組織やチームでGoogleサイトを活用することの可能性
新年度が始まり、忙しい時期ですね。新しい仕事を受け持った場合、年度開始は仕事をどのようにしなければいけないかが分からず、不安な気持ちで仕事をすることもあると思います。私も2年前に突然情報教育担当、GIGAスクール推進担当をしなければいけなくなったとき、やらなければいけない仕事は山のようにあるにもかかわらず、何をどのようにすれば良いのかがほとんど分からず大変な思いをしました。そういうことが起きないように仕事の引き継ぎが大切になりますが、プリントや口頭で説明されても理解することは困難ですし、大量の雑多なデータやフォルダを渡されても混乱するだけです。
仕事内容や必要な資料が分かりやすくなるだけでも働きやすくなりますが、これまではそれをすること自体が非常に難しい環境だったと言えます。おそらく多くの学校が校務に関する共通のネットワークフォルダを利用して、そこにR4、R5のような感じで校務分掌や学年ごとにフォルダやファイルを入れていると思いますが、結局それらを活用するために過去に使った経験が必要になります。新しく仕事をする人にとってはそれらをどのように活用するのかを理解するのが難しいでしょう。それゆえに校務分掌や事務局などの仕事は同じ人が長年担当し続けるというのも珍しいことではありません。これは決して望ましい状況ではないと思います。
そんな働きにくい状況を解決してくれるかもしれないのが、Googleサイトであると考えています。今の時代はGoogle Workspaceがあり、仕事や情報は共有することが容易になりました。Googleサイトを活用することで、Googleの様々なツールと連携させて非常に仕事が分かりやすく、さらに働きやすくなります。
新年度の開始間もないこの時期だからこそ、組織やチームでGoogleサイトの利用を開始してみてはいかがでしょうか。今回は私が担当する事務局での仕事をGoogleサイトの活用によって分かりやすく効率化したことを基にお話をさせていただきます。
Googleサイトは情報共有が楽
GoogleサイトはWEBサイトを作成するツールですが、一般公開されない組織内での運用が可能です。共有の設定でサイトのオーナーや編集者、アクセス可能な人を設定できます。私は事務局長という仕事をしているため、様々な資料を事務局のメンバーに届けなければいけません。これが従来のような庁内便や郵送をしなければいけない状態だと、それをするだけでも大量の印刷と事務処理を必要とします。そのような働き方はデジタル化が進んでいるこの時代において適切とは言えないでしょう。
資料の共有という点で言えば、共有ドライブを活用するのも良いですが、これでは校務用ネットワークでファイルの共有をしているのと対して変わりません。情報が多くなると資料にアクセスすることが難しくなります。
メンバーに資料に関する連絡をする場合はメールに資料のURLを貼り付けておけば簡単に情報伝達もできます。メーリングリストもフォームで集めておけばスプレッドシートにまとめてくれるので、後はそれをコピー&ペーストするか、グループ設定しておくと少ない時間で資料の共有が可能になります。
サイトと連携したデジタル資料は更新も楽
デジタルの資料と聞いてPDFと考える人は多いと感じています。しかし、完成した資料であればPDFは見やすく扱いやすいですが、会議用の資料であったり、変更が加えられていくような資料の場合、編集がしやすいドキュメントやスプレッドシート、またはスライドのままで資料を共有した方がメリットがあります。
会議の記録を残すのも手で紙にメモを残して後でそれをパソコンで入力するのではなく、多数の人が共同編集することで効率化できます。よく全員が同じ内容を紙のプリントに書き込む光景がありますが、何か考え事をしていると書き込む内容が分からなくなったり、声が届いていなくて書き込む内容が分からなくなったりするなど、不都合な点がたくさんあります。誰かが入力すれば、他の数十人は同じことを自分のプリントに書き込む必要なんてありません。どうしても個人的にメモしたいことがある場合もあるので、紙の資料が全く不要かというとそうではないかもしれませんが、基本的には会議の資料はその場で共同編集できる状態が望ましいと思います。
これまで会議後には(案)であった内容の資料が確定版でこれまた大量配送されてきました。そして、配送した後に訂正箇所が見つかりメールで連絡。そんな仕事に時間をたくさん費やしてきた人もいるのではないでしょうか。しかし、デジタル資料であれば間違いがあってもすぐに訂正ができます。しかも、会議で編集された資料はそのままサイトからアクセス可能というのも大きなメリットです。
委員会やクラス、部活動、教科など様々なことに活用
Googleサイトは情報を共有する価値がある組織やチームであれば非常に便利に活用できます。編集はとても簡単でHTMLを知っていなくても、直感的に編集ができます。大学時代に私が所属する軽音楽部のWEBサイトを管理をしたことがありますが、サイトの編集はホームページビルダーを使っていました。しかし、あまりにも使いにくかったこともあり、結局大部分はHTMLで編集した方が作業がしやすかったという残念な状況でしたが、それから約20年経ち、今の時代は誰でも簡単にWEBサイトを編集することができるようになりました。この便利な機能を使わないのは本当に勿体無いことだと思います。
私はソフトテニス部や美術科でもGoogleサイトを活用して予定や資料の共有を行なっています。今後は委員会やクラスでも運用ができたらと思うのですが、残念ながら現在のところ生徒にGoogleサイトを編集する権限が認められていないため、Googleクラスルームでその代わりになる活用をしてきましたが、もしGoogleサイトが生徒にも使える設定であるなら、生徒が中心となる活動では積極的に使わせてみるのも可能性としては面白いのではないでしょうか。これからの時代は生徒が学校の主役であり、教師の想像をはるかに超えるようなすごい活動を生徒が主体となって行なっていけるように、環境を整えることが教師の勤めであると思います。
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