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4月, 2022の投稿を表示しています

Googleスライドを学習ツールのリンクの場に

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  今回はGoogleスライドの便利な機能を活かした学習ツールについて私の実践しているものを基にして紹介します。  私は美術の教員なので、生徒に技法を教える機会がよくあります。技法を身につけることで、表現の幅が広がり、制作が発展する中で新たな技術が個別に必要になります。 技法の習得スピードや、必要な技法は人それぞれであるため、個別最適な学習ができるように授業者として指導できる準備をする必要があります 。そのような点で、 基本的な技法や知識で必要なものには生徒が自分でアクセスでき、自分のペースで繰り返し学び直しができるように環境を整備する ことに大きな価値が出てきます。  必要な情報を手に入れる上で、生徒が一人一人持っている端末はとても便利ですが、闇雲にググらせるぐらいなら、教科書や資料集を見た方が余程効果的です。しかし、 教師が生徒に必要な情報をコーディネートすることができれば、PCは圧倒的に可能性を持ったアイテムになります 。  今回紹介するGoogleスライドは、そのような点で非常に便利な機能と特性を持っています。これがただのプレゼンテーションツールだと思っていた人は、是非Googleスライドの可能性について知っていただき、ICTを活用した授業を考える際の参考にして頂ければと思います。 GoogleスライドをWebサイトのように使う  Googleスライドは他のGoogleのツール同様、リンクをテキストや画像に埋め込むことができるため、リンク先に動画や資料を設定しておくと、必要に応じた情報にアクセスすることが可能になります。  Googleスライドはページをいくらでも増やすことができるため、紙の資料で情報提供するよりもスペースの制約がなく、画像などによる視覚支援も十分にできます。このことから、 リンク先の情報がどのようなものであるか分かりやすいように、リンク先に関する画像を貼り付けておくと、利用する側はイメージがしやすくなる のでお勧めです。YouTubeのサムネイル画像はその良い例です。動画を再生する前に、どの動画が見たいか、視聴者はサムネイル画像で判断します。それと同様に、使う側が楽にリンク先のイメージを持てるように仕掛けを作り、効果的に情報をコーディネートします。  Googleスライド(ドキュメントやスプレッドシートなど他のGoogleサービスも同様です

廃棄対象の資料を活用したコラージュ

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  今回は廃棄対象の資料を活用したコラージュについて紹介します。  美術室や学校の教材室には使われていない古い資料や教材カタログが大量に眠っていることも珍しくないと思います。そうならないように定期的に処分するものですが、美術資料など、なんとなく捨てにくいものもたくさんあるのではないでしょうか。  そうしてなんとなく捨てずに取っておくと、長い年月の中で蓄積するもの。私がこれまでに勤務してきた美術室の準備室には決まって数十年前から溜め込まれた資料がスペースを圧迫していました。私はそういう溜まり過ぎた資料をこれまで赴任した先で気持ちよく捨ててきたのですが、さすがに全て捨てるには忍びない…と感じ、「もしかしたら何かの役に立つかもしれない」と考えて、整理して保存してきました。そして、まとめて捨てる度に「勿体無い…」と感じていました。 コラージュへの活用  そんな中、廃棄対象の資料を有効活用する方法を発見しました。私は「 内面世界画 」という自動記述法やデカルコマニー、そしてコラージュを活用した教材を取り組む際に、生徒にコラージュの素材を各自で用意させたり、自分が授業用に取っておいたパンフレットや新聞、チラシなどを生徒が利用できるようにして作品制作させてきました。この制作はかなり自由度が高いため、これまで生徒が楽しく取り組む姿を見てきましたが、もっと充実した制作にできないかと考えた時に、廃棄対象の美術資料や教材カタログに目が止まりました。  当然のことながら、これらの資料で使われている画像は大変美しく、多様なので、見ているだけでもワクワクします。授業では生徒が自由に好きな部分を切り取って活用できるように大きな作業机に資料を広げて取り組んでもらいました。「何か制作に生かせる面白いものはないか」と、明らかに生徒の視線がハンターの目になっていました。皮肉なことに、普段以上に食い入るように美術資料を見ている生徒がほとんどでした(苦笑)  古くて処分対象の美術資料といえども、普段使っている美術資料と内容は似たものなので、「美術資料を切り抜く」という体験自体がかなり非日常的なものだったと思います。そういう非日常的行為は制作における「遊び」を引き出すことになると考えられます。 遊びには日常の文脈に縛られない「遊びの独自ルール」が存在し、普段大切に扱っている教科書や資料集といったものをコラージ

ブックマークバーの活用で捗るICT活用

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 GIGAスクール構想によってできることがさらに広がることが予想される2022年度。スタートして早くも半月が経ちました。各学校でICTの有効活用について様々な取り組みがされていると思います。私自身、昨年度にICT教育担当になるまでは、ほとんど授業でICTを使うことがなく、ましてや生徒にICTを使わせる授業は総合的な学習の時間に少しやった程度で、学校に導入されたChromebookをどのように活用したら良いか、皆目検討もつかない状態でしたが、1年間Chromeを使い続け、 Chromebookでできることをやその特性について勉強しながら授業や生徒会、部活動や日々の業務などで実践していると、今ではChrome抜きには仕事ができないぐらいにまで使いこなせるようになりました。なので、ICTは苦手…と考えて、これまでGIGA端末や Chromeの活用に積極的でなかった人も、2022年度は是非気軽に少しずつで良いので取り組んでみてほしいと思います。  今回はICTの活用が捗るツール「ブックマークバー」の活用について紹介します。もうすでにこの機能を活用している人も多いかもしれませんが、これは大変便利な機能で、設定も簡単なので、まだ活用していなかったという人は是非活用を検討してみてほしいと思います。これをするだけでICTを使う際の「情報を探す手間」「サイト立ち上げまでの時間」「授業の準備」においてストレスが圧倒的に軽減します。特に 学校が使っているGoolge Workspace for Educationでブックマークバーはその有効性を発揮する と実感しています。 ブックマークバーを自由にアレンジ  Chromeの良いところは自分が使いやすいようにカスタマイズすることが手軽にできるところです。おそらく多くの人が、よく使うサイトをブックマークしてアクセスしやすい状態にしているのではないかと思いますが、私は面倒くさがりなので、 ブックマークしたものを探すということ自体がストレス になります。そんな面倒くさがりな人でも、 ブックマークバーを活用すると、ブックマークされたサイトが整理されて見やすい状態で使えるため、ストレスなく利用したいサイトに移動することができます。  ブックマークバーにサイトが保存されていることで、ワンタッチでサイトに移動することができます。ブックマークバーは最初の設

授業のオリエンテーションをGoogleスライドで

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   今回は新年度最初の授業でよく行われるオリエンテーションにおいてGoogleスライドを活用することの可能性について紹介します。GIGAスクール構想も本格化2年目ということで、これまでは「何ができるか」中心だった使い方の手探り状態から発展させて「どのように使うか」の段階に入っていくのが今年の目指す方向性であると個人的には考えています。  昨年1年間で、ICTをGIGAスクール構想に則って活用した人と、これまでと変わらない一方向の活用(生徒には使わせずに教師が提示用に使う、もしくは生徒が個人で辞書のような形で使う)をした人との間には、ICTリテラシーの点でかなり大きな差が生まれているため、ICT教育担当としてベースの底上げをしながら、できる人にはどんどん発展的に活用してもらえるように実践を進めていかなければいけないと考えています。  やるべきことはたくさんありますが、 手っ取り早く従来の授業をGIGAスクール構想化するポイントの一つとして、Power Pointで作成していた授業のスライドや、紙で配布してたWordの文章をGoogleスライドに置き換える ことで、生徒にとっても便利で活用性の高いものになると考えています。今回紹介する教科のオリエンテーションでは、おそらくこれまで多くの人がWordで作成した文章を配布したり、Power Pointにして生徒が学習内容に興味を持てるようにしたりしていた人もいると思います。これらがGoogleスライドの活用でどのように変化するのか紹介します。 Wordで作成した書類をスライドにする  私が担当する美術は特に視覚効果が資料に求められます。ただ、この点についてはどの教科も基本的には同じです。取り組んだことがないものをイメージすることは難しく、画像を活用することで生徒は内容をイメージしやすくなり、その結果興味や関心を持たせることにもつながります。そもそもオリエンテーションという言葉は「興味を持たせる」という意味なので、オリエンテーションと称して受け手が興味を持てないような時間にするわけにはいかないので、生徒への提示方法には工夫が求められます。  私はこれまでオリエンテーションでは年間予定を作品の画像付きで資料配布したり、モニターやスクリーンにそれを映し出したりしていました。しかし、この方法では配布する資料は白黒、前に提示された作

簡単にできるデコレーション

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  新年度が始まり、1学期の開始に向けて準備が忙しくなる時期ですね。やるべきことは山積みですが、優先順位をつけて効率よく仕事をし、自分自身の研鑽時間は確実にキープしたいと思います。これまではかなりがむしゃらに取り組んできた感が強かったので、無理はせずに気楽にやっていきたいですね。通常業務も含め、楽しめることが第一優先。今年度も新しいことにたくさん挑戦し、発見したことや、考えが深まったことはブログで言語化していきたいと思います。  今回は送別会や歓迎会、または入学式のシーズンであるこの時期に手軽にできるデコレーションについて紹介します。最近はGIGAスクール担当などで、美術に関する活動の時間がこれまでに比べると減っていますが、なんだかんだ、こういうイベントは美術教員として非常に燃えます。今回、学校の中で行った教職員の送別会と歓迎会のデコレーションを幹事学年ということで担当しました。年度末の業務で時間に余裕がない中でしたが、効率良く作業すれば、それなりのデコレーションが手軽にできます。 少しの工夫で見栄えを演出  このようなデコレーションをすると、他の先生たちから「これ全部先生がやったんですか?大変だったでしょう」「いつの間にこんなことやったんですか!?」といったことを言われますが、このデコレーション作成にかかった時間はそれほど大したものではありません。全てを合わせると3時間程度かかっていますが、樹脂粘土で作成した校訓の石碑に2時間程度かかったのを除けば、1時間足らずでメッセージや桜の木や花、校章を作成することができました。  メッセージは過去に展示会用に使った古い段ボールにチューブで直接色を置き、筆や刷毛で色を伸ばし、適当に色を混ぜて周りをカッターで切り抜きました。一つのメッセージにかかった時間は10分程度。よく見るとかなり雑であることが分かります。しかし、 大事なのはパッと見た時の印象であり、ある程度離れたところから見て雑さが分からなければ何の問題もありません 。段ボールを切り抜いたことによって浮き出る感じもあり、言葉にインパクトを感じたと言ってくださる方もいました。  桜の花も、量と面積の割にはほとんど時間がかかっていません。もし一枚一枚丁寧に花びらを切っていたら、これだけの量だと1時間以上かかってしまいますが、画用紙を何枚も重ねてまとめて切り抜けば、瞬く間に花び