授業で利用したGoogleスライドを学力定着と主体的な学びに役立てる

  今回はGoogleスライドの活用法について紹介します。今年、私は学校のICT教育担当としてGIGAスクール構想を進めていかなければいけないので、日々Google Workspaceの活用について試行錯誤していますが、今年度も半分を過ぎ、毎日授業でChromebookを活用したり、他校の先生とGoogle Chromeで連携したりしていると、このサービスの魅力がますます分かるようになってきました。

 学校の現場はICT化が遅れているだけでなく、そもそも教員の多くがICTに不慣れであるため、GIGAスクール構想に関するような先進的なことに積極的な人は少数派で、学校によるGIGAスクール構想の取り組み格差もかなり出てきている状況です。

 ICT担当として感じるのは、「分からなくてもとりあえず使ってみる」というのが大事だということです。私自身、元々は超アナログ人間で大学に入るまでほとんどパソコンに触れたことがないような状態で、授業でパソコンを使うたびに周りの人に助けられている状態でした。現在はMacBookやsurface、iPadが欠くことのできないものになりましたが、こういったものを使い始めたのは30歳ぐらいからで、全く専門家というわけではありません。正直今年の人事で私がICT担当になるというのは藪から棒な話でした。「もっとICTに詳しい人がいるやろ!自分はICTの詳しい部分には疎いから困る!」という思いがありましたが、何事もやってみないと分からないですし、30代半ばの今ならまだ新しいことにもなんとか力を注いでチャレンジできるということで、今年はICT担当として研究と修養、実践の日々です。


広がるGoogleスライドの活用法

 今回私が紹介するGoogleスライドの活用法としては、これまでに振り返り活動(https://art-educator-tatsuwaki-serendipities.blogspot.com/2021/05/google-classroom.html)や作品鑑賞会での鑑賞シート、学習内容の説明などに活用してきました。学習内容の説明ではこれまでPowerPointを使うのが一般的だったと思いますが、Google Workspaceを利用するようになって、Googleスライドの方が連携がスムーズなので、私はパワーポイントで作っていた資料をGoogleスライドに変換しました。機能の面ではPowerPointの方が上ですが、それほど視覚的に凝ったものを作らないのであればGoogleスライドで十分です。

 授業ではGoogleスライドの資料をGoogle Classroomのストリームに保存したり、授業課題として配信したりして活用します。Classroomのストリームにスライドを保存しておけば、学校を休んだ生徒も後から見ることができるので便利です。もちろん、授業前にストリームに貼り付けてしまうと生徒は教師が演出たっぷりにスライドを使って説明したり、対話しながらスライドを展開していこうとしても、先に内容を見られてしまって残念な雰囲気で授業が進む可能性があるので、そういうのが気になるという人は授業後にスライドを保存すれば良いと思います。


 このようなスライドの利用法はこれまでPowerPointでやっていたことを生徒が自分のペースで確認できるようになった程度のものですが、授業で利用したスライドに手を加えて、より学習を支援するスライドにできるというのが今回の本題です。

 授業用に作成したスライドは重要な内容を簡潔にまとめたものになっていると思います。パッと見て一瞬で内容が分かりイメージできる、というのがPowerPointやGoogleスライドを用いる意義だと私は考えていますが、そういう教材をそのまま学力定着と主体的な学びに役立てるものにグレードアップさせることができれば面白いのではないかと思います。Googleスライドにはそういった面での活用の広がりがあると考えています。




内容を隠し発問を入れる、リンクも入れて主体的な学習を促進

 授業用のスライドの内容で知識として定着させたい部分は伏せ字の状態にしたり、発問を入れるなどすることで、定着度をチェックする確認問題が簡単に作成できます。

 アニメーション化の機能で、クリックしたら答えが現れるようにフェードアウトの設定にしておくと、授業用のスライドをそれほど変更せずに割と短時間で確認問題用にアレンジすることができます。




 さらに、授業ではゆっくり触れられなかった部分に関するリンクを貼り付けて、興味のある生徒が学習を深められるようにすることも有効です。


 

 最近はすぐにググることができる時代ですが、ICTを授業で活用していて感じたのが、ググるためにはある程度のリテラシーが必要で、闇雲にググると情報の荒海に溺れてしまうケースが見られるということです。ダラダラとYoutubeを見てしまうことがありますが、それと同様でダラダラと薄っぺらく情報をなぞるだけの時間を過ごしても、ICT活用の効果は上がらないどころか、むしろ逆効果になってしまいます。学習においては、教師が重要で興味の持てる内容をコーディネートすることもある程度必要と思います。そうすることで、生徒は「なるほど、こういうものがあるのなら、これについて自分でググってみよう」という感じに、主体的に学び始めるため、自然と深まっていきます。分からないことは自分で調べることが大切ですが、詳しくないことについてはそもそもどこから調べるべきか分からないケースが多いです。それゆえに、教師の側から「おすすめ情報」を提供することがこれからますます重要になると思います。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は授業で利用したGoogleスライドを学力定着と主体的な学びに役立てるということをテーマに説明させていただきました。まずは授業用のスライドを作ることが前提になるため、その点において負担を感じる人もいるかもしれませんが、Google Chromeの利用によって、他の人とデータを共有するだけなく、協働作業で授業資料を作成することも可能になったので、地域の学校全てが協力体制を築くことさえできれば、格段に作成の負担は減ります。それが確立するまでは先進的な取り組みをしている人に負担がかかりますが、こういうことも指数関数的に進歩するのがデータ社会です。今年ICT教育担当という、本来の自分のフィールドではない場に身を置いて仕事をする機会を得られたのは幸運だったと思います。これから迎えるGIGAスクール構想元年の後半戦、GIGA仲間を広げて、指数関数的にGIGAスクール構想を進めていきたいと思います。もし、今回の内容が参考になって、教職の人であればGIGA仲間になってもらえると嬉しいですし、教員以外の人にとっても何かしらの今後の教育の在り方について考えていただけるきっかけになれば幸いです。

 それではまた!


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