美術室の机を手軽に劇的アレンジ

  今回は私が普段使っている美術室の環境改善のために机に加えたアレンジを紹介します。とても手軽な方法ですが、劇的なアレンジとなりました。


コンパネを机に乗せ、ズレ防止のストッパーを設けるだけ

 今回利用したのはコンパネ(1820mm × 910mm × 10mm程度)と油性ウッドステイン、ウレタンニスです。この作業机のアレンジはずっとやりたいと考えていましたが、コロナの流行状況から感染症対策で向かい合わせでの作業は回避しなければいけなくなるなど、アレンジに踏み切るには良い状況ではありませんでした。しかし、国がまん延防止などの制限を出さない方針であることや、感染予防に対するある程度の緩和も見られたので、やるなら今だと思い、アレンジを実行しました。

 最初はコンパネや塗料を学校の予算から出してもらおうと考え、管理職と交渉を開始しましたが、あまり予算に余裕がないということで、校内に余っている木材や塗料を探してもらいました。その結果、幸運にも必要としていた9枚のかなり厚みのあるコンパネが余っているということで、早速頂戴し、表面をヤスリがけして綺麗にして授業での実用を始めました。管理職に提案してアレンジが完了するまで2日しか掛からなかったのが嬉しい誤算でした。やりたいと思ったことがあればとりあえず何でも相談してみるものです


作業机が一応セットできた状態。教室の風景が劇的に変わりました。


 コンパネを机の上に乗せただけだと、当然すぐにズレてしまうので、コンパネの裏面にはズレ防止のストッパーを木片で設けています。これで長辺のズレは防げるので、短辺がズレても少しコンパネをズラすだけで元に戻せます。


塗料を塗ったら本格的な作業机に変身

 ニスなどが塗られていないただのコンパネだと汚れがつきやすく、傷みやすくなるためニスやウッドステインを塗りました。これをするだけでかなりの高級感が出ます。



 木目がしっかり出ているものはウレタンニスを塗るだけにして、あまり木目が綺麗ではないものはウッドステインを塗った上からウレタンニスでコーティングしました。ニスやウッドステインの力は偉大ですね。全く見え方が違ってきます。



 コンパネの一つはペンキが塗られたものだったので、この上から油性ウッドステインを塗ったら・・・案の定ペンキが溶けて色が激しく混ざりました。これはこれで良い感じだったので、少しアクションペインティングをかまして、乾いた上からニスで仕上げました。予想以上の見栄えに作業をした私自身も驚きました(笑)


メリットが多い大きな作業机

 広い机で作業をすると生産性がアップするものです。今回のアレンジによって、生徒が作業で使えるスペースは1.5倍以上になり、Chromebookが落下する心配もかなり減りました。お互いの作業も見やすく、協働性も格段にアップし、授業では生徒同士がアドバイスを送り合ったり、道具をシェアしたりする光景がこれまで以上に見られるようになりました。机間巡視も非常に楽で、軽快に教室内を移動できます。掃除もとてもやりやすくなりました。

 制作の環境が良くなれば、より楽しみながら活動をすることができると思います。そして、その活動が協働的に行われているゆえに、生徒同士で活動がさらに発展していく可能性も高まります。



 現在、3年生は卒業制作であるスクラップブッキングに取り組んでいます。スクラップブッキングは本来アルバムに写真を貼り付けてデコレーションを施すというものですが、私の場合は木のパネル(B4)にスクラップブッキング、または写真を使えなかったり、使いたくなかったりする生徒はBoxアート、もしくはパネルを活用したアート作品に取り組んでいます。テーマは「中学生としての3年間を詰め込む」というものなので、作品がスクラップブッキングにならなくても良いので、生徒たちは自由に制作に取り組んでいます。

 この制作で存分に取り組むためには大きな作業スペース、協働性が生かせる環境が必要で、今回の机のアレンジが大きな意味を持つと考えています。この活動に机のアレンジが間に合って本当に良かったと思います。


こんな使い方もできるコンパネアレンジ


 これが実際に行われるかは分かりませんが、机の使い方次第では作業スペースをさらに拡大したり、作業しやすいセッティングが可能です。完全にセットしないが故に柔軟なアレンジが可能です。作業机の可能性としてこういうことができるようにしておくというのもなしではないと思います。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は美術室の机を手軽に劇的にアレンジしてできる作業机を紹介させていただきました。最近は専ら協働性、共有、P B Lといったものが学習の中に生かされるように授業実践していますが、これらを遂行する上でも大きな作業机が生きてくれると思います。これからも授業環境や内容の改善に努めていきたいと思います。

 それではまた!


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