あけましておめでとうございます 2024年の抱負と達成目標


 2024年、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 新年は早速初日の出を拝むために総社市と倉敷市の境にある福山に登ってきました。毎年恒例となっている元旦登山。今年も天候に恵まれてとても気持ちよく新年をスタートすることができました。

 毎週更新しているこのブログで、基本的には土日に書くのですが、正月からアクティブに活動を開始していきたいので、早速新年の抱負と達成目標について書きました。元旦の夕方には岡山市の吉備津神社でしっかりと祈願してきたので、きっと叶うと信じています(笑)

 2024年を充実した1年にするために、今回立てた目標を日々大切にしていきたいと思います。


2024年の抱負は「原点回帰」

 昨年は「新世界」で、新しい挑戦を大切にした1年でしたが、挑戦する中で原点を見つめ直す機会もたくさんあったので、今年は原点を大切にしながら世界を広げていきたいと思います。

 最近よく考えるのが、「そもそも」についてです。「そもそもどのように学ぶのか、ものを作るのか、人と交わるのか」など、そういったことの本質について考えていくと、意外と昔は細かいことを考えずに当たり前のように楽しみながらできていたことが多いように思います。いつしか目的に囚われることが多くなり、取り組むこと自体を純粋に徹底的に楽しむことができないことが多くなってしまったことが多いような気がしています。

 本当は身の回りの多くのことが楽しみに溢れているはずであり、それを楽しめずに面倒に思ってしまうのはやり方を根本的に間違えていることに原因があると最近は考えるようになりました。1歳3ヶ月の自分の娘を日々観察していると、触るもの全てが楽しい状態で、その中でどんどん新しいことを身につけていっています。学びの原点をそういった姿からも最近はよく考えています。

 本当な楽しいことでも取り組み方によって面倒になり、雑でストレスフルな状態でしてしまうようになったことが私にはたくさんあります。例えば、字を書くことなどは元々はとても好きで楽しいことでした。昔は字を美しく丁寧に書くことが趣味で、高校の書道の授業(私の高校では音楽・美術・書道のうち1つを芸術科目として選択するシステム)も楽しみでした。しかし、いつしか気がついた時には字が超絶雑になっていました。ただ、筆を取って書く時にはやはり字を書くのは楽しいと感じてきましたし、万年筆を使うときも同様です。「字の乱れは心の乱れ」と言われますが、忙しさを感じているとついつい字が暴れてしまいます。なので、字を丁寧に書くことができる状況を作ることを大切にしたいと思います。字を書くことがストレスになるか、それとも楽しみになるか、この違いはかなり大きいと思います。字をデザインするレタリングもとても楽しいですね。


 字を丁寧に書くことはほんの一例であり、日頃の仕事や生活の中には原点回帰することで楽しさや魅力を改めて感じることができることがたくさんあると考えています。今年は再発見を通して充実した生活、さらには教育活動に生かしていけるようにしたいと思います。

 私にとって原点回帰する上でキーポイントになると考えているのが2つあります。1つ目は先にも述べたことに関連していますが、身の回りのことで本来は好きだったことと改めて向き合ってみることです。私は元々手で何かを創造することが好きでしたが、アナログだからこそ価値のあることはたくさんあると思います。最近、工芸に対する興味がこれまで以上に出てきて工芸と人間の関係性について研究を少し進めています。以前は「手で作ることは楽しい」ぐらいにしか考えておらず、「100均の商品でも十分」ぐらいにしか考えていませんでしたが、改めて手で作ることの可能性とその意味の大きさについて考えるようになりました。

 2つ目は、無駄ではない「無駄」を楽しむということです。よく生産性や成果の観点から無駄を省くことが重要視されていますし、私も普段から様々な面でデジタル化やDXを図っていて、無駄は極力省くスタイルでやっています。ただ、世の中には無駄に見えて無駄にしてはいけない大切な「無駄」があると最近考えるようになりました。


 そんなことを考えるようになったのは縄文時代の高度な文化について学ぶ機会があったことや、「禅」「わびさび」の魅力について考えることが多くなったことが影響していると感じています。

 原始時代から古代の文化に該当する縄文時代、その時代にすでに神聖な場所を大切にしたり、代表的な火焔土器のように、高度な記号性をもった装飾が生まれていました。ただ、こういった美術的なものはなくても生きていけますし、生産性から考えると、そんなことをしている暇があれば狩りをしたり、武器を作ったりした方が良いかもしれません。しかし、縄文人は文化を選び、ほぼ争いのない安定した時代が約1万年もありました。この数字は長く安定した時代と言われている江戸時代の約40倍というとんでもなく長い時間です。この事実を知った時に、文化的な事柄がいかに平和や幸福を語る上で大切であるかを考えることになりました。

 このことは美術教育の可能性を考える上でも重要な気づきでした。美術教育は文化を発展させる上で非常に重要な役割を担っていることは言うまでもありませんが、これまでは美術を学習することで表現力や想像力、創造力を伸ばすことが仕事や生活に「役立つ」ものとして考える傾向がありましたが、そもそも文化的なことにどっぷり浸って、人々が自分の中にあるこだわりを発揮したり、他者と協力して何かを作り上げること「それ自体」がとても大切であると考えるようになりました。

 文化的なものの例として祭について考えてみると、祭がなくても生活する上で不可欠ではないはずです。実際に祭に興味が全くない人もいますが、それもそれで決して問題があるわけではありません。しかし、多くの人が日本だけでなく世界中にある祭の存在を否定することはないでしょう。祭には「楽しさ」「活気」「交流」「非日常性を味わう機会」「伝統の継承」など、人間が生き生きと生きる上で大切な存在意義があると私は考えています。文化的なことはある人から見れば無駄かもしれませんが、そこに携わる人にとってはとても大切なものであり、そういう機会が生活の中にたくさんあることは幸福度に非常に関係することであると思います。

 文化的なことは生活に活気をもたらす「動的な楽しさ」がある一方で、「禅」や「わびさび」といったものは「静的に気持ちが満たされる体験」があり、最近私はこの静的な時間も大切にするようになってきました。「禅」や「わびさび」は物質的な生産活動とは対極的で、心と向き合う時間を大切にするものであると私は理解しています。こういったものが最近マインドフルネスやミニマルライフと関連して大変注目を集め始めているように、物質的に満たされた世界では、心の充実に原点回帰し始めているのだと思います。

 これまで無駄だと思われていた生産性のない静かな「無駄」な時間に大切な価値を再発見する。改めて日本の「禅」や「わびさび」といったものが文化的な生活を営む上での鍵になるのではないかと考えています。2024年はそんな無駄に見えて実は無駄ではない「無駄」をたくさん発見できる原点回帰をしていきたいと思います。


抱負を遂行するための行動目標

 抱負の「原点回帰」に関する話が大変長くなってしまいましたが、ここからは抱負を遂行するための行動目標を少し述べます。

①日記(メモ)を記録する

 以前にも約2年間継続して日記をつけたり、絵日記も約2年間描いたことがありましたが、今年は魅力を感じたことをメモし、それを自分で生かすための考察を継続していきたいと思います。iPadでGoodnotesを普段から使っているので、これに文字や画像を入れて記録していけば、アイディア帳にもできると考えています。

 今年これまで以上にiPadに書き込みをする時間が増えることになるので、書き心地を良くするためにペーパーライクフィルムを購入しました。使ってみた感想は「紙以上に紙感のある書き心地」でした。使ったことがない人からすると訳の分からない説明かもしれませんが、一度使うと分かります。普通のツルツルのノートではなく和紙に書いているぐらいに摩擦を感じます。あまりに書き心地が良いので、どんどん書きたくなってしまいます。ペーパーライクフィルムのパワーも得て1年間日記だけでなく、これまで以上にGoodnotesを活用していけそうです。


②朝散歩

 これまでランニングのついでに散歩することはありましたが、散歩目的で出かけることはかなり稀でした。ただ、散歩すること自体は好きですし、ランニングほどではなくても十分に良い運動になります。散歩をしていると突然良いアイディアや大切なことが閃くことがあり、ふと目に入った好奇心をくすぐるものを立ち止まってじっくり観察することも可能です。こういったことからも、私は原点回帰をする上で大切な行動目標になると考えています。

 朝15分間程度散歩してから仕事に行くことで、良い形で1日をスタートすることができます。これまでも朝は出勤前に勉強や仕事をして朝練習に間に合うように出勤していましが、かなり時間設定がタイトでした。朝に散歩するために時間の使い方を工夫する必要が出てきます。これまでの時間の使い方を見直し、改善すること自体も大切なことだと思いますので、朝散歩が継続してできるように時間の使い方を工夫できるようにしたいです。

 

2024年に達成したい目標

1.最終下校後1時間以内に退勤

 業務時間自体は8:15〜16:45ですが、中学校には部活動があって最終下校は夏場であれば18:30になるので、この業務時間は形骸化しており、問題の根は深いわけですが、この部分の改善に関しては私にできることはほとんどありません。なので、最終下校後1時間以内に退勤するという自分に可能な目標を設定しました。

 最終下校後1時間の時点で夏場は約3時間の時間外労働になりますが、22時半退勤がアベレージだった昔に比べるとかなり短縮することになります。昔は最低限の業務が終わった後も教材研究などで遅くまで働くことがありましたが、最近はGoogle Workspaceのおかげでたくさんのことを効率化し、早く帰ることができるようになりました。家で教材研究する時間は依然として多いですが、深夜まで学校で作業をするよりは良い状態だと思います。ただ、20代や結婚前、子どもが生まれる前の若いうちに学校で他の先生から色んなことを学び、結果として夜遅くまで仕事というよりは勉強するということは悪いことではないと思います。無理のない程度であれば学校で研究する時間は何となくダラダラと主体性のない時間をSNSなどで過ごす家での時間よりは圧倒的に有意義で精神的にも健康的であると私は思います。

 私はもうシャカリキになって仕事をする20代ではなく、若手に指導する側である中堅に突入しています。中堅教師でも周囲の先生から学び続けることはもちろん大切ですが、それよりも研究会など学校外で学べることを重視して、そういった学びを現場で生かす核になる役割が重要になると考えています。そのためにも学校から早く退勤して学校外での活動時間を増やす必要があります。

 最終下校後1時間以内に退勤するためには、授業の空き時間や部活動に出る前の時間に仕事をかなり終わらせておく必要があり、この制限時間がある状態で仕事をすることで集中して取り組むことができるので、部活動が終わった後にダラダラとやるよりはかなり効率的に時間が使えます。最終下校後1時間以内の退勤を毎日することは様々な事情から無理ですが、時間の目安にはしておきたいと思います。


2.PBLを超える方法の確立

 昨年はPBL(問題解決型学習)の体系化を目指して研究と実践を行い、ある程度の手応えを感じることができました。今年も昨年の基盤(制作の多様性、レポートを前提にした学習)を生かしてPBLに取り組んでいきたいと考えています。

 ただ、最近になって考えるようになったのが、PBLが最高の学習方法であるかと言うとそうでもないのではないかということです。結果的にPBLになるのであれば良いですが、PBLを目指して学習を行うのは学習の本質から考えると違うのではないかと思います。PBLはあくまで主体的な学習を促進するための一つの手段であると私は考えています。

 PBLでは自分で課題を設定して仮説を立てながら課題の解決を目指し、それを検証したり考察したりすることをベースにして学ぶという方法になります。この方法は大学生の卒業論文や企業のR&D(研究開発)と似た構造を持っており、学習者は広く深く自分の主体性に基づいて学習を行うことになります。この学習では課題を解決する過程で必要な知識を活用しながら理解することができるため、実践的な力(コンピテンシー)が身につきます。

 このようにPBL自体は大変魅力的な学習方法につながる可能性がありますが、これが目的化して、さらに学習評価が加わっていくと、「上手にPBLする力」を図ることになってしまいます。つまり、いくら夢中になって課題を解決して次から次に挑戦ができていたとしても、学習内容について検証や考察をして学んだことを説明できていなければ通知表で言うところのAや評定5を獲得することができない可能性が高くなってしまうという問題点があるということです。本当は「学習活動の充実度」それ自体を評価するべきところが、結局は教師の都合で「上手にPBL」できる生徒が評価されることになってしまいます。私はこのことに非常に違和感を感じてきました。PBLはあくまで学習活動を促進するための一つのツールであり、これに適応することが難しい生徒(識字障がいや広汎性発達障がいの生徒)にも配慮したアプローチを考える必要があります。

 普通のPBLさえまだまだこれから体系化を図っていかなければいけない私の教育レベルですが、PBLを超える方法の確立となるとさらにハードルが上がることになります。正直、その先にどのような状態が待っているのか明確に想像することは難しいですが、少なくともこれまで以上に生徒が主体性を発揮して取り組める学習環境につなげて、学習が好きな生徒を増やしたいと思います。

 とりあえず自分にできるファーストステップとして、生徒との対話の時間を増やしたいと考えています。これまでは基本的には見守ることがメインで、たまに表現の意図を聞き取る程度でしたが、聞き取る割合を増やして、生徒の考えを引き出す機会を増やしたいと思います。それができれば生徒の意図を汲み取りやすくなりますし、たとえ文章を書くのが苦手な生徒であったとしても学習度を掴んで評価することができます。

 成績や評価に囚われていない生徒がは本当に魅力的な活動を見せることはよくあります。そういった生徒によりスポットライトが当たりやすくし、活気あふれる美術の学習時間にできるように研究と実践をしていきたいと思います。


3.ランニングの記録を更新

 ランニングは単純に快感目的で行っているただの趣味です。健康科学の面から考えると、過度なランニングよりもウォーキングの方が良く、おそらくランニングで無理した分、健康寿命が縮んでいるのではないかとさえ思いますが、まだもう少しの間はランニングの記録を伸ばしながら楽しみたいと思います。ちなみに1日平均2キロ程度のランでも余裕で記録を更新することにはなるので、大して無理をするわけではありません。

 昨年も夏場以外は下校指導の流れでそのまま10分程度ランニングに行くことがありましたが、今年もランニングで活性を上げ、その勢いで仕事を一気に終わらせるルーティンを継続的に行いたいと思います。

 趣味のランニングでも体力は確実につけられますし、うまく活用すれば仕事を促進することにもなります。今年も充実した生活を送るためにも運動習慣を大切にしたいと思います。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。2024年が始まって意気揚々という感じですが、このモチベーションを1年間継続して、今年の最後に良い1年だったと振り返ることができるように楽しみながら頑張っていきたいと思います。

 それではまた!






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