作品乾燥棚を用と美の面で改良
今回は美術室の乾燥棚に施している工夫について紹介します。以前にも前勤務校で乾燥棚のアレンジについて記事を書いたことがありますが、今回は今年から勤務している学校の乾燥棚で行ったアレンジについて書きました。
以前の記事について気になる方はこちらのリンクから読んでください。
乾燥棚は毎日使うものゆえに、使い勝手が悪かったり、美術室にあるものとして機能を生かしきれていなかったりするのは勿体無いことだと私は思います。ちょっとした工夫で使いやすさと美しさという、「用と美」の面でアップグレードすることが可能になります。
乾燥棚×グラデーションのカバーで風による落下防止
これは必要に迫られて行ったアレンジになります。今年から勤務している学校の美術室の乾燥棚が教室入り口付近に設置されており、風の影響で乾燥棚から作品が飛ばされることがしばしば起きていました。そうならないように、側面には布でカバーをしていた(私が来る前からポリエチレンボードで塞がれていました)のですが、それでも裏側から風が通りやすい状態であれば紙が落とされることもありました。現状それ以外の場所に移動させることが難しかったので、策を考えた結果、背面もカバーするという考えに至りました。
ただ、何の工夫もなくその場しのぎのような加工で背面を塞ぐと、毎時間生徒はその手抜き工事を見ることになります。それは私としては受け入れ難い状況であり、毎時間生徒が見る場所であるからこそ何かしら美的な仕掛けを取り入れることにしました。
そこで思いついたのが、色画用紙を利用したグラデーションです。やることはシンプルで、紙を折り曲げてカッターやハサミで適当に形を切り抜き、シンメトリーな図柄を色画用紙に施したものをラミネート加工するだけ。あとはこれを色相の順番になるよう配置して乾燥棚に固定するだけ。所要時間は1時間程度でできます。
このカバーを取り付けて以降、作品が落下することはなくなり、機能性と美しさを兼ね備えた「用と美」を達成することができました。
ただ、唯一今回の改良で課題を感じたことがあります。それは空気が抜けにくくなったことで乾燥に少し時間がかかるようになったことです。この点については今後改良の余地があるので、ラミネートに穴を空けて空気が通りやすくするなど考えておきたいと思います。ただ、これによってまた風の影響で作品が飛ばされるリスクも増えてしまうので、状況を見ていく必要あると思います。
カーテンを使うことで生徒が迷わずに作品を保管
乾燥棚の数には限りがあり、授業が連続していると作品棚に作品がひしめき合うこともしばしばあります。理想は自分用の棚が常にあることですが、1日だけでも160人程度が乾燥棚を利用するので、授業中に乾燥した作品を取り込んで、空いたスペースにまた次のクラスが作品を入れていくことになります。
このような場合、その日の授業クラス毎に利用する棚のスペースを指定しますが、作品を置く場所の指示が通っていないこともしばしばあり、他クラスの作品の中に保管しようとする生徒が一定数います。そのような生徒の中には作品に記名さえしない場合もあるため、次の授業をするときに「先生、僕の作品がありません」と言ってきて、一緒に他クラスの作品から探すことになることも少なくありません。
作品を保管する場所をちゃんと聞いていない生徒が不注意と言ってしまえばそれまでですが、「ヒューマンエラーの根本はシステムエラー」という考え方に基づくと、この乾燥棚の環境は容易にヒューマンエラーが起きやすい状態だったので、改善の必要性を感じていました。
そこで、用意したのが百均で購入できる小型のレースカーテンでした。前任校に勤めていた時から、美術室の棚に使おうと思って購入していた私物ですが、使わないまま転勤を迎え、現在の勤務校に持ってきていたのがとうとう功を奏しました。これによって、入れはいけない棚はカーテンで防ぐことができます。
ちなみに、乾燥棚は二つありますが、カーテンは一枚のみセットし、棚に紐で吊ったつっぱり棒を伝って左右に動くようにしています。どうして一枚のみにしたかと言うと、乾燥棚の両方とも塞ぐ機会がないためです。最大で2クラスの作品が乾燥棚に保管されますが、1クラス目が作品を置く前に、入れて欲しくない棚の方にカーテンをおろしておけば、自然と空いている方に生徒は作品を置きます。2クラス目が作品を置く前までに1クラス目が置いた乾燥棚をカーテンで塞いでおけば、2クラス目は自動的に空いている乾燥棚を利用することになります。そして3クラス目が作品を乾燥棚に置く前に1クラス目の作品を抜いておけば、3クラス目の生徒も迷いなく作品を棚に保管することができます。
このサイクルを回すことで、作品の乾燥を待ってから取り込むことが可能になり、私も生徒が他クラスの中に作品を置く心配をしたり、直前のクラスが置いたまだ乾燥していない作品を急いで回収する必要がなくなり、落ち着いて授業をすることができるようになりました(笑)
今回は、美術室の作品乾燥棚を「用と美」の面から改善するアイデアをご紹介しました。
作業自体はどれもすぐにできるものばかりです。しかし、導入したあとの使い勝手の良さはもちろん、乾燥棚の造形的な美しさや配慮された仕組みによって生徒の美意識や環境への感性を養うという点でも、大きな価値があったと感じています。
もし今回の内容で「これ使えそう!」と思えるものがあれば、ぜひ試してみてください。
今後も、子どもたちが心地よく表現に没頭できるような美術室の環境改善に取り組んでいきます。また新しい工夫が生まれたらブログでシェアします!
それでは、また!

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