ハロウィンでパンのマグネット
先日の10月31日はハロウィンということで、毎年恒例の実家のパン屋である達脇ベーカリーの商品を模したマグネットを制作して、「Trick or treat」と言ってきた生徒に配りました。
今年は9つ作成して朝の会が終わって1時間目の授業が始まる前に次々に「Trick or treat」と言って来られて一瞬で9つ全てなくなってしまいました。達脇ベーカリーの宣伝のためにももっと作っておくべきだったと少々後悔していますが、全く認知されていなくて大量に余った年もあったので、パンマグネットがもらえなくて残念がっていた生徒には「また来年!」と言って今後の布石にできたのは良かったと思っています。
このパンマグネットは磁石と(軽量)樹脂粘土とアクリル絵具があれば簡単にできます。樹脂粘土を使った工芸品についてはたくさんの情報がWEB上にあるので、作ることに興味があれば是非挑戦してみてほしいと思います。
昨年もハロウィンでパンマグネットを配る記事を書きましたが、今年は違った視点で文章を書いているので、昨年のものと併せて読んでいただけると嬉しいです。
簡単に作れて楽しめるお菓子の模型
これはお菓子作りが好きな人に共感してもらえるのではないかと思いますが、味の良し悪しは置いておくとして、パンを含めてお菓子は造形的な難しさがそれほど高くなく、しかも大量生産したらかなりそれらしく見えるという手軽さと作る楽しさがあると思います。それは粘土で模型を作る場合も同様で、ちょっと手を加えただけでそれらしい品になります。
樹脂粘土は絵具を混ぜると綺麗に色が染まるので、生地の色を忠実に再現することが可能ですし、軽量樹脂粘土は質感的にもパンや焼き菓子の雰囲気を出しやすく、かなりリアルな仕上がりになります。
手に取って構造を分析してみると、その簡単さに気がつけると思います。実際に手作りでお菓子を作る人であれば何の難しさもなく形を作ることができるでしょう。焼き色を調整してつけたり、カレーパンなどのようにゴツゴツした質感を再現したりするには、少々技術や知識が必要になりますが、それほど難しいものでもありません。
パンやお菓子といった身近なもので簡単に表現できるものを粘土で作成する経験は、粘土造形のスモールステップになります。幼い子どもが粘土に興味をもち、造形することが好きになるきっかけとして有効性が高いと思います。もちろん、中学生以上の人にとっても、粘土造形のハードルが低くなり、作る楽しさを再確認することにもつながる可能性があるでしょう。
作ること自体の楽しみ
パンマグネットやキーホルダーは100均にも売ってありますし、便利な現代の世の中なので、ネットショッピングで簡単に欲しいものを安く手軽に手にいれることができます。しかし、欲しいものを購入したからといって楽しく幸せになれるかというとそういうものでもありません。むしろ、少々苦労したり、コスパやタイパの良くないものになりかねない手作り体験の方が楽しい経験になる可能性もあります。効率重視で肝心のウェルビーイングを得られないような経験はもったいないことです。
楽しく充実感のあることに時間とお金を使うからこそウェルビーイングが向上するわけで、「つくる価値」を忘れずに生活することが大切だと思います。SNSや動画コンテンツの影響で過度に受動的な時間とお金の使い方をしてしまう人の割合が高くなってしまっている現代だからこそ、能動的に手を動かして創造的に時間とお金を活用する機会を充実させることが重要ではないでしょうか。実際に手を動かして作り始めると、こだわりたいことが見つかり、夢中で制作に取り組んでしまうこともあります。そういう充実した遊びのような取り組みの中で人は必要に応じて学んでいきます。そういう経験が主体的な学習態度の素地を作ることにもつながるのではないかと思います。
今回パンのマグネットを手に入れた生徒が「自分でも作ってみたい!」と思ってもらえたら主体的な学習態度を育んだことになると考えて良いでしょう。パンマグネットは一般的な食べられるお菓子と違って、長い時間にわたって見る人や持ち手に影響を与え続ける可能性もあり余す。
そんな気づきと学びの機会を作り出すパンマグネットであり、それを気軽に配ることができる良い機会となるのがハロウィンであると考えています。それゆえに、毎年パンマグネットを作り続けています。
最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はハロウィンでパンのマグネットを作って配る目的を昨年の記事とは違った方向性で説明させていただきました。
作って楽しむことはウェルビーイングに及ぼす影響が大きいと私は信じています。子どもが粘土に夢中になって色んなものを作る経験をすることが大切なのはもちろんですが、大人にとっても粘土で何かを作れば充実感を得ることができるので、今回の内容を読んで、粘土で何かを作ってみたいと思う人が少しでも増えれば嬉しいです。
私自身、粘土への興味や関心を生徒にもっと持ってもらえるよう、これからも工夫を考えていきたいと思います。
それではまた!
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