Canvaを活用したグラフィックデザインの学習

 Canvaが自治体導入されて1年以上が経ち、Canvaの利点を活かした有効活用ができるようになってきました。夏休み期間中には倉敷市の美術部会の研修会や岡山県の中学校・高校中心の研修会でCanvaの講習をすることになっているので、それに向けて準備をしています。

 今回は研修会の準備ついでに、Canvaを活用したデザインの授業実践方法についてブログにまとめました。何か参考になれば嬉しいです。


グラフィックデザインの学習

 Canvaの強みは何と言ってもデザイン作成に関する充実した機能がついていることです。豊富なテンプレートと素材、直感的な操作が持ち味で、初心者でも簡単に優れたデザインが作成できます。

 ただ、美術の学習では造形に関する知識と技能を獲得することに重きを置いているので、テンプレートを組み合わせただけの作品ではなく、構成美や色面構成の学習をしながら色と形の働きについて理解を深め、実践できる力を培うことを目的にしてCanvaを利用します

 同様のことはGoogleスライドでもある程度は可能ですが、Canvaの方が機能が充実しているため、美術の授業(中学1年生)ではGoogleスライドとCanvaの両方を利用できるようにしています。Canvaは、背景削除・手描き・GIF・アニメーションといった高度な機能が豊富です。Googleスライドでは難しい表現も、Canvaなら手軽に実現できます。なので、高度なデザインや映像を作成したい場合にはCanvaを使うメリットが大きくなります。



 以下のリンクから実際に授業で活用しているものと同じ状態のCanvaのファイルにアクセスできます。授業ではこのファイルのテンプレートリンクをGoogleクラスルームに貼り付けて、生徒がテンプレートをダウンロードして編集できるようにしています。使い方の説明なども載せているので、生徒は各自で学べます。

Canvaの共有ファイル

 このファイルはコピーなどしてもらって構いませんので、どうぞ自由にご利用ください。


指導と評価の一体化 Googleクラスルームと連携

 美術の授業ではCanva単体で使うより、Googleクラスルームと連携して使う方が指導と評価の一体化、生徒へのフィードバックといった面でメリットが大きいと考えています。それは、Googleクラスルームの「授業」の機能でルーブリックを活用して生徒と学習目標と到達度を共有することができるためです。また、私はGoogleスライドを振り返りやレポートに利用しており、そこにCanvaで作成したものを保存していくことによって、学習成果を全てまとめることができますし、教師側からのコメントも入れられるため、充実したフィードバックとメタ認知の機会をつくり出すことができます。







 Googleクラスルームの「授業」で設定できるルーブリックの機能と、Googleスライドによる課題で学習状況の見取りが容易になれば、指導と評価の一体化や適切なフィードバックがより充実することになります。


Googleクラスルームの課題にCanvaのリンクを追加

 Googleスライドの振り返り&レポートにCanvaで作成したものを記録するだけでなく、CanvaのファイルのリンクをGoogleクラスルームの課題に追加すれば、これも振り返りとセットで見ることができるようになります。この方法は生徒にもメリットがあり、次回以降、このリンクからCanvaに入るだけで、前回編集したファイルを開くことができるため、Canvaを立ち上げてプロジェクトからファイルを探す手間が省けます。

 ただ、難点もあり、Googleスライドの振り返りのように生徒の切り替えがCanva自体ではできません。Canvaのファイルを見ようとすると一々ウィンドウが追加されてしまいます。なので、振り返りをチェックしていて気になる学習者がいた場合にはCanvaのファイルを覗いて、より詳しく学習状況を見取るという方法を取るようにしています。



 これと同様に、Canvaで作成した作品をGoogleスライドに保存するだけでなく、 PNGやMP4でダウンロードしたものをドライブに保存し、リンクを課題のところに追加すれば、画像や動画の作品を提出することも可能になります。

 以上のように、GoogleクラスルームとCanvaを連携させることで、指導と評価の一体化だけでなく、Canvaのファイル管理もしやすくなるので、生徒と教師双方にとってWin-Winな状況になります。生徒からすると、少々操作の面で煩雑に思える部分もあるかもしれませんが、慣れるまでにそれほど時間がかかるものでもないと思いますので、Canvaを活用されている場合なら、是非試しに連携してみてください。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はCanvaを活用したグラフィックデザインの学習で、GoogleクラスルームやGoogleスライドの振り返りと連携させることでCanvaと Google双方の良さを活かすことができる方法について紹介させていただきました。

 ICTはあくまで学習する際に利用する一つの道具ですが、使い方次第で生徒の表現や学びが大きく変わります。今後も実践を重ねながら、よりよい授業づくりを目指して、Canvaの可能性を引き出していきたいと思います。

 それではまた!

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