投稿

マーブリング液で簡単にできる和紙染め

イメージ
 今回はマーブリング液でできる和紙染と、それを活用してできる下敷きについて紹介します。とても簡単にできて楽しめるので、子どもに限らず、大人にとってもおすすめです。 準備物 まず準備するものについて説明します。 1 和紙(習字用の半紙で十分) 2 マーブリング液(ネット通販か画材屋で1000円程度で購入可) 3 新聞紙などのよく水を吸う紙 4 板か不要な雑誌  準備物の中でマーブリング液は少し値段がしますが、結構たくさん使えて遊べるので、1000円ならむしろ安いぐらいです。新聞紙が最近は手に入れにくいものになっていますが、コピー用紙などでも代用はできます。表面がツルツルしたチラシなどはあまり水を吸わないのでおすすめできません。 手順 1 和紙を蛇腹折で整った形にする 2 和紙を水に浸す 3 和紙を新聞紙で挟み、板で圧を加えて水分を取る 4 マーブリング液を和紙に染み込ませる 5 再び和紙を新聞紙で挟み、板で圧を加えてインクを染み込ませる 6 蛇腹折の和紙を丁寧に開いて完成    和紙を三角形や四角形に畳みます。なるべく角が揃うように綺麗に折ることで、マーブリング液を染み込ませた際に模様の統一感が出やすくなります。折り方によってできる模様が変わるので、形を工夫して折るのも良いでしょう。複雑な折り方でも、パターン化されていれば、規則的な模様を作ることもできます。  和紙には水を含ませてからマーブリング液を染み込ませ、模様を作るので、和紙を開くときに紙が破ける危険性があります。このリスクを軽減するのが蛇腹折で、紙を返しながら折ることで、優しい力で紙を開きやすくなる上、紙を繰り返し折り曲げてもサイズが変化しないので、綺麗に和紙染することができます。  初めてマーブリング液を和紙に染み込ませるときは模様を予想するのが難しいですが、やっているうちに色をつける場所とできる模様の関係性がわかるようになり、模様をある程度コントロールすることができるようになります。  マーブリング液を染み込ませた和紙を新聞紙で包み、板を使って圧を加えることで綺麗にインクが和紙に染み込みます。こうして色を浸透させたら紙を丁寧に開いて和紙染め完了です。 ラミネートすれば下敷きにも  こうして美しい模様ができたら、これを生かした下敷きを作ることも可能です。よく乾いた和紙をラミネート(150μのシートが...

ワークショップ特別講座に向けて 年賀状ステンシル版画

イメージ
 来月の11月3日に私が運営している岡山アート&クラフトプロジェクトのワークショップを開催します。今年の8月8日に開催したものに続き、今年度2回目の開催です。このワークショップは勤務校である岡山大安寺中等教育学校の美術室を利用して自由に造形を楽しむ場で、前回は50名を超える参加者に絵画や工芸(レジンや七宝)、木工などを楽しんでいただくことができました。  この第2回ワークショップの申し込みは10月20日までで、まだ午後(13:00〜16:30)の枠は空きがあるので、もしご興味がありましたら下のリンク先からお申し込みいただけると嬉しいです。 岡山アート&クラフトプロジェクト第2回ワークショップ申込  昨年度の第2回のワークショップ(昨年度は倉北アート&クラフトプロジェクトという名称で倉敷市立北中学校で開催)からはデッサンや水彩、パステルなどの特別講座を設け、参加される方が取り組みやすい形をとってきました。そして、今回の特別講座は「年賀状のステンシル版画」ということで、年末が近づく11月に実用性の高いものを用意しました。  今回はそんな年賀状のステンシル版画についてご紹介します。過去にも扱ってきた内容ですが、今回はより分かりやすい内容になっていると思います。ちょっと手の込んだ年賀状で送る相手に感謝の気持ちを表したいという方にステンシル版画はそれほど手間をかけずに素敵な絵付けができるので大変おすすめです。 下描きから多版の絵に分ける ①下描き  まずはステンシル版画の元になる絵をコピー用紙など薄手の紙に下描きします。ステンシル版画は切絵の要領でできる版画なので、そのことを意識して絵を描く必要があります。  基本的には線を繋いで描き、線を残して切り抜いて切絵にします。ただ、線を繋げることが難しい場合もあるので、その場合は版を複数に分けて作成することもできるので、必ずしも一枚の切り絵として成立するものを書く必要はありません。  絵の描き方のコツとして、単純で簡略化したデフォルメの絵を描くことが切絵としての性質をもつステンシル版画では重要になります。簡略化した絵ならではの良さが着彩によって引き立ちやすいという特性もありますので、シンプルな絵にすることをおすすめします。 ②写し描き  下描きに紙を被せて透けてみえる線を頼りに写し描きすれば、複数の版を作成しても位置がずれずに描けま...

中学1年生のグラフィックデザインの学習 詳細について

イメージ
 今回は中学1年生のグラフィックデザインに関する授業実践について紹介します。以前にもこの教材について説明する内容を扱いましたが、 近々公開授業でこの内容を扱うということもあり、内容を整理しておきたいということもあり、 より詳しく学習のプロセスが分かる内容で書きました。  以前は教科書や資料集に載っている自然物と人工物の構成やレタリング、絵文字など、グラフィックデザインの学習では具体的な題材を設定して長時間かけて取り組んでいましたが、ICT端末が導入されて以降、できることが広がったので、以前に取り組んでいたものだけでなく、様々な要素を取り入れて、より本格的なグラフィックデザインの学習ができるようになりました。  今回は全11時間で取り組む学習の全体がわかるように、資料をまとめました。デザインの学習には色々な方法があると思いますが、その中の一つの方法、学習のアプローチとして見ていただけたらと思います。 1 学習のねらいと題材の背景  中学校1年生の美術科では、「グラフィックデザイナー体験 ~生活を彩るグラフィックデザイン~」という題材を通じて、私たちの身の回りにあふれるデザインの社会的役割や機能について考え、グラフィックデザインについて実践的に学習します 。他者意識や客観的視点が芽生え始める中学1年生の時期において、ただ自分の思いを表現するだけでなく、「相手に伝える視点」を育むことは非常に重要です 。  この授業では、生徒たちが楽しみながら成長できるよう、大きく3つの目標を立てています。 1. デザインの基本を知り、形にする力(知識と技術)    形や色が人の心にどのような影響を与えるのかを学びます。その上で、「誰に何を伝えたいか」「誰がどのような意図で使いたいか」という目的に合わせて工夫し、人の目を引く魅力的なグラフィックデザインを作れるようになることを目指します。 2. アイディアを練り、深く味わう力(考える力・表現する力)    自分が伝えたいイメージからテーマを生み出し、全体のバランスを考えながらデザインを組み立てる力を養います。また、授業の中では教科書や資料集、過去の生徒作品、実際に身の回りにあるデザインなどを鑑賞して、「このデザインにはどんな意味や工夫が込められているのかな?」と深く読み取る力も育てます。 3. 楽しみながら、仲間とや...

「心に刺さるデザイン」を考える 中学3年生のグラフィックデザイン授業

イメージ
 今回は3年生で行ったグラフィックデザインの授業実践と作品展示について紹介します。  題材名は「メッセージを伝えるグラフィックデザイン」で、題材を貫くテーマとして「心に刺さるデザイン」を掲げて取り組みました。メインの課題はポスターですが、ポスターができた人はグラフィックデザインに関する様々な作品を制作できるようにしました。アイディアスケッチと鑑賞会を含めて10時間構成の題材でした。 マインドマップで「心に刺さる」アイディアを膨らませる  メインの教材である「心に刺さる」ポスターの作成にあたってはアイディアスケッチ用紙に世の中に訴えたいメッセージやマインドマップをメモして、アイディアを膨らませてから制作に取り組んでもらいました。 マインドマップの例  ポスター制作ではこのようにアイディアを膨らませる時間が特に大切です。いくら上手にポスターを描いたとしても内容が普通だとメッセージが伝わりにくくなってしまいます。あと、当たり前のことをポスターで訴えても良い反応を得ることは難しいので、見る人の問題意識を促したり、意表をついたりする言葉や文章が重要になります。誰かの「心に刺さる」ために何が必要か考える。こういったコピーライティングのポイントについても教科書や私が集めた資料などを例にして説明します。 「心に刺さる」とは、必ずしも強烈な言葉で人を驚かせることではありません。見る人の心に何かを残すこと。その方法は、笑いでも、美しさでも、違和感でも、共感でも構いません。  このアイディア出しが慣れていないと難しいものですが、 マインドマップは生徒にとって非常に有効な方法となります。 マインドマップで言葉を連想していくと、普段は意識していなかった自分の経験や感覚が思いがけずつながっていきます。そうして生まれた、自分にしかない視点や組み合わせが、見る人にとって新鮮なメッセージになることがあります 。  マインドマップは言葉だけでなく、絵を入れることでさらにイメージを膨らませることができます。気楽に言葉と絵をかき込む落がき感覚で生徒には取り組ませています。 アナログとデジタルの両面で  今回の制作では八切り画用紙に直接描くかデジタルで編集したものを印刷するか、制作方法を選択できるようにしました。全てアナログで制作する生徒もいれば、描いた絵を写真で取り込み、それをGoogle図形描画やCan...