2023年度から2025年度末までに部活動の地域移行ができるよう、現在各自治体で準備が進められていると思います。しかし、地域によってはほとんど何の動きもない状態のまま時間が過ぎてしまっているところもあると思います。実際に私の自治体では「2025年度までには地域に移行する」という言葉しか聞くことができず、その具体的な進め方については何も知らされていない状態です。このままでは地域移行は先延ばしの連続になるかもしれません。今必要なのは具体的な取り組みであり、少しずつでも変化を起こしていくことです。今回は、私が担当する部活動で実際に地域移行に向けて取り組んでいることを紹介します。読んでくださった方に参考になれば幸いです。
地域移行するために大きな問題となっているのが、指導者の人材確保ではないかと思います。地域移行にあたっては、指導に対する金銭面での調整も必要になってきますが、まずは人材が確保の見通しが立っていなければ何も始まらないと思います。
私は人材を集めるために部活動通信、GoogleサイトなどによるHPの運営、Googleフォームを活用した募集アンケートを活用することが有効であると考えました。本来であれば、学校単位や市の教育委員会レベルで動くべきだと思いますし、実際に管理職にも相談しましたが、学校としてはやらずに、まず部で動いてみてほしいと言われたので、私が担当するソフトテニス部で募集の働きかけに取り組んでみました。
部活動通信で宣伝
私は過去3年間部活動通信を毎月発行しています。部活動の情報を地域に提供し、練習や試合を保護者の方にも見に来てもらう機会を作っていると、自然と練習の手伝いをしてくださる方が出てきたり、競技の経験がある方であれば外部指導コーチになって下さったりします。
3年前まで勤めていた前任校ではたくさんの地域の方に協力していただくことができ、外部指導コーチだけでなく、保護者が地域のコートを借りて大人も混じる形で地域の練習が行われる状態になっていました。ソフトテニスが好きな人が集まって、大人と中学生、時に高校生が混じる「地域練習」は部活動やスポーツクラブのようなシステマティックな練習にはなりませんが、部活動の地域移行という視点では大切なのではないかと考えています。
部活動で一緒に楽しみつつ、生徒の成長を応援してくれる人を増やすこと。部活動の地域移行にはそういった地盤作りが大切なのではないでしょうか。
部活動通信にQRコードを付けてGoogleフォームから募集
GIGAスクール構想によって、学校はデジタルで簡単に便利なアンケートを作成することができるようになりました。私は
Googleフォームなどで募集アンケートを作成し、それをQRコードにして部活動通信などに貼り付けるという方法を実践しています。
今年、早速外部指導コーチに手を挙げて下さる方がいました。本当にありがたいことです。募集アンケートのQRコードは部活動通信に常に貼り付けて募集継続しています。定期的にチェックする必要がありますが、毎回募集の説明を部活動通信に入れる必要もなく、「部活動を支援してくださる方を募集しています」の言葉付でQRコードを貼り付けるだけなので、手間になりません。
私としては、こういうアンケートを学校単位ですることで人材が集まる可能性は高くなると考えています。外部の指導者としては、ボランティア扱いの外部指導コーチと、報酬の出る部活動支援員がありますが、今後の地域移行のことを考えると部活動支援員のような形が増えると思います。その際に外部指導コーチでボランティアで支援してくださっている方がいれば、部活動支援員の推薦もスムーズにできるのではないでしょうか。
Googleサイトも活用
GIGAスクール構想でGoogle Workspaceを使っている学校なら、Googleサイトで部活動のHPを作成することも簡単にできます。HPがあればスマートフォンで手軽に部活動の情報や活動予定を確認することが可能になります。
このHPに部活動通信をアップしたり、アンケートへのリンクを設定したりしておけば、保護者や地域の方に情報を提供したり、支援してくださる方を募ったりすることも容易になります。地域とつながる力という面でHPの運営は非常に大きな可能性を持っていると考えています。
教育委員会のレベルで人材募集し、人材バンクをつくれば地域への移行も進むのではないでしょうか。現段階では報酬や運営面で確かなものが決められていないので、教育委員会で人材募集をすることが難しいのであれば、学校単位で外部指導コーチを募集するという主旨の情報を発信して、部活動に関わって下さる地域の方を増やすことが今は必要だと考えています。私のソフトテニス部単体でも、募集してすぐに人材が見つかったぐらいなので、学校単位で行えば少なくとも今よりは状況が好ましいものになるのではないかと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は部活動地域移行に向けた人材集めの方法の一つを紹介させていただきました。私個人としては部活動は趣味のようなもので、これからもソフトテニスに携わっていけると幸せです。しかし、地域の方の支援はやはり必要だと感じますし、いくら部活動が楽しいと言っても時間面での負担があるのは間違いのないことです。なので、地域への移行を推進して、これまでよりもゆとりのある中で生徒とソフトテニスで関わっていけたらと思います。
これからも地域移行に向けた取り組みを勤務校の中だけでなく、倉敷市のGIGAスクール推進リーダーとしての役割もありますので、教育委員会とも連携して取り組めることを増やしていきたいと考えています。また取り組む中で何か有効なものがあれば紹介したいと思います。
それではまた!
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