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9月, 2026の投稿を表示しています

安価なおもちゃでも侮れないアート体験の可能性

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 今回は安価なものでも、子どもに大ウケしたおもちゃを紹介します。それはこの恐竜の頭に光るミラーボールがくっついた「ミュージックザウルス」というおもちゃです。このおもちゃは恐竜が大好きな長女が貰った品で、調べたところ200円程度の安価なおもちゃです。  スイッチを入れるとゴジラのような音楽が流れてミラーボールがカラフルに光ります。いかにも安物感満載のこのおもちゃが家に来てから数ヶ月、子どもはそこそここのおもちゃを気に入っていましたが、それほど特別な存在としては捉えていませんでした。しかし、先日あることをきっかけにこのおもちゃに大ハマりし、私自身もそれを見てかなりの衝撃を受け、その美的体験の潜在能力について知ることになりました。  今回はそんな安価なおもちゃで大変な美的体験ができるお話を紹介したいと思います。 壁にライトを向けて発見した美しさ  いつもはこのおもちゃでただ音を鳴らし、ライトの光を眺めて楽しんでいた4歳の娘が、この日はたまたま壁(スライドのドア)に向かってライトを当てたことで、このおもちゃの真価に気が付くこととなりました。壁には花火のような美しい光が照らし出され、色が次々に変化する光景を見て、娘は「キレイ!花火みたい!」と言って感動していました。  これを私は側で見ていて、明るい部屋でこれだけ綺麗に光が照らされているのであれば、部屋を暗くしたらさらに綺麗に見えるのではないかと思い、部屋の電気を消しました。すると予想通り光がよりはっきり見えるようになり、娘は大興奮。家の中の至る所をライトで照らして回りました。 自分で照らす楽しさ  このおもちゃのポテンシャルに気がついた娘は、それからしばらく色んな場所を照らしては物体に当たって歪む光や真っ暗な部屋でライトを振り回してできる光の動きを楽しみました。その興奮度は祭りで上がる花火を見ていた時を遥かに凌ぐものでした。  光が自分の動きに反応したり、物体に当てて光の変化を楽しんだり、こういった能動的な美的体験の楽しさと、夢中にさせる可能性について改めて考えさせられる良い機会となりました。  花火大会の盛大な打ち上げ花火やチームラボのようなメディアアートは見る人に大きな感動を与えますし、私自身お盆に地元の京都府福知山市で開催された花火大会を見た時には花火の良さを味わって率直に感動しました。ただ、その時の感動とはまた別の価...

触って、試して、使ってみる 中学1年生のグラフィックデザインの学習

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 今回は、中学1年生で行っているグラフィックデザインの学習について紹介したいと思います。  中学校の美術でグラフィックデザインを扱う場合、「色や形の組み合わせを学び、ポスターなどを制作する」という流れが一般的かもしれません。私の授業でも教科書や美術資料を使って基本的な内容を学習しますが、それだけで終わらせないようにしています。  というのも、グラフィックデザインは教科書の中だけにあるものではありません。むしろ私たちの身の回りそのものが、グラフィックデザインを学ぶための教材になるからです。  今回はそんな課題意識から考えた私の教材と学習環境について紹介します。 実物に触れられる環境  私たちの身の回りを見渡してみると、商品のパッケージ、紙袋、ショップカード、パンフレット、ポスター、ロゴ、案内表示など、グラフィックデザインであふれています。そこで今回の授業では、私自身が集めてきたグラフィックデザインの実物や試作品なども教卓に置き、生徒が自由に手に取って見ることができるようにしています。  例えば、お菓子の箱を手に取ってみれば、表面にどのような色が使われているのか、文字はどのくらいの大きさなのか、紙の質感はどうなのか、箱を開いたときにどのような見え方になるのか、といったことを実際に確かめることができます。  画面に写真を映して説明することもできますが、実物を手に取ったときには、それとは少し違った学びがあります。  「思ったより紙が厚いな」  「この文字、こんなに小さいのに目立つな」  「箱の内側にもデザインがある!」  そんなふうに、触ったり、動かしたりしながら発見することができます。  私はこうした実物との出会いを大切にしています。  ちなみに私はipad proのパッケージを紹介してグラフィックデザインの面白さを感じてもらう機会にしています。下の写真の左側は私が10年以上前に購入したipad proのパッケージです。この箱を生徒に見せて、「これは何のデザインでしょう?」と質問すると、  「ペン!」  という反応がほとんどです。「こんな大きな箱にペンはないだろ(笑)」とは思いましたが、それぐらい一瞬では何か分からないぐらいipadらしさを封印したデザインということですね。  答えを待っているとipadという答えが出るクラスもあれば、ずっと出ないクラスもあるわけですが、答...

短時間の散歩でも得られる美的体験と閃き

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 少しずつ秋が感じられる時期になってきましたね。最近は朝夕が涼しく、散歩やランニングが気持ちよくできるので、耐え忍んだ夏が終わったかと思うと、それだけで気持ちが軽くなります。  秋はスポーツも文化的な活動も取り組みやすく、充実した生活を送りやすい時期であり、そんな時期だからこそ、私は散歩する時間は大切であると考えています。  これまでにも秋の散歩についてブログで扱ってきましたが、今回は散歩で発見できる美的体験と閃きについてお話したいと思います。 少し散歩に出かけるだけで面白いものがたくさん発見できる  私はランニングが好きで、時間を見つけては外に行くのですが、ランニングのついでに散歩でクールダウンします。この散歩はとても短時間で10分もかからない程度ですが、いつもこの時間で素敵な美的体験や閃きを得られています。  今回散歩についてブログを書こうと思ったのもランニング後に自宅の近所を散歩をしていて、少しの間に次々と興味深いものを発見することができたので、その後改めてカメラを持って散歩に出かけ、興味を感じたものを撮影し、このブログにアップしました。今回は4つ紹介します。 ①鳥の群れ   鳥の群れがV字になって飛ぶ姿はよく見かけますが、この日はM字でした。同じぐらいの力を持ったリーダーが二羽群れにいるのかは分かりませんが、とても整った形で飛んでいる姿には感動します。この飛行隊型に飛行エネルギーの節約や視界の確保と安全といった合理性があることはよく知られていますが、結果的に飛行隊型が幾何学的な形になるのは示唆深いことだと思います。  デザインは昔から自然を参考にしてつくられ、改良されてきました。こういった身近なところに見られる数学的な現象に目を向けるだけでも良いアイディアが閃く可能性はあります。 ②単独で紅葉  周りの葉はまだ緑なのに、一枚だけ先んじて紅葉している桜の木を発見しました。赤と緑で補色の関係にあるのですぐに目に止まりました。  この紅葉を見て私は侘び寂びの美についてふと思いました。私は最初、この紅葉に対して「一枚だけ紅葉しているのは、これも侘び感があるなぁ」と思っていました。つまり、全部紅葉しているのも盛大で良いのですが、このさり気なく一枚だけ紅葉しているのが逆に主役感があって「侘び」の趣深さがあると感じたわけです。しかし、後から考えると、この一枚は他の葉がこれ...

福武教育文化振興財団成果報告会でポスター展示

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 9月5日、私が運営する「岡山アート&クラフトプロジェクト」が助成を受けている、福武教育文化振興財団の成果報告会が開催されました。 私たちのプロジェクトは、昨年度の活動成果をポスター展示で報告しました。今回は、その展示の様子と、報告会で特に印象に残った西川正氏の講演について紹介します。  これまでにも岡山アート&クラフトプロジェクトに関する内容をブログで扱ってきましたが、それをポスター展示によって分かりやすくまとめる機会となったので、見てもらえると嬉しいです。 限られたスペースに要素を凝縮した展示 今回の報告会で用意されたスペースは80cm×180cmのホワイトボードと45cm×180cmの長机でした。この限られたスペースで「アート&クラフト」を楽しめる場を地域に開くことの重要性をプレゼンテーションできるよう、展示方法を最大限工夫しました。   ワークショップの売りは様々な画材や道具に触れて、美術室ですぐに造形を楽しむことができるところにあります。その雰囲気が伝わるよう、様々な画材や道具を並べ、実際に触れていただけるようにしました。また、レイアウトにも遊び心を入れて、アートとクラフトの面白さが一目でわかるようにしました。  テーブル中央に並べたクラフトゾーンにあるバターナイフとチーズのオブジェにカメラマンの方が興味を持たれていました。  ワークショップでもよく注目を集めてきましたが、鉛筆の種類がたくさんあることや、水彩絵具にも透明と不透明があること、ダークトーンが揃ったパステルのセットなどは報告会に参加された多くの方からも注目をいただくことができました。実際にものを見ることで興味が湧いたり、使ってみたいという思いが芽生えるものです。今回、このような展示方法を選択して良かったと思います。ちなみに、12Bの鉛筆は多くの人にとって衝撃的なアイテムのようです(笑)デッサンを専門にする人以外、基本的には縁がない鉛筆で、画材屋か通販でないと買えません。 こういう世界が鉛筆にもあるということを知っていただけるだけでも価値のあることだと私は考えています。 ポスターの内容  今回の展示の目的は成果報告であり、材料や道具の展示はあくまでワークショップの雰囲気を味わっていただくための仕掛けでした。成果報告やプロジェクトを始めるきっかけ、コンセプトなどは紙にまとめてホワイトボードに掲示し...