ブリコラージュ的視点で生活をより良く調整 〜有り合わせの物で簡易デスク〜
今回はブリコラージュの視点で生活をよりよく調整することについて私の考えを書きました。ブリコラージュとは「寄せ集めて自分で作る」「ものを自分で修繕する」ことで、「器用仕事」とも訳されるフランス語です。以前にもブリコラージュに関する記事を書いたことがありますが、今回は夏の生活の中で私が実践した簡易デスクをブリコラージュしたことに基づいて紹介します。
今年の夏も暑かったですね。暑い夏の必需品といえばエアコンになりますが、私が住んでいるアパートには寝室とリビングにエアコンがあり、書斎にはエアコンがついていません。これまではリビングのエアコンから自分の書斎と妻が主に利用している部屋に冷気を送っていたのですが、これをすると電気代が大変高くなります。さらに、今年は赤ちゃんと妻が実家で過ごしているため一人で高いエアコン代を発生させるわけにもいかないということで、寝室のエアコンだけを利用して夏を乗り切ることにしました。
ブリコラージュでデスクを急遽用意
寝室で仕事や勉強、読書をすると、やる気スイッチが入りにくいため、私としては寝室を利用するのは本望ではありませんが、跳ね上がる電気代のことを考えるとやむなしでした。昨年は8月の電気代が2万円を優に超えていましたが、今年は5千円に抑えることができたので、かなり節約することができたと言えるのではないかと思います。
ただ、寝室にはデスクがなかったため、仕事や勉強ができるようにデスクを用意する必要がありました。最初はキャンプなどで使う折りたたみ式のテーブルでも置こうかと考えましたが、流石にそれはナンセンスだと思い、家の中で使えそうなものを探すことにしました。そうして今は利用していない折りたたみ式のローテーブルの利用を考えるようになりました。
ただ、ローテーブルではベッドに座って使っても高さが微妙ですし、そもそもベッドに座るのは姿勢の面でも良くありませんし、ベッドに座っているだけで眠りスイッチが入ってしまいます。地面に座ってローテーブルで作業するのも長時間の作業には不向きということで、ローテーブルのまま利用するのは好ましくないと考え、改善方法を探ることにしました。
そこで、他のものを下にセットして高さを調整すれば問題が解決するのではないかと思い、丸椅子とオムニウッティという蓋付高性能バケツと組み合わせたところ、ちょうど良い高さになり、椅子の収まりも良い感じにすることができました。
注意点とすれば、どのパーツも上に載せているだけなので、テーブルの上の重量バランスが悪いとテーブルが傾き、パソコンごと崩れてしまうことです。一度だけうっかり肘をついてバランスを崩したことがありました・・・。
必要なものはあるものでカバーする
今の世の中は便利で、欲しいものはすぐにネットショッピングで調達することが可能です。私自身、ネットショッピングは頻繁に利用しており、本やガジェット系の購入をよくしています。しかし、必要だと思ったものを次から次に購入していると当然のことながら家には荷物が増えてしまい、生活を快適にするはずの買物がかえって生活の質を下げてしまうことにもなりかねません。欲しいと思うものがあっても、可能であれば既にあるもので代替することが望ましいですし、特に家具に関するものは組み合わせの工夫次第でなんとかなるケースが多いように思います。
家具は長い間使い続けるものが多いですが、季節の都合や引っ越しを控えているような期間限定の住まいの場合、その都度家具を購入してしまうとしばらくして使い勝手が悪くなってしまうことも考えられます。いつでも元に戻すことができる状態というのを前提に、家具をブリコラージュでアレンジする力は生活をする上で非常に役立つものであると私は思います。
私は美術教師としてこのようなブリコラージュする視点が伸ばせるよう、普段から生徒には「素材として使えるものは使う」ことの大切さを伝えています。そして美術室の環境も、本来であれば個別の机であったものを合板を載せて作業机にアレンジして、作業しやすい環境にしています。作業台を購入したら20〜30万円(高過ぎ!)はします。これが9台あったら200万円。合板を机の上に乗せるだけなら、合板1枚4〜5千円、9枚で4万円程度、ニスを塗っても5万円にも満たないリーズナブルな値段です。ちなみに美術室にセットした合板は学校に余っていた使われていない合板と数十年間使い切れていなかった美術室に保管されっ放しのニスだったので、費用はゼロです。
この作業台もいざとなったら合板を外すだけなので、一瞬で元の机に戻せます。ブリコラージュで作った作業台であるからこそ、解体も手軽です。
ブリコラージュで生活にクリエイティビティを
身の回りのものにはそれぞれ既定の役割がありますが、その既定に縛られずにより良い環境を作るために調整できるのがブリコラージュの可能性であると私は考えています。生活のあらゆる場面にブリコラージュ的発想力を活かす機会がありますし、そういった活動が新しい発見にもつながる可能性があり、それがイノベーションを生み出すきっかけになるかもしれません。
ものの新たな可能性を生み出すクリエイティビティがブリコラージュには潜在しています。「使える物を使う」というのが大切なのは当たり前のことのように思われているかもしれませんが、それを常に実行している人とそうでない人では大きな差があると思います。最近縄文時代のことに興味があり、勉強していると、当時の人々が使える物を使って私の想像以上に合理的な生活をしていたことが分かってきました。彼らにとってあらゆるものが「素材」として認識されており、それが状況に合わせて巧みに利用されていたからこそ高度な文化を持つことができたということが想像できます。
使える物を使おうとして本来とは違う使い方をしていると、想定外の失敗を経験することもありますが、それも学びと捉えたいところです。そして何より、ブリコラージュしてクリエイトする楽しさが大事ですし、そういった視点を生徒にも気がついてもらえるように教育の充実を図っていきたいと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はブリコラージュ的視点で生活をより良く調整することについて説明しました。何か参考になることがあれば嬉しいです。
これから秋が本格化して、仕事や読書、勉強にスポーツにと活動がしやすくなるので嬉しいばかりです。充実した秋にしていきたいものたですね。
それではまた!
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