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1年で1番切なくて大好きな3月

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 今回は私にとって1年で1番切ない3月について私の考えをまとめました。  結論から言うと、私は3月を迎えるのは嫌で、切ない気持ちで一杯になりますが、1年で1番好きな月でもあります。言葉にすると完全に矛盾しているようですが、これは私が率直に感じていることです。  今年は3年生を送り出し、自分自身も異動(新年度は岡山大安寺中等教育学校に勤めます)となり、多くの人と別れることになりました。とても切ないことで事あるごとに涙が流れる日々を送っています。しかし、卒業式や異動の準備で睡眠時間を削ってハードに働いているにも関わらず、不思議と心も体も軽く、そして元気に過ごすことができています。多少の眠気はありますが…(苦笑)  これはどういうことかと思い、その原因について考えてみると、生きていく上でとても大切なことが見えてきました。 感謝に浸る時間  卒業式の準備や美術室の片付けをしていると、感謝の気持ちがどんどん大きくなっていくのが実感できます。クラスの担任をしていると、通知表の所見や学級通信最終号や手紙など、 クラスの生徒への感謝とエールを表すために最後にしたいことが卒業式前にはたくさんあります。 美術室の片付けでは、物に触れる度に楽しかった授業の記憶が蘇り、素晴らしい時間を共有できたことへの感謝の気持ちで一杯になります 。  このように感謝に浸ることができるのは、別れが迫っているからこそです。普段から感謝の気持ちは大切にしているつもりでも、「また明日」がある安心感から、周りの人や物への感謝の意識が弱くなってしまうものです。「また明日」と言っていられなくなる3月だからこそ、やることなすことに感謝の気持ちが芽生えます。  転勤も重なって、非常に 感傷的になりやすい条件が揃った今年の3月。改めて感謝に浸れることが幸せなことであることを実感することができました。 感謝の心は人を元気にする  卒業する生徒のためにすることや美術室の片付け・整備など、感謝の気持ちを形にするために こだわりを持って取り組むと、最終的には睡眠時間を削ってでも何とかしてやり遂げようと頑張ることになります。  卒業式前の1週間は、もう後がない状態だったので寝る間も惜しんでやれることをやり、3時間程度の睡眠を何日も繰り返しました。そのような生活をしたら疲労が溜まって活力が失われていくのが普通です。しかし、卒業する生徒...

ものを並べる造形遊び

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 今回は創造力の原点の一つである「ものを並べる造形遊び」について教育的な視点と造形的な魅力の双方から私の考えをまとめました。   「並べる」という極めてシンプルな行為が、いかに子供たちの美意識の深層に語りかけ、豊かな造形感覚へと繋がっていくのか。日々、美術教室で生徒たちと向き合い、また自分自身も一人の表現者として素材に触れたり、美的なアレンジを仕事や生活の中で行ったりすることを通して、改めてその重要性を強く感じています。   「並べて遊ぶ」は非常に手軽にできる造形遊びではありますが、この経験が創造力を育む上で非常に重要な役割を果たします。この遊びは構成が無限のため奥が深く、大人も子どもと一緒になって遊びを楽しめます。 構成美への第一歩  造形遊びの基本として、積み木やおはじき、あるいは石ころや木の枝といった身近な「もの」を一定の規則で並べる。一見、ただの単純作業に見えるこの行為の中に、実はデザインや美術の根幹を成す「構成美」が詰まっています。  例えば、同じ形のものを等間隔に配置する。これは美術用語で言うところの「リピテーション(反復)」です。 単一の要素が繰り返されることで、そこには心地よいリズムが生まれます。子供たちは、自分の手によって秩序が生み出されていくことで、達成感や美的な快感を覚えます。  こちらは私の娘が2歳の時にカエルのおもちゃを並べて遊んでいる写真です。カエルの大行列が形成されていました。本人としては畳の線に沿ってまっすぐに並べたそうで、少しでもカエルが列から外されるとすぐに元の場所に戻して列を整えていました。  この「並べる」という行為は、さらに高度な構成美へと自然に発展する潜在性を持っています。 中心を意識すれば「シンメトリー(対称)」による安定したバランスが生まれる。 色味を少しずつ変化させれば、視覚的な移ろいを感じさせる「グラデーション(階調)」が現れる。 配置の間隔や向きに変化をつければ、静止した物の中に動きを感じさせる「ムーブメント(動勢)」が宿る。  幼少期にこうした「並べる遊び」を十分に体験することは、知識として「美」を学ぶ前段階(レディネスの形成)として、極めて重要です。理屈ではなく、自分の手が作り出した秩序を視覚で捉え、その心地よさを実感する。この成功体験の積み重ねこそが、確かな美意識を育む土壌となります。  ちなみに並...

倉北アート&クラフトプロジェクト 第3回ワークショップ

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  先日の3月1日に私が今年度から運営している倉北アート&クラフトプロジェクトの第3回ワークショップを開催しました。この活動は、中学校の美術室を地域に開放し、「生活をアートとクラフトでもっと楽しく、美しく」することを目指しています。福武教育文化振興財団の助成金を得てこの活動を行なっており、私が普段使っている美術室で様々な材料や道具を体験して創造活動を楽しめる場を地域の人々に提供しています。  今年度最後のワークショップでは過去2回のワークショップの経験と反省を生かして、材料や環境を改善し、さらに楽しめる場にして臨みました。今回のブログではこの活動レポートをまとめました。 道具が見やすい棚を利用  過去第1回と第2回のワークショップでは教室中央のテーブルに道具や材料を置いていました。これでも参加者の方々は次々に気になるものを手に取って使われていたので、十分だったと言えますが、今回はすのこで棚を作成して、使える物をレイアウトし、何があるのか見やすくすると同時に、増えた道具・材料を狭い範囲に納めるためのスペースを確保しました。レイアウトではショップのように物が体系的に並べられている状態も意識しました。  すのこで作る棚はすのこをそのまま組み合わせてできるためとても簡単です。私は美術室だけでなく、担任をしているクラスでもすのこの棚を利用していますし、家でも使っています。すのこそのままのシンプルな状態でも良いですが、ペンキ塗装も合うので、超手軽なDIYとしておすすめです。 リス毛の筆や書道用の大筆など充実した道具  今回のワークショップで特に力を入れたのが「体験の向上」で、筆などの道具類を充実させました。その中の一つがリス毛の筆です。これは抜群の水含みと柔らかい毛質が特徴で、 長いストロークの彩色や、グラデーションの美しい「ぼかし」技法に最適です。また 柔らかい毛でありながら毛先がよくまとまり、繊細な描写から面塗りまで幅広く対応する万能筆です。 リス毛の筆はある程度のサイズのものになると1万円ぐらいになる高価な品ですが、助成のおかげで複数本用意することができました。  私はこの筆を是非多くの人に使ってほしいと考えてきました。私が大学院生の時代にゼミの先生からリス毛の筆を貸していただいた時に、筆を画用紙に入れた瞬間に衝撃が走ったのを今でも覚えています。とにかく塗り心地が...

栞に魔法の言葉

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 今回は、先日学級活動で取り組んだ栞作成について紹介します。  取り組んでみて、手軽にできる割に結果的に良い教材にもなったと感じたので、ブログで共有しようと考えるに至りました。栞のデザインに関する内容なので、学校関係者以外にとっても参考になるものかもしれません。特に、読書用の栞がないという方にはおすすめです   学級目標&モチベーションを上げる魔法の言葉  読書や勉強でよく活用する栞。今回、自分の担任しているクラスオリジナルの栞を作成しました。ケント紙にクラス目標の写真を印刷し、その裏面に自分のモチベーションを上げる言葉を書き込んだもので、クラスの卒業記念品として作成しました。  言葉にはマインドセットを持つ上で重要な役割があると思います。 モットーが言葉によって言語化され、日頃から自分自身に言い聞かせることができる状態であれば、自然とそれがマインドセットとして定着し、安定したパフォーマンスを発揮することにつながります 。言葉にはそんな魔法のような力があると私は考えています。  ちなみに、私が大切にしていることは"Love & Peace"と"Go Crazy"です。クラス目標が「いつでもどこでもLove & Peace」で、すでに印刷で"Love & Peace"の文字が刻まれているので、自分で書く文字は"GO CRAZY"にしました。クラス目標は、生徒の案を集めて、ちゃんと投票で決めました。決して私が押し付けたものではありません(笑) 魔法の言葉がすぐに書けない生徒も多いからこそ意義ある教材  今回の栞作成で私が驚いたのが、意外と多くの生徒がモチベーションを上げる言葉、モットーとなる言葉を持っていなかったということでした。ネットで検索したり、生成AIに相談をする生徒もたくさんいました。  この光景を見て、私は改めてこういう自分のモットーと向き合い、それを言語化することの大切さについて考えることができました。  今回、このような取り組みがなければ、モチベーションを上げる言葉であったり、モットーに関する言葉を考えることなく義務教育を終了していた可能性が高かったと言えます。 これを機に、自分と向き合い、それを言語化に繋げることができたのは、非認知能力を高める上でも重...