Googleスライドを学習ツールのリンクの場に

  今回はGoogleスライドの便利な機能を活かした学習ツールについて私の実践しているものを基にして紹介します。

 私は美術の教員なので、生徒に技法を教える機会がよくあります。技法を身につけることで、表現の幅が広がり、制作が発展する中で新たな技術が個別に必要になります。技法の習得スピードや、必要な技法は人それぞれであるため、個別最適な学習ができるように授業者として指導できる準備をする必要があります。そのような点で、基本的な技法や知識で必要なものには生徒が自分でアクセスでき、自分のペースで繰り返し学び直しができるように環境を整備することに大きな価値が出てきます。

 必要な情報を手に入れる上で、生徒が一人一人持っている端末はとても便利ですが、闇雲にググらせるぐらいなら、教科書や資料集を見た方が余程効果的です。しかし、教師が生徒に必要な情報をコーディネートすることができれば、PCは圧倒的に可能性を持ったアイテムになります

 今回紹介するGoogleスライドは、そのような点で非常に便利な機能と特性を持っています。これがただのプレゼンテーションツールだと思っていた人は、是非Googleスライドの可能性について知っていただき、ICTを活用した授業を考える際の参考にして頂ければと思います。


GoogleスライドをWebサイトのように使う

 Googleスライドは他のGoogleのツール同様、リンクをテキストや画像に埋め込むことができるため、リンク先に動画や資料を設定しておくと、必要に応じた情報にアクセスすることが可能になります。


 Googleスライドはページをいくらでも増やすことができるため、紙の資料で情報提供するよりもスペースの制約がなく、画像などによる視覚支援も十分にできます。このことから、リンク先の情報がどのようなものであるか分かりやすいように、リンク先に関する画像を貼り付けておくと、利用する側はイメージがしやすくなるのでお勧めです。YouTubeのサムネイル画像はその良い例です。動画を再生する前に、どの動画が見たいか、視聴者はサムネイル画像で判断します。それと同様に、使う側が楽にリンク先のイメージを持てるように仕掛けを作り、効果的に情報をコーディネートします。


 Googleスライド(ドキュメントやスプレッドシートなど他のGoogleサービスも同様ですが)では画像自体にリンクを埋め込むことも可能なので、そのような設定にすると、利用者は更に感覚的に使えるようになります。今の時代はそんな便利な機能が簡単に設定できるので、是非リンクの機能を使い倒して欲しいと思います。

 Googleスライドは情報にアクセスする上ではWebサイト以上に効率が良い側面さえあります。ページで内容を分けると情報が整理されて分かりやすく、Webサイトのように情報を探して画面をスクロールして回る必要がありません。大体5ページ分ぐらいは一気に目を通すことができるため、利用する側はページのタイトル(小さくて少し見にくいですが・・・)から必要な情報にすぐアクセスすることができます。




内容を追加することも簡単

 授業で資料を活用していると、必要な情報が抜けていたり、後から追加したいものが見つかったりすることがよくあります。アクティブラーニングをベースにした授業をしていると、生徒の活動が発展するに従って指導者の視点も広がるため、教材を改良するポイントがどんどん見つかります。資料が紙の場合、修正が効かないため、間違いは口頭や黒板に書いて生徒に修正させなければいけませんし、追加したい情報があっても、それはまた来年以降ということもよくあります。しかし、来年以降と言っても、自分が同じ学年や内容を扱うかどうかも怪しいですし、そもそも仕事の優先順位的に、追加したいことが見つかっても忘れてしまうことが多いと思います。

 今すぐ資料を修正したいがそれができず、もやもやする。そんな状態をGoogleスライドは軽やかに解決してくれます。授業中に資料を修正し、改良することさえ可能です。問題は即時解決したいものですよね。追加情報のためにプリントを配布すると、「また紙が増える…」と面倒がられることもありますが、Googleスライドならページ数を増やして、情報量をアップさせても特に問題はないでしょう。これで授業後にプリントが床に落ちていてイラっとする&プリントを本人に届ける必要がなくなります。ICTのCはコミュニケーションを意味しているので、デジタルの力で不必要なコミュニケーションを無くし、効率的で効果的なコミュニケーションの機会を増やすというのは実はとても大切なICT教育の側面だと考えています。

 先日、授業中に生徒の活動を見ていて閃いたことがあったので、内容を追加するということがありました。下の画像から見てもわかるように、この資料は2ページ構成になっていますが、元来は1ページだけで、技法も5つの紹介でした。しかし、生徒の活動からこちらも学ぶべきことがあったので、紹介したい内容が増え、その分の動画を作成してリンクに追加しました。






 GIGAスクール構想におけるICTの活用では、「生徒と教師が一緒に使い方を考える」という側面もあり、学習に使えるツールは主体的な活動をする生徒と教師の相互作用によって発展させていくことが大切です。そのような意味でも、生徒と共有することができ、編集も常に可能なGoogleスライドの可能性は大きいと言えるでしょう。

 資料作成といえばMicrosoft WordかPagesという人が多いと思います。しかし、私はPCを使って学習しているのであれば、横長がベースのPowerPointやGoogleスライドが適していると思います。そのような面でもGoogleスライドは資料として有効なので、これを是非授業で活用する資料として使うことを検討してみてください。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はGoogleスライドでリンクを活用して利用者が必要な情報にすぐアクセスできる実践例について紹介しました。私は美術の教員なので、このような紹介になりましたが、私自身、実は英語を元々は専門にしていて教員免許も美術の前に英語を取得しています。なので、英語でもGoogleスライドで授業をするイメージをしてみましたので、最後に紹介して終わろうと思います。(文面だけになって申し訳ありません)

 ◯デジタル教科書の画像をスクリーンショットしてスライドに貼り付ける(説明内容を書き込んだものと元の状態のものをセットで)

 ◯学習内容に関連性のあるサイトや動画をリンクで貼り付ける(画像をつけてリンクを埋め込む)

 ◯ジャムボードやロイロノートのリンクを貼り付け、作文や考えを共有する 


 このような活用法もできると思いますので、よかったら参考にしてみてください。私もICT担当2年目ということで、この1年間GIGAスクール構想の可能性と向き合い続け、さらに授業で使える方法を探っていきたいと思います。

 それではまた!

 

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