ブログを1年間続けてみて


  今回は昨年の8月13日から始めたブログが丸1年を迎えたということで、この1年間の振り返りをして、ブログを書くことの魅力と今後の課題についてまとめてみようと思います。

 振り返るとあっという間の1年間でした。結論から言うと、1年間ブログを書いてきて本当に良かったと思いますし、これからさらに内容を良いものにしていきたいと考えています。この1年間はコロナ禍ということもあり、学校教員として今後の在り方についてこれまで以上に考えることが多く、その中でブログを書いたり、美術教師としてホームページを立ち上げたりと、自分の発信力を高めて美術や教育について少しでも貢献できることがあればと思って活動をしてきました。私は元々飽きっぽくて、継続することが苦手なタイプです。意を決して始めたことも三日坊主どころか1日でピリオドを打つようなことばかりでしたが、学級通信やこのブログは奇跡的に継続することができています。継続するのが苦手な自分がこうして続けられていること、そしてまだこれからも続けていこうとしているのが実に奇妙です。こんなに継続することができたのは過去を振り返っても中学時代のバス釣り以来です。

 ただ、また1年間これまでと同じように継続していくわけにはいきません。今後さらに活動のレベルを上げていくためにも、1年という節目でブログを書くことの意味と可能性について考え、また来年2年間継続して見えてきたことを考えることができたらと考えています。もしブログを書くことや、何かを発信することに興味がありましたら、今回の内容に目を通していただけると嬉しいです。

 今回は以下のような内容で記事を書いています。

1.ブログを書くことの魅力

①自分の考えが深まる

②普段のものの見方が変わる


2.課題とこれから

①文章をコンパクトに

②役に立つ要素

③効率良く記事を書く時間活用

 今回もかなりのボリュームになるので、ポイントで絞って読んでいただいても良いと思います。


1.ブログを書くことの魅力

①自分の考えが深まる

 普段やっていることは感覚的なことが多く、やることの理由を聞かれると答えるのに困ってしまうことも多いと思います。「美術教育の意義とは何か」「主体的な学習態度を伸ばすために大切なことは何か」といったことは話し始めると割と延々と話せるものですが、端的にまとめて説明したり、深い話をしたりするためには、自分なりに考えた認識がないとなかなか筋の通った話ができないと思います。自分が携わることには、それなりに考えを深めておきたいところです。

 美術教育をしている人ならきっと誰もが聞かれてイラッとしたことのあるキラーワードが「美術って必要なん?」だと思います。国数英社会なら「受験」という言葉を使えますが、美術は受験に基本的に出ないゆえにそういうことを生徒は平気で言うのでしょうが、これを言われたらイラッとしつつも穏やかに「美術が関係しないものを身のまわりで探してごらん」と言います。本当は「人生を自分のイメージで創造的に…(以下省略)」と言ってノックアウトさせたいところですが、そんなことをしても何もプラスにならないので、慎むようにしています。ちなみに、勉強する理由で「受験」という言葉を使うのは個人的に完全にNGだと考えています。勉強が受験までの我慢だとしたら、ただ勉強に対してネガティブイメージを刷り込み続けるだけです。勉強をするのは他でもない、より良く創造的に「生きる力」を身につけるためだと思います。

 ブログで考えを言語化することで、それまで曖昧だったことを明確にし、考えを深めることで、それまで意識してこなかったような他の事柄との繋がりが発見できることもあり、それが新たな実戦や研究に繋がります。ブログを書くことを通して自分自身の実践を客観視し、メタ認知することができると感じています。毎週4000字から6000字の文章を書くということは、1ヶ月間で学士論文を書いているのとほぼ同じ容量になりますし、私が大学院の時に書いた修士論文は50000字程度なので、2〜3ヶ月で容量的には達成していることになります。

 大学で論文を書いた時には参考文献をたくさん読みましたが、実践が乏しいため自分自身の考えとして文章化するのが難しく、ほぼレポートや感想文のような状態でした。しかし、ブログで書く内容は全て自分自身の実践がベースになっているので自分の言葉で書くことになります。研究論文のように引用をたくさん用いて、それについて補足したり考察したりすると文章の内容的にはかなりレベルの高いものになりますが、ブログというのはそういった研究論文とは異なるものであって良いと思います。書き手の個性を感じられるのがブログの文章だと思います。


②普段のものの見方が変わる

 毎週1記事必ず書こうと思うと、普段からネタ探しが欠かせません。これは私が毎週出している学級通信でも同じことが言えるのですが、普段からネタを集める視点でまわりを捉えるようになり、なんとなく過ごしてしまう時間が少なくなりました。特に私が専門にしている美術教育は普段の生活から拾えるネタがたくさんあるため、アンテナを立てる意味でブログを書くという前提は意味があると感じています。



 ブログを読んで意味があったと思ってもらえるような内容にするためには、身のまわりの価値あるものに視線を向ける必要があります。そうなると、必然的に良いところ探しをするようになりますし、何かをかけ合わせて良いものを創り出すというのも必要になります。誰もが知っている良いものを紹介してもあまり意味がありません。例えば「自然は美しい」なんてことを書いても、それは誰もが知っていることですし、「はいはい…」となってしまうだけですが、「自然に包まれながらテストの採点や仕事をする」や「自然を普段と違った視点で見て美を発見する」といった何かと何かを掛け合わせるような内容であれば、一般的なものから少し離れ、内容に個性が出ます。もしかしたら変人的に思われる内容もこれまでにあったかもしれませんが、逆に言うと、普通のことをブログに書いてもあまり意味がないので、「ちょっと変わっているけど実は大切」みたいな内容にできたらと思って書いた記事もたくさんあります。


 また、ブログを毎週更新するようになって生活も健全になったと感じています。これまで職場を一歩出ると完全オフモードになり、家ではソファーに腰掛けるどころか、体が無茶苦茶な姿勢で寝そべって、だらだらとスマホを触る(傍には読もうと思って放置された本)ような状態でしたが、ブログを更新するためにパソコンに向かったり、教養を深めるために本を読んだり、何かの記事を読んだりして、新しく実践できることが何かないかを探るようになりました。このように、ブログを書くことによって時間を有効に活用できるようになったと感じています。時間をだらだらと消費している暇がなくなりました。ある意味時間に追われています…。それでも、これまで以上にランニングに出かけたりスポーツをする時間が増えているので、単純にこれまでだらだら時間が長すぎただけかもしれません。元々家にいる時はストイックにゲームに没頭するタイプの人間だったので、社会人になってゲームを卒業し、バンド活動もなくなって音楽の練習も無くなったことで、時間を潰すことが非常に多くなっていたということでしょう。


2.課題とこれから

①文章をコンパクトに

 これは毎回自分でも課題だと思いながら、なかなか改善できていないことなのですが、文章量が多くなりすぎて読みにくくなってしまうことが多かったので、もっと読みやすくするのがこれからの課題です。個人的には短歌や俳句のように36字や17字で内容が美しく伝われば最高だと考えていますが、気がついた時には文章が膨れ上がっています。もっとコンパクトに要点を絞って書けるように2年目は改善を心がけていきたいと考えています。

 そのために、ブログを書く前にメモ書きで内容を具体化し、ある程度の削り出しもして置くことがポイントになると考えています。これまでにもメモ書きをしてきましたが、その方法は芸術作品のアイディアスケッチのようにたたき台的で、本番の中でさらに大きく進化していくような感じのメモでした。芸術作品なら制作の中でゆっくりと時間をかけて洗練させていくことができますが、ブログは1週間で出しているので、芸術品のような完成度を目指すことはありません。言ってしまえば大雑把です。

 しかし、ある程度メモ書きの段階で練り上げることができていれば、短い文章でも内容がまとまった読みやすい文章になるのではないかと考えています。文章をある程度書いてから無駄を削ぎ落としていくというのも良いかもしれませんが、一旦できがった文章は削るのが難しく、動かしにくい状態になってしまう傾向があります。これはデッサンなど絵を描くときも同じで、いきなり強い線で描いたり、強烈な輪郭を描いてしまうと、そこから絵を変えることが難しくなります。なので、修正をかけやすい初期の段階である程度内容を練り上げておき、基礎ができたところで細かいところを仕上げていけるようにしたいと思います。


②役に立つ要素

 これは当然のことかもしれませんが、すぐに実践できて役に立つ要素を増やしていきたいと考えています。私のブログは個人的な趣味が反映されたかなりニッチな内容を扱っていることもありますが、捉え方次第ではより多くの人にとって役立つものになると思います。そのために、良いネタを準備するだけでなく、ネタのエッセンスをよく捉え、興味をもってもらえる部分を伝えながらも、自分の考えをぶつける部分も入れてメリハリの効いたものにしたいです。 


 役立つ内容にするというのは読んでくださる方だけでなく、自分自身にとっても役立つという意味で大切です。美術の実践に関することを紹介する記事の場合、美術教育に携わっている方にとって役立つ内容にするのは当然ですが、記事を書くことを通して自分自身の実践を深くチェックし、PDCAサイクルを回すことに繋がるため、自分にとっても役に立ちます。結局、研究を続けるということ自体が教育活動をより良いものにしていく上で不可欠ですし、研究した上で実践を重ねていくことが研究をより充実したものにしていきます。そう考えたら、ブログを書くことを止める理由がなくなりました。ただ、もしこの先体力的に無理が生じてしまった場合はスパッと止めます(笑)。無理をしないことが一番大切。




③効率良く記事を書く時間活用

 30も半ばを過ぎると仕事で任されることが多くなり、この先家庭での責任も大きくなってくると思われます。そうなってくると、ブログを書く時間の効率化が不可欠です。

 私は今年の目標の1つに年間100記事というものを掲げていました。スタートは快調でしたが3月ぐらいに無理だと感じて早々と諦めました。ブログだけでなく、学級通信も毎週更新しているので、ちょっと目標がヘビーすぎました。まずは週1回の自分のペースを維持することを優先にしていくべきだと考えています。しかし、各時間の効率化ができれば週に2回以上のペースで更新することも可能かもしれないので、この部分の可能性を2年目は探っていきたいです。

 実は今年度、ブログと学級通信の他にも毎週更新を始めたものがあって、これも学校の業務に関係することですが、ICT教育担当としてGIGAスクール通信というものを同僚向けに毎週発行しています。現場ではChromebookが導入されてもICTを利用した有効な授業がわからないということで、なかなか活用に踏み切れない人が多いです。そういった状況を少しでも改善すべく、活用に関する有益な情報を通信にして発行しています。

 振り返れば、去年までは週1回の学級通信ぐらいしか文章をまともに書くことがなかったので、ブログやGIGAスクール通信といったものを続けることができているのは十分に満足するべき状況なのかもしれません。しかし、改善点もたくさんあると感じているので、その点については真摯に向き合っていきたいと思います。

 これまで土日に一気に書くことが多かったブログですが、朝の時間を有効に活用すれば、かなり状況も変わってくると思います。出勤前や始業前の朝の時間はタイムリミットがあるおかげで勉強や仕事が捗ります。この時間を10分でも活用できると、ブログの更新がもっと楽にできるようになると考えられますので、可能性を探っていきたいと思います。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はブログを1年間続けて気がついた「ブログを書くことの魅力」と「今後の課題」について書きました。ブログを書くことを通して自分の考えを深めたり、普段のものの見方が変わったり、身のまわりの良いところ探しをすることがこれまでよりも確実にできるようになったと感じています。もし今回の内容を読んで、ちょっとブログを始めてみようかなと思う人がいれば嬉しいです。個人的にはブログは日記の延長線のようなものとして気軽に始めてみても良いと思います。

 これからも週に1回以上のペースで更新していきますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。

 それではまた!


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