AIモードで個別最適な学習が当たり前の時代に

 


 近頃さらにAIが便利に使えるようになり、Geminiが教育用は生徒も利用可能となりました。Geminiは自治体の設定で管理されているため、児童生徒が自由に使えるというわけではありませんが、通常のGoogle検索でさえもAIモードが搭載されて、児童生徒もチャット形式でAIが利用できるようになりました。これからの時代を考えるとAI利用は当たり前となり、AIを上手に使いこなす力が大切になることでしょう。

 今回は個別最適な学習と探究的な学習をサポートするAI活用(GeminiとGoogle AIモード)、そしてそのような時代において、教科書はどのような存在意義をもつものなのか文章を簡単にまとめてみました。


Geminiのガイド付き学習

 Geminiの利用自体がとても学習に役立ちますが、学習モードで使うと上手にAIが発問をしてくれます。学習内容についてリクエストもしてくれるので、取り組みたい内容を選ぶことができます。回答状況によって質問を調整してくれるので個別最適な学習(アダプティブラーニング)が行えます。問題も作成することができ、すぐに回答と答え合わせもしてくれます。もちろん解説もバッチリしてくれます。





 私自身、こういった機能を使ってみた上で、個人的な感想としては知識を覚えるためだけなら教科書やワークの活用で十分ですが、深掘りしたいことであったり、練習問題を色々なレベルでしたい場合は有効であると感じました。教科書は基本的な内容であれば分かりやすくまとめられていますが、関連内容の記載には限界があります。教科書以上の深いレベルを知りたいという知的好奇心を持っている生徒であれば、良い学習のパートナーになってくれることでしょう。

 ちなみに、知識獲得のための練習問題であれば、スタディサプリやミライシードのドリルパーク、図や写真を多用し充実した解説を入れたGoogleフォームの問題を反復学習するのも有効だと思います。Geminiに限らずですが、生成AIよる学習は基本的な内容を頭に入れた状態でやらないと、チャットの成立さえ難しい状態になりかねません。


知識と技術獲得にはGoogle AIモード

 調べ学習をする上で便利なのが最近導入されたGoogle検索で使えるAIモードです。これはGeminiのようなチャットで延々と対話できるツールというよりは、これまで検索して無数の情報を探して膨大な情報を読み解く必要があったものを、AIでシンプルに要約し、その内容に関連するサイトを紹介してくれるというものです。気になったことをとても分かりやすくまとめて説明してくれるので、調べ学習に大変有効です。もし詳しいことが知りたければ関連サイトが画面右側に画像と見出しがセットになって出てきます。このすぐにアクセスできるところも魅力だと思います。

 このようなことから、文章を作成したり、資料としてまとめたりするのであればGeminiやNotebook LMが優秀ですが、何かの知識や情報をインプットするというのであればAIモードの方が使いやすいかもしれません。例えば、私の専門である美術教育での利用であれば、生徒が技法に悩んだ際に、簡潔なアドバイスと動画も含めた有益な情報を提供してくれます。


 

 私の美術の授業ではこれまでにも自作の動画を含め、YouTube動画を技法の参考にできるよう、利用することがありましたが、生徒一人ひとりのニーズに合わせた動画の提供ができていたわけではありません。Google AIモードは、質問によって内容を具体化し、それに即した資料や動画を利用できるため、生徒の探究的な学習と必要に応じた技術の獲得を大いに助けてくれると考えています。

 児童や生徒だけでなく、大人にとってもAIモードでまとめられた情報にアクセスできるのは有益なことです。検索するのが当たり前というこれまでの状況から、いよいよ本格的に誰もがAIを普通に利用する時代がやってきたと言えるでしょう。


それでも大切な教科書の役割

 必要な情報はAIモードでアクセスでき、知識や技術獲得が個別最適化でできるようになる中で問われるのが教科書の役割だと思います。知識獲得の合理性で考えると、AIを活用した個別最適な学習と比べると、教科書を使った学習方法は旧時代的と思われるかもしれません。

 しかし、私はこういう時代だからこそ、教科書ならではの役割について考えるのが大切だと思います。それはどういうことかと言うと、「魅せる学習書」「読んで楽しめる本」としての可能性があると考えています。これについては既に美術の教科書はそのような仕掛けが大いにされています。現在、私の勤務校では3年生が日本文教出版の旧教科書、1・2年生が今年から採用されている光村図書の教科書を使用していますが、どちらも見応えがあり、そして文章の容量自体は少ないながらも思考が促される「問い」と「気づき」を促す内容にあふれています。そういう情報が選り抜かれているのが教科書であり、学習意欲を促す魔法のようなアイテムだと私は考えています。

 美術以外の教科書については詳しく把握できていませんが、本ならではの良さは間違いなく存在するはずですし、それが今後より生かされなければ教科書を使う必然性もなくなっていくでしょう。これだけデジタルが発達して便利な電子書籍が充実する一方で、紙の本の価値も最近は改めて認識されるようになっています。そうであるなら、教科書もこれからまだまだ役に立ってくれることでしょう。紙によるインプットの充実は学習成果とそれによる内容への興味関心に大きな影響を与えてくれることと思います。私自身、今後さらに教科書の存在意義について使いながら考えを深め、より効果的な利用をできるようになりたいと思います。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はGoogleのGeminiとAIモードによる個別最適な学習における活用方法の紹介と、紙の教科書ならではの良さと役割について私の考察を述べさせていただきました。何か参考になる内容があれば嬉しいです。

 これからもAIを使った学習について実践と研究のサイクルを回しつつ、アナログの教科書の在り方と活用方法についても探っていきたいと思います。

 それではまた!

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