、ニスを厚く塗るとパズルのピース側面にもニスがついてしまい、パズルの枠内に収まりにくい状態になってしまう可能性があります。ニスを塗る場合は薄く伸ばして使うのが良いでしょう。 着彩の手順を子どもに見せる  画像には残っていませんが、このパズルの絵を着彩する過程では最初に三原色をベースにして画面を大雑把に分けて着彩するところから始めました。そこから徐々に色を重ねたり中間色を作って細かく描きこんでいきました。この方法は油彩画や水彩画で使われる描き方の一つで、私の美術の教材にもこれに関係したもので 三原色水彩画 というものがあります。 ブログ記事: 三原色水彩画で色彩について学ぶ   色をそのまま置き換えて着彩するのがシンプルですが、それでは...

第40回倉敷っ子美術展特別企画のワークショップに向けて

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 来年の1月30日〜2月15日に開催される倉敷っ子美術展。この展覧会は倉敷市の小中学校の図工・美術の作品が倉敷市立美術館に展示されるもので、今年は第40回の節目を迎えます。  10年前の第30回の時にはワークショップを行いましたので、今回も会期中に1日限定ですがワークショップを開催します。現在実施に向けて構想を練っている最中ですが、現段階でも図工や美術の教材として使えそうなものになっているので、取り組み方を紹介します。良かったら参考にしてみてください。 倉敷のゆるキャラ作成  今回のワークショップのテーマは倉敷のゆるキャラを作成し、倉敷の名所をバックに写真撮影するというものです。対象は主に中学生以下の児童生徒ですが、同伴する保護者にも楽しんでもらえたらと考えています。  このテーマは小学校の図工部会の先生に考えていただき、実施方法を中学校の美術部会で考えています。地域のゆるキャラをテーマにするのはオーソドックスですが、地域のことについて考える良い機会になります。 作ることや、それを通して様々な作品が生まれ、鑑賞する機会があることは地域愛を育てるだけでなく、身近な要素を活かす創造力を培うきっかけになることも期待できます 。  作って楽しかったは最低限の目的として、そこに教育的な仕掛けで充実した学習ができるよう、ワークショッププランを考えています。 マインドマップでイメージを膨らませる  ワークショップですぐに造形に入るのも良いですが、考えが十分に広がっていないと倉敷の場合、「ぶどう」「もも」「美観地区」終了となってしまいかねません。果物に目と手足が取り付けられたゆるキャラは可愛いものになるでしょうが、こればかりでは倉敷という街を多面的に捉える鑑賞の機会になりませんし、創造力を高めるきっかけづくりとしては弱いものになりかねません。  とはいうものの、造形好きな子どもたちであれば時間を十分に取れば、制作する中で色んな要素を自然に取り入れていくことができるケースもあると思います。ただ、より多くの人にイメージを広げる力を短時間で培ってもらえるようにして、今後の創造力を伸ばすきっかけにしてもらうためには仕掛けが必要になります。なので、今回のワークショップでは、 最初に倉敷のイメージを膨らませ、ゆるキャラの要素を見つけられるよう、マインドマップを書くことから始めることにしています...

授業掲示板で学習への主体性をファシリテート

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 今回は美術の授業で実践していることを紹介します。今回紹介するものは中1で行うグラフィックデザインの学習で利用している掲示板です。  生徒には学習内容に対して興味を持ってもらえるように、普段から色々と仕掛けを考え実践しています。学習掲示板はずっとやりたいと思いながらなかなかしっくりくるものを形にできていませんでしたが、ようやく手応えのある形を実現することができました。 段ボールパネルを折り曲げて自立する掲示板に  これまでにも過去の作品例(写真やレプリカ)をダンボールパネルに貼り付けたものやラミネート加工したものを見られるようにすることはありましたが、壁に掲示するには有効なスペースがなく、教室後方の作業台に平置きしてきました。しかし、この方法はあまり格好が良くなく、スペースも使います。授業の転換で別の学年の授業にセッティングを変更するのも少々面倒という状態でした。なので、ある程度の掲示スペースがあり、授業転換が楽で、しかも教室のスペースを有効に活用できる方法を探ってきました。  そこで閃いたのが段ボールパネルを半分に折り曲げるという方法です。 半分に折れば自立することができ、しかも空間を上方向に有効活用することができます。そして何より視覚的に大変目立ちます。美術室の入り口からすぐに目に入るところに立たせることができ、自然と生徒の目に入る仕掛けとなりました 。  この大きな段ボールパネルは1月から2月に開催される倉敷っ子美術展で作品展示に使うもので、毎年学校に6枚提供されます。この段ボールパネルをこれまでにも色々と有効活用してきましたが、今回も掲示板として活躍することとなりました。  このパネルの裏面にはまだ何も掲示物を施すことができていませんが、いずれ3年生の内容か1年生の次の学習に関係するものを貼り付ける予定です。この方法なら授業転換の際に掲示板をすぐにチェンジすることができます。 学習内容に対して主体性を発揮して取り組めるように  掲示物には過去の作品や私自身が試作品として作成したものを貼り付け、学習内容を活用することでできることを紹介しています。私の授業では学習方法をPBL型(課題解決型学習)にしており、生徒自身が課題を設定して、制作や研究に取り組み、最終的にレポートを作成するという探求学習の方法をここ何年かは継続して取り組んでいます。この方法は教科の枠にとら...