ダンボールで幼児用机 〜手軽にできてアレンジ自由〜

 最近、長女(2歳9ヶ月)が脱衣所に置いてあるバスケットを裏返しにして、それを机に見立てて「勉強する」と言って図鑑を開くようになりました。非常に勉強熱心で喜ばしいことですが、勉強の度にバスケットが脱衣所から移動、元に戻そうとすると長女怒るの繰り返しなので、少々困っていました。

 このような状況から、それなら勉強机を用意すれば問題解決するのではないかと考え、ダンボールとロール紙の芯を使って机を作成しました。長女はこれを現在愛用してくれています。

 ダンボール机の作成はとても簡単で、しかも使っているうちにアレンジが加わってより良いものになっていきます。そして何より安い、と言うかあるものを活用してごく僅かな材料費(接着剤)でできます。とてもおすすめなので、良かったら今回の内容を参考にしてみてください。


ダンボールの内部にロール紙の芯や発泡スチロールなどで補強

 ダンボール机の構造は至ってシンプル。ある程度の大きさのダンボールと、内部からダンボール机の上部を支えるロール紙の芯(ダンボールを丸めたものでも可)や発泡スチロールなどを4箇所程度設けておけば、ダンボール机の上に幼児が乗っかっても大丈夫なくらい頑丈になります。



 支えの接着には木工用ボンドで十分ですが、発泡スチロールの場合は普通の木工用ボンドでは剥がれる可能性があるので、発泡スチロールの接着が可能なものを用意する必要があります。支柱はダンボールに押し込めば入るぐらいの長さ(ジャストよりやや長めくらい)にすればしっかり接着できます。押し込む際に接着剤がダンボールにつきますが、乾燥後は透明になるので目立ちませんし、すぐに拭き取れば接着剤硬貨による凸凹も出ません。

 ダンボール机には図鑑や描画材なども収納できて、とても便利に利用することもできます。幼児がいると家の中がめちゃくちゃに散らかりやすいものですが、多少なりともこのダンボール机が整理に役立ってくれます。



ダンボール製ゆえに幼児が何をしても大丈夫

 幼児用机と言っても商品として売られているものを買えば1万円から数万円するので、なかなかの出費になります。しかも、そういう高価なものになると綺麗に扱って欲しくなります。

 しかし、幼児に綺麗に使ってもらうということのは困難なこと。であれば、最初から汚れることを前提にした、むしろ汚れによって進化するような作りにすることが大切になります。ダンボール製であれば、机にいくら落書きをしても問題ありませんし、文字を書いたり、色を塗ったり、絵を描いたりする中で、むしろ自分用の机として進化していきます。

 海外では建物や広場の落書きが、その場をアートのように変えてしまうことがあります。私は、そうした「場に残された造形行為」が生み出す美しさに感動した経験があり、それが今回のダンボール机作りにもつながっています。こういった落書きを見て「治安が悪い」と思う人もいるかもしれませんが、造形的に見ればなかなか興味深いものだと私は思います。



 ダンボール机があることによって、子どもの造形意欲が刺激され、積極的に絵を描いたり、文字を書いたりするのであれば、それは子どもの成長を大きく促すものになると思います。長女も早速ダンボール机にクレヨンで色を塗りたくっていました。結果的にダンボール模様もフロッタージュ的に出現したので、それも楽しんでいました。ダンボールならではの造形遊びがセットで行えるのもメリットと言えます。




 一通りクレヨンで色を塗ることに満足して、今度は図鑑を取り出して勉強を始めていました。図鑑も机に収納可能です。

 余談になりますが、最近恐竜図鑑に大変ハマっていて、元々私も恐竜は好きで普通の人よりは恐竜の名前について知っているつもりでしたが、瞬く間に長女の方がたくさんの名前を覚える状況に至りました…。


描いた絵を机の側面に貼り付け

 幼児が絵を描いたら、それをファイルにとっておくのも良いと思いますが、ダンボール机の側面にマスキングテープで貼り付けるようにしています。こうすれば、作成記録として残せるだけでなく、ダンボールの文字やテープを隠しつつ、絵を飾ることもできます


 作成したものを目に見える場所に置いておくことは作成者のメタ認知を促します。2歳児にとってこれがどれほど効果のあるものかは分かりませんが、少なくとも自分が過去に描いた絵であることは認識していますし、その認識がまた新たな造形につながっていくことはあると思います。

 ダンボール机はこのように手軽にできてアレンジ自由であるゆえに子どもの成長に大変ポジティブな影響があると私は考えています。今後、この机と娘がどのような変化をしていくのか楽しみですし、これによって子どもが何を学び、成長していくのかを観察することは、造形教育に関する私の研究の助けにもなってくれると思います。

 変に期待をしすぎると、失望しかねませんので、普段の生活では特に意識することなく、たまにダンボール机の状況を分析して、その効果を検証していきたいと思います。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はダンボールで幼児用机を作ることと、それによって期待できることについて考えを述べさせていただきました。今回の内容が何か参考になるものとなれば嬉しいです。ダンボール机は簡単に作ることができるので、小さなお子さんがいるお家であれば、勉強机を購入する前に、一旦ダンボール机を試してみて欲しいと思います。

 これからも、子どもの成長を見守りながら、教育の在り方についてさまざまなアプローチを通して研究と実践をしていこうと思いますので、ブログで共有できそうなものがあれば、また記事を書こうと思います。

 それではまた!

コメント

このブログの人気の投稿

Google classroomを活用した美術科における振り返り活動 vol.1

授業資料とChatGPTでGoogleフォームの練習問題を短時間で作成

Canvaのクラス招待をGoogleクラスルームでスムーズに 〜みんなが使いやすいCanvaの導入〜

Googleフォームを活用した対策問題