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12月, 2025の投稿を表示しています

ステンシルで年賀状作成 2026年午年

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 2025年の最終記事は毎年恒例のステンシルでデザインを施した年賀状について書きます。  来年は午年ですね。ウマは生命力や飛躍、成功、幸運を象徴する縁起物ということで、そんな雰囲気をデザインに生かせるように考えました。ステンシルという版画を活用した着彩はやり方さえ分かっていれば簡単にできます。今から取り掛かると正月には間に合わないと思いますが、年賀状のお返しであれば、正月休みで時間に余裕がある人もいると思います。興味があれば是非やってみて下さい。子どもと一緒にやってみるのも楽しいと思います。 下がきを描く  ステンシルは切り絵を活用した版画なので、絵は切り抜きしやすいシンプルなものにすることをお勧めします。  最初に全体の構成を考えて、それを基にして上から写し描きすればパーツの位置関係を合わせて形を描くことができます。ハガキサイズの枠を用意した紙に絵を描くと位置がズレず、綺麗に形が重ねられます。  写し描きした紙をハガキサイズの画用紙(ケント紙や百均などで売られている無地のハガキなどがお勧め)に糊付け、もしくは写真のように裏面に鉛筆で塗り潰してカーボン紙のような状態にして絵を画用紙に転写します。  次に、画用紙を切り抜いて切り絵にします。この際、シルエットをそのまま切り抜く場合と線を残して切り抜く場合に分かれます。これが少しややこしいところですが、基本的に線が繋がっている状態で描けば大丈夫です。今回のものであれば、富士山の形をした二〇二六の文字の部分のみ線を残して切り抜き、他のものは全てシルエットの部分を切り抜くシンプルな図にしました。「謹賀新年」の文字の部分は切り絵として成立させるために行書にしています。文字を切り絵にする場合は普通に書くと大抵の場合は切り絵にできないので、少し形を変形させる必要があります。そういう点で行書を使うのが便利です。  ちなみに、最初の下描き段階では謹賀新年の文字は縦書きにしていましたが、構図の密度が偏るので、横書きにして上部に構成し直しました。ステンシルは多版で構成を変更したり、色々なパターンを試したりしやすいのも魅力です。   配色の実験を楽しみながら多色で重ねる   ステンシルは色の工夫がしやすく、スポンジやスパッタリングで着彩する際に、配色を試したり、画材を変えたりして着彩の実験も兼ねて作業することができます 。これがとても楽しく...

造形力につながる生活の中での行為① りんごの皮剥き

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 美術科という造形教育に携わっていると、生活の中で行うことが造形力につながっていると感じることに日々気がつきます。そんな気づきを今後しばしば取り上げて記事を書こうと思います。  第1回は「りんごの皮剥き」についてお話しします。もちろん、包丁を使った皮剥きであれば、りんごではなくても良いです。要は、料理などで包丁を使って野菜や果物の皮を剥く経験と技術が造形力につながると言うことをお話しします。 皮剥きは彫刻の感覚を養う   りんごは他の野菜や果物に比べてりんごの形が球体に近いため、包丁を使った皮剥きの初歩として適切です 。サイズが大きいので、小学生の低学年には難しいかもしれませんが、高学年になると片手でりんごを回転させながら皮を剥くこともできるようになります。私も小学4から5年生の時にりんごの皮剥きを家庭内では担当することが多くなり、次第に上手になりました。  皮を薄く剥くためには自然と皮の幅を狭めて切る必要があります。これは直線の刻みを多くすることでより滑らかな曲線が生まれることを体感的に理解することにつながります。   中学校の彫刻の授業で、興味深い現象に出会います。平刀で木材の角を少しずつ削り落としていくと、カクカクとした面が増え、それが重なることで滑らかな「曲面」へと変化していきます。しかし、この理屈を言葉で説明しても、理解できる生徒は驚くほど少ないのです。 彫刻経験のある方からすると冗談のように聞こえるかもしれませんが、球体のような曲面を彫刻表現する際に丸刀で彫ってぼこぼこの形にしてしまう生徒が大変多くいます。むしろ半分以上がこれに該当します。窪みの曲面を彫刻することと、球体の彫刻することの違いが彫刻経験のない人には分からないというのが現実です。  中学1年生に木の工芸品(バターナイフ、箸、スプーンなど)を制作させていると、多くの生徒が丸刀で箸やスプーンの裏側の曲面を彫刻する姿を見てきました。この傾向は10年前と比べても明らかに顕著になってきていて、バターナイフの刃の部分も平刀ではなく丸刀で削った結果、木がなくなるということが普通に起きます。事前に曲面や刃の部分は平刀で削ることを説明しているにも関わらず、いざ自分で作業をすると適切に彫刻刀を利用できない生徒が多いことを考えると、りんご等の皮を包丁で剥いて滑らかな曲面をつくる経験の重要性が浮き彫りになってきます...

スタッドレスタイヤに履き替え

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 冬の季節になりましたね。私が住む岡山県の南部はほとんど雪が降らない乾燥した地域ですが、私の地元は京都府の北部で雪がしばしば降り積もるので、地元に帰る際に困らないよう、毎年スタッドレスタイヤに履き替えをしています。岡山ではスタッドレスタイヤを履いている人が少なく、いざ雪が降った時は自分がスタッドレスで武装していても結局周りがトロトロ走行をするのでほとんどメリットが感じられませんが、地元に帰る際のリスクと、部活動で県の北部に行くこともあるので、スタッドレスタイヤへの履き替えは必須という事情があります。  私はタイヤの履き替えはスタッドレスタイヤを購入する時以外は全て自力で行ってきました。もしかしたらタイヤの履き替えに対して面倒とか不安とか思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一回でも経験すればそれほど大したことではないと感じると思います。  私としては自力でする方がメリットが大きいと感じているからこそ継続して自力で行っています。今回は自力で行う場合に最低限あると便利なものと、お店でする場合と自力ではどれくらいコスパとタイパで差があるのかについてまとめてみました。よかったら参考にしてみてください。 クロスレンチさえあれば交換は30分程度で可能  車にはもともとタイヤレンチが付属していて、これがあればナットを抜くことは可能です。しかし、普通のタイヤレンチは力が入りにくく、外しにくく締めにくいです。昔はこれでタイヤ交換していて、タイヤレンチに足を乗せてグイグイとネジを締めていましたが、まあこれが面倒で交換に1時間程度かかっていました。  しかし、クロスレンチを使えば、力が出しやすく、サクサクとナットを抜くことができますし、締めるのもスピーディーにできます。タイヤ交換を自分でするとナットが緩みそうで怖いという人がいるかもしれませんが、タイヤ交換をする際にナットが緩んでいたことは全くありませんので、ナットが動かなくなるまでしっかり締めれば問題はないと思います。ただ、 注意しなければいけないのが、一つナットを絞めあげたつもりでも、他のナットを締めると先に絞めたものが緩んでいるということはよくあるので、締め直しを必ず全てのナットに施し、緩みがない状態にします 。  クロスレンチは2000円程度で購入できます。このちょっとした初期投資でその後ナットのサイズが変わっても4種類のサイ...

画像生成AIのNano Bananaを使ってみて 〜改めて考える造形行為と造形教育の意義〜

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 GoogleのNano Bananaによる生成AI画像が話題となっていますが、皆さんは使われたことがあるでしょうか。私は以前からChatGPTやGeminiで画像生成を利用してきましたが、Geminiの画像生成機能として使えるNano Bananaを試しに使ってみました。  私はGeminiを無料版で利用しているので、Nano Bananaは少しの回数しか使えませんが、少し使って分かったのが、その機能の高さです。画像生成はこの数年で劇的にレベルがアップしているというのが実感です。  しかし、その一方で、やはりAIが苦手としていること、そしてそれゆえに美術教育の可能性として今後も大切にしていかなければいけないことが浮き彫りにもなったと感じています。  今回は、画像生成AIが広く使われる状態になった今だからこそ改めて見つめたい造形教育の意義について私なりに考察をまとめてみました。結局行き着くところはウェルビーイングなのかもしれません。  良かったら参考までに読んでくださると嬉しいです。 優秀ではあるが無難なNano banana  ChatGPTとNano Bananaに同じ質問をしてキュビスム風(ピカソの有名な画法)の富士山の絵を生成させました。比べるとNano Bananaのクオリティが非常に高いことが伺えます。 上はNanobanaan、下はChatGPT  最近はChatGPTよりもGeminiの方がチャットでも良いアウトプットを出してくれるので、Geminiが非常に便利なアプリとして成長していることが顕著になってきたと感じています。  そんな優秀なGeminiのNano Bananaに色んな生成をお願いしてみました。  まずは学校の画像をアップロードして、それをモネが描いた感じに加工するようプロンプトを入れてみました。すると、印象派らしい雰囲気の画像に見事に作り変えてくれました。  少々車の描写が硬いですが、全体的にはモネも驚くクオリティで描いてくれています。  印象派の表現は当時写実性の乏しさを揶揄されることがありましたが、そうは言っても、そこそこ写実的な表現ではあるので、こういう加工はAIにはお安い御用だったのかもしれません。  ここから写真と質問を変えて、ピカソのキュビスム風の表現にアレンジするようお願いをしてみました。  すると、ベースとなる画像をな...

家の解体廃材でリメイク②

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  今回は以前に紹介した家の解体廃材を利用したリメイクの第2弾です。リメイクやリユースは普段から色々と行っていて、解体廃材をだいぶ消化できていますが、今回は1時間そこそこで作成できて、それなりに様になるものを作ることができたので紹介します。  今回は美術室で生徒が自由に読める本を保管・展示する本棚を作成しました。日曜大工としても簡単にできるものなので、もし興味があれば作成してみてください。  以前に書いた掲示板の内容についてはこちらから  家の解体廃材でリメイク① 主に薄い板を利用して本棚を作成  今回利用した廃材は薄い板で、元々家のどこに使われていたかも分かりませんが、埃まみれの裏面に比べると表面はニスで加工されているので、この面を活用すればそれなりの本棚(表紙が見えるタイプのもの)ができると考えて作成しました。  板だけでは自立するものにならないので、使えなくなった古いイーゼルのパーツを利用してボンドと釘で板に固定しました。  ここまでで作成開始してから20分程度です。木材の切断は電動糸鋸機を使って切断面を少しやすりがけしました。  表面には本を置くための出っ張りを裏面から釘打ち(ボンドも使用)しました。美しさで考えたら継手という手段もありますが、授業の空き時間ということもあり、すぐにできる方法で作成しました。生徒には手軽にDIYを楽しんでほしいので、「短時間で簡単にできる、且つそれなりに良いもの」を身近に触れられるようにすることが大切だと考えています。   本は美術に関連性を持たせつつも少し変わったテイストで  美術室に置く本なので、画集であったり、実技書であったりというイメージがあるかもしれませんが、ここではあえてそういう美術ど真ん中系の本ではなく、美意識に関連するものを選択しています。例えば、日本の絶景と言葉を組み合わせた本であったり、日本の各地の工芸に関するものであったりと、直接授業の課題に役立つようなものよりは、生活と美術の関連性を重視したものを置いています。365日シリーズは結構人気で、生徒は自分や友達、私の誕生日を聞いてはページを開き、景色や言葉を味わっています。  これまでは本棚がなかったので、机の上に無造作に置いていたのですが、本棚があると全く違った景色になりました。ちなみに本棚の手前にある造花は、以前に休日にワークショップを行った際、...