2020年に達成できたこと10個と目標の立て方
2020年も大晦日。最後の時間を皆様どのようにお過ごしでしょうか。私は冬休み、大晦日といった特別な時期でもいつもと変わらぬ運動と勉強、そしてアウトプットに時間費やしています。この1年間はとても充実した1年でした。これについては前回の記事でもお話ししましたね。沢山の充実要素があり、毎日がとても満足できるものになりました。
人間が満足を覚えるのは確かな変化と成長が大切であると思います。今年はCOVID-19によって多くの困難が世界を襲いました。しかし、その一方でこれまで以上に時間や現代社会と向き合い、そこから新たな一歩をたくさん踏み出すことができました。そしてポジティブな変化と成長はたくさんの幸福感をもたらしてくれたのです。思えば今年の目標は「質の向上」というものでした。
今思うとある意味衝撃的です。今年の初めは「iPadさえまともに活用できてなかったんかい(苦笑)」というレベルです。今こうしてブログはiPadで書き、授業では毎時間iPadを活用して、自然あふれる場所だけでなくあらゆる場所にiPadを持ち込んで暇を見つけては仕事(遊び)をする。もはや体の一部になっているiPadですが、去年まで飼い殺しにしていたのです。今は忠実なペットというより、私と一心同体。フュージョンしてしまいました。自分の変化に誰よりも自分自身が驚くばかりです(笑)。その驚きはナメック星でネイルと合体したピッコロの「究極のパワーを手に入れたぞーっ!」状態です。この後ピッコロがたどった運命を考えると、そんなことに慢心せずにさらに精進をしていこうと思います。ピッコロも彼なりに精進は怠っていなかったと思いますが、限界を悟って修行を緩めてしまいました。しかし、現実世界はドラゴンボールの世界ほど過酷ではありません。人生100年といういくらでもチャレンジができる時間がある私たちには多くのことに関して限界を悟る必要なんてありません。昔はチャレンジすると早死にする危険性がありました。しかし、今はたとえ事業で大失敗して借金まみれになったとしても健康で文化的な最低限度の生活が保証されています。だからこそやりたいことにチャレンジして生き生きとした人生を安心して送れるというわけです。
ラングランが生涯学習を唱えて半世紀以上が過ぎましたが、人間の可能性は拡大するばかり。経済成長は成熟して、山口周氏が言うように、人間性が鍵となる社会が到来し、いよいよ社会の中心が経済ではない時代に入ります。物質的には満たされた現代だからこそ、人類が届きそうで届かなかった真の人間性に集中できる時代です。そんな時代だからこそ、美術教師としての本領を発揮する時が来たと強く思います。自分の可能性に限界をつくらず、どこまでも貪欲に成長し、新しい時代を築く一助になってひたすら幸福な人生にしていきたいと強烈に改めて考えることができた2020年でした。
前置きが長くなりましたが、今回の本題である「2020年に達成できたこと10個」についてお話します。記事の最後では「目標の立て方」について私なりの考えを書かせていただきましたので、私のリア充話なんか興味ないわ!と言う人はそちらだけでも読んでもらえたらと思います。
2020年に達成できた10個
今年達成できたことを10個にまとめました。細かく見るともっとありましたが、10というきりの良い数字にしました。先に達成できたことを紹介します。
1.ウェブサイト開設
2.ブログの継続
3.教室環境の整備
4.テニスコートの整備
5.新学習指導要領への適応
6.テスト対策プリントにQRコード(動画での学習)
7.新しい時代の進路学習
8.ハーフマラソン(の距離走破)
9.朝活の習慣
10.新しい働き方の実践
とまあかなりがっつりなラインアップです(笑)
興味のあるものだけでも良いので、読んでみてください.
1.ウェブサイト開設
まさか自分で美術教育のサイトを作ってしまうとは2020年が始まった頃には思ってもみませんでした。以前に実家の達脇ベーカリーのサイトをWIXで作ったことがあるので、要領は得ていたのと、美術のサイトを作る前に中学校の部活動用にサイトを同じくWIXで作っていたので割とサイト自体はすぐに作ることができました。これまでに何度かコンテンツを更新して、内容が充実してきました。今回の冬休みにもこれから更新をする予定です。
ウェブサイトを立ち上げた理由は、1人の美術教員として教育を届ける限界を感じたためです。これまで自分が受け持つ生徒の普段の授業や、全国大会での研究発表、コミュニティーセンターでの臨時講師を務めるなど、自分の美術教育で少しでも多くの子どもたちや、他の先生たちの役に立てるように務めてきました。自分に少々甘い評価を下すようですが、美術教師として人並み以上には成果を出してきたと思います。また部活動や生徒会活動においても、人並み以上には向上心をもって取り組み、実績もある程度積んできました。しかし、これらの活動はあくまで学校や市内、良くて県内の教育活動に貢献する程度だったと思います。そんな中、COVID−19による臨時休校となり、自分にできることはほとんど何もないことを思い知らされることになりました。
このことからインターネットを活用した教育に注目することになりました。インターネットで私の美術教育が届けられるようにすれば、たとえ学校が閉鎖されたとしても子どもたちに美術を学んでもらえますし、もしかしたら大人や他の美術教師たちにも前向きな反応を得られるかもしれないと考えました。そして、インターネットには拡大の余地がいくらでもあり、私がモットーにしている教育による世界平和、音楽活動をしている頃からのモットーである「Love & Peace」の実現に寄与できる機会も増えるのではないかと、妄想が膨らみ始めました。そのように考え始めたら、一中学校の美術教師として燻っている場合ではなく、一刻も早く動き出さなければいけないと考えるようになりました。
想像力と創造力という人間ならではの能力がかつてないほどに重要視される新しい時代はもうすぐそこまできています。しかし、学校教育、そして美術教育は依然として旧体質のまま。私は新学習指導要領をバイブルのように利用し、新しい時代の美術教育について準備を着々としていました。しかし、周りの様子を見ると、そもそも新学習指導要領をまともに見たことがない人や、いつまでも写生にこだわって子どもたちの創造性を封印するような教材に取り組ませている人もたくさんいます。「このままでは子どもたちが教育によって被害を受け、新しい時代についていけない人間が生み出されてしまう。何とかして私にできる美術教育を少しでも多くの子どもたちに経験して学んでほしい」と思い、夏休み中にサイトを立ち上げたというわけです。
私自身、まだまだ未熟な美術教師であり、これからたくさん勉強をしていきたいと考えています。サイトの教材に関してはどんどんレベルアップしていきたいと思いますし、これから動画コンテンツを充実させて、多くの人が手軽に美術を学べる場にしていくつもりです。5教科に関してはスタディサプリなど、自宅で取り組めるシステムがありますが、実技科目に関してはそういうものはシステム的にも社会の認識的にも遅れていると言えます。最近になってようやくSTEAM教育と言われ、Artの重要性が取り上げられるようになり、山口周氏がビジネスマンと美意識に関する書籍を出したり、安宅和人氏が「これからの時代はアート&デザイン」と言って、美術が注目を集めるようになってきましたが、社会全体としてはまだまだ美術教育に対する認識は「絵を描く時間」「上手に形と色を表現する」「デザイン?絵のことでしょ?」「デザイン思考?何じゃそりゃ」という状況で、昭和の時代から置き去りにされている状態です。このような状況に少しでも多くの美術教師が自分にできることから始めてみることが大切なのではないかと思います。
今年はFacebookやtwitterで「仲間」と呼べる人とたくさん出会えました。彼らとは互いに刺激し合って日本の教育を前進させていけると信じています。きっと来年はさらに素敵な出会いがあることでしょう。そして自分を成長させていきたいと思います。その成長を普段の授業だけでなくウェブサイトのレベルアップにも反映させて、美術の価値をより多くの人へ届けられるように精進したいと考えています。
2.ブログの継続
8月にブログを開始し、毎週更新し続けることができました。ブログを始めたのは自分の経験や考えを発信することを通して、自分自身の考えをより深めたり、誰かの役に立つ情報として届けたりして、美術教師としてのやりがいをさらにレベルアップしたいと考えたためです。
私はブログを開始する以前から、普段から毎週学級通信を発行していて、昨年からは部活動通信も毎月出していたため、文章を作成することに関しては苦手ではありませんでした。周りの先生たちからは通信を書きまくる私を見て「どんだけ自分で自分の首を絞めてんねん。変態か(笑)」と、そのような類のことを言われ続けていましたが、私的には書くことで自分の頭がスッキリするので、「これで気持ちよく寝ることができるんでやめられません(笑)。先生もいかがですか?深い眠りにつけますよ〜」というアホなやり取りを日常的にしてきました。そんな状態で始めたブログでしたが、自分にとって特に興味のある内容に関して自由に書けるため、週1のペースで記事を書くことはそれほど大変ではありませんでした。
学級通信や部活動通信を通して、私は非常に考えが日々深まることを実感していたので、これが自分が特に専門にしていて興味のある分野であるなら、自分にとって大変価値あるものになるであろうことが予想できたため、かなり楽な気持ちで始めることができました。
美術に関することはこれまでたくさん書物を読むだけでなく、実践に生かすこともたくさんあったので、よくあるインプット過多でアウトプットできない状態とは無縁のようでしたが、実際にブログで書き始めると思考が非常に深まることが実感できました。それまで考えていなかったようなことにたくさん気づけたり、美術以外の分野との繋がりが見えてきたりと、記事を書くことで見識を広めるだけでなく、発想面でのレベルアップも実感することができました。
とは言っても、毎週学級通信と合わせると1万字を超える量の文章を書くためには、普段からの準備やネタに対するアンテナを張っていなければいけません。そこで活躍したのがメモでした。これまでにも文章を書くためにたくさんメモを取ってきましたが、ブログを始めてからは、メモの量が数倍になりました。これをするためには常にメモ用紙を携え、空き時間を見つけてはメモを書きまくるということをしなければいけなくなりましたが、これに関してはすぐに慣れました。もともと職業柄バインダーは常に持っているので、いつも使っているバインダーに雑紙を挟んでおけばすぐにメモを書くことができます。
メモを書くことによって頭の中が整理されたり、より発想が浮かびやすくなったりと、たくさんの恩恵を受けることができました。正の連鎖が起きるという幸運。価値あることをどんどんやっていくと衝撃的に運が良くなります。そんなことを気がつかせてくれたブログの執筆。来年はペースを上げていきたいと考えています。そしてさらに幸運を呼び込んでいきたいと思います。私はなんて卑しい人間(笑)
3.教室環境の整備
これに関してはすでに記事にしてきましたので、簡単に書きます。今年の4月、それまで6年間お世話になった中学校から転勤してきた中学校の美術室は完全にゴミ溜めで、掲示物も古いものばかり。この空間に来て美術が主体的に学ぶ態度が育つとはとても考えられないような場所でした。新天地で一から出直しでしたが、過去赴任した学校でも同様にゴミ溜め美術室の改造をしてきたので、その経験が生きました。
とりあえず片付けをして教室の環境を最適化させていきました。その際遊び心を大切にし、色々な工夫をこらして一年足らずでかなり魅力的な空間にすることができました。ゴミ溜めだったからこそ、何をやっても大丈夫という感じで、好き放題に教室をアレンジしました。遊び心というか、むしろ完全に遊んでいました(笑)。結局私にとって教育活動は趣味の類になります。より良い授業をするためにプロジェクターを買い、それでも満足できなかったので、大型テレビを購入しました。すでに美術室に10万を超える投資、寄付をしている状態ですが、自分が納得できる楽しめる授業をするために物がないことによる我慢はしたくありません。素敵な時間を子どもだけでなく私も味わいたいがゆえに、お金を使うこともそれほど躊躇いません。それは趣味にお金を使うのと同じです。しかもこの趣味は私自身の成長に大きく貢献してくれるので、むしろ自己投資と言えるものです。そう考えると、お金を使う価値も出るというもの。お金は生かしてナンボのものです。10万円の生活給付金は全て学校関係に使ったことになりますが、自分の懐に貯めておくよりも余程価値を創出することができたと私は考えています。
こうして美術室は私が美術の指導をやりやすい環境にできました。オンライン授業の価値を私自身強く意識する今日この頃ですが、やはり学校という場にはそこにしかない価値があります。それは学校でなければ味わえない体験です。その体験価値を上げるのが環境の充実と良質な授業になります。そしてそのような体験の中で主体的に学ぶ姿勢は培われると私は考えています。「美術室に行くのが楽しみで仕方がない」というようなテーマパークのような魅力を子どもたちには感じてもらいたいです。そのために美術室の環境整備をこれからも続けていきたいと思います。
4.テニスコートの環境整備
これについても過去にお話ししたことがあるので、簡単にお話しします。4月から赴任した中学校ではこれまでのようにソフトテニス部の顧問を務めさせてもらい得ることになりました。ちなみに7年連続でソフトテニス部と美術部の掛け持ちです(苦笑)。それだけ重宝されていると勝手に考えて自分を納得させています…
赴任先のテニスコートは2面で、それまでの中学校は3面あったので、かなり制限のある中での活動になることを覚悟していました。しかし、問題はコートの少なさだけでななかったのです。テニスコートのラインテープは朽ちて剥がれ、コートの表面はイレギュラーし放題の水溜りが出来やすい恐ろしい状態だったのです。
「こんなコートでよく練習してたなぁ」というのが率直な第一印象でした。そしてすぐにコートの環境整備に着手しました。幸か不幸か臨時休校で部活動がなかったので、始業前と勤務時間終了後、休日とエクササイズのつもりでコート整備しまくりました。そして6月の部活動再開の時にはかなり良い状態に仕上がり、気持ちよくプレーすることが可能になりました。
私自身も子どもたちと一緒にテニスをするのが好きなので、良い状態のコートはテニスをエンジョイする上で極めて大切です。そして気持ちよくプレーできる環境は子どもたちがテニスをより高いレベルでプレーすることにも繋がるので、自ずとテニスが好きになっていきます。コートの状態が良いと、雨が降っても、雨が上がりさえすればすぐに使える状態になるため、毎日のようにコートで練習できます。コートが使えない練習ではやはりモチベーションは上げにくいため、常にコートでプレーできる状況というのは想像以上に価値があるのです。
さらに、ポータブルネットを作ることによって練習時間のさらなる充実につなげることができました。20人ぐらいが一つのコートに入ってしまうと、まともに練習ができません。なので、半々に人数を割って、時間制で中組と外組に分け、外組はポータブルネットで存分に練習するという形を取れるようにしました。こうして部活動の時間を最大限に生かすことができるようになりました。
5.新学習指導要領への適応
かなりお硬い内容になります。達脇家は浄土真宗ですが、私にとってのバイブルは新学習指導要領です。もちろん以前のものもかなり使い込み、お経のように諳んじるとまではいかなくとも、内容は頭に打ち込むだけでなく、それに基づいた教材開発や授業実践をしてきました。来年度から施行される学習指導要領を2年前に美術科のものを購入しましたが、この内容は美術だけでなく、学校での指導全般において通用するだけの普遍的に大切な概念に至るものでした。これは名作中の名作。ドラクエで例えるならⅤでキラーパンサーが仲間になるぐらいの衝撃です。「よく見たらあの時の!」どんな相手であってもとりあえず寄り添ってみると思わぬ発見があるものです。
新学習指導要領最大の特徴、それは「子どもたち一人ひとりの可能性を最大限に尊重する」、そのために寄り添って子どもたちのやろうしていることを「見とる」と言う点です。もう教師が知識を子どもたちに教え込む時代は終了です。主役は可能性の塊である子どもたちです。教師は希望あふれる子どもたち一人ひとりの思いを汲み取り、サポーターになることがあらゆる活動でポイントになります。そうして生きる力につながる「主体的に学習する態度の育成」を図るのが私のバイブルに詰め込まれた理念なのです。
この素晴らしい学習指導要領は前回までのものよりも格段に容量が増しました。この容量を見ただけで、まともに内容を読みもしない教師が学習指導要領を無闇に批判するのを目にすることがあります。当たり前のことですが、まずは読んで内容を掴んでから判断して欲しいものです。そんないい加減な教師が指導した子どもたちは犠牲者と言っても過言ではないと思います。せっかく主体性が培えるチャンスがあるのに、「文句言わずにやりなさい」「ノートはきっちり写して宿題の提出点を落とさないように」「勉強が好きな人なんて普通はいないので我慢してやりなさい」なんて言われたら、相当な変わり者でない限り主体的に学ぶ姿勢なんてつくことはないでしょう。
新学習指導要領は本当に夢のある内容です。多少理想論的な部分もありますが、内容や理念全てをパーフェクトにやれる教員はなかなかいないと思います。なので私が思うには学習指導要領を基盤にした上で、子どもたちの実態に合わせて教材をコーディネートすることが大切です。子どもたちの柔軟な発想と表現を引き出すためには教員自身が柔軟でなければいけません。
私は2年前からこの新学習指導要領についての勉強をしましたが、理解度を決定的に高められたのは今年の夏でした。2学期に取り組む単元の指導案を丸ごと書いたのです。こうすると、その単元の導入からアイディアスケッチ、制作、鑑賞までのトータルでの子どもたちの学びや、学びを促進させるために教師にできることをイメージすることができるようになり、この学習指導要領の価値についてより実感が深まりました。
生徒の想いを汲み取り、主体性のある学習姿勢を育む授業は毎時間教える立場としても学びの多いものになります。私は2学期に新学習指導要領に基づいた指導をして子どもたちが工夫を楽しみ、表現が発展し、さらにアイディアが膨らんでいく過程を毎時間たくさん見ることができました。そんな授業は教師としても楽しいものです。来年からの本格実施に向けてとても良い準備ができた2020年でした。
6.テスト対策プリントの進化
これまでにも定期テストの際には学習内容をA3両面にまとめたテスト対策プリントを作ってきました。今年はそこにQRコードを貼り付けて、実技に関する動画を見て詳しく学べるようにしました。動画は私が自作しYouTubeに投稿したものです。これからは教師もYouTubeを活用して効率の良い学習を実践していく時代だと思います。何度も動画を見て自分のペースで学ぶことができると、成果につながりやすいでしょう。ちなみに、テスト週間では放課後に学習会をしますが、美術の学習会に来る生徒は少ないです(苦笑)しかし、動画で自分一人で実技の練習をした生徒が学習会にも来ました。どうも、一人でやってみてさらに向上できるのではないかと考えたようです。非常に主体的な学習姿勢と言えます。なぜなら、やってきた生徒は十分に実技の力があったからです。不思議なもので、取り組む前は気持ちが重くても、少し取り組んでみて、ある一定の成果が出ると改善できる環境があるのであればもう少し取り組んでみたいと思う傾向があります。これは皆さんも実感するところではないでしょうか。このようなことに気がつき、新しい時代の学校教育の可能性についてさらに考えることができました。「初動である程度の成功が得られ、その先が気になる」という仕掛けをつくっていくことが来年の課題です。
子どもたちのほとんどはスマホかタブレット、最低でもインターネットが使える環境で生活をしています。しかし、それらがスマートに使われているかというと、日本の子どもの場合SNSとゲームの利用がほとんどで、勉強に使ったり、ググったりすることにはほとんど利用していないというのが現状です。結局便利になった携帯ゲーム機というレベルなのです。
このような状況だからこそ、スマホやタブレットの有効な使い方を学べる機会を提供することが大切です。学習の様々な場面でこれらを活用し、新しい自由な学びを教師として子どもたちにコーディネートし、そこから生まれた子どもたちの課題意識と向き合って、学習をファシリテートできるようにしていきたいと思います。
7.新しい時代の進路学習
今年配属になったのが1年生の担当で、校務分掌では学年の進路学習担当になりました.実は3年前も進路学習を担当したことがあって、年度当初は「過去のものをそのまま使えるしメチャ楽!ラッキー♪」ぐらいの感覚でした。しかし、リモートワーク中に出会った数多くの本が、新しい時代Society5.0に向けて社会と教育が劇的に変わらなければいけない局面に来ているということを私に教えてくれました。
中でも衝撃度強めだったのが、2013年のダボス会議で話題になった「2013年に小学校に入学する子どもが将来今は存在しない職業に就く割合は65%」というものです。実はこの話については4年前にも当時の校長先生のお話の中で聞いたことがあって、その時は「そういう時代なんだなぁ」ぐらいにしか考えていませんでしたが、今回の世界的な感染症の中で社会が変化を余儀なくされ、今ある職業が変化しなければいけない時が来ていることを真剣に考えることができました。これに関しては教員という職業自体も近々地殻変動が起きるということを直感したので、かなり身近な問題として捉えることができたことが大きかったのかもしれません。
そういうわけで、私は進路学習についてゼロベースで考えることにしました。これまでの進路学習では、
①自分の興味のあることや得意なことを自己分析する。
②それに関する職業を探す。
③レポートで職業の内容についてまとめる
というものでしたが、この進路学習はっきり言って何の面白みもありません。しかも、将来存在するかもわからない職業について内容を調べて感想を書いても大した価値にはならないと思います。せっかく社会が大きく変わろうとしている時なのに、これまでのような進路学習をしてはいけないと思いました。新しい時代の到来に対して子どもも教師もワクワクするような進路学習にしたいと考え、以下のように変えました。
①Society5.0で社会や仕事はどう変化するか考える
②今後どのような仕事が生まれるか考える
③もし時間とお金が無限にあったら何をするか考える
④大切にしたい価値観と得意なこと、やるのが嫌ではないことを考える
⑤興味のある仕事や自分を生かせる仕事、仕事以外の時間の使い方について考える
⑥職業レポートを作成(今はない仕事を考えたり、仕事を掛け合わせるのも可。自由に考えます)
このような感じの進路学習にしました。これは進路学習というより、生き方について考える学習になったと思います。一応「職業レポート」と名付けていますが、遊び人のような働き方もありますし、1日1時間労働で、あとは遊びまくるという内容のレポートになっても良いことにしているので、あまり「職業」というラベルを貼るのは相応しくないとさえ思います。今思えば「人生設計」「生き方」「未来妄想」的な要素を含ませたネーミングにすれば良かったと思いますが、とりあえず、将来に向けてチャレンジ精神や想像力、個性を大事にして生活していくためのきっかけづくりにはなったかと思います。
私自身、今年進路学習を計画する立場で本当にラッキーだったと思います。授業を考える中で多くのことを学べました。私はいかなる時も遊び心が大切だと考えていますが、これからの時代、仕事であろうが休みの時間であろうが、人生丸ごと遊び込める力が大事であると確信を持つことができたのも進路学習について考えている中でのことでした。今思うと、自分のマインドセットに変化が生じたのも進路学習について研究し始めた時でした。
というわけで私がお勧めする本を写真ですが紹介しておきます。どれも目から鱗の一読の価値があるものばかりなので読んでみてください。
8.ハーフマラソンの距離を走破
本当はハーフマラソンに出場と書きたかったですが、残念ながら2月に予定されていた大会は開催1週間前まで感染予防を徹底して行うことが言われていましたが、結局直前になって中止が決定。この日に向けて練習を積んでいたのでとても悲しかったです。しかし、大会があろうがなかろうが、走りたい気持ちに変わりはなかったので、とりあえず21キロ以上走りました。ただ走りたかったのです。フォレスト・ガンプのように。直前の練習でも20キロ以上走っていたので、ハーフマラソンの距離は2回走ったことになります。
私がランニングを始めたのは4年前のことです。それまでは運動量自体は成人の平均以上でしたが、わざわざきつい思いをしてランニングをするなんてことはありませんでした。
ところが、当時ソフトテニス部で一緒に顧問をしていた先生(彼は私よりも一つ年下ですが主顧問で、私は副顧問でした。当時の私は美術部の主顧問)が冬のロードレース大会に部活動で参加する意思を表明し、「顧問も一緒に走りましょう」なんて言われたので、内心「はぁ!?まじかぁぁー」と叫び散らしていました。そのロードレースは子どもが3キロ、大人は10キロだったのです。そんな距離高校生の時以来走っていません。とんでもないことになったと思い、渋々練習を開始したのですが、走れば走るほどタイムが伸び、走った後の爽快感もあったため、まんざら嫌でもなくなりました。それから毎年ロードレースに子どもたちと一緒に参加し、そこそこ上位に入れるぐらいになりました。
そうしているうちにハーフマラソンやフルマラソンといった次のステージに行きたくなり、今年ハーフマラソンに挑戦することになったのです。4年前はどう考えてもハーフマラソンなんか無理でしたが、やってみればなんてことありませんでしたし、走る楽しさを30歳を過ぎてから知ることができました。20キロ以上を走破できるようになった私は、休日に家から10キロの距離にある勤務校まで走って行って仕事をし、また走って家に帰るということも何度かしました。不運なことにその中で車に跳ねられそうになり身をかわした際に膝を捻挫してしまい、これまでのようなペース(1キロ4分〜4分半程度)で走れなくなってしまいましたが、継続してランニングには取り組めています。ただ、ペースがこれまでよりもマイルド(1キロ4分半〜5分程度)になった分、当然気持ちに余裕が生まれました。最近はYouTubeをAirPods proで聴いて勉強しながらランニングを楽しむようにしています。そしてこれぐらいのペースの方が健康には良いとのことなので、怪我の功名とはまさにこのことです。
それでも膝が完治すればペースをまた上げてハーフマラソンかフルマラソンに向けてレベルアップを図りたいと思います(笑)。やはり進化の可能性があるならチャレンジしたくなるものです。一度走ってしまうと見える世界が変わります。ハーフマラソンの距離を走破するまで職場まで走って行って、また走って帰るなんてことは考えられませんでした。私はもしかしたら相当な変態M野郎なのかもしれません。しかし、達成したことは率直に喜びたいですし、来年さらに充実したランニングをしていきたいと思います。
9.朝活
今年元気に過ごせただけでなく、むしろ若返った、と言うよりも人生で一番心身の状態が良い状態になったのは間違いなく朝活にあると言えます。厳密に言うと前夜の就寝ルーティンから朝活は始まっているので、私がどのような朝活を身につけることができたのか説明させていただきます。簡単にまとめると以下のようになります。
①就寝1時間半前に風呂に入り、就寝前はスマホなどの強い光を見ない
②朝起きたらコップ1杯の水を飲み、エクササイズをしながらSNSやYouTubeで情報収集
③朝ごはんは軽めにとって朝の勉強
④通勤路にある自然あふれる場所で散歩とランニングと瞑想と読書
⑤朝の部活動で30分程度の運動
⑥1時間目が空いている場合は廊下で日光浴しながら20分程度仕事
という感じです。かなり朝から攻めたスケジュールですが、これがルーティーンになっているので、何も努力は必要ありません。ちなみに平日も休日も起きる時間は同じです。結局このスケジュールで快適さを手に入れることができたので、これをやめる理由がないのです。人は快適であればそれを無意識に続けようとします。その状態に至れば、楽にこなせるようになります。
朝活をスタートして、高い集中力を発揮できるようになりました。これは良質な睡眠と瞑想による効果が大きいと思います。そして特に午前中に頭が冴え渡っている感じで、仕事がこれまでよりもスムーズにできるようになりました。午後も午前の良い状態をある程度キープできるようになり、1日が快適で疲れにくい体を手に入れることができました。これまで頼りにしていたレッドブルなどのエナジードリンクは全く飲む必要がなくなり、夜になっても好調を維持できるようになった2020年でした。
朝活に関してはまだ改善の余地があると考えています。来年さらに充実した朝の時間を送り、生産性の高い毎日を送っていきたいと思います。
10.新しい働き方の発見
今年は感染症対策から働き方について大いに考えることとなりました。その結果、私はたくさんの有効な働き方を発見することができました。その一つがノマドワーキングです。これは働く場所に縛られず、カフェなど好きな場所で働く方法です。私はこれまでにもカフェで休日や平日の深夜に利用して仕事をするのが好きだったので、このノマドワーキングに関しては以前から良いものであると思っていました。しかし今年、散歩やランニング、自然の中での瞑想や読書を通して、働く場所も自然あふれる場所が良いのではないかと思うようになり、タブレットやパソコンを自然あふれる場所に携えて行くようになりました。
予想は的中で、大変集中して作業ができるだけでなく、疲れることもなくなりました。むしろ癒されました。集中できる環境で自然に癒されながら仕事をすることのメリットを知ってしまうと、なるべくそういった場所で仕事をしようと考えるようになります。前回もお話ししましたが、テストの採点も職員室で行うのではなく、外の渡り廊下で綺麗な景色を眺め、小鳥の囀りを聞きながら作業すると、これまでの2倍程度の効率で行うことができました。
今の時代は集中力を奪うものが溢れています。テレビや漫画、ゲーム、自分には関係のない雑談、そしてスマホやタブレット。世の中の溢れている便利なものの多くは人間から集中力を奪うように設計されています。そうやって中毒の状態にして消費させるように賢い人たちが考えてつくっているのです。私はスマホの通信を仕事中は極力オフにするようにしています。そうすることで通知が入って来なくなり、目の前の仕事にとことん集中できるようになります。
これまでの常識を疑い、新しい働き方を発見すると、仕事が快適になるだけでなく、作り出した時間で新しいことにチャレンジすることも可能になります。真面目に働くことが悪い訳ではないと思いますが、誰もやっていないけれど明らかに価値があると感じたことはとりあえず実践してみても良いのではないでしょうか。2021年はさらに良い働き方を見つけていきたいと思います。
新年の目標設定について
2020年に達成できたことは、結局のところどれも目標設定していたわけではありません。「仕事の質の向上」を目標に掲げ、iPadを活用するようになったぐらいでこれだけたくさんのことを達成できたとは思えません。
今年一年を振り返って目標との関わり方について確信することができたことがあります。それは目標を持つことよりも、人生を豊かにするマインドセットを築くことの方が大事だということです。ただし、目標と上手に付き合うと、その価値を発揮できるものだということも今年気がつけました。このことは来年の目標設定をする上でとても大事になりますし、是非他者と共有したいと思ったので、今回の記事に乱入させました。
今年一年を振り返って、目標を達成するためには2種類の目標設定が大事であることが見えてきました。それは「短期で生きる具体的な目標」と「習慣化する目標」です。これらを使い分けることで、達成できるものが増えると実感しました。
短期間で生きる具体的な目標
よく具体的な目標ほど達成しやすいと言われますが、これは半分適切といった程度です。よく大きな目標で1年の目標を具体的に設定することがありますが、これをすると、それを達成するために日々積み重ねることがイメージしにくく、努力がしにくいです。成果が分かりにくいというのも難点です。やらなければいけないと分かっていながら、「明日から、来週から、来月から…」と先延ばしにしてしまう傾向があります。紙に目標を書いて目につくところに貼っておくというのもありますが、これをすると実行できていない自分を責めることになるため、自己肯定感が下がります。
では具体的な目標はどのような場合に生きるかというと、「実現可能で短期間でできるもの」です。例えば、「今週はこの仕事を終わらせる」「今晩は10キロ走る」「明日は5時に起きて釣りに行く」「今週はこの内容でブログを書く」そんなレベルです。このような短期目標は非常に有効で、どちらかというとTo Doリスト的な目標設定です。これらは目標達成がイメージしやすいためすぐに実行して達成できます。具体的な目標設定は短期のものであれば、非常に効果的です。なので、毎朝目標をつくることで充実した生活につながります。
しかし、おそらく多くの人が目標設定で困っているのが新年の目標など、大きなものを達成する長期的な目標についてでしょう。大きな目標はなるべく色々な人に宣言してまわってやらざるを得ない状況にするというのが効果的です。ただ、そんなプレッシャーが好きではない人も多いことでしょう。そこで長期的に価値が出る「習慣化する目標」をお勧めします。
習慣化する目標
習慣化する目標というのは、例えば「寝る前に本を読む」「週に1回ブログを更新する」など、すぐに実行することができ、もしできていなくてもすぐにリカバーすることができるものです。何かの間違いで本を読まずにベッドに向かったとしても、「あっ、本読んでへんわ。少し読んでからにしよ」という感じですぐに軌道修正できます。
習慣化する目標はすぐに達成できるものではありません。継続が前提になります。なので、新年に立てた目標であれば、年末に振り返った時に達成できたかどうかを確認することになります。この習慣化する目標の素晴らしいところは、それを達成する中で他の色々な面で成長を促してくれるところにあります。本を読み続けたことによって考えが広がり、新しいことにチャレンジしているかもしれませんし、ブログを更新することによって思考力や発想力を伸ばし、場合によっては収益化に成功したなんてこともあるでしょう。つまり、習慣化する目標というのは、充実した生活を送る上での「手段」であり、「マインドセット」になるのです。目標のために生活をするのではありません。生活を豊かにするために目標があるのです。この視点をもつことができると、色んなことを習慣化していきたくなります。そして良い目標設定ができるようになります。
是非来年に向けて良い目標を考えてみてください。私はすでに習慣化する目標を考えましたので、また年明けのブログ更新の際にご報告できたらと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。充実の2020年が終わるのは名残惜しいですが、2021年がさらに素敵な1年になると期待しています。あと、まだまだ今年もあと少し残っているので、短期で生かせる具体的な目標の達成に向けて頑張ります!
それでは皆様良いお年をお迎えください!
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