岡山アート&クラフトプロジェクト 第2回ワークショップ
今回は、11月3日の文化の日に開催した、福武教育文化振興財団の助成を受けて運営している「岡山アート&クラフトプロジェクト」の本年度第2回ワークショップについて報告します。
昨年度から始めたこのプロジェクトのワークショップも、今回で5回目となりました。毎回少しずつ改善を重ねてきましたが、今年度は転勤によって活動環境が大きく変わりました。昨年度からの継続助成が決定していたこともあり、新天地となる岡山県立岡山大安寺中等教育学校の美術室を活用して活動を継続しています。
今年度は8月8日に第1回ワークショップを開催し、55名が参加。そして今回の第2回には37名が参加されました。この2回だけで延べ92名となり、昨年度に開催した3回のワークショップの延べ参加者数50名を大きく上回ることができました。多くの方に参加いただけたことを、とてもありがたく感じています。
今後も改善を重ねながら、より多くの方に造形活動を楽しんでいただける場にしていきたいと考えています。今回は、ワークショップの成果や反省点、今後に向けた展望についてまとめました。ブログを読んでくださっている方にも、ぜひ実際に参加していただけたら嬉しいです。
机ごとに明確化した各種体験
前回から各種体験の場所を机ごとに分けるようにして、参加者が水彩画やクラフトなどに取り組みやすくしていたのを今回は三角柱のミニ看板を置いて、何ができるのかより分かりやすくしました。
水彩絵具やアクリル絵具などでどのような画風になるかも分かるように、絵具と作品をセットで置いたり、レジンコーナーにはラミネートしたシートをセットするなど、作業の面でも取り組みやすい環境にしました。
特別講座のステンシル版画は難易度が高かった模様
今回のワークショップでは年賀状のステンシル版画を特別講座にしていました。ワークショップガイドに制作方法を記載し、机にも制作方法を設置。講座の最初には一通り制作方法を説明して取り組んでいただきましたが、切り絵を描く段階で小学生も大人の参加者も苦労されていました。
ステンシルは方法さえ分かれば難しいものではありませんが、切り絵をして版画にするという手順の多さゆえに、少し説明を受けるだけでは、ポイントを掴んで絵を描き、切り絵にして版画の着彩をするとことが難しかったようです。
その代わり、作品例を置いていたので、これを利用してステンシルでの着彩を楽しむ姿がたくさん見られました。できれば自分で作成した版を使って今年活用できる年賀状のステンシル版画を作成して欲しかったですが、ステンシルのお試し体験ぐらいのものでも、一応の成果にはなったかと思います。
そんなこともあり、やるならスモールステップとして切り絵体験にするか、ステンシルでは一番簡単なシルエットのみの版を作成するというようなものでも良かったかもしれません。
レジン以外のクラフトも充実
今回、これまでに見られなかった羊毛フェルトや毛糸アート、レザークラフトといった制作も見られました。羊毛フェルト初体験の参加者も立派な作品を作り、キーホルダーにすることができていました。私自身、羊毛フェルトはしたことがありませんが、参加者が制作する姿を見ながら学ばせていただきました。
木工も人気で、木を組み合わせてオブジェや箱を作っている小学生もいました。まるで積み木のような感覚で木を合わせて自由な色使いで仕上げていました。
レザークラフトで小銭入れを作る小学生もいました。男の子でしたが、とても巧みにミシンを使いこなしていました。
銅板を自由に切り抜き七宝焼体験
以前は既製品の七宝用ブローチやキーホルダーのものを用意していましたが、コスト削減と自由な形の創造ができる銅板を購入し、金切ばさみで好きな形に銅板を切り抜き、錐で穴を開けてアクセサリーを作成できるようにしました。
以前から七宝焼は人気がありますが、今回も多くの人が体験されました。焼きあがったときの歓声を聞いて、まわりにいた人が次々に七宝焼に挑戦するという感じでした。
ガラスビーズを使うと模様がどうなるか予想がつかないため、焼きあがって色が徐々に見えてくる時に思っていたものと違う模様が現れます。こういう偶然の美も楽しんでおられました。
スプレーアート
小学生がスプレーアートで絵を描いたり、クリアファイルに模様を施したりしていました。クリアファイルは用意していませんでしたが、午前中に絵画に取り組んだ際に、クリアファイルにもやりたいと言って、お昼休みの間に購入して午後に早速制作に使っていました。
スプレーをする際に箱を使うとスプレーが周りに飛び散らず、匂いの分散もある程度防げます。美術室に用意している廃材コーナーから空き缶やスプレー缶のキャップなどを持ってきては、それを絵の上にセットしてスプレーを吹きかけていました。
スプレーアートは手軽にできますし、何かものを置いて構成画にすることもできます。ステンシルとの相性も良く、中学2年生の授業で和柄を生かしたステンシル版画をしているので、和柄をクリアファイルにスプレーで施すのも良いかと思います。
反省点
今回はこれまでに見られなかった取り組みもたくさんあり、過去4回のワークショップの反省を生かして一定の成果は出せたと思います。ただ、今後にむけて依然として課題もあるので、反省点を整理しておきたいと思います。
1 絵具の使用環境
今回も水彩(透明・不透明)とアクリル(透明・不透明)のコーナーを用意していましたが、粘土や木工でも絵具が必要なケースがあり、そういう場合に水彩とアクリルのコーナーから絵具を持ち出されることがありました。木工や粘土にはアクリル絵具を使うべきですが、その認識は参加者に共有されていませんでした。
絵画関係のコーナー以外にもアクリル絵具を用意しておくことで、参加者が迷うことなく絵具が必要なときに使えるので、今後は絵画コーナーよりもグレードを落としたアクリル絵具を用意しておこうと思います。
2 道具と材料の区別
木工コーナーに彫刻で使う手作りの彫刻用作業台を2つ用意していましたが、これがまさかの木材と勘違いされて、気が付いた時には2つとも作品のパーツになっていました。
今回は笑い話で済みましたが、保護者の方は申し訳なさそうにされていたので、今後は区別がつくように、作業台に「彫刻用作業台」と明記しておきたいと思います。
木工コーナーをセットしたときに、もしかしたら材料として使われるかも・・・という不安が実はよぎっていたのですが、悪い予感は当たるものですね(苦笑)
3 七宝絵具の白とCMCが間違えられる
七宝焼は前回も体験した方が何名かおられたので、前回ほどこちらが手解きせずとも良い感じに制作に取り組まれていました。作業の説明を用意して、絵具もある程度洗って準備した状態で臨んだので、参加者は銅板を切り抜き、サンドペーパーで磨き、裏引き絵具を盛り、表面に七宝絵具を盛るという流れでスムーズに制作が進んでいました。
ところが、途中で白絵具が尽きて、必要分を容器に補充する必要が生じたときに、白絵具とCMC(セルロースの一種で粘度を高める物質)を間違えて入れた方がおられたようで、容器がコテコテになって使い物にならないCMCの塊が生まれてしまいました。
CMCと七宝焼の白絵具は一見同じものに見えるため、同じ場所に置いておくこと自体がNGであることは分かっていたので、CMCは七宝焼関係の道具箱に入れ、絵具は外に出して分けてはいたのですが、一旦目に入ってしまうとCMCは白絵具と認識されても仕方ありません。なので、今後は参加者の目に触れないところにしまっておき、もし必要が生じた時には、こちら側で出すようにしたいと思います。
4 レジンクラフト用に用意したヒートンが脆過ぎた
レジンクラフトをキーホルダーにする人は多く、この場合、レジンを固めた後に最後にヒートンをねじ込みます。ヒートンは100均で購入した繊細なものだったのですが、これがねじ込む際に内部で折れるという悲劇が起きました。
これでは話にならないので、ドリルで穴を開けたところにヒートンを差し込んで、レジンを再度流し込んで固定するという方法をとったのですが、そもそもヒートンがまともならこんなことは不要なので、今後は折れにくい少し良いものを用意しようと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。今回は第2回ワークショップの成果と今後に向けた課題についてまとめさせていただきました。今後第3回を前任校の倉敷市立北中学校で12月25日に開催します。もし、今回の内容でワークショップにご興味を持たれた方がおられましたら、こちらのリンクからお申し込み可能です。
これからもワークショップの運営を改善して、参加される方により楽しく充実した時間を送っていただけるように努めていきたいと思います。
それではまた!




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