逆境もポジティブに 〜初の松葉杖生活〜
前回は万歩計の素晴らしさについて熱く語りました。秋も深まる10月下旬、いよいよスポーツの秋!万歩計携えて動きまくる!という時期に、なんと足を骨折してしまいました…
ソフトテニス部活動指導中、ボレーをするために足を踏み込んだ際に、ポータブルネットの脚に自分の足を乗せてしまい捻ったことによって、左足小指の付け根(第5中足骨)付近を骨折しました。捻った瞬間に「やってしまった」という確かな手応えがあったのですが、しばらくはアドレナリンの効果で指導を続行しましたが、休憩中に足を見るととんでもない腫れ方をしていたので、練習終了後すぐに病院へ。晴れて松葉杖生活のスタートです。
よりにもよってこのタイミングということに自分がいかに持っていない人間か痛感しました(苦笑)。全治1ヶ月程度ということで、肌寒くて動き回りたくなるこの時期に運動できないという残酷な状況ですが、これまで35年間不自由なく歩き回っていた自分にとっては松葉杖との貴重なご縁と考え、この新しい脚での移動の習熟度を上げて、これまでに味わったことのない経験を可能な限り楽しみたいと思います。今回は骨折して松葉杖生活を始めた数日間で気がつけた大切なことを考えてみました。
人間関係が良くなる(かも?)
骨折という逆境を迎えている私ですが、このような状況でもポジティブに「新しいこと」を発見することが大切だと考え、怪我した瞬間こそショックでしたが、直ぐに気持ちを切り替えることにしました。骨が折れて強い痛みがあっても、アクシデントをネタにしてしまえば、周りの先生たちや生徒たちから「人の不幸は蜜の味」というわけではありませんが、心配されながらも場の空気は和むというか、盛り上がります(笑)。
職場には普段あまり話をしない先生もいますが、そういう先生とも話すきっかけが生まれるなど、これまでよりも職場での人間関係が良くなったと感じられたり、普段あまり話をしない生徒が興味津々に話しかけてきたり、授業以外はほとんど関わりがなかった他クラスの生徒が荷物を持ってくれたり、骨折して松葉杖生活しているおかげで、数々の新しい出会いが数日間で起こりました。人間弱った時や困難を抱えている時には助けてもらったり、人間関係が良くなったりするものだということは何となく分かっていたつもりですが、実際に体験して、こういう機会も大切だと改めて考えることができました。
松葉杖2本あれば高速移動もできる
これは意外な発見だったのですが、松葉杖が2本あれば、普通に歩くよりも高速で移動することも可能だということです。普通の使い方は松葉杖を体の前で支えて、元気な方の足をステップさせますが、これでは当然普通に歩くよりも若干遅くなります。しかし、ステップして着地した際に着いた足を少しだけホップさせ、松葉杖をすぐに前につけば推進力を殺すことなく進ことができるのでスキップで移動しているぐらいのスピードが出ます。
松葉杖をつきながら高速で移動するのは危険な部分もあるかもしれませんが、これもスポーツと思えば多少のリスクは仕方がありません。平坦で安全な場所でしか行えるものではありませんが、松葉杖高速移動は意外と面白いスポーツ感覚でできるものなので、スポーツの秋を1ヶ月程度棒に振ったと感じていた私にとって少しばかりの慰みになりました。ちなみに松葉杖移動によって万歩計の計測は半分程度になってしまいました。移動している距離自体はそれほど変化がないことを考えると、残念なことに松葉杖での1歩は万歩計的には計測不能のようです…。
片方松葉杖使用方法への誤解
今回の私の骨折は片方松葉杖でも大丈夫だったので、部屋の中では基本的には片方松葉杖で移動しています。そしてたくさんの人から言われるのが「先生、松葉杖持つ方が逆じゃない?」です。
これは私も勘違いをしていたのですが、痛めている方の脚とは逆側に松葉杖を持つのが正しい使い方ということです。松葉杖に体重を乗せることで、痛めている方の足の負担を減らしてあげるのが片方松葉杖の使用目的です。両松葉杖は脚の代わりですが、片方松葉杖はコンセプトが違うなんていうのはこれまでに考えたことがなかったので、目から鱗級の新しい学びでした。
外に出かけることが大切
先日部活動でソフトテニスの大会があったので、その引率に水島緑地福田公園という倉敷最大級の総合公園に行きました。もちろんここでも松葉杖移動ですが、これまでそれほど何とも感じていなかった公園の広さが大変広く感じました。学校の中での松葉杖移動ではそれほど気にならなかった移動が過酷で、両松葉杖で高速移動していても体力が持たず休み休み移動する始末。改めて外の空間の広さを感じるとともに、屋内にいると運動不足になりがちになるのも仕方がないと考える機会になりました。
松葉杖の状態で外に積極的に出かけるわけにはいきませんが、また自由に歩けるようになれば、天気の良い日には外に出かけ、運動する習慣を大切にしたいと思います。特にこれから昼間の時間が短くなり、学校は最終下校時刻が17:00になるなど、拘束時間の長い教師の仕事でも割と時間に余裕が持てる時期になってくるので、部活動後の下校指導ついでにランニングとウォーキングをするなど、外での活動時間を確保したいと思います。この習慣は昨年から冬場限定で行ってきました。ちょっと運動してから職場に戻り、上がった活性を生かしてラストスポートで仕事を終わらせるという流れができるので、健康面だけでなく仕事の生産性という意味でも有意義だと考えています。
こういう状況だからこそやれることに集中する
本当ならスポーツをエンジョイする秋にする予定でしたが、それがしばらくの間は困難ということで、こういう状況でも最大限に有意義に過ごすためにできることは何かを考える良い機会になったと思います。
今年の秋は必然的に文化の面に集中して取り組むことになりますが、元々研究や読書は好きですし、運動する時間がそれらに置き換わっただけなので特に大きな問題はありません。自分にできることをただただ生かす。無理なことは無理をせず、自分の得意なことや、やれることに集中する。こういう行為は美術や創造性を発揮する場面でも同様に大切なことです。やりたいと考えていたことはたくさんあるので、そういったものを少しでもたくさん形にできる1ヶ月にしたいと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は逆境でもポジティブに考えて、新しい発見に目を向けたり、こういう状況だからこそできることについて考えを書いてみました。皆さんにとって何か参考になるものがあったのであれば嬉しいです。
それではまた!
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