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10月, 2025の投稿を表示しています

面接マインドマップ

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 今回は面接練習の一環で取り入れているマインドマップについて紹介します。現在私は中学3年生を担任しており、面接の指導をする中で今回紹介する教材を思いつくに至りました。  マインドマップを活用した教材を作成しようと考えたのは、マインドマップによって思考のイメージ化が促進されることと、過去の自分自身の面接対策で手応えがあった方法であることを思い出したためです。  面接のトレーニングは自分自身と向き合い、思考が整理されたり、考えが広がったりする機会にもなると思います。これは講習会で発表したり、それに向けて実践研究をまとめたりする際に得られる感覚と近いものがあります。取り組んだ分だけ世界が広がり、やりたいことが明確化するためモチベーションが促進されるものであると個人的には考えています。  というわけで、今回は自らの世界観や思考を耕すことに繋げ、充実した面接トレーニングにするためのマインドマップの実践方法について紹介します。 ハウツーよりも自分が情熱を注げることのイメージ化  おそらくほとんどの人が試験や就職活動などで面接を受けたことがあると思います。ただ、面接に自信があるという人はあまり多くはないのではないでしょうか。かく言う私も、過去に教員採用試験で何度も面接で落とされた(と思われる)ことがあり、決して得意ではなかったと言えます。  何度も面接を受けていると、場慣れしたり説明が上手になって手応えのある面接を安定してできるようになるものですが、これを中学生に指導するとなると話が変わってきます。限られた期間で成果を出す必要があるので、面接で自分の考えをしっかりと伝えられるようにする指導が必要になります。  一般的に、中学生に対する面接指導では面接のテキストを購入してトレーニングに取り組みます。テキストには自己理解を深めるページや面接で聞かれそうな質問に対して一問一答形式で答える内容について文章を書き込むページがあり、面接の際の姿勢や気をつけるべきことが詳細に載っています。これらは面接の基本を押さえているので、知識として必要なことです。こういったことを手軽に確認できる面接のテキストは用意して損することはないと思います。  面接を上手に「こなす」ハウツーを参考にして日々トレーニングすれば、それなりに面接上手にはなります。ただ、これが面接トレーニングの目的であるとしたら少し勿体無い...

第2回 倉北アート&クラフトワークショップ

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 10月12日に第2回倉北アート&クラフトワークショップを開催しました。これは、今年から学校教育外で私が行っている「倉北アート&クラフトプロジェクト」という、福武教育文化振興財団の助成金を得て活動しているボランティアによる造形ワークショップです。第1回である前回は勤務校のPTA研修として開催しましたが、今回は保護者だけでなく、地域の方々にも参加していただけるイベントとし、中学生のボランティアにも加わってもらいました。  今回のブログではこのワークショップの振り返りと考察についてまとめました。 小学生から社会人まで計23名の参加者  今回の参加者で一番多かったのが小学生で13名、高校生からも1人の参加がありました。保護者の横のつながりによって倉敷市外から参加された方もおられました。 勤務校の同僚の教員からも親子参加が3組ありました。  今回も6月のワークショップ同様、勤務校でチラシを配布して参加者を募集し、一応Instagramでも宣伝しました。今回からは誰でも参加できるワークショップになったので、学区外からの参加も少しあり、活動の幅を広げることができたことは良かったと思います。  美術室の容量限度である30名ぐらいの参加者を目指していましたが、結果的に程良い人数で活動しやすい環境で行うことができました。午後は参加者が減り、スペースに余裕があったので1日を通して平均20名程度、午前と午後の合計で30名程度が利用する状況を目指していきたいと思います。 中学生のボランティア  勤務校の美術部員を中心にボランティアの募集を行い、13名(美術部11名、美術部外2名)が参加し、当日は運営の補助をしてもらいました。ボランティアスタッフには当日までにワークショップで使える材料や画材を部活動や美術の授業の際に使って作品制作するなど、経験値を得た状態で臨んでもらいました。こうすることで、ワークショップの参加者に手解きができる状態になり、多様なニーズに応えられるようにしました。当日は油絵やレジンなどでボランティアスタッフが活躍し、私の負担を大いに軽減してくれました。午前中は特に参加者が多く、七宝焼をしたい方がたくさんおられ、私はそちらの指導と作業補助に忙しい状況でしたが、ボランティアスタッフのお陰でなんとか乗り切ることができました。   ボランティアとして参加する場合、材料が事前に使える...

文化祭を終えて

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  昨日の10月11日は文化祭(北中祭)が開催されました。文化祭にあたるイベントがなくなりつつある時代ですが、改めて学校という場の存在意義を果たす上で大切なイベントであることを考える機会となりました。  文化祭や体育祭といったイベントがあるべきかどうかについては各学校の事情もあるので正解不正解はないと思いますが、個人的には今後も無くなって欲しくはありません。  今回、文化祭の可能性について考えをまとめましたので、教育の一つの視点と思って読んでいただけると嬉しいです。 作品展示で美術の魅力を感じる機会  私は美術教師なので、多くの人に作品鑑賞してもらえる機会となる文化祭は必要であると考えています。講師時代を含めて美術科を担当してきた14年間、全ての年に文化祭にあたるイベントが開催されましたが、展示をしなかったのは現在の学校に赴任した1年目、コロナ禍真っ最中の2020年の1回だけです。文化祭は開催されましたが、規模縮小の煽りを受けて展示ができませんでした。文化祭が開催されて展示ができる状態であれば、私は間違いなく美術科の展示を行います。  作品展示は鑑賞の機会として役割を果たすのは当然ですが、 私は美術作品が体育館に展示されるだけで雰囲気が大変華やかになり、文化祭にふさわしい会場になることも重要 であると考えています。これによって美的なものの影響力を感じてもらうことにも繋げられます。美意識の刷り込みですね。体育館が展示によって普段とは全く違う空間に仕上がっている光景を見ると自然とWOWとなりますし、そこに何があるのか興味が湧きます。そうなったときに魅力的な作品が目に留まり、どういうところに魅了されたのかメタ認知する機会にも繋がります。  純粋な作品鑑賞という意味では普段の授業で行う作品鑑賞の方がじっくり見て感想や考察まで記録する時間があるため、圧倒的に深い鑑賞体験にはなりますが、何百にも上る(本校の展示では美術科と美術部の作品を合わせると1000を超えました)作品を見て、自分の中で厳選された作品に目が留まるという体験も美意識に働きかける影響力は大きいと思います。 作品展示に向けて制作に励む生徒  今回の文化祭に向けた活動の中で新鮮な光景と出会うことができました。それは3年生の作品についてです。3年生の作品は1学期の前半に制作した数時間でできる平面と立体の作品(テ...

グラフィックデザインの作品提出用ファイル

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  今回は中学1年生のデザインの授業(グラフィックデザイン)で実践している完成作品の回収方法について紹介します。この方法にしたことでグラフィックデザインの学習がさらに促進される手応えを感じることができました。  今回の内容は美術教育に携わる方向けの内容ではありますが、最後は文字を造形の要素として活用することの魅力についても少し触れているので、グラフィックデザインやアートに興味がある方にも読んでいただきたい内容となっています。 作品数の増加と多様化、回収の難しさを解決する方法  5年以上前まではデザインの学習では自然物と人工物を利用した色面構成に取り組んだ上で、レタリングを学習し、ポスターを夏休みの時間も利用して取り組むというカリキュラム設定にしていました。その後一人一台端末が実現して、現在担任をしている3年生が1年生だった2年前から「グラフィックデザイナー体験」という教材にして 取り組める内容を柔軟にしました。これによって、それまで授業中に制作する作品は色面構成だけだったのが、 従来のものに加えてロゴマークやイラストのステッカー、ポスター、栞や下敷、団扇など、グラフィックデザイン全般のものを生徒の主体性に応じて作成できるようになりました 。これは作品を制作する時間が端末利用によって劇的に短縮できるようになったことが大きく影響しています。  美術の教科書にはデザインや工芸に関するページが約20ページ分(グラフィックデザイン系のものが約10ページ分)ありますが、もし色面構成だけで10時間ぐらいを費やして制作してしまうと、教科書を有効利用することが難しくなってしまいます。しかし、教科書の内容から学び、自由に制作したいものを選択して制作するというのであれば、教科書の充実した内容を生かすことも可能になります。限られた時間で多様な制作を可能にしたICT端末の恩恵は非常に大きいです。  ただ、作品数が増え、形も多様化するということは、作品を回収することが難しくなることを意味します。一人1〜2枚程度の同じサイズの作品であれば管理も容易ですが、作品数が多く、サイズもバラバラとなっては回収が大変になるだけでなく、作品を評価する際にも煩雑な作業となってしまいます。  そこで今回から取り入れた方法が、作品提出用ファイルの利用です。A3サイズの紙を半分に折り、下側を接着させると簡易フ...