金継ぎで割れた皿が生まれ変わる
今回は金継ぎ(きんつぎ)で修復した皿について紹介します。金継ぎは、割れたり欠けたりした陶磁器を漆で接着し、その継ぎ目を金などの金属粉で飾って仕上げる日本伝統の修復技法です。単に元通りに直すのではなく、修復の跡を「景色」として愛でる精神が特徴です。壊れた形に新たな価値を見出し、以前よりも美しく再生させるこの手法は、「持続可能性」や「不完全の美(わびさび)」を象徴する文化として、現在世界中から注目されています。
以前から金継ぎには興味がありましたが、使っている陶器が破損しない限りその機会もないので、なかなか金継ぎを実行することはありませんでした。しかし、この度、私が愛用していた萩焼の皿が割れてしまい、アロンアルファで接合したものの不格好だったので、金継ぎすることにしました。
金継ぎという技法を知っていると、大事にしていた陶器が割れたとしても、それを生かして使い続けることができますし、元々の陶器とはまた別の美しさを楽しむこともできるので、良かったら今回の内容を参考にしてみてください。
簡易金継ぎセットで修復
今回使ったものは純金と漆を使った本格的な金継ぎではなく、陶器用樹脂と真鍮を使った簡易版の金継ぎです。Amazonで4千円程度でセットを手に入れられます。職人に修復を頼んだ場合、納期に数ヶ月以上かかる上、費用も破損の程度によりますが数万円かかります。
品質にこだわりたい場合はもちろん職人に頼むべきですが、真鍮による金継ぎでも十分に綺麗ですし、修復するのも良い体験です。そして何より安くて早い(笑)
手順は単純で、
1.陶器用樹脂で割れ目を接合
2.砥の粉と陶器用樹脂とテレピンをかき混ぜ、割れ目に塗る(割れ目の周囲はマスキング)
3.乾燥して固まったら不要な部分を削り、やすりがけ
4.真鍮粉と陶器用樹脂とテレピンをかき混ぜ、割れ目を筆で塗り、乾燥したら完成
通販でも購入できる金継ぎの修復セットは素人でも簡単にできます。今回自分でやってみて、作業時間自体は1時間程度(乾燥時間を含めると半日かかります)でできました。仕上がりはとても綺麗にできたので満足しています。
金継ぎで生まれ変わる皿
金継ぎした皿はこれまでのように食洗機で高温洗浄したり、電子レンジで温めたりすることができず、水洗い自然乾燥で使うことが原則となります。実用性という点では、使えないよりマシという程度と言えるかもしれません。
ただ、金継ぎによってこれまでとは違った美しさを備えた皿を使う楽しみは生まれたので、引き続きこの皿を愛用していこうと思います。
金継ぎの魅力は割れた形をそのまま利用する偶然性の美にあると私は考えています。割れた形は自然の力によって生まれており、人の手では再現することが難しい形をしています。再現性の難しさはアート性の重要な要素になります。一度きりのこの形が、金(とは言っても真鍮ですが…)を纏い、強調されることによって、その周りの色や模様との対比が際立ちます。
今回金継ぎした皿は元々斜めに釉薬がかかっている部分とそうでない部分の境界線が走っていましたが、そこに交差する金継ぎが絶妙なバランスを生んでシンメトリカルな印象になりました。好みの問題もあると思いますが、これはこれで格好良いと思います。
器や皿を大切に使い続ける
器は今の時代100均に行けばそれなりに良いものが購入でき、破損して新しく購入するとなってもコスト面では大した負担にはなりません。しかし、食器に美的な心地よさを日々感じられる生活も大切だと思います。
金継ぎに魅力があると言っても、食器を壊さないのがベストではあると思います。しかし、壊れても、修復して生まれ変わらせることも可能であるなら、金継ぎは良い選択肢になりえます。
金継ぎの美観が魅力的であると感じる方は、是非大切な食器が割れた際には金継ぎによる修復をしてみてはいかがでしょうか。生まれ変わった食器を、それ以前とは違った楽しみ方で使い続ける。こういった物を大事にする精神も大切なことだと思います。再生した器は自分だけの作品と考えることもでき、より一層大切に使う意識につながるかもしれません。
最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は自分でできる簡易的な金継ぎについて紹介させていただきました。
陶器が割れることは滅多にないことですが、今回の内容を読んで、もし割れた際には金継ぎという選択肢も良いと思ってもらえたら嬉しいです.
今後も生活の中で活用できる美的なものがあれば紹介したいと思います.
それではまた!




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