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4月, 2026の投稿を表示しています

お手製の色立体

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 今回はお手製の色立体について作り方を紹介します。  色立体は美術を専門にしている人であればほとんどの人が知っていると思いますが、色の三要素(明度・彩度・色相)を図として体系的にまとめたものです。市販の色立体の値段は数万以上する高価なものですが、実は結構壊れやすい品でもあります。生徒が色立体を回そうとする際に負荷をかけるべきではない部分に力を入れて損傷させるというのが多いのではないでしょうか。私も過去に目の前で派手に壊された経験があります・・・。  そんな壊れやすい高価な品なので、普段は生徒が触れられない場所に保管することが多くなります。しかし、色立体は色を体系的に理解することを促しますし、その見た目もとても美しく、印象に残りやすいので、本当はなるべく生徒の目に触れやすいところに置いておきたいですし、ぐるぐると回して色の体系性について視覚的に感じてほしいのが本音です。  そのような状況から、ちょっとした閃きで色立体を自分で作ることができると思ったので、今回作ってみました。それほど難しいものではなく、ラミネーターと粘土があればできます。良かったら参考にしてみてください。 色の図をシンメトリーに配置  まずGoogleスライドやPowerPoint、Wordなど、アプリケーションは何でも良いので、色立体の図をシンメトリーに配置します。シンメトリーに配置することで、図を切り抜木、半分に折り曲げて両面が同じ色になります。  色立体を各色相に分けた図は色んなサイトに掲載されているので、それをコピーして使うととても簡単にできます。スクリーンショットが手軽なのでおすすめです。貼り付けた図を反転させればシンメトリーの図がすぐにできます。  この作業で注意したいのが、図の大きさです。色立体の図では純色でも彩度が高いものと低いものがあります。彩度が低いものは色の図の枠が少なくなりますが、枠が多い色相と図の大きさを同じに合わせると、枠の大きさが横向きに大きくなってしまいます。なので、彩度が低い色相の図をコピーする際には、彩度が高く、枠の数が多い色相の枠と同じ大きさになるよう調整する必要があります。 図を切り抜いてラミネート  シンメトリーの図ができたらカッターで切り抜いてラミネート加工します。ラミネートフィルムはUVカットタイプのものにすると、色が長持ちするのでおすすめです。UVカットの...

紙管で定規立て

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 今回は紙管の利用について紹介します。  紙管という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、きっと多くの人が見たことはあると思います。身近なところで言うと、サランラップやトイレットペーパーの芯で使われている丈夫な筒のことです。  おそらくこういったものはゴミとして処分する人が多いと思います。しかし、工作する際には紙管が結構使えるので、私は処分せずに取っておき、学校の美術室の材料コーナーに入れるようにしています。  今回のお話で紙管を利用して工作したり、何か実用性のあるものを作る参考にしてもらえると嬉しいです。 シンプルでも美しい紙管の定規立て  今回、この紙管を使って美術室で用と美を備えた定規立てを作りました。美術室には実にたくさんの定規があり、これを綺麗に保管するのに大いに役立っています。  制作方法は至ってシンプル。大小の紙管を長さに統一性を持たせて切り、接着剤(木工用ボンド)で接合し、底部に軽量樹脂粘土を貼り付けて紙管を固定しつつ、土台を安定させました。制作時間は15〜20分程度で大変手軽にできました。  紙管の切断は電動ノコギリを使いましたが、カッターでも十分に切れますし、切り口がノコギリよりもシャープになり、綺麗な仕上がりになりやすいです。  紙管は形が整った材料であるため、少し構成を整えるだけでそれらしい作品になります。ちなみに今回意識したのはシンメトリーで、大中小の紙管がバランスよく見える配置にしています。  この定規立てを作ろうと思ったきっかけは、元々は一つの段ボールに10〜15本程度立てられた状態で、スペースが定規の本数の割に取られていたことと、定規の重みで歪んだ段ボールがあまりにも不恰好に見えたためです。スペースの問題と見栄えの問題の両方を解決するために方法を考えていたところ、前任校の時から蓄えていた紙管が目に入りました。その瞬間に「これでいける!」と利用方法を閃き、すぐに作成に入りました。  結果的に構成美が整った建築的な作品になり、定規がコンパクトに収まるようになりました。 坂茂氏の動画をTEDで見たことが紙管を保管するきっかけに  先ほども言ったように、私はトイレットペーパーやサランラップの紙管はゴミに出さずに保管しています。このようなことを始めるきっかけが建築家である坂茂氏のTED動画を見て、避難所や教会などの建物に紙管を利用し、美しい造形が...

家の解体廃材と建築の余りの木材でDIY

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 今回は解体廃材と建築の余りの木材を利用したDIYについて紹介します。以前にも何度か解体廃材のリメイクについて記事を書いているので、もし興味があればリンクから見ていただけると嬉しいです。 家の解体廃材を入手 (2024年1月19日) 家の解体廃材でリメイク① (2024年1月27日) 家の解体廃材でリメイク② (2025年12月1日)  今回作ったのは机とテーブル、ベンチです。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、この度私は転勤があり、学校に持ち込んだ大量の木材を処理する必要がありました。木材を運ぶには大きなラゲッジスペースを備えた車があった方が良いですが、私の車はMAZDA3で、室内空間を犠牲にしてでもフォルムと乗り心地を追求した車であるため、ワゴン車であるにもかかわらず荷物は少量しか積めません。なるべく荷物を少なくするためにも、学校で消費しておきたかったことと、作ったものを学校で役立ててもらえたらというWINーWINの状況から、転勤準備で大忙しの中、DIYを盛大に行いました。 テニスコートで使う机  私が転勤した6年前、美術室には大量の材料が眠っており、美術室も準備室も物で溢れかえっていました。断捨離を実行しつつ、使えるものはDIYしてテニスコートで使う机を作成しました。この机はとても便利で荷物や試合進行表のボードを置くなどして大いに利用してきました。  しかし、6年間使っているとボロボロになり、なんとか使えるものの、事情を知らない人が見たらゴミにしか見えないような状態にまで劣化。さすがにこのような状態で転勤しては迷惑千万ということで、机を今回作り直しました。  今回は脚の部分に解体廃材の中でも最も丈夫な木材を利用して、頑丈な作りのものにしました。 以前は4脚でしたが、今回は木材が太く、2脚でも十分に安定感があったので、このような形になりました。 部員がこれを見た第一印象は「強そう・・・」でした(笑)  確かにかなりゴツい仕上がりになりましたが、これなら長いこと使えると思います。木材には防腐剤をしっかり塗装しました。構造はとてもシンプルで、電動ドリルを使えばすぐに組み立てることができました。ただ、この太い木を切断するにはチェーンソーがないとかなり手こずることになると思います。私が利用したチェーンソーはバッテリーがついた充電式のものです。ガソリンタイプのものに...

美術室の仕掛け最終版(倉敷市立北中学校)

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 新年度を迎え、岡山県立岡山大安寺中等教育学校での勤務が始まりました。これまで倉敷市で12年間勤め、慣れた環境でやってきましたが、県立になるとありとあらゆるものが異なっており、パニックの連続のハードな日々を早速送っています。大変ではありますが、逆境はそれほど苦手ではないので、最大限この状況を楽しんでいきたいと思います(苦笑)  今回は6年間勤め、美術教育の情熱をぶつけてきた美術室について紹介します。以前にも美術室の環境や仕掛けについて紹介してきましたが、今回は倉敷市立北中学校のファイナルエディションになります。本当は今年度で転勤になることを全く想定していなかったため、転勤を知ることになった3学期の某日までひたすら教室のアップデートを重ねていました…。少しでも今回の記事を読まれた方にとって参考になれば幸いです。 美術の楽しさと学びを視覚と触覚で味わえる環境  私が美術室の環境にとことんこだわるのは、キリスト教の大聖堂の空間を生かした教育の可能性を私自身が海外旅行の中で体験し、強烈な印象を受けたことがきっかけにあります。大聖堂の壁面やステンドグラスにはキリスト教に関する物語や象徴が表現されており、文字を読めない人々も大聖堂の中に身を置いて話を聞けば、その教えを美的なインパクトと共に理解し、より信仰心を深めることができます。  美術は言語の壁を越えて人々に教育をすることができる。このことを悟った私は、見た瞬間に美術の威力を感じることができるような仕掛けを美術室に施してきました。   スモークガラスに掲示物を貼ったり、本棚を設けたり、構成美遊びのマグネットを設置。  伝統色やモダンテクニックを活用した作品例、構成遊びができるマグネット。  透視図や具象と抽象について知る掲示物。変わったオブジェも設置。  色相環を始めとした色彩の知識に関するもの。  テレビの表側と裏側に様々な立体造形と河原で拾った石。  教室のデッドスペースを生かして展示。ペットボトルとレコードで作品置きを兼ねたオブジェ。  棚の中には石膏像と積み木のオブジェ。  生徒が遊びで作った立体造形。棚は柚木沙弥郎をオマージュしたタペストリー。  色について実験を通して学習できる装置。  天井に和柄と北欧柄。窓には日差し避けを兼ねた和柄のスモークグラス風ラミネート。照明には障子紙を2枚重ねにして1枚は和柄の切り絵に...