明けましておめでとうございます! 〜2025年の抱負と目標〜

 

 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 元旦は早速朝から総社市と倉敷市の市境にある福山に登って初日の出を拝んできました。元旦ランニングも兼ねて家から約9キロ走って登山、帰りはウォーキングとランニング、家に帰ってからは神社詣で2025年初日から3万歩以上動いてアクティブな新年を迎えることができました。今年も元気に1年過ごしていきたいと思います!

 今回は新年1発目ということで、毎年恒例の新年の抱負と達成したい目標をまとめました。おそらく多くの人が新年の抱負や目標については考えていると思いますが、これらを達成するためには具体的な行動目標も考えて、それを日々実行していくことが大切になります。今回の内容では、抱負と達成したい目標(結果目標)に合わせて行動目標も考えていますので、何か参考になればと思います。




新年の抱負「夢中創出」

 昨年は「原点回帰」を抱負に1年間、無駄ではない「無駄」を楽しんだり、身の回りのことに好奇心を働かせたりして、子ども心を取り戻すことを大切しました。その中で、改めて思ったことが、夢中になって取り組む時間を増やすことが、結果的に良い学びや、ウェルビーイングの向上につながるということを再確認することができました。なので、今年は夢中を自分で創り出して、充実した1年にしたいと考え「夢中創出」という造語にしました

 この抱負は教育者としての自分にとっても、日々の生活を充実させる上でも大切な意味を持っていると考えています。成長や幸福を考える上で、主体的に何かに取り組み、双方向のやり取りの中で充実した時間を送ることができる関係性が大切であり、このような関係性をエンゲージメント(深いつながりをもった関係性、約束、誓約などの意味)と言います。近年、エンゲージメントの概念が教育の場で注目を集めるようになってきており、新学習指導要領が重視する主体的に学習に取り組む態度や、深い学びを実現するためのメタ認知の充実する学習方法との関連性から、エンゲージメントを高める指導が重要であると考えられるようになってきました。

 エンゲージメントと言うと難しく感じますが、この関係性が充実した状態というのはいわゆる「夢中」の状態であり、自分と他者(人・モノ・コト)が溶け合って創造的な関係を発展させていく状態と捉えることもできます。

 私自身、教育者として日々生徒により良く成長してもらえるように教育活動に取り組んでいるので、生徒が夢中になれる仕掛けをこれまでも大切にしてきましたが、今年は一層重点的に取り組んでいきたいと思いますし、自分自身の生活が夢中で溢れるように、日々面白いことを創り出していきたいと思います。

 そのためにも、行動目標として昨年も1年間取り組んだ日記を毎日つけて良いことや改善したいこと、大切な発見を蓄積させていきたいと思いますし、子どもの夢中な姿から夢中が生み出される関係性について研究していきたいと思います。これまでにも「遊び」や「フロー」といった夢中に関係する現象について本や論文から学んだり、中学生の取り組む様子を観察したりして研究を重ねてきましたが、2歳の自分の子どもと接していると、夢中で何かをする中で成長していく人間の姿について日々気が付かされることがあるので、自分自身の状況を最大限に生かして学んでいきたいと思います。


3つの達成したい目標

①夢中になれるナッジを美術室の環境に増やす

 昨年の8月でブログが5年目に突入し、その際にナッジ(行動をそっと後押ししてポジティブな結果を生み出す仕掛け)をテーマに研究と実践をしていくことをお話ししました。以前から美術室の教室環境については力を入れていて、昨年末には光村図書の「私の美術室」というWEBのコーナーで特集していただきましたが、それ以降も日々生徒が夢中で取り組める仕掛けを増やしています。

”Go Crazy”わくわくする空間

 こちらのWEBサイトから360度カメラで教室が見られるので、良かったら覗いてみてください。

 主体的に学習できる生徒を育てる上で、生徒が自然と「やりたい」と思える教室環境にすることが大切であり、これが機能すれば、たとえ教材の資料が不十分であったり、教師の指導技術が未熟であったとしても、生徒はある程度自ら学習活動を発展させていくことができると考えています。人が図書館に入れば自然と本を手にして読んだり、野山で遊んでいるうちに動植物について知識を増やしていくのと同じです。そこに大人や教師が子どもの活動を見守り、ファシリテートできれば、学びの充実度は向上します。

 美術室の中にあるものは基本的に触ることができるようにしているので、とにかく手に取って刺激を得て、やりたいと思ったら即行動できる道具や素材の仕掛けを作ったり、見た瞬間に自分もやってみたいと思えるような作品が目につきやすいようなナッジを増やしていきたいと思います。

 教室環境の改善を1年間安定して続けるために、常に教室の改善ポイントについて課題意識をもち、手当たり次第改善に向けた一歩を踏み出しておきたいと思います。一歩踏み出すかどうかが大きな違いで、少しでも進めておけば、いずれその状況を進歩させることもできますが、何もしていない状態では空き時間に少し作業をすることもできません。また、教室の図に課題と着手したことをメモしておけば、何をしようとしているのか忘れることを防ぐことができる可能性も高まると考えられるので、普段自分が目にする場所にメモをセットしておこうと思います。





②セカンドティーチャー制度の質を向上

 これは昨年の2学期の終盤から取り入れた制度で、単元の学習である程度の学習状況を見取ることができて評価が十分の場合は、教師役になって授業に参加することができるというものです。もちろんセカンドティーチャーになった生徒は自分の制作に没頭しても良いのですが、他の生徒に指導したり、レポート内容を共有したり、授業デザインを改善したり、教材を作ったりと、教師ができることの大部分を生徒でもできる権限を得ることができます。

 この方法はより生徒の主体性を尊重する形でPBL(課題解決型の学習)を進めることも可能になり、授業を受けるだけの立場では得られないエンゲージメントを経験することができると考えています。授業の主役はあくまで生徒であることを

 この制度は始めたばかりなので、まだまだどのようなことが起きるのか検証中ですが、改善サイクルを回していけば1年間でさらに手応えを掴むことができると考えています。すでに初めている制度であり、生徒も認識していることなので、1年間継続すること自体は容易です。課題は、どのように質を向上させていくかであり、より多くの生徒がセカンドティーチャーになりたいと思えるような仕掛け(セカンドティーチャーの利点に関する情報提供や、セカンドティーチャーの活躍を認知しやすくするなど)を考えていきたいと思います。




③休日に美術室を開放してアーツ&クラフツ教室

 アーツ&クラフツ運動とは19世紀末から20世紀初頭にかけてウィリアム・モリスが中心となって手工芸を復興させる動きが欧米や日本など世界の多くの国で起きた芸術運動です。「生活に必要なものこそ美しくなければいけない」というモリスの理念のもと、工芸品にとどまらず建築や美術など幅広く芸術に影響を与えました。これは世の中が工業化によって便利になった反面、大量生産、低価格、低品質な変わり映えのしない同じ型の日用品が世の中に溢れるようになり、人々の美的な生活や職人の技術の価値、作り手の労働へのモチベーションに悪い影響が及ぶと考えられたことが背景にあります。そんなアーツ&クラフツ運動に影響を受けて、私が勤務する学校の美術室を休日に活用して生徒や地域の人々に創造活動を楽しんでもらい、手工業の魅力について体験できる機会を作りたいと考えています。

 現代は品質の面では良いものが多くなり、飾らないシンプルデザインも流行っているため、わざわざ時間をかけて工芸品を作るのは効率的ではないと思われるかもしれませんが、自分で作った工芸品には特別な感情が生まれます。工芸品を作る際の一つひとつの行為が自分の作品への愛情の積み重ねとなり、多少形が悪くても愛着を持って使い続けることができる品になります



 道具を使う喜びは生活のウェルビーイングに大きな影響を与えると思います。毎日使うものであれば尚更です。服など、自分では作ることが困難なものは買えば良いでしょうが、少しの手間で作ることができるようなものであれば、工芸品を愛情を込めて楽しみながら作り、長い間大切に使い続けるのも良いと思います。

 そんなアートとクラフトを楽しめる場を生徒だけでなく、地域の人々に提供する機会を作ることができれば、美術教育に対してよりポジティブな考えを持ってもらえるだけでなく、単純に美的な生活を楽しむ人が増えて、地域の状況も少しずつではありますがより良い方向に進んでいくかもしれません。また、現在学校で行われている部活動は今後地域展開していく方針(これまでは地域移行となっていましたが、現実性を考えて展開していく方針となったそうです)となっており、学校と地域を繋ぎ、教育活動に協力していただける方を集めていかなければいけません。そういった意味でも、学校と地域がつながる場を作ることには今後に向けて大切な意味をもっていると思います。

 アーツ&クラフツ教室の運営には授業でセカンドティーチャーになった生徒や美術部の生徒との連携も視野に入れて、持続可能な取り組みにしていきたいと思います。私がいなくなっても自然と継続して行われるような仕組みができれば、私が頑張らなくてもアートやクラフトを愛好する人を増やしていくことが可能であると考えています。そんな足掛かりとなるイベントを2025年はできれば複数回催したいと考えているので、早速管理職の先生と相談をしたいと思います。


 最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は2025年の抱負と目標についてまとめさせていただきました。

 初日の出を拝むために登った福山の山頂で太陽が出るのを待っていたら、総社市の市長がスピーチをして「福山に初日の出を見に登った人は必ず幸せな1年になります!」と言われていたので、今年は抱負と目標が達成できてもできなくても幸せな1年になると信じていますが、まずは日々の努力が大切だと思いますので、継続して今回書き留めた内容を取り組んで、充実した1年にしたいと思います。

 それではまた!



コメント

このブログの人気の投稿

スプレッドシートの年間指導計画に様々な要素をリンクさせ、「共有場」として機能させる

Canvaで道徳をアクティブに 〜Googleと連携して〜

Google classroomを活用した美術科における振り返り活動 vol.1

授業資料とChatGPTでGoogleフォームの練習問題を短時間で作成