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7月, 2021の投稿を表示しています

Google ClassroomとGoogleドライブを用いた教材共有で生み出すシナジー

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   今回はGoogle ClassroomとGoogleドライブを用いた教材共有についてお話しします。ただ、これらの機能についてご存知な方は多いと思いますので、教材共有については簡単に触れるぐらいにしておこうと思います。今回私が記事を書こうと思った理由は、 「共有」によって生み出される「シナジー(複数のものが作用しあって効果や機能を高めること)」について です。  以前の記事で、Google Jamboardによって道徳や美術の授業の可能性が大きく広がったことについてお話ししましたが、これらは「共有」がスムーズになったことによって、 お互いの考えを生かして、アクティブに深い学びを実現することができるようになった というものでした。  GIGAスクール構想のもと、Google Workspaceが利用可能になったことでGoogleが提供する様々なアプリケーションが授業で活用できるようになり、教師と生徒がより良い関係を主に学習面で作れるようになりました。使い方によっては部活動や委員会活動でも有効です。  GIGAスクール構想では教師と生徒、生徒と生徒が学校生活でデジタルを活用することにとどまらず、保護者や地域との関係も新しいものにしていく可能性があります。そして教職員の連携の在り方も大きく変わっていくことと思われます。教職員の連携が充実したものになれば、教材が簡単に共有できるようになって授業準備の時間が短縮され、時間外労働の問題も改善する可能性があります。教材の共有はやろうと思えばこれまでの校務用パソコンでもできましたが、より手軽に分かりやすく共有でき、しかもGoogleのアプリケーションを使った教材であれば、デジタル上でそのまま授業に利用できるようになりました。  教材の共有だけでも十分に魅力的なのですが、 Google Workspaceの魅力はただの共有を超えて、協働で教材を開発できるという点にあり、しかもそれが学校内だけでなく、自治体単位で行えるということ です。この点に大きな可能性があり、今後の展開に大いに期待しています。  今回は記事の前半でGoogle ClassroomとGoogleドライブを利用した教材の共有、後半で共有することによって可能となる教育の発展可能性について文章を書いてみました。少しでもこれからのGIGAスクール構想の推進に役立つものにな

人工物を活用した色面構成

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 今回は美術教育についての記事になります。身近なところにある人工物の形や構成を生かした色面構成について紹介します。美術教育についての内容ですが、私としては全ての人にとって美術の学習は生涯必要であると考えていますので、もし美術教育の関係者でなかったとしても興味がありましたら読んでくださると嬉しいです。  構成美を用いた色面構成に関する学習は中学1年生でやることが多く、一般的に美術の基礎として扱われています。私自身も1年生のデザインの学習ということで、色面構成をこれまで一貫して指導してきました。  この色面構成を通して主に以下のことが身につくようにしています。 1.モチーフの特徴をいかしたデフォルメ 2.単純な形と構成美の利用 3.テーマに合わせた配色 4.絵の具と筆をコントロールして意図に合わせた着彩ができるようにすること 5.どんなものをモチーフに選んでも、色と形、構成の工夫次第で魅力的な画面にすることができること  細かいことを言えば他にも沢山ありますが、主に以上のことが学習できるように指導をしてきました。基本的に自由が大切な美術教育ですが、基本的なところは学んでおき、自由に表現できる幅を広げておく必要があります。色面構成の教材ではバランス良く基礎を学ぶことができ、その先の美術の学習につながる要素も多いため、1年生の比較的早い時期に取り組ませておきたい単元です。特に 構成美の要素はどんな時にも使える知識であり、困った時には構成美と言っても良いほど役に立つ内容 です。  私は色面構成の教材を、自然物と人工物を用いたもので取り組んできました。前回のブログ記事で「自然と人工の融合 https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/07/blog-post_17.html 」について書きましたが、異種のものを組み合わせることで新しい美を創造しやすくなり、生徒が達成感を得やすくなると考えています。また、人工物は構成美が元々備わっているものが多く、これを利用することでデザイン的な作業経験がなく、美術への苦手意識さえある生徒の場合でも、取り組みやすくなるというのがこの教材の狙いです。  ただ、美術への苦手意識がある生徒は、自然物をデフォルメしたり、人工物を利用したりというように、色々な要素が入るだけです

自然と人工の融合がつくり出す「美」

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  今回は自然と人工を融合させることによって生まれる「美」についてです。「美」は非常に身近にあるもので、その概念は私たちの生活を様々な点で支えていると言えます。 衣食住と呼ばれる生活の基本は何かしらの「美」に関係していますし、娯楽に関するものはこの概念抜きに良いものにはならない と考えられます。私たちは生活に「美」を知らず知らずのうちに求めて生きてきたとさえ私は思います。実際に構成美と言われるシンメトリーやリピテーション、コントラストなどは自然の生命感に対する美から生まれたものであり、この美意識は人間に限ってのことではなく、虫などにとっても「健康な花かどうか」を見分けるポイントになるなど、非常にユニバーサルなレベルのものと言えます。  「美」について考えると、大きく「自然」に関するものと「人工」に関するもの、そしてそれらが「融合」したものに分けられると思います。まずは「自然」と「人工」の美の姿について確認をし、それらが融合することによって生まれる美の姿に迫ってみたいと思います。そして、美術教育に生かすポイントや私たちの生活における「美」との関わり方について考えてみたいと思います。 「自然」と「人工」の美   自然には無条件で美が備わっている のではないでしょうか。春の美しい花、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と静かな枯野。どれもみんな違ってみんないい。自然に関するものは人によって好き嫌いはあっても、自然の持つ生命感と無常は普遍性のある美であると思います。  雄大な自然を前にして圧倒される印象を受けたことがある人は多いと思いますが、自然のパワーの前に私たちは自分の存在の小ささを感じる体験、Awe体験をすることができます。これによって、自分自身が謙虚な気持ちになり、生きていることに感謝したり、幸福感を感じたりすることができるとされています。そんな 雄大なパワーを持った美しさも自然の魅力 と言えるでしょう。  逆に人工には人工の良さがあり、 整理され、計算されたデザイン性が人工の魅力 と言えます。大都市に並び立つ高層ビル群、京都や倉敷などに見られる昔ながらの街の景観、これらも好き嫌いはあると思いますが、魅力をもった景色と言えるのではないでしょうか。ただ、人工の場合は、テーマ性ある文化的要素が必要で、ゴミ屋敷化した建物や混沌とした場には「負」のパワーが溜め込まれ、決して「みん

Google Jamboardで道徳をアクティブに vol.1

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  今回は道徳の授業をアクティブにするGoogle Jamboardの活用について紹介します。これまでに「Google Jamboardを用いた鑑賞の可能性 https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/06/google-jamboard.html 」「Google Jamboardを用いたアクティブラーニング https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/05/google-jamboard.html 」でGoogle Jamboardの紹介をしてきました。私が専門とする美術の授業では、毎時間Jamboardを利用して、授業のめあてとまとめの活動、教科書(デジタル)の貼り付け、注目すべき作品のピックアップなどを行なっています。意見の共有だけでなく、画像を貼り付けることも簡単にできるこのアプリケーションによって、授業の形は今年大きく変わり始めたことを実感しています。  私が担当する教科は美術ですが、中学校の教員をしていると、毎週道徳の授業もします。私は大学時代、哲学や心理学にかなり夢中になった時期があり、美術の分野でも絵画や彫刻など造形面を専門にする人が多い中で、私は美学が専門ということもあり、哲学や心理学、美学に通じるものがある道徳はとても興味のある教科です。私自身が道徳性のある人間であるかどうかは怪しいですが…。しかし、もし道徳に興味がない人間だったら私はただの高い衝動性をもったヤバい人だったかもしれません。いまだに衝動的な行動でトラブルを起こすこともありますが、きっと道徳への関心が私の性質を多少なりともカバーしてくれていることだと思います。  そんな道徳好きな私は、これまで道徳の授業について勉強したり、実践したりしてきて、「道徳では教師は生徒から考えを引き出すことに徹する」「説教にならないようにする」「考えは多様で良く、教師がまとめるものではない」といった部分を大切にしてきました。これまで担当してきたクラスでは、「道徳の時間は意見が気楽に言えて他人の意見も聞けて面白い」と言ってくれる生徒がたくさんいましたが、その一方で 「当てられるのが嫌」「意見を言うのが恥ずかしい」という生徒も同様にたくさんいました

クレパスの魅力 〜実は多様な表現で遊べる優秀な画材〜

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   今回は誰もが使ったことがあるであろう画材、クレパス(オイルパステル)の魅力について紹介します。  今回クレパスを記事にしようと考えたのは、この画材に対するイメージが多くの人にとって、以下の絵のようなものなのではないかと思うことがよくあるためです。   作者が楽しんで、夢中で描いた絵であれば、それは全て良い作品 です。このような絵が決して悪いわけではありません。むしろ、伸び伸びと描いていて子どもの元気なパワーが乗り移った感じさえあります。しかし、この絵を分析すると、形が崩れ、色が濁り、肌は色が混ざってイメージしたであろう色とは別の怪しい色になっています。楽しい思い出を描くはずが絵全体からは黒く濁ったダークな雰囲気が醸し出される一方で、人間の顔は確かに笑っています。こんな コントロールの効かない画材に対して、私はずっと苦手意識を持ち続けてきました 。授業で使わなければいけない時以外では決して自分から使うようなことはありませんでした。  しかし、このような表現だけがクレパスの絵だと考えるのは勿体ないことであり、クレパスという画材の特性や使い方を知ると、その魅力を生かすことができるようになり、イメージが180度変わることでしょう。  ちなみに、クレパスというのはサクラクレパスの商品名で、正式にはオイルパステルと言います。油が多く色の伸びが良いのと、色が混ざりやすいのが特徴です。これと混同されるのがクレヨン。クレヨンはクレパスに比べて油が少なく、鉛筆寄りの画材になります。手につきにくいことから、幼児が殴り描きするのに適した画材で、線描に適した画材と言えます。 クレパスは線描に加え、力加減を工夫したり、混色したりすることで多様な表現ができる ため、クレヨンに比べて小学校でもよく使われる画材です。  しかし、なぜかクレパスの認知度は低く、一律でクレヨンと言われている傾向があります。クレパスのパッケージやラベルには明確に「クレパス」と表示してあるのに、それを別物のクレヨンと同じ言われ方をするクレパス。あまりにも扱いが適当です…。特性の異なる画材なので、それぞれの得意とする使い方を理解する必要があります。しかし、これらの画材は保育園や幼稚園、小学校でも低学年までがほとんどで、画材に対する専門的な知識を持っている指導者や保護者は少ないため、クレパスの発展的な表現を経験することなし