ChatGPTとDeepLをiPadで組み合わせ英語トレーニング
以前からスピークというChatGPTを積み込んだ英語トレーニングのアプリを活用していましたが、最近は主にiPadでChatGPTとDeepLを組み合わせて英語トレーニングしています。これまでChatGPTを活用して英語トレーニングの方法を色々と試してみましたが、iPadでDeepLと組み合わせて活用する方法が非常に合理的でコストもかからないのでお勧めです。
今は美術教師をしている私ですが、元々は英語が専門で、教育実習も母校の高校に英語で行きました。海外旅行も好きですし、いつかは日本以外の国でも生活や仕事をしたいと考えていますので英語のトレーニングは継続しています。あと、中学校でいつでも英語教育に携われるようにスタンバイしているつもりです(実際にたまに英語を担当する年もあります)。
今回紹介する方法はiPadさえあれば手軽にできますし、語彙力やスピーキング力、リスニング力という面でかなりの効果を期待できるので、英語力を上げたいけど英会話スクールに行く時間も余裕も勇気もないという私のような人や今まさに英語を学校で勉強しているという子どもや学生にもお勧めしたい方法です。
iPadのスプリットビューでChatGPTとDeepLを同時に開く
iPadとiPhoneのアプリで利用できるChatGPTは音声入力が可能です。しかも、この音声は吃りや、言い直しを適切に判断して自動的に訂正してくれます。完璧ではありませんが、Bing AIやGoogle Bardと比べてもかなり良い感じに音声入力が機能していると感じます。
ChatGPTに吹き込んだ文章に対してテキストが瞬時に自動生成され、あらゆる話題に対して柔軟に返答してくれますが、ChatGPTの弱点はすぐに音声で返事をしてくれないところにあります。この点においてはBing AIやBardに劣っていると言えますが、それを補って余りあるのがDeepLです。テキストをコピーしてDeepLにペースト(iPadは3本指でピンチアウトが便利で早い)すれば、音声を再生することが可能です。
DeepLの英語音声はそこそこ流暢というレベルで、Google翻訳の方が自然な英語に聞こえます。ただ、DeepLのメリットは文章の保存や翻訳文からピンポイントで言葉を選択して言語を変換してくれるところにあります。この機能を使うと語彙力の更なる向上が期待できます。
DeepLで作成した文章は保存が可能
文章の保存機能自体はChatGPTにもありますが、DeepLに保存した文章はすぐに発音してくれるところが便利です。
私は毎週ブログを更新していますが、ブログを書くためにはネタが必要です。ただ、このネタに関してはかなりこだわりがあるので、ChatGPTにネタづくりをお願いするようなことはありませんが、普段の生活の中でふと疑問に思ったことや予想したことから演繹的な思考をすることがよくあります。例えば、「運動して汗をかくことは体をクールダウンしたり老廃物を出すこと以外にも健康に良い効果があるはず。運動後は肌のハリもよく感じるため、アンチエイジングはもちろんのことスキンケアにも効果があるのでは?」など、体験したことを基に推測を立てることがよくあります。これを調べるためにこれまではGoogleを使ってきましたが、ChatGPTに質問すれば、帰納的に詳しく説明をしてくれます。こんなやりとりを英語で行い、それをメモとして保存できるDeepLは単なる翻訳ツールとしての活用を超えて、学習内容をストックする場としても有効に活用できます。
iPadさえあればChatGPTとDeepLで多言語学習が手軽に
iPhoneでもほぼ同様のことは可能ですが、スプリットビューが使えるiPadだからこそChatGPTとDeepLの合わせ技がスムーズにできます。もしiPadがYouTubeやNetflixなどメディア再生マシーンとしてのみ使われているのであれば、iPadならではの強みを活かして言語学習に取り組んでみるのも良いと思います。
ChatGPTとDeepLはいずれも多数の言語に対応しているので、英語以外のトレーニングにも活用できると思います。文法的な部分に関してはフィードバックが得られにくいため、この点については多少の課題はありますが、基本的な文法さえ理解できれば言語トレーニングの壁打ちが無制限で行えるのでスピーキング力とリスニング力の面で非常に有効であると感じています。相手が人間だと遠慮して喋ることが難しいこともありますが、AIであれば何も臆することなくひたすら話すことが可能になる人も多いのではないでしょうか。
学校で活用してほしいAIを活用した外国語学習
これまで英語教師も一応やってきた私としては、学校でこのツールを積極活用すれば、劇的に英語の学びが向上する手応えを感じています。これまで英語の授業では教科書に沿って基本的な文法を学習して、練習問題に取り組んで、学習した文法を活用して少しコミュニケーションをするという形式のものが多かったと思います。しかし、このスタイルでは個別最適な英語の学習が困難で、みんな一斉に同じ文章に取り組むため生徒の主体性が生かしにくい状態ですし、教師のサポートも限定的なものにならざるを得ませんでした。
ChatGPTとDeepLを活用すれば授業の中で触れられる言葉や表現の幅が大きく広がります。そうやって言語を個別最適な状態で学んだ生徒たちが実際に他の生徒と英語でコミュニケーションしたり、海外の生徒とGoogleミートやZoomで繋がったりしながら生きた英語を学ぶのは大変魅力的です。
そもそもコミュニケーション自体は楽しいと感じる人が多いですし、ちょっとした話題でも相手と共通性のあるものであれば延々と話ができるぐらい、コミュニケーションは表現のポテンシャルを持っています。そもそも楽しいコミュニケーションは遊びの一つの様態と考えることも可能であり、英語という異国の言語で試行錯誤しながらコミュニケーションをするのであれば、より刺激的な遊びとして取り組むこともできるのではないかと思います。
英語の授業がそんな言語遊びの時間になれば、多くの生徒にとって英語が楽しく充実したものになるだけでなく、英語力も確実に向上し、願ったり叶ったりの状態になるのではないかと期待しています。このような授業を行うためには教師の授業や学びに対するマインドセットの変革が必要になります。主体的な学習とGIGAスクール構想が教育の基盤にある現代では、教師が生徒に知識を1から100まで必死になって教えるようなスタイルから、生徒が主体性を発揮して自ら必要な情報を利用しながら学ぶスタイルに変化することが求められていますし、これは技術的に可能なところまできています。
教師や大人自身が主体的に学ぶことを通して、子どもたちにも学ぶ楽しさを伝え、体験させられるような社会をつくっていくことが大切だと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。現在でもかなり便利なものが増えて手軽に言語学習ができる時代ですが、今後更に便利なものがこれまで以上に早いペースで生まれてくることが確実視されています。これまでの常識が瞬く間に塗り替えられていく刺激的な時代。便利で役に立つAIを主体的に活用して、充実した生活を送っていきたいと思います。
それではまた!
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